棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

豊島将之

王座戦第1局は羽生善治王座が豊島将之七段を下す

羽生善治王座に豊島将之七段が挑む第62期王座戦第1局は、
振り駒で先手になった羽生王座が豊島七段を破り先勝しました。

対局開始とニコニコ生放送の開始時間が9時、大盤解説が13時からでしたが、
午前中から異様な対局になりました。
両者とてつもないハイペースで指し続け、
11時くらいの段階では日曜日のNHK杯の11時くらいの局面になっていて、
結局午前中だけで89手も進む異様なペースで対局が進みました。
89手目に羽生王座から新手を放ち、そこで豊島七段が考えて昼食休憩になりました。

ニコニコ生放送では13時から解説が真田圭一七段、
聞き手が藤田綾女流初段で大盤解説がスタートしました。
真田七段曰く、豊島七段はタイトル戦が2回目だが、
最初のタイトル戦は振り飛車党の久保九段だったので、
前回とは違った楽しみのあるタイトル戦なのではとのこと。
初手から解説になりましたが、
最初に後手の豊島七段に急戦矢倉にするか持久戦にするかの選択肢があって持久戦、
次に羽生王座にどんな攻撃陣形をとるのかという選択肢があって、
▲4六銀▲3七桂戦法を選択しました。
真田七段「もうちょっと気の利いた名前がないかな、符号を言ってるだけだから」
現局面まで進んでからは、
ちょっとした手順の前後でその後の展開が大幅に変わってしまう、
という変化をじゃんじゃん解説していました。
羽生王座から手を変えましたが豊島七段も当然研究済みのはずと真田七段。
90手目の局面での視聴者アンケートは、
羽生王座24.6%、豊島七段36.4%、ニャンとも言えない39.0%と、
羽生補正を物ともしない豊島補正が見られました。電王戦パワーなのか。
真田七段は後手で相手に動いてくださいというタイプだそうです。

質問メール
棋風という言葉を耳にするが、自分の棋風を動物に例えると何ですか?
真田七段
自分から手を出さないので動物で言うと何になるのかな。
多少パンチを入れられても倒れないぞという感じの動物だと何かなあ。
打たれても倒れない系の。何だろう。
藤田女流
私は攻めるのが好きなので、一撃を入れる系は何ですかね。
サニキ
ライオン?ライオンは2分くらいしか追いかけられないらしいよ。
攻め好きと言うのは基本ライオン系じゃないかな。

加藤一二三九段がうな重ではなくエビフライ定食を頼んだが、
その時の対局相手は真田七段だった。何かありましたか。
真田七段
何を頼んだのかはまったく気づかなかった。
自分が対局じゃない方が僕も注目していたと思う。
ただし感想戦では加藤先生は上機嫌だった。
先生はすごく一生懸命な時とやだという時とムラがある。
僕は相手の戦法を受けて立つところがあるので、
加藤先生は感想戦を結構一生懸命やってくれる。
横歩取りとかは多分感想戦やってくれない。

ここで羽生王座が飛車を取り、真田七段
「切りあって終わりという局面から遠ざかった。
中盤の終わりから終盤の入り口あたりに戻った感じ」

リラックス方法は何ですか。
だいたい対局2日3日前くらいからパターンがある。
理想はマッサージとかサウナとかに入っておきたいが、僕は映画を見る感じ。
大阪の対局だと前日に大阪入りして映画を見るときもある。
最近はルーシーも見た。
そこでコメントに藤田女流はホラーが好きと書かれ、
昔バタリアンとか、あとゾンビ系も見る。
藤田女流はゾンビ系にすごいはしゃいでいました。多分大好きなはず。
最近はムカデ人間を見たらしい。

勝負飯というのはあるか。
昼麺類で夜ご飯ものと決まっている。
持ち時間に合わせて、長いときは前の日の夜にもしっかり食べる。
3時間以下ならそこまでじゃないような。重め軽めという基準で考える。

ここで福崎九段からティロフォン。
藤田女流「先ほど検分の写真で」
福崎九段「ちゃんと仕事してるでしょー?」
研究の将棋なのでほんとにお互い真っ向勝負。
ホテルは関西の棋士、女流棋士もたくさん来ている。
途中で寝てしまうほど熱心にやってる。
将棋連盟からも近いし今の若手は熱心な方が多いから頼もしい。
昔は一人でやってたから我々も楽しい時代になりましたね。
奨励会のこも来てるし女流もきてるし香川王将もきてるしそうそうたるメンバー。
お二方真面目に楽しく頑張ってください。

福崎九段はコメントでも面白いと絶賛でした。
言い方も面白いんですがなかなか文章では書けないっす。

今の将棋界はたくさんの親子、夫婦がいますが、
一緒に解説しているのはみたことありません。
真田先生が夫婦で解説しないのはなぜですか。
だめってことはまったくない。やったこともある。女流名人戦とかやった。
子供が産まれてまだ小さいので、夫婦で空けるのは難しいから今は夫婦でやってない。
及川くんと上田さんも今度やるし、嫌ってことはないと思う。
子供が大きくなったら、今までも解説してたのであると思う。

その後の解説ではもう止まらない真田七段。
ずーっと大盤を使って駒と口と頭を動かしまくってました。

後手玉が安定したので、駒の配置の意味を切り替えて、
局面を切り替えてみるための時間がいる。
先手が攻めるにしても、
後手玉に駒を近づけていくのか、飛車を攻めつつ遠巻きに行くのか、
全体のバランスを捉えてどの迫り方が有効なのか手を選ばないといけない。
後手が一番激しく攻め合いに来た時の速度とかも見ないと。
なのでここからは指し手がスローペースになる。
羽生さんの場合は、
相手がねじりあいになったときどういう手を好むのかというのを見てくるので、
第2局以降に影響がある。
初戦は豊島さんは勝っておきたい。
豊島さんは勝っても油断してはいけない。
3局目4局目あたりになると羽生さんはまったく別人みたいになる。
相手の癖をつかんでしまうから。
後になればなるほど相手の傾向を掴んで、将棋の内容もどんどんよくなる。
昔大山先生もそうだったらしく、番勝負で1局目は負けるがその後4連勝ということがある。
もう分かったとばかりに5局目とかになると圧勝するのがパターンだった。
番勝負の最初にリードしておくに越したことはなく、ここからの内容は非常に重要。

どちらが優勢かアンケート
羽生王座39.6%、豊島七段25.4%、ニャンとも34.9%。
羽生王座が攻めっぱなしの豊島七段が受けっぱなしなので、
豊島補正が消えてしまったのかもしれない。

この後は真田七段の、時には羽生研究家かとも思えるような解説で独壇場でした。
真田七段
羽生さんが今タイトル戦真っ最中の王位戦の2日制と、
王座戦の1日で5時間の対局は相当違うので、羽生さんの将棋の作りも変わる。
名人戦では封印していた横歩取りを棋聖戦では解禁するなど、
持ち時間によって戦型から変えてくる。
長考する豊島七段についても、
この局面は残り時間が1時間あれば乗り切れるくらいなので、
何時間使ってもここで主導権を握れるかどうかが問題と解説。

豊島七段は15:47分くらいにようやくおやつを食べ始める。
真田七段「しばらく指す気ないぞってことですね」

その後段位の免状の話に。
谷川十七世名人、森内十八世名人、
羽生十九世名人の名前が並んだ豪華な免状になっているのでぜひとのこと。
真田七段がプロ棋士の免許状(アマは免状)をご開帳。
名前が将棋連盟会長のだけというのが違うみたい。
和服で木の盤というのは、
江戸時代からやってきたことを伝統で守り続けているという意味がある。
免状も同じく江戸時代の名人が発行したものなので、
和紙を使って手書きでやって伝統文化を形にしているという意味がある。

ここで次の一手アンケート。
真田七段によると、受けの手は一長一短があり、
純粋にプラスだけという手を見つけにくい状況で、
展開によってはマイナスになってしまうとのこと。
攻める手は意味がはっきりしているので、
勝てるかはどうかは分からないがプラスではある。
と解説している間に豊島七段は△9六歩と端から攻め合い。
真田七段「これは第一感で浮かぶ手ではなく、
良くも悪くも羽生王座の▲4一飛と豊島七段の△9六歩の2手は両者の個性がでた」
その後の検討で
「△5九銀不成では勝てないから消去法で出た手なのかもしれない。
先の先まで読んでこの手でいいということであれば、それはものすごい読みの質と量」
また、この手は理論じゃないので羽生さんもそんなに考えないですよと言い、
その通り羽生さんはさほど考えずに▲同歩。
豊島七段もさほど考えずに△5九銀不成。
端歩は終盤に向けて、先手玉が詰む変化をたくさん仕込んだということらしい。
羽生さんが切り合いにいくと見せて、
局面を落ち着かせるみたいな展開になれば羽生さんが優勢、
切り合いならもうどっちかが倒れているという形勢判断になる。
先手の6六の桂馬がいなくなって、先手玉がそちらに逃げる展開になれば羽生さんがいい。
真田七段は羽生王座が切り合わない展開にして優勢になるのではという見解。
ただし豊島七段は明確に切りに行った。きちんと受ける気はさらさらない。
1歩渡すと、その歩がと金になるので歩でも渡すのは大きい。
豊島七段は過激に行ったので、
羽生さんはお互いの詰む詰まないをはっきり読まなければならなくなった。

ここで羽生王座は66の桂馬をどかしつつ飛車取りに当てる▲7四桂。
サニキは羽生研究家なのか。
▲7四桂はすぐに指されたので、この早さは気になる、
他のたくさんの手をどういう理由でこんな短時間で切り捨てたのだろうとのこと。
豊島七段がどこに飛車を逃げるか、9筋だと攻めに使うことになるし、
3筋は守りに使うことになるが、
どちらにしてもそんなに短時間で読みきれるわけではないので、
時間があるのにあっさり指したのが不気味。羽生王座の自信を感じるとのこと。
ここで席を外す豊島七段。流石に意外な手だったか。
真田七段
「手が広い局面からの、
▲4一飛から▲7四桂という関連性がなさそうな手順を描けるのは才能」

豊島七段は長考の末攻撃的な▲9二飛を選択。

羽生王座の▲4一飛から▲7四桂は読みに無い手だったはずなので、
豊島七段が細い正解の糸を手繰り寄せなければいけない正念場。
未知の局面になってからバランスを崩さないというのが将棋の強さ。
羽生王座は豊島七段の研究にバランスを崩さずについていっている。

豊島七段が残り1時間を切ったところで夕食休憩に。

休憩明けに豊島七段は切り合いを挑む△6六歩。
しばらく手の解説をした後に真田七段
「自信もってやればすごい手ですよこれは」
羽生王座の攻めを呼び込んで勝とうという手で、
針の穴ほどの漏れもあってはならないとのこと。

ここでティロフォン。香川女流王将から。
朝から検討とタイトル戦の空気を勉強しにきたとのこと。
谷川会長、淡路九段を始めたくさんの棋士が検討しているらしい。
若手は△7一歩が有力ではないかと思っていてその先を検討していた。
控え室は先手持ち。

ここで夕食の話題に。
真田七段曰く対局中の食べ物は本当に味がわからないらしい。

さらに解説を進めると、
△6六歩は切り合いの他に後手玉の入玉を助ける意味もあることが判明。
しかしその後検討を進めると、重要な局面で先手玉が詰まないことが分かり、
豊島七段は自信があるのではなくて修正案、頑張りに行った手と真田七段。
豊島七段が中盤に指した△9六歩と▲同歩が入っているせいで、
先手玉が打ち歩詰めの順に逃れることが分かり、
△9六歩の後に豊島七段に予定変更があったのではとのこと。
この後はっきりと羽生王座に形勢が傾きました。
真田七段
「先手に一手余裕があって、相手の王様を寄せればいいというのは、
将棋をやってて一番楽しい時。
だいぶ羽生さんの顔に余裕が出てきた。将棋やってて一番楽しい時間だから。
後手も一手間違えたらわかりませんよという体勢だが、相手に楽しまれちゃうんですよ。
今日1日頑張った甲斐があったなあという時間帯」

羽生さんが席を外しして真田七段
「測ったように自分が勝ちになった時に席を立つのが羽生流、って藤井さんが言ってた。
棋士は自分は癖がないと思っているものなので、羽生さんも気づいていないと思う。
将棋はお互い苦しいという局面があるので、
苦しいと相手に悟られると相手に勇気を与えてしまうから、
苦しい思っていることは悟られないようにしないといけない。
優勢の場合は悟られても関係ない。最善手を指し続ければいいから」

まとめに入る真田七段
「実戦心理や勝負のあやというのが良く出た将棋で、今後も同じ局面が出てくると思う。
羽生さんはどこまで行っても局面のバランスを保っていることが多い。
この対局もこの一手で豊島さんを倒したと言うよりは、
上手くついていって結果端歩を逆用したような形になって勝つことになった。
豊島さんも伸び代をものすごく感じる。
読みの絶対量が豊富で、今日も自分から動いて倒れてしまっただけなので、
この辺のバランスが取れるようになったら羽生さんにとっても相当難敵になるはず。
大きな対局ばかりが続くと、体力はきついが頭は冴えてきて、
そういう状態にならないと入らないスイッチが入るんだ、って中原先生が言ってた」

豊島七段は何と角のただ捨てに。
投了図を美しくということではなく、若手らしく泥臭く、
少しでも勝てる可能性のある手を指そう、
自分から負ける手は指したくない、という意図なのではとのこと。

そしてここでも席を外す羽生王座。羽生流ですな。
真田七段「こういうのは戻ってきて比較的すっと指しますよ」
羽生王座は戻ってきたら予言通りにすっと▲3三金。
羽生研究家もここまでくると凄すぎます。
豊島七段は周囲をきょろきょろしたりぼーっとしたり水を飲んだり、
盤上没頭ではなく心の整理の時間帯に。
10分くらいの残念棒の後に豊島七段の投了となりました。

真田七段
「本当に密度の濃い将棋。
研究局面から羽生さんが新手を出して、
この一局でこの局面の奥の深さを感じさせてくれる、
またプロの対局にも出てくる予感を感じさせる将棋だった。
次は豊島七段の先手なので矢倉か角換わり、
豊島さんが角換わりを目指して羽生さんが受けて立つ展開になると予想します」

今日は最後まで真田七段が解説しっぱなしで、
とても将棋の勉強になった気がする1日でした。
女流棋士ですと伊奈川愛菓女流初段の羽生ファンっぷりが有名ですが、
男性棋士筆頭は真田七段かもしれません。
この二人で羽生さんのタイトル戦の解説をするとどうなるんだろう、
という怖いもの見たさも出ました。
指し手やら癖やら席を立つタイミングやら、おやつのメニューや食べるタイミングなど、
いろいろな羽生さんの行動を予言、的中しまくる狂気解説になるのかもしれない。

今日の将棋は関西の若手棋士の間で研究されていた局面になったようで、
現地に行っていた大石直嗣六段が豊島七段との研究会で経験したことがあるそうです。
当然後手良しという結論だったから豊島七段がぶつけたわけで、
それを羽生王座が跳ね返したという格好になります。
羽生さんは将棋の強さを、
未知の局面で最善に近い手を指し続けることができる力と表現していますが、
真田七段の、羽生王座は豊島七段の研究にバランスを崩さずについていっている、
という言葉もそれを感じさせてくれるものでした。
羽生王座は今年度に入ってから、タイトル戦に出ずっぱりなのに勝率1位、
という意味不明な強さを見せています。

493
これが山崎八段が言った、勝ったくせに怒っているというやつなんだろうか。
写真は王座戦中継Blogより

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PV 第62期王座戦 羽生善治王座 vs 豊島将之七段

将棋 第62期王座戦 羽生善治王座 vs 豊島将之七段 PV


今月4日から始まる第62期王座戦五番勝負、羽生善治王座対豊島将之七段のPVです。
羽生王座は1992年が王座初タイトルで当時22歳、
豊島七段はまだ2歳の時で、そこから怒涛の連続19期、
通算21期と王座戦は羽生さんの土俵と言ってもいいくらいの相性の良さです。
しかし去年は中村太地六段を相手に3勝2敗1千日手と大苦戦。
羽生さんは勝ちを確信すると手が震えるという有名な話がありますが、
初めて手が震えたのも2003年の第51期王座戦で、
2勝2敗1千日手で迎えた最終局、相手は渡辺明二冠(当時五段)でした。
去年の中村六段は研究で優劣がつきやすい角換わりで2勝、
豊島七段も対局後のインタビューで、
「五番勝負はしっかりした準備をして頑張りたい」と述べていますから、
オールラウンダーの豊島七段がどんな戦型をぶつけるのかも注目です。
動画では小学生プロ誕生かとも騒がれたとありますが、
豊島七段は小学校3年生の9歳でアマ六段、奨励会に6級で入り、
小学校5年生の11歳で奨励会1級ですから騒がれるのもうなずけますね。 

ニコニコ動画では9月4日に生中継、
解説がサニキこと真田圭一七段で聞き手が藤田綾女流初段です。
羽生さんは今年度名人戦、棋聖戦、王位戦とタイトル戦に出まくっていて、
それでもこれまで17勝3敗、勝率.850という意味不明な強さですが、
豊島七段が絶好調な羽生王座にどう挑むのか、今から待ち遠しいです。

関連リンク

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第3回電王戦第3局 豊島将之七段 vs YSS 大盤解説

第3回電王戦第3局 豊島将之七段 vs YSS 大盤解説


今年の3月末に対局された電王戦第3局、豊島将之七段対YSSの対局を、
野月浩貴七段が解説してゲストに小籔千豊さんが来た時の動画です。
小藪さんは池乃めだかさん主催の将棋大会めだかっぷで優勝したという、
強いんだかなんだかよくわからない経歴だそうですが、
将棋ウォーズは1級で、将棋道場でも指しているそうです。
携帯いじりながら指していた小学生に負かされたと笑いを取っていましたが、
多分将棋棋士は結構な割合でそんなことしているような。
携帯ではなくマンガとかでしょうけど。
小藪さんは流石芸人で、
視聴者の方が思っていることをきちんと言葉に直して野月七段に話しています。
次の一手で小藪さんが▲3九金と言いましたがこれも正解で、
実はめだかっぷはレベルの高い将棋大会なのかもしれません。
野月七段の解説も名解説ですが、それを千里眼は上手な言い方だと思いました。

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豊島七段&YSS vs ponanza&ツツカナ&習甦

「豊島将之&YSS」 対 「ponanza×ツツカナ×習甦」 @ニコニコ超会議3 1/3


「豊島将之&YSS」 対 「ponanza×ツツカナ×習甦」 @ニコニコ超会議3 2/3


「豊島将之&YSS」 対 「ponanza×ツツカナ×習甦」 @ニコニコ超会議3 3/3


ニコニコ超会議3超囲碁・将棋・電王ブースより、豊島将之七段とYSSのタッグが、
ponanzaとツツカナと習甦の合議制タッグと対局する動画です。
コンピュータは意見が割れた場合は多数決、
3者で分かれた場合は電王ということでponanzaの指し手が採用されますが、
序盤の定跡の駒組みの段階から習甦が違う意見を言ったり、
ponanzaが積極的に桂馬を跳ねる手を言ったりと棋風が出ていて面白いです。
定跡手順でも意見が割れるのですから、
将棋を指したいけれど定跡を覚えるのが大変そう、という方には頼もしい傾向でしょう。
将棋は角換わり同型という、
先手がいいのではないかと今のところ言われている形になり、
もしこれで後手が良くなったら生活にかかわってくる、
と解説の佐藤天彦七段が言ってましたが、なかなかどうしていい勝負になりました。
中盤からは人間的と言われるツツカナと、やんちゃなponanzaと、
形に明るい習甦と、指摘する手が分かれるシーンも目立ち、
将棋は結構いろんな手が可能性としてあるんだなということが分かります。
ただしponanzaはやんちゃなだけでなく、豊島YSSタッグの読みに無い受けの手を見せて、
それでYSSの評価値が後手になってしまったといったこともあり、
電王の強さを見せてくれました。
私は終盤は計算の世界なのでコンピュータの意見は一致すると思っていたのですが、
実際にはばらばらになることもあって意外でした。
佐藤七段の解説はとても面白いですね。
2012年にニコニコ生放送で解説していますが、タイムシフト期間が終了してるんですよね。
第38期ユニバーサル杯女流名人位戦の解説を見たことがあるのですが、
将棋に取り憑かれてるような解説で、
将棋の話だけなのに口も手も止まらないといった様子でとても楽しかった記憶があります。
タイトル戦の解説にも挑戦者としても登場して欲しい棋士です。

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第3回電王戦第3局、豊島将之七段対YSS

コンピュータと人間が将棋で戦う第3回電王戦第3局は、
豊島将之七段がYSSに勝利し、棋士側の1勝2敗になりました。

YSSの山下宏さんはスーツで登場。
というより現地のカメラが急に放送されたといった感じで、
あわててカメラの前から退場していました。
豊島七段は部屋から出るところから放送され、BGMが登場曲みたいでした。
55階からの景色は絶景でしたが、
豊島七段は背中に窓がある位置取りで景色が見えないポジション。
電王手君は景色を楽しむ機能もあるんだろうか。

ニコニコ生放送では解説が久保利明九段と野月浩貴七段、
聞き手が村田智穂女流二段でした。
久保九段と村田女流は淡路仁茂九段の兄妹弟子で、
会場も大阪だから野月七段がアウェー?なんでしょうか。
事前情報によると3手目に注目とのことで、
豊島七段が先手番だから何か珍しい戦法でもやるのでしょうか。
豊島七段うちわを振る会場のお客さん。
おばあちゃんまでうちわを振っていて孫を応援しているみたいだ。
現地リポートは香川愛生女流王将で、対局室は地上258メートルの絶景とのこと。
番長というコメントについては香川女流「ちょっと記憶にございません」
読み上げが長谷川優貴女流二段、記録が室田伊緒女流初段。関西の本気である。
東和男常務理事(七段)に立会人は井上慶太九段、観戦記者船江恒平五段。
関西の超本気である。
勝者予想アンケートは豊島七段が8割くらいで、
会場でもアンケートですが、村田女流「YSSが勝つと思う人…、なるほど、勇気ある」
豊島七段の人気と棋士側が0勝2敗ということでの判官びいきパワーもあって、
YSSえらいアウェーです。
対局開始時の電王手君のお辞儀に微動だにしない豊島七段。
これが隙が無いということですか。
初手▲7六歩にYSSが△8四歩とちょっと確率が低い目が出て、
注目の3手目を指す前に豊島七段が上着を脱ぎます。
これが作戦かとコメントが多く出ましたが、もちろんそんなことは無く、
▲2六歩で相居飛車の将棋になりました。
事前の予定では後手が△3四歩なら▲9六歩と指し、
相振り飛車にする予定だったらしいです。
相手が居飛車なら相居飛車の将棋にする予定とのことです。
これまでの2局は居飛車対振り飛車の対抗形で棋士が負けてますから、
コンピュータの対抗形は強いということなのでしょう。
豊島七段に角換わりか横歩取りがの選択肢がありましたが、
横歩取りの将棋を選択しました。
横歩を取ったところで豊島七段が席を立ち、YSSは長考します。
長考も想定して席を立った?
今日の評価値はponanzaですが、横歩を取ると既に先手が102点になりました。
豊島七段は序盤はほとんど時間を使わずに温存する作戦のようで、
時間を使わずにぽんぽん指します。
視聴者の年齢アンケートは20歳~34歳が52.8%。ニコニコユーザーもこんなもんかな?
YSSが△6二玉と飛車の方に動かし、これが珍しい手でponanzaは豊島七段+274の評価。
あまり指されない手のはずですが、豊島七段はこれにもさくっと角交換し、
研究にも隙が無いことを示してくれました。
後から△6二玉は5%くらいの出現率だとわかりましたが、
そんなところまで研究済みなんだろうか。
豊島七段は角交換にYSSが△同桂と取ったところでもさくっと角を敵陣にうちこみ、
いきなり大勝負にでましたが、腕を組んで涼しげな表情です。
中継リポートではあべのハルカスの検討室は20階にあるらしく、遠山五段登場。
遠山五段「そうですねー。激しくなりましたねー。」
野月七段「それプロのコメントじゃない。」
豊島七段はコンピュータ将棋の勉強会でもかなり詳しかったらしく、
早い時期から3手目は▲9六歩と決めていたらしいです。今回は不発でしたが。
遠山五段と香川女流は何故か将棋連盟モバイルを深夜の通販番組みたいに宣伝します。
大阪という場所がこうさせるのでしょうか。
解説会場には小籔千豊さんが登場。
ニコニコの「手数を当てたら100万円!最強将棋芸人VS電王ponanza」という番組で、
ponanzaに2枚落ちで勝っている芸人さんで、将棋ウォーズで1級らしいです。
得意戦法は?と野月七段に振られて、
坂田流向かい飛車と右四間飛車の形をちょっと解説して会場では拍手。
将棋道場でも指すみたいですが、
小学生が携帯いじりながら自分と指していたのにぼこられたと笑いを取っていました。
先崎学八段は子供の頃にマンガを読みながら指して大人を倒していたそうですが、
今は携帯をいじるんですね。
野月七段と小藪さんで、
こうなったらどうするんですか?(ちょっと先手が困っていますよね?)
と小藪さんが聞いた局面から野月七段が先手を持って対決することに。
野月七段も解説名人だと思いました。
小藪さんは池乃めだかさん主催の将棋大会めだかっぷで優勝したこともあるらしいです。
棋力チェックはルール知らない4.8%、たぶん小藪さんより弱い55.3%、
たぶん小藪さんと同じくらい18.2%、絶対小藪に負けない!21.6%。
盤上では33手目で早くもponanzaの評価値が先手の482点になります。
豊島七段がいきなり斬りに行ったからなー。
小藪さんは森信雄七段と年賀状のやりとりをしていて、
山崎八段(森信雄七段門下)の昇段パーティーにも行ったらしいです。
その後も小藪さんが指摘した手が激指し最善手で、
豊島七段もその手を選択するなど将棋も凄いというところを見せ付けていました。
指摘した手順は敵の飛車が自陣に成りこむ手を受けずに、
むしろ成り込む手をせかして呼び込む手なのでなかなか強いと思います。
現地から井上九段と東七段登場。
井上九段「豊島さんはいとおしい顔で電王手君見てましたよ。」
小藪さん「ほんまかいな。」
東七段「稲葉七段と△6二玉の将棋を調べていたらしい。」
東七段「すこし先手持ち」
井上九段「だいぶ先手持ち」
YSSが△8八歩と指すと野月七段「千日手あるんじゃないですか?」
かなり手数を進めて4九の地点で千日手になる解説が始まり、
そんなとこまで見てるのかと会場もコメントも驚いていました。
そして豊島七段がponanza評価値568点、
持ち時間4時間32分残して昼食休憩になります。
YSSの残り時間はは3時間35分。
次の一手クイズで小藪さんは▲3九金を予想し、
野月七段がこれは解説しようとしていた本命の手と太鼓判。
それじゃ他の候補をということで野月七段は▲8八金、村田女流は▲8八銀を指摘。
現地中継から▲3九金は控え室でも有力視されていたらしいです。

私は昼食休憩中にローソンへ。
関西ちっくなやつを買えば当たるはずという読みでしたが、
関西風味なおやつは何も無かったので、
散々迷ったあげくふんわりワッフルベルギーショコラを購入しました。
ベルギーは関西だ、と100万回唱えればきっと関西になるはず。

昼食明けは久保九段と村田女流で関西弁な解説になりました。
会場ロビーでも詰め将棋が出題されていて、
先ほど浦野八段が答えなんやねんと聞かれていたそうです。さすが大阪ですね。
豊島七段や山崎八段をいけめんですねーと紹介すると、
お客さんから久保さんもいけめんやないですかとのつっこみ。
関西弁の解説になるとお客さんも大阪なノリになるんですね。
現地から糸谷哲郎六段が登場。
午前中から来たのですがハルカスでちょっと迷子になったそうです。
YSSは△6二玉が違和感のある手で、恐らく事前研究が進んでいた局面なのではとのこと。
現局面は豊島七段が優勢。
糸谷六段の宣伝「来週の4月13日に」香川女流「来週じゃないです」
京都で西遊棋のイベントがあるそうで、
電王戦についてのトークショーなどをするそうです。申し込み制なのでお早めに。
「怪物くん」と呼ばれる糸谷六段ですが、
「番長」こと香川女流に押されてたじたじでした。
電王手君を造ったデンソーチームも出演。
1月中旬に話が来て、不安だらけだった。
最初に駒の画像認識を担当する会社に駒を送り、
なんとか認識できるとの話だったので話を進め、
2月の中旬くらいにはいけるかなーと思った。
電王戦を見た息子に、お父さんそんなことやってたのと言われたのは嬉しかった。
自分がしっかり仕事をすると共に、
チームを信頼するというのが仕事を達成するうえで大切なこと、との開発技術者の話。
現地からの中継が終わると、
まだ13時半になる前でしたがponanzaの評価値は902点にまで上がります。
豊島七段が大優勢との評価です。
詰め将棋のプレゼントのサインを本に書いている最中の久保九段の横で、
村田女流「くだん…く…ぼ…読まんでいいですか?」
久保九段は通天閣の将棋祭りで替え歌を歌ったりしてたらしく、
将棋のイベントでも土地柄がでるなあと思いました。
YSSがと金をつくると豊島七段はうなじをぽりぽり。
大舞台でも飄々としているのは心強いですね。
どこに住んでいるかアンケートは、
北海道4.5%、東北5.4%、関東42.8%、中部13.1、近畿15.4、中国4.6、四国2.2、
九州沖縄6.8%、その他5.1%。近畿頑張れとの声があがりました。
盤上ではYSSの竜を豊島七段が捕獲し、いよいよ磐石の態勢になります。
メールコーナーで、
A級にむけて意気込みを聞かれた久保九段「勝ち越し目指して頑張ります」
護摩行の修行をしていたという話については、
「A級に初めて上がったときに根性を叩き直そうとして、
鹿児島の最福寺で護摩行をした。凄い熱い。
若かったので一番きついところでお願いしますと言って水ぶくれができた。
記憶が飛びそうになる、念仏となえてるから倒れないでいられる。
2時間くらいやってそれ以来行ってない。」とのこと。
何とイギリスからもメール。現地は真夜中らしいです。
コンピュータについて電王戦前と見解が変わったかという質問には、
「日々進化している感じがする。安定感が違う。
多少ミスかなという手が出てもふみとどまり、大きなミスがない。」とのこと。
質問メールが標準語だからか関西弁から標準語に解説が戻りました。
控え室から斉藤慎太郎五段と宮本広志新四段と千田翔太四段が出演。
豊島七段が優勢と勝勢の間くらいで、読みきられたのではないかとのこと。
まだおやつ前ですがずいぶん強気な形勢判断ですね。
その後もインタビューをしようと香川女流とカメラが動きますが、
近づくと逃げる控え室の方々。
そこで井上九段と谷川会長のテーブルへ。香川女流も流石に緊張していました。
谷川会長
「午前中は生放送をみてゆっくりくるつもりだったが、
いきなり戦いになったのですぐに来た。
豊島七段は相当事前準備や研究をしてきていると思う。」
その間にYSSが△1四金と端に持ち駒の金を打つ変な手を聞いて固まる谷川会長。
「コンピュータのこういう手は久しぶりに見ました」
観戦記担当の船江五段は、
「観戦記は初めてなので、出たものにしかわからないようなお話を書ければと思う。
流石に豊島さんがこの将棋を負けることは無いんじゃないか」
ponanzaも2006点とかなりの大差になりました。
そしておやつタイムですが、豊島七段はおやつを2個頼んだらしいです。
豊島七段が食べ始める前におやつガールが2個目を持ってきたので、
もう?となりましたが、観戦記者の船江五段におやつが届けられこれには笑いが。
注目のおやつはどらやきとプレミアムマカロンでした。どらやきはローソンにあったな…。
室田女流がおやつに手をつけ、それから長谷川女流がおやつを食べる展開になり、
先輩が手をつけてからなんですねと突っ込まれていました。
会場がおやつ休憩に入り、
中継で浦野八段が何故かおやつ解説ということで登場しました。
浦野八段がプレミアムマカロンを食べて香川女流がおやつの解説をする謎番組に。
香川女流「先生?おいしい?ぐー?おいしいですか?」照れる浦野八段。
「マカロン生まれて初めて食べたと思うんですけど、
もうちょっとあっさりしているのかと思ってたんですが、
歯ごたえとボリュームがあって想像してたよりおいしいです。
何故ここにコーヒーがないんですかね?」
水が届きましたが「水?水はちょっとどうかなと思うんですけどね。」
マカロンに水は悪手だそうです。
「対局中にマカロン食べてる棋士は見たこと無い。でもこれは今後候補の一つになる。」
と浦野八段は太鼓判。関西将棋会館の近くにローソンがあるらしいです。
昼休みの詰め将棋は、電王戦5局とも新刊5手詰めハンドブックからの出題らしいです。
プレゼントの5冊とも書いている字が違うのでどしどしご応募くださいとのこと。
電王戦では出場棋士が作った詰め将棋も出題されますが、
豊島七段からの詰め将棋は13手詰め。これは難しい。
攻め方が3二銀、玉方が1一桂1二玉2五馬、持ち駒飛角金銀。
シンプルな図面ですがじぇんじぇんわがんにい。
浦野八段「将棋はいうても飛車ですよ。違いませんか?
好きな駒もプロはええかっこして歩とかいいますが飛車ちゃいます?」
豊島七段の様子については「特に気負いも無くいつも通りかな?」
会場のおやつ休憩が終わり、野月七段の解説になりました。
野月七段は休憩中にあべのハルカスに行ってきたらしく、
豊島七段はいつも通りで山下さんと長谷川さんと室田さんが緊張していたとのこと。
YSSは1手511秒を基本時間にしていて、
難しい局面はもっと考えるようにしているそうです。
西尾六段がfloodgatの棋譜をまとめたと聞いたので、
YSSが指した棋譜を送ってといったら5000局以上メールで送ってきたらしい。
強いソフトとの対局200局以上を並べて、中終盤は強いと思ったそうですが、
解説のために200局並べるのか…。
YSSが馬を守りに利かしたところで野月七段「辛めにいくなら▲4三銀。」
即座に豊島七段が▲4三銀を指して会場から拍手。
これは△同馬▲同竜と清算するしかなく、これで豊島七段が飛車角コンプリートしました。
もう既に評価値3000を超え、持ち時間3時間ちょうど残しているのに、
YSSの手にノータイムで返す豊島七段は、時間を残すということを徹底しています。
野月七段は本来の豊島七段は長考派ですが、これまでの2局をふまえてと、
これからの対局者に向けてのことではないかとのこと。
また、前回の佐藤四段対ponanzaの対局後に、
船江五段と佐藤四段は朝まで感想戦をやり、野月七段も同席していたそうです。
この後も激辛流の豊島七段に、評価値も3000以上の状態が続き、
夕休までは行きますよという野月七段の言葉がフラグになったのか、
電王手君は駒台の上に手?を置いてお辞儀した後に、
普通にお辞儀して投了となりました。
豊島七段はおやつのマカロンに手がついていませんでした。
夕休の時に食べる用だったんでしょうか。さすが隙が無い。
盤上でも居玉のまま攻めて居玉のまま勝ってしまい、隙が無さすぎでした。

豊島七段
プレッシャーがかかっていたので勝ててほっとしている。
横歩取りは可能性が30%くらいかなと思っていた。
2手目の時点で△8四歩より△3四歩が多かったので少ない方の手が出た。
練習では△6二玉が一番出ていた。
▲2一角のときの△3一銀がめずらしくて△4四角がほとんどだった。
そこで研究とはあまり関係なくなった。
1日のほとんどの時間をソフトに注いだ。研究会が週1回、対局が週1回、
それ以外はソフトで1日10時間くらい。
数え切れないくらいやってたのでわからないけど、
1000局とかはいっていないと思う、3桁だとは思う。
勝たないといけないという気持ちは強かった。
プレッシャーはあったんですけどこの10日間で5時間で3局指してどれも勝ったので。
残りの対局については、普段と違う環境で自分の力を出すのは難しいと思うのですが、
全力を出せるように頑張ってください。
電王手君についてはやりにくさはなかった。人間と指すのと変わらないように指せた。

山下さん
始まる前から厳しい戦いになるだろうとは思った。
YSSが定跡を外した瞬間に攻めかかられて、この将棋は勝てないかなと思った。
評価値としては1回もプラスになることがなかった。
△1四金で急激に評価値が下がったので、悪手で水平線効果がでたようだ。
残りの対局についてはいい将棋になってくれればと思う。

船江五段から
本局を通して一番不安な局面はどこだったか。
豊島七段は竜を捕獲する前の局面を指摘しました。
YSSと指してみて変わったところについては、
中終盤をすごく重視するようになった。逆転されたこともあるから。
第4回があれば出場してみたいか。
豊島七段「ソフトと指してみたい気持ちはあるがどうなるかはわからない。」
山下さん「機会があれば出場したい。」

その後は久保九段と野月七段で初手から大盤解説になりました。
豊島七段が不安だった局面も解説され、
YSSの指し手次第では受ける展開になるらしく、
間違わないように指すのは大変だと思いました。
その後も現地にも行っていた野月七段がYSSの狙い筋を解説。
なるほど豊島七段がYSSの狙いを看破しての完璧な指しまわしだったみたいです。

対局後の記者会見で
豊島七段
普段の対局とは違う緊張感のある対局で終わってほっとしています。
YSSを4ヶ月ほど前から貸し出ししていただいて、練習をさせてもらっていて、
練習していくなかで自分の将棋がいいほうにわっていっている実感があったので、
YSSの作者の山下さんに凄く感謝しています。

山下さん
今日は負けはしましたが、最後まで無事に動いてくれたのでほっとしています。
豊島さんに何度も練習していただいたと聞いて、
少しでも棋力の足しになっていたら嬉しいです。

立会人の井上九段
今日は棋士の立場として豊島さんに勝ってもらえればと思っていました。
序盤から非常に激しい戦いでしたが、
YSSの新趣向に対しても豊島さんが精通していました。
豊島さんがプレッシャーのかかる中の対局でも、
それにまけず堂々と戦って立派な勝利でした。
今回の対局に際していろいろな戦局で広く浅くとならず広く深く研究していました。
YSSの力を出させなかったのが勝因ではないかな。
山下さんの姿勢が最後まで美しい姿でした。
言われた山下さんは照れていました。

谷川会長
午前中はニコニコ生放送を見ていました。
△6二玉はコンピュータはたまに指すらしいですが初めて見たので、
将棋はいろんな可能性がまだまだあるなと思いました。
この手自体が成立しているかは微妙ですが、本局は積極性が功を奏しました。
トップ棋士でもきちっと準備研究をして、踏み込んでいかないと勝てない、
というあたりまでコンピュータの力があがっています。
2連敗のあとの1勝ということで正直ほっとしています。
コンピュータ側に残念な1手がありました。
YSSの山下さんが一番残念だと思いますが、
これを踏まえてもっと強いソフトをつくってくれると思います。

第4局の森下卓九段
豊島さんが非常に深く研究しているのに驚きました。
本来のソフトの力が発揮されないことが非常に残念だったと思いますけれども、
豊島さんの研究の深さを今回は褒めるべきではないかと思います。
昨年の秋口からソフトを使っていて、
自分自身の将棋のトレーニングとして大いに活用させてもらって、
ここ数年では内容も結果もよく出ています。
対コンピュータ用に今日豊島七段が用意したようなものは自分にはないので、
自分としてはミスやポカが出ないように気をつけて指したいです。

人間2連敗で回ってきた心境について豊島七段
一番プレッシャーがかかる勝敗で回ってきました。
結局自分がわからないところに最後は踏み込んでいくしかない。
仕掛けた順もはっきりこちらがいいと思っていたわけではない。
△3一銀でもう1局指しただけの将棋になり、その直後に経験の無い局面になりました。
自分の方はミスなく指せたと思います。
分からないところもありましたが、踏み込みよく指せました。

△1四金のあとに豊島七段が席を立ったときの心境について
それまで有利だと思っていましたがはっきりは分かっていませんでした。
この手ではっきり勝ちになったように思いました。
一直線で踏み込んでいって、ぎりぎりこちらが勝っていると、
コンピュータは負けをみつけてジリ貧になってしまうので、
その状態なのかなと思いました。
練習の中ではコンピュータに力を発揮されるような対局もありましたが、
練習を重ねる中で自分の力が発揮できるパターンが分かりました。
いきなり終盤に入っていくような将棋が勝つ可能性が高いパターンだと思いました。
YSSと指して、今までは序盤の細かいことを気にしながらやっていましたが、
コンピュータは中盤うまく指すことが多いので、
中終盤を今までより重視するようになりました。
今まで自分が形にとらわれすぎてた部分が多かったというのも分かりました。
どんな棋士がコンピュータ相手にむいているかについては、
特徴をつかむことが大切です。
受けが強い棋士が向いているのではないでしょうか。先に仕掛けてくるソフトが多いので。

山下さん
投了のタイミングの設定は、今回は私の判断で投了しました。
最後の20手はずっとマイナス3000点くらいでした。

谷川会長
豊島七段はタイトル候補だと思っているので、
大変な状況の中でよく力を出し切って踏み込んで決断をしてしてやってくれました。
自分が指しているような心境で、コンピュータは中終盤強いので、
どんなに優勢になってもなかなか安心できないと思っていました。

山下さんが人間にまだまだかなわないなと思うところはと聞かれて
今回はYSSの読み筋と違う手を結構指されました。
指された直後はYSSに評価値が振れるのですが、
すぐに評価値が下がってしまうところを見ると、大局観や読み負けを感じます。
△6二玉は学習がうまくいってないので修正する必要があると思います。
単純な評価だと、美濃囲いにできるからこっちがいいと判断してしまいます。
△1四金はログをざっと見ましたが、
700点から次の手で1700点に下がりました。
その先に悪い変化があるので、それを嫌がってさしてしまう水平線効果だと思います。
読みの深いところで起きているので、そう簡単に解決できる問題ではないと思います。

電王手君の印象
豊島七段
もうちょっと気になるかと思いましたが、気にならずに指すことができました。
山下さん
将棋の駒をこれだけ器用に動かして、安全も計算されていて、
日本のロボットはすごいなと思いました。間近で見れて光栄でした。

事前に貸し出すルールが無かった場合はどうなるかについて
豊島七段
本局のような一気に激しい戦いではく、
序盤が凄く長くなってさがつけられる将棋を目指したと思います。
貸し出されたので勝率があがったと思います。
山下さん
豊島さんの棋譜を集めて負けやすい戦法を選ぶ、というようなことはしたと思います。

あべのハルカスで指した印象
前日から泊まっていて凄く景色が良くて、日常とは違う感じで楽しく指せました。

今日の対局は豊島七段が横歩取りから一気に攻めて優勢を確定し、
勝勢になってからは反撃の目を摘み取る激辛流で圧勝しました。
事前の練習対局を聞かれて、事も無げに1000局は行ってないと思うんですけど、
と答えてしまう豊島七段に、プロの意地と仕事振りが垣間見えてとても感心しました。

OSM2G
 仕事の後のほっとした表情ですね。

ニコニコ生放送
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早く終わってしまったので来場者は少なめ。

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