5月3日、4日、5日の3日間にわたって開催された、
第24回世界コンピュータ将棋選手権は、
2次予選を8位ぎりぎりで通過したAperyが大逆転で初優勝しました。
決勝トーナメントは二次予選の結果1位から順に、
激指、NineDayFever、ツツカナ、Bonanza、ponanza、YSS、N4S、
Aperyの8ソフトで決勝リーグが争われる事になりました。
YSSの山下さんはなんと渋滞に巻き込まれ、二次予選の初戦を不戦敗となり、
最初の4局で1勝3敗と絶体絶命の危機に陥りましたが、
そこから5連勝で決勝トーナメントに勝ち残り、
解説の勝又六段にゾンビと言われてました。
これで19年連続決勝リーグ入りですから、毎年安定して強いですね。
その他ではツツカナがトラブルによりノートPCで戦うことになりましたが、
それでも3位で二次予選通過とやっぱり強いです。
また、ponanzaがネットワークトラブルで2回負け、新しい事をやる難しさが伺えます。
習甦はマシントラブルにより本来の力が出せず、
二次予選を4勝5敗で敗退となりました。
GPS将棋は今回クラスタ化をせずに挑みましたが、
5勝4敗の11位で二次予選敗退になりました。
決勝リーグでは前日のトラブルを修正したponanzaが5連勝とし、
3勝2敗でAperyとNineDayFeverが追う展開で、
これはponanza優勝かと思われましたが、これが波乱の幕開けでした。
6回戦のponanzaとAperyの直接対決で、
解説の遠山五段がAperyが優勢なのではという局面で、先手Aperyは評価値+300、
後手ponanzaも+180とお互い自分がいいという評価で割れました。
その後Aperyが+1000点だという局面でも、ponanzaは-80だと言い張り、
どちらが正しいのかという将棋になりましたが、
Aperyと遠山五段が正しくて直接対決を制し、Aperyが最終局まで望みを繋ぎました。
また、最終局もponanzaが+300、YSSも+420とお互い自分がいいという評価になりましたが、
YSSがらしからぬ猛攻でponanzaを押し切り、
勝又六段「YSSの事昨日ゾンビって言っちゃったんだけど今日は死神ですね」
これでponanzaが5連勝からの連敗でAperyと勝ち星が並んでしまい、
直接対決の結果が効いてAperyの初優勝となりました。
YSSは優勝を争ったponanzaにもAperyにも勝っているので、確かに死神ですね。
また、Bonanzaは二次予選と決勝でNineDayFeverに連勝しましたがponanzaに連敗、
といったように将棋ソフトの間でも相性があるようです。
第24回世界コンピュータ将棋選手権結果
1位 Apery(5-2)
2位 ponanza(5-2)
3位 YSS(4-3)
4位 NineDayFever(4-3)
5位 激指(4-3)
6位 Bonanza(3-4)
7位 ツツカナ(3-4)
8位 N4S(0-7)
ツツカナはノートパソコンで決勝リーグは流石に厳しかったですか。
最後に新人賞と独創賞が発表され、
新人賞にN4S、独創賞はNineDayFeverとなりました。
PonanzaはPonaXが5月30日発売となりますが、アピールできたかな?
マイナビ 将棋新世紀 PonaX
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