棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

菅井竜也

将棋電王戦タッグマッチBブロックは西尾明六段ponanzaタッグが優勝

今日行われた将棋電王戦タッグマッチ2014、
1stRound Bブロックは、西尾六段が優勝し、10月12日の決勝トーナメントに進出しました。

解説は渡辺明二冠、豊川孝弘七段、聞き手は室谷由紀女流初段、熊倉紫野女流初段、
貞升南女流初段でした、
豊川七段「今日はコンピュータに慣れていそうな若手が多いので楽しみです」
室谷女流「竜王戦名人戦に次ぐ賞金規模の棋戦になるということで」
渡辺二冠「それはまだ何も決まってないからニャンとも言えない」
最初の組み合わせ抽選にて。
豊川七段「Eがいいんじゃないですか」
渡辺二冠「それさっき僕がリハーサルの時に教えた…」
船江五段が1番を引き、3回戦うが全部先手なEを選択。
「去年優勝した佐藤慎一さんがEだったのと、
あとひとつ理由があるんですけどそれは後で」
2番を引いた菅井五段「船江さんとやりたいからD」
3番の阿部四段
「うーん、えー、えーとじゃCで。対局時間が一番遅いんで早く帰りたくないから」
4番の西尾六段「選ぶところひとつしかないと思うんですけどBで」
最後の佐藤六段「うーんとどこにしようかな。僕もBでお願いします」軽くウケる。
豊川七段「菅井さんがすがすがしいDを選んだということで、驚きマンモスで」

1回戦
先手船江五段ツツカナVS後手菅井五段習甦
解説渡辺二冠・聞き手室谷女流
読み上げの熊倉女流が
「先手は菅井竜也五段、習甦のタッグです」と言って両対局者につっこまれる。
注目の戦型は菅井五段は2手目△8四歩で居飛車宣言。矢倉に。
渡辺二冠
「菅井五段が後手で矢倉模様は珍しい。
この形はここ20年くらいは先手がいいという結論で指されてなかった」
菅井五段が研究手△5五歩を出して戦いがスタート。
大盤解説のすぐ後ろで対局していることについて渡辺二冠。
「ここすぐ後ろで対局しているんですけど意外に聞こえているというか。
あと指し手の話とかで結構言う人がいるじゃないですか。
そうするとああそうなんだなあとか。
早指しだと解説でこういうのは取る一手とか言われるとああそうなのかなとか」
室谷女流
「取る一手とか言われると違う手を指したくなっちゃうんですけど私は」
渡辺二冠
「そういうひねくれた人もいるんですけど。
この手もあるとか言う解説の人もいるんですけど、
例えばこの局面だと銀が出る一手だから、
それはプロから見たらすぐわかるからその伏せ方は意味が無い。
はーこの手があるんですかーとか言われると、それは解説者は本当にそう思っている」
習甦ツツカナ共にほぼ同じ読み筋なことについて渡辺二冠
「ここで手が広くないということはもうどっちかがいいってことですね」
そういうもんなのかー。
評価値について渡辺二冠
「300点とかで優劣が両者一致したら厳しい。
人間同士だと一手ばったりとかあるんですが」
コンピュータの候補手について渡辺二冠
「対局席からこの(解説者用に両ソフトの候補手が映っている)モニター見れば、
(相手のコンピュータの候補手が)わかるんですよ。
僕眼鏡かければ1.5ですから多分見れるんですよ。
だから候補手については伏せて解説しも意味無いんじゃないですかね」
ソフトによって評価値が違うことについて渡辺二冠
「ソフトでも結構100点くらいの誤差は見る。200点だと多分どっちかのソフトが弱い」
船江五段が持ち駒の銀を打って菅井五段の角のにらみを受けた手について渡辺二冠
「このへんがタッグマッチっぽい手なんですよね。
普段は浮かんでも指しにくい手なんですが、ソフトと一致したら短時間で指せる」
評価値は習甦0、ツツカナ3とほぼ互角に。
後手矢倉で先攻できてこれなら菅井五段の研究手が実ったか。
千日手について渡辺二冠
「コンピュータは千日手は結構するんですよ。
人間は打開しようとするんですよ。もう1局指すのだるいから。
でも打開するとこれこれこうなって50点マイナスになりますよとか言われると、
そうなのかなあとなるんですよ」
盤上では後手の菅井五段が猛攻する展開に。
「ぱっと見先手ピンチですよね。これ人間だとどう受ければいいのか難しいから」
室谷女流「ここで形勢判断アンケートとか」
渡辺二冠「どうせニャンとも言えないに入れるんでしょみんな。
優勝予想とかでいいんじゃないですか?」
「先生予想は?」「6番じゃないですか?ニャンとも言えない」
6番が「にゃーん」になって渡辺二冠「もう、ばかにしやがってー。
今日のトーナメントは競馬でいうとどれも切れない。どれにもかけたくない」
アンケート結果は菅井五段14.5%、船江五段6.0%、阿部四段8.6%、西尾六段14.3%、
佐藤六段5.4%、にゃーん51.2%。
盤上では菅井五段の猛攻炸裂で船江五段に王手飛車取りがかかり、
習甦308、ツツカナ-268と差がつき始める。
渡辺二冠「普通はどっちかがミスをして形勢に差がつくんですけど、
この対局は菅井さんが上手くやってますよね。
コンピュータの手をただ採用するのではなく、自分の手も織り交ぜながらね」
船江五段の玉が詰んでもおかしくない局面になって渡辺二冠
「詰みなら詰みって出ますからね。そしたらその通り指せばいいだけだから」
渡辺二冠が多分詰むと言っていると、菅井習甦タッグも綺麗に詰まして勝利。
菅井五段「終盤はソフトは正確なのでそのへんうまく使えました」
船江五段「毎年毎年完敗で申し訳ない」
その後の感想戦は並べまくり符号言いまくりの楽しい感想戦になりました。
渡辺二冠「じゃあ、室谷さん。最後まとめよう」無茶ぶりである。

2回戦第1局
先手西尾六段ponanzaVS後手佐藤六段やねうら王
解説豊川七段・聞き手飯野女流
西尾六段が横歩を誘い、佐藤六段が乗る流れに。
豊川七段「西尾さん青野門下ですからいきなり取るいちで行きましたよ」
西尾六段は師匠の名前のついた横歩取り青野流に。

質問メール
解説者の先生はどのソフトとタッグを組みたいですか。
豊川七段はソフトを使わないらしい。
豊川七段「使うことはナイチンゲールで」
「沢田研二じゃないけど右手にやねうら王」絶口調である。
「佐藤六段は優勝したらかぶりものするとか聞いてますから」無茶ぶりである。
SSFについて
飯野女流「一度行くとファミリーになれるという話で」
豊川七段「飯野プロ行ったことありますか?ない?行かない方がいいですよー」
序盤から時間を使う佐藤六段と、
定跡手順なのですぐに指す西尾六段という対照的な展開に。
解説中に、名前を呼ぶと呼ばれた棋士の脳波が動くことを発見する豊川七段、
両対局者の名前を言って脳波の乱れを楽しむ。
飯野女流は第1局の記録をとっていて、
渡辺二冠の解説がすごく面白くて笑いをこらえるのが大変だったらしい。
飯野女流「これはまだ定跡なんですか?」
豊川七段「未知との遭遇スピルバーグ」
豊川七段の新格言「手が見えないときは聞き手に聞け」
振り飛車党の飯野女流に横歩の手を聞くとは鬼畜である。
豊川七段「佐藤六段の頭が真っ赤になってきましたよ。
昔米長先生の大事な対局で頭のてっぺんが真っ赤なのを見たことがある。
森内名人とかは見えないけど、ちょっと寂しい人は見える」
カメラが佐藤六段のアップに。
どちらを応援しているかアンケート、佐藤六段48.3%、西尾六段51.7%。
ponanzaの評価値は299だが、豊川七段は佐藤六段やねうら王持ちらしい。
持ち時間は西尾六段57分対佐藤六段28分といきなり大差に。
形勢アンケートは佐藤六段12.6%、西尾六段43.8%、どちらも持ちたくニャイ43.6%。
豊川七段「行きましたねー。成ります南と」記録の貞升南女流はやや笑い。新手か。
解説を進めた後にコンピュータの読み筋を確認する豊川七段。
「ニャンと。僕と同じ読み筋のコンピュータがいない。結構ショック」
しかし解説通りに進んでほっとしていました。
やねうら王の示す金を打っていく攻め筋に豊川七段
「重たい。小錦。見たことないですよーこんな攻め筋」
「会場の皆様こっちもって見たいという人は手を挙げて…おーーーさだはるー」
その後も攻めを着実に繋いで西尾六段の勝ち。豊川七段はおやじギャグ連発でした。

感想戦
佐藤六段「せっかくだから序盤からコンピュータの好きな形を目指そうと思ったが、
うまくいかずに悔いが残る戦いだった」
西尾六段「序盤はよく研究している形なので時間を使わなかった」
感想戦によると西尾六段が踏み込んで攻めに行った手は、
ponanzaではなく西尾六段の決断だったらしい。
決勝への意気込み
西尾六段「勝ちを狙って指していきたいと思います」

2回戦第2局
先手菅井習甦対後手阿部四段YSS
解説渡辺二冠・聞き手熊倉女流
質問メール
渡辺二冠の師匠の所司先生がアジア大会に出場していますが、そのことについて
中国将棋のことだと思うんですけど、まったくわかりません。
入門したときにちょっと教わったんですが、
一応やらせてみて強かったら対戦相手にはなるということで、
弟子には一度はやらせていると思う。
対局開始までのつなぎトークで立会人の豊川七段は既に笑っていました。

序盤3手目に菅井五段は▲1六歩と端歩を突いてさっそく揺さぶりにいき、
ゴキゲン中飛車に。
コンピュータの強くなる成長速度に渡辺二冠
「迷惑な話なんですけどねー。人生設計狂いましたよ」

質問メール
22日に出版された、渡辺明の思考:盤上盤外問答で、
コンピュータ将棋に対する率直な感想を教えてください。
迷惑な話なんすよ。これがね、なければ人生ばら色だったんですけど。
子供の頃に描いていた人生設計と違いますからね。
まったく予想…どうしちゃったんですか?(熊倉女流がつぼに入って爆笑していた)
自分がおじいちゃんになっても、わかんないわかんないコンピュータ将棋なんて、
って言ってるくらいがよかったんですけど。
ファンの方なんですかねえ、僕の。ありがたいですよねえ宣伝してくれて。

渡辺二冠
「2歩はニフティーになっちゃうからね」
「この手は重いですからね。小錦だっけ?」豊川ウィルスに感染してしまったか。
阿部四段は渡辺二冠が無難な手ならこれという解説通りの手を進める。

絶口調の渡辺二冠
「さっき控え室で話していたんですけど、
タブレットは1手しか出なくて10手後とかは出ないので、
席上から解説者用のモニターを覗き見するのが一番いいんじゃないかって」
評価値は習甦と比べるとYSSは悲観派の模様。
習甦+52、YSS-367とかになりました。
千日手になる変化もでてきて渡辺二冠
「千日手は持ち時間を30分にして指しなおしって書いてありますけど、
30分以上残っている場合は違うんですよね?何も書いてないけど。
多分立会人がマンモスって出てきて、
このまま指しなおしてくださいマンモスって言うんだと思いますよ」
どちらが有利かアンケート
阿部四段4.6%、菅井五段22.0%、
わからないので「渡辺明の思考:盤上盤外問答」を読みます73.3%。
菅井五段は攻める振り飛車な棋風という話で、
熊倉女流「渡辺先生も最近振り飛車を指されて」
渡辺二冠「攻めるんだけど決まらないみたいな…リアクション困ってるでしょ今」
豊川七段は渡辺二冠が奨励会時代に幹事だったらしく、
小学生だった頃の渡辺二冠は雷を落とされたことがあるらしい。

将棋は菅井五段が攻めを繋ぐ1回戦と同じような戦い方でじわじわリードを広げ、
阿部四段はジリ貧になり大差に。その後習甦は+9999と勝ちを確信。
詰むのかどうかという局面になり渡辺二冠「考えるかたまには自力で」
その後時間を残していた菅井五段が習甦に頼らずに詰みまで読みきり、
菅井五段の勝ちになりました。

感想戦
阿部四段「YSSは受ける将棋が得意なのですが、
手を選ぶのは自分なのでちょっとちぐはぐしたかなあ」
菅井五段「習甦が正確だった。攻める形を作って習甦に任せるという作戦がよかった」
すかさず菅井五段が手を選んだ局面をさくっと並べて、
「そう言いつつ本当は自分で考えてるんでしょ?」と突っ込む渡辺二冠。
コンピュータの手も結構見ながら解説してたんですねえ。
菅井五段は習甦がいい手を示すまでは自力で指して、
いい手が来たらその後は手を選択するという作戦の模様。
習甦に任せるモードのときは映画鑑賞みたいだったらしい。

決勝戦の意気込み
菅井五段「今みたいな作戦で習甦に任せられれば。
決勝戦くらいは自分のいい手を指したいなとも思うので頑張ります」

決勝戦
先手菅井五段習甦VS後手西尾六段ponanza
解説佐藤六段、船江五段、聞き手貞升女流初段
船江五段「菅井五段は僕に勝ったので優勝してほしい」
佐藤六段「西尾六段は僕に勝ったので優勝してほしい」
控え室では阿部四段が先ほどの対局の棋譜を並べていたらしい。

戦型予想
菅井五段は居飛車振り飛車両方指すので予想しにくい。西尾六段は基本居飛車。
佐藤六段「菅井五段が居飛車、振り飛車ときたので今度は居飛車」
船江五段「そんな普通に?」
タッグマッチについて
佐藤六段「情報がたくさん目に飛び込んできて、
豊川七段のおやじギャグもくるので大変だった」
船江五段「一度コンピュータにまかせると自分の手に戻ってこれなくなる」

聞き手の貞升女流が倉敷藤花挑戦者決定戦出場おめでとうということで一言。
貞升女流「山田女流は相居飛車はかなり強いので」
今まで1局しか対局がなく、大逆転勝ちだったとか。
「中継もされるし、運良くあがってきたなという印象が強いので、
なるようになるか、当たって砕けろの精神で頑張りたいと思います」

対局をしていて解説の声は結構聞こえてきたらしい。
佐藤六段「最初のトーナメント決めでは、
豊川さんのところじゃないところに入りたかった」
船江五段も渡辺二冠の解説が聞こえていた。
佐藤六段は序盤で苦しんでいたので結構聞こえてきたらしい。

菅井五段は準決勝と同じ3手目▲1六歩と変化球。
その後も居飛車か振り飛車かどっちつかずで手を進めました。
佐藤六段曰く習甦は居飛車より、ponanzaはオールラウンダー、
やねうら王は振り飛車よりらしい。
船江五段が振り飛車もあると言っているところで菅井五段が居飛車を表明。
船江五段「兄弟子をたててくれると思ったんですけど」苦笑いの菅井五段。
ponanzaの評価値は触れ幅が大きくて楽観派。習甦は結構慎重とのこと。

船江五段「二人とも完敗でしたね。
気がついたときには受けがなくなっていて知らない間に斬られてた。
痛みも感じなかった」
佐藤六段はすごい痛みを感じたらしい。
ツツカナは早繰り銀が大好き。やねうら王は腰掛け銀が大好き。
桂馬の頭をどう守ればいいかという解説から佐藤六段と船江五段のカツラトークになり、
記録と読み上げの熊倉飯野女流ペアが笑っていました。
盤上では菅井五段が長考の末、西尾六段の飛車を捕獲しにいく手を指すと、
その手に対して菅井五段の桂馬の利きに角を放つ西尾六段。
すごい応酬ですが、両ソフトとも同じ読みとのこと。
船江五段によると両者とも自分で結構指しているらしい。
船江五段は結構頼って指していて負かされたので後悔していました。
細かい折衝の後に菅井五段が手番を握って先攻。
ただし楽観派のponanzaは+200以上、慎重派の習甦は-200以下の評価値に。

佐藤六段は将棋は楽観派でしゃべりは悲観派。
「今日もまたすべるのかなーみたいな」
船江五段は将棋は悲観派でしゃべりは楽観派。
「変な手言っちゃってもアマチュアの方向けの解説なのでなんとかなるみたいな」
黒船江とコメントで突っ込まれていました。
難しい局面になって、自力で考えるとすると難しいと言っていたところで、
解説が渡辺二冠豊川七段と交代に。
菅井五段は角を自陣に打って我慢する手を選択。

貞升女流「このあたりで視聴者の方々にアンケートをとりましょうか」
渡辺二冠「ギロリ」
形勢判断アンケートは西尾六段13.4%、菅井五段9.3%、
分からないので10月から豊川先生の講座を見ます77.3%。
渡辺二冠「将棋の講座ですか?」容赦ない突っ込みである。
角を切る手順を解説する渡辺二冠
「きり…きり…」「桐山清澄で」ここで豊川七段が新手を炸裂。

質問メール
さきほどの渡辺二冠の豊川七段に怒られた奨励会エピソードを教えてください。
渡辺二冠が中一だったとき、
奨励会の研修合宿でお寺に行ったときに雑巾投げかなんかではしゃいでいた。
次やったら承知しないからなみたいな感じで怒られたらしい。
豊川七段「宮田敦史君は雑巾投げてたと思う」
渡辺二冠「お寺で雑巾投げはまずいっすよね」
貞升女流「私は雑巾投げとかはしてないと思う(キリッ」

どのような準備をして大一番にのぞむのか。
豊川七段は、
予定を立ててもその場の気分で変えたりしちゃうからあまり立てていかないらしい。
渡辺二冠もそんな特別準備をしているわけではないらしい。
そこでできるということは普段手を抜いてるということだから、理屈としては変とのこと。
倉敷藤花挑戦者決定戦が控えている貞升女流
「あまり気にせず勝ちたいと思いますけど周りからは結構言われて…」
「頑張れ!」「やめてくださいよー」

機材トラブルで対局が一時停止に。
「矢沢永吉になっちゃったわけですね」
「何ですかそれは」「時間よ止まれって…知らないですね…」

20日のタッグを見ていた渡辺二冠
「加藤九段と中村六段の対局で、
中村六段の銀が4五に出る前に既に加藤九段が4四歩と追い返していて爆笑した」
TSで見れるので是非。
どちらが優勢かを解説中に豊川七段「貞升さんは、とーかなあ」強引すぐる。
ponanza715、習甦0という評価値が分かれまくりな局面になりました。
しかしその後ソフトは西尾六段の勝勢との評価値になり、
秒読みで一手30秒となりましたが西尾六段が冷静に菅井玉を寄せ、
決勝トーナメント進出を決めました。

菅井五段
「始め不本意な展開かなと思った。
難しくなったかなと思ったが推奨手を指さなかったらすぐに悪くなった」
西尾六段
「全然急所がよくわかんなかった」

感想戦
西尾六段はponanzaが盤面を制圧するのが好きなので、それを目指したらしい。
だんだん押さえつけていくような指し方が得意なので、
そのような展開になるようにしたとのこと。
渡辺二冠
「この将棋難しすぎて。序盤が難しすぎましたね。
序盤がとにかく長くて、
中盤から駆け足になって見てる方もどうなっちゃんだという展開だった」

予選が終わって
西尾六段
「いや、ほんとにあのponanzaが強いソフトだったなあと。
自分の指したい手もいろいろさせた。最後はponanzaらしくうまく決められた」
菅井五段
「優勝したかった」
佐藤六段
「優勝した西尾さんはponanzaの良さをうまく引き出して。流石だなと思った。
僕は爪痕を残せなくて残念だった」
船江五段
「決勝戦を見てて二人は使い方も将棋も上手くて自分の力不足だった」
阿部四段
「去年は1回戦負けだったので1回戦は勝ちたかったんですけど、
自分の使い方や実力が足りなくて、決勝戦はレベルが高かった」
片上理事
「今日の方が土曜日に比べると若い棋士が中心で、
タブレット等をうまく使いこなして指してくれるのかなと思ったが、
その通りになってくれた。
決勝戦は自分の読みと違った手が出て、考えてみるとなるほどなと思った。
これからはこんな将棋になるのかなとも思った。
決勝戦はどちらが出てきても優勝候補になるのかなと思って見ていた」

土曜日の予選では森下卓九段がツツカナを操って決勝進出しました。
その時は序盤でリードを奪えば人間+コンピュータ相手に逆転はほぼ無いので、
いかに序盤で人間が考えてリードを奪うのかがポイントなのではないか、
「藤井さんが出れば必勝ですよ」by森下九段とのことでしたが、
今日決勝に勝ち残った西尾六段と菅井五段はコンピュータの特徴を掴んで、
コンピュータが力を発揮しやすい展開に持ち込むということを重視していました。
菅井五段は習甦が攻めが得意という特徴を掴み、
いかに攻撃態勢を作って習甦の力を引き出すかを重視し、
西尾六段はponanzaが盤面を制圧する展開が好きという特徴を掴み、
金銀を中段に打って習甦の攻め駒を刈りに行きました。
評価値も割れていて面白かったですが、
持ち時間が短いとponanzaが強いんだなあということと、
屋敷九段+ponanzaに勝った森下九段+ツツカナってすごい仕事をしたんだなあ、
とも思いました。
これで10月12日のFinalRoundは、
第1局が佐藤慎一四段・ponanza2013var対森下卓九段・ツツカナ、
第2局が西尾明六段・ponanza対久保利明九段・習甦となりました。
解説は深浦康市九段と佐藤天彦七段、聞き手が中村桃子女流初段、安食総子女流初段、
藤田綾女流初段、渡辺弥生女流初段です。
森下九段も西尾六段もコンピュータをうまく扱っている印象で、
佐藤四段と久保九段はかなり対策に迫られそうですが、はたしてどうなるか楽しみです。

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渡辺明の思考: 盤上盤外問答
渡辺明著
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菅井五段対習甦リベンジマッチ決定!

「電王戦リベンジマッチ 激闘23時間」菅井竜也五段 vs 習甦


2014年7月19日18時~20日17時まで、ニコニコ23時間テレビが放送されます。
その企画第1弾として、久本雅美さんによるゲストを迎えての本音恋愛トーク、
作曲家・新垣隆さんの交響曲HARIKOMIの製作、
そして菅井竜也五段が習甦と対局するリベンジマッチが発表されました。
持ち時間は8時間、使い切ると秒読み1分、チェスクロック方式ということで、
両者使い切ると16時間プラス秒読みという長丁場になります。
対局は19日13時からということで、ニコニコ23時間テレビに先立って開始されますが、
持ち時間をフルに使うと終わるのが翌日5時プラス秒読みプラス休憩時間ということで、
終盤頭が働いている視聴者はいるのだろうか…。

リベンジマッチについて羽生先生と森内先生でもした事ないんですよ、
人間追い込まれたら120%くらい力出すんですよと豪語する菅井五段ですが、
将棋界での追い込まれる環境というのはタイトル戦くらいですから、
そんな環境に身を置いて早くトップに追いつきたいという菅井五段の意思が見えます。

羽生善治、岡田武史著「勝負哲学」より岡田監督の話

「うーん、どうもすっきりしないなあ」と悶々とした気持ちを抱えながら、
その夜、試合のビデオを何度も見直していました。
すると、夜中の三時半ごろ、ふっと女神のしっぽをつかんだ気がしたんです。
三本目のやり方にプラス、松井、大久保の両サイドも加えた五人のMFを
全員横に並べてみたらどうだろう─そうひらめいたんですね。
<中略>
それからコーチを叩き起こして、また映像を見直し、
ホワイトボードの磁石で何度もシミュレーションをして、夜が明けるころには、
ひらめきが「これしかない」という確信に変わっていったんです。


2010年のワールドカップで、
岡田監督は大会の直前でシステムの変更と選手の入れ替えを決断しました。
その結果ワールドカップ4試合でわずか2失点、ベスト16という結果に繋がりましたが、
そこには深夜のひらめきがありました。
動画の中で久保利明九段が、振り飛車は感性で指していくと述べていますが、
勝負哲学の中で羽生さんは、いままでに経験したいろいろなことや
積み上げてきたさまざまなものの層が厚いほど、生み出された直感の精度が上がる、
と述べています。
また、岡田監督は直感を働かせるタイミングについて、
結論を出す瀬戸際までは理論でできるだけ精密に積み重ねるけれども、
最後の一片を埋める決断は直感ですると述べています。
電王戦に出場が決まった直後から急に成績が上向いた森下卓九段のように、
菅井五段も何かを掴んでもっと上のステージに行って欲しいです。

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勝負哲学
羽生善治、岡田武史著
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第3回電王戦第1局、菅井竜也五段対習甦

いよいよ始まった第3回電王戦第1局、先手菅井竜也五段対後手習甦の対局は、
98手で後手の習甦が勝ち、コンピュータがまず1勝をあげました。

習甦の開発者竹内章さんは去年と同様和服で登場しました。
そして電王手君がどーんと将棋盤の前に構えます。
robotarm640x

ニコニコ生放送では解説が鈴木大介八段と中村太地六段、
聞き手が本田小百合女流三段でした。
対局は10時開始ですが、9時37分くらいに菅井五段が入場。
鈴木八段「スーツなので勝負モードだ。」
最初の駒並べから電王手君に注目が集まります。
現地レポーターの藤田綾女流初段
「菅井五段は入場する前は談笑していてリラックスしていた。
電王手君は意外に小さい。」
通常は対局者が交互に駒を並べますが、流石にそこまではいかなかったようで、
最初に菅井五段が並べて終えてから電王手君が並べることになりました。
電王手君が王様を置いた時の鈴木八段、中村六段、本田女流「おー」
駒は升目の真ん中に置く派と下の線に沿って置く派の棋士がいますが、
電王手君は真ん中に置く派で、大橋流で並べる本格派でした。
対局開始時にはおじぎもして、菅井五段がちょっと笑いをこらえるシーンも。
まさかのコンピュータ盤外戦術。
盤上では菅井五段の中飛車に習甦が急戦含みの駒組みになります。
鈴木八段「菅井ノートもちろん買いました。あれがないとついていけないんで。」
途中で習甦が△7三桂を読み筋に上げていましたが、
これを鈴木八段が悪い手、私の本に書いてあると指摘しました。
習甦は鈴木八段の本を読んでいなかったようです。
しかし△7三桂を指さなかったのは流石ですか。
長い持ち時間になると習甦は強さが出てきますね。
どちらが勝つかアンケートは菅井五段83.9%対習甦16.1%。
その後何故か菅井五段が話しながら対局場を離れました。
記録の貞升女流、読み上げの竹部女流も離れてトラブル発生。蜂が出た模様。
初めての会場だとこんなトラブルもあるんですね。
駒組みで習甦が△4三銀を10分以上考えていたのにいきなり△4三金を指して、
中村六段「おー」
中村六段の解説では金の方が穴熊まで囲える進展性があって夢があるとのこと。
人間側もコンピュータ側も力が出せる将棋ということで、
コンピュータは課題の序盤を結構上手く乗り切ったのかもしれません。
ここで電王手君を開発したデンソーの方のインタビュー。
「電王手君開発期間は1ヶ月。正直3ヶ月くらい欲しかった。
成る時はロボットが一番早く動く。
手彫りなので同じ銀でも違うので認識させるのが大変だった。制作費は秘密。
人と同じ場所にいるというのは工場ではないので、
センサーで人とぶつかりそうだったら止まるようにしている。」
立会人の飯野健二七段
「会場は寒いが菅井五段は寒い方がいいらしい。
電王手君?電王手ちゃんじゃないんだね?男の子なんだ。
虫が入ってきたのは蜂。電王手君は無視してた。
電王手君が駒を並べている時菅井五段の目がきょろきょろしていた。」
片上大輔理事
「菅井五段が取材に来る人を順番に出迎えてるみたいだった。
おだやかな流れになったのは意外だった。」
観戦記を書く先崎学八段
「ボクシングの時とはずいぶん雰囲気が違う。がんばれよーと言った。
普通の対局は相手も棋士なのでエールは送りにくいけどね。
振り飛車の方が気分がいい。
自分もコンピュータと指してみたりするが序盤はおおざっぱ。
電王手君の前に座ったら何とも言えない。
きぐるみなんか着せてやればいい感じなんじゃないかな。
この将棋は振り飛車が勝つ場合は比較的早く優勢になる。
居飛車が勝つ場合はじわじわと押していって優勢になるまで時間がかかる。」
解説の中村六段
「なんか電王手君が正座してるように見えてきた。」
何故か電王手君が癒しキャラになっている?
菅井五段が積極策をとるか、待機策をとるか、手が広い局面で長考し昼食休憩へ。
私も昼食に行きましたが、ローソンがおやつ協賛とのことなので、
ローソンでチョコミルクレープを買ってきました。菅井五段と同じになるかどうか。
午後からは鈴木八段の解説になりました。
鈴木八段「▲8八角が一番コンピュータの弱点を突きやすい手。」
昼食明けも考えてる菅井五段をみて鈴木八段
「私と指した時は早指しだったんですけどねー。相手軽しとみたのかな?
▲8八角が防御体勢。▲6八飛が攻撃態勢。▲6八角は誘う手。
将棋盤を前にすると考えてた手が不安になったり変えたくなったりする時がある。」
菅井五段は誘う手の▲6八角を指します。
これは習甦が△5四歩から攻めてくるのを誘った手とのことで、
習甦も△5四歩から読み始めました。
鈴木八段「コンピュータは攻める手をまず読むが、
それは序盤は裏目に出やすくて終盤は表目に出やすい。」
習甦が△5四歩からしかける。
鈴木八段「手待ちは習甦より私の方がうまいかなー。」
遠山五段現地リポートで登場。
「テニスの試合を見に来てチケットが買えなくて帰ったことがある。
電王手君の挨拶かわいかった。」
盤上では電王手君が駒を取るシーンになるので注目が集まりました。
習甦の評価値が107点で習甦が少しいいという判断を見て、
解説の鈴木八段の形勢判断が早速ぶれぶれになります。去年も見たような。
昼休みの詰め将棋の回答の後、鈴木八段の本にサインを書くときに、
鈴木八段がせっかくなので詰め将棋をと書いたら、
墨が手についてしまい大変なことに。焦った鈴木八段はすごく汗だくになりました。
左利きの人が筆で書くのは難しいですね。
菅井五段が▲5五歩と指すのが習甦の読み筋で、
鈴木八段は▲5五歩の展開は習甦が無理を通した感じがするので指したくないとのこと。
鈴木八段「限りなく五分の展開で先手は自分の力で打って出ないといけなくなった。
やはり▲8八角がよかったのに」
手厚い棋風の鈴木八段は待機策押しだったようです。
菅井五段は▲5五歩を選択し、
その歩を取った習甦が中央からじわじわ押していく展開になりました。
どちらを持ちたいかアンケートは菅井五段46.6%習甦53.4%。
鈴木八段「私の弱気なコメントが影響していますかね。」
81ダイバーの柴田ヨクサル先生登場。
習甦の評価値が81になってコメントがざわつきますが、
大盤解説で柴田先生も鈴木八段も見逃してしまいました。
現地リポートでの先崎八段
「今の局面は菅井さんが誘導した感じがする。
少し振り飛車が指せる。ただし形としては居飛車も好き。」
形に明るい先崎八段が居飛車が好きと言っているので、
例外的な手が無い場合は居飛車の習甦ペースなんでしょう。誘う手がまずかったかな?
鈴木八段の解説とほとんど同じ手順を先崎八段も並べていて、
プロは同じこと考えてるなと思いました。裏を返せば下手の考え休むに似たりですな。
いよいよ注目のおやつタイムですが、菅井五段はぎゅっとショコラを選択。
おやつ予想が外れたー。
何を食べたいかコメントした人の中から抽選で5名に、
ローソンのおやつ1か月分相当の金券が当たるとのことで、
コメントが大変なことになってました。
また、ニコファーレで見ている方全員にもぎゅっとショコラが配られ、
会場がおやつ休憩に入りました。
おやつの時の残り時間は菅井五段が2時間28分で習甦が3時間26分。
鈴木八段「私が相手のときはもっと早指しだったんですけどねー。
今年の成績では電王戦出場の手が挙げられない。
私は相手の顔が自信がありそうならおとなしく受ける手を指し、
弱気そうなら強気な手をどーんと指します。」
おやつ休憩の間は、
現地から第2局に出場する佐藤紳哉六段と藤田女流が解説になりました。
「砂糖のように甘い言葉で深夜に君を寝かさない。佐藤紳哉です。」
何故か佐藤六段がぎゅっとショコラを食べる様子をじっと見る謎番組に。
「先生食べ方面白いですね」「ここだけの話キスするときと一緒です」
「私なんて答えればいいんでしょうか」
虫について聞かれた藤田女流「私虫結構大丈夫です」
佐藤六段「菅井君がこんなに時間を使うのは初めて見た。
菅井五段を話したときにコンピュータと指すとどうしても時間を使うと言われた。」
習甦が検討されていなかった手を指して、いい手ではないかとの解説。
その後佐藤六段への応援コメントがいっぱいくる。
佐藤六段「ありがたいですねー。あ、今やねうら頑張れって出た」
おやつ休憩明けで解説が中村六段に交代。
中村六段「午前中は菅井五段がうまくさしていて、今は習甦が盛り返している展開」
イケメンボイスの岡本信彦さん登場して大盤解説に。
駒を動かそうとする岡本さんに先手先手で動かす中村六段。
大盤の駒を動かすにも慣れがあるんですね。おろおろする岡本さんが面白かったです。
盤上では後手の習甦が手厚い手を指して、
先手の菅井五段は押さえ込まれないように暴れないといけない展開になります。
そして菅井五段が銀を打ち込んだところでは、
習甦の評価値が習甦に+300以上になりましたが、その後に186まで下がります。
中村六段「あんまり評価値に踊らされない方がいいんですよ」
鈴木八段のぶれぶれ解説とは一味違いますな。
ぶれぶれ解説も一喜一憂感がして好きですけどね。
さらに2手進んだら60まで評価値が落ちました。
打ち込んだ銀に対して▲同金△同歩と進んだだけなんですが、
習甦的には先手が挽回しているのかな?
そして夕食休憩時間に入ったと思ったら電王手君が指してしまいます。
これには菅井五段も動揺。
電王手君はこれまで通りの待機状態なのですが、
「指しましたが何か?」と言っているように見えて面白かったです。
夕食休憩中に現地からponanza開発者の山本さんと下山さんが登場
ponanzaは習甦が120点くらいでかなりいい勝負なんじゃないかとのこと。
それくらいの点数だと勝率になおすと55%くらいらしいです。
年々強くなっているponanzaに関しては、
過去バージョンと戦わせることしか強くなったかわからなくて、
何をしたのが功を奏して強くなったのかがもはやわからないそうです。
第5局については、今日は熱戦な将棋なので、
熱戦になればいいなと思うと言っていました。
その後解説が鈴木八段になり、
習甦が△5六歩で攻撃にきたら自分が対局者ならため息つくと言っていましたが、
習甦は△5二歩と自陣に打って守ります。
その後習甦の読み筋を見ながら鈴木八段
「このタイミングで△4八歩を打つのは絶妙ですね。
私だったら自分より強い人だと思ってもうあきらめちゃいます。」
ここでひふみんアイで後手からの盤を見る。
鈴木八段「あれ?なんか美濃囲い固いから振り飛車もやれるんじゃないの?」
このぶれぶれも芸なのではないでしょうか。
その後は習甦の読み通りに進み、さらに△5一歩と守りに行く手を読み筋に挙げます。
その後の解説でこれはいい手だということになり、
習甦優勢が明快になったということでした。
鈴木八段も中村六段もこんな手は考えたこともないと驚いていましたが、
これを聞いてやねうら王さんのブログに書いてあったことを思い出しました。

やねうら王さんのブログ「電王戦 --- 将棋電王トーナメント --- やねうら王特設ページその2」より

コンピューター将棋の終盤には新手筋みたいなのはたくさん隠されている。
そういうのを問題集のような形にして、
そこから人間が学べば大きく棋力が上達するに違いないのである。


ところが習甦は違う手を指しました。コンピュータといえども結構迷うんですね。
その後初めて電王手君が駒を成る動作をしましたが、
私は紅茶を煎れてて見逃してしまいました。アーヤッチャッタヨー。
初めて駒を成ったときはデンソーの関係者から歓声が上がったそうです。
いくら動作確認していても本番はやっぱり緊張しますよね。
現地から立会人の飯野八段と飯野女流が親子競演。
飯野女流は振り飛車党で菅井ノートは覚え済みだそうです。
飯野七段はプロ棋士同士が指しているような違和感の無い指し手だと、
習甦を褒めていました。
盤上では習甦が勝勢に。
去年と比べるとコンピュータの形勢判断がかなり正確だったと鈴木八段。
プロと同じ感覚の評価値だったらしいです。
菅井五段は横を向いて心ここにあらずといった感じで、
数分その状態になってから菅井五段の投了となりました。
98手で習甦の勝ち。

コンピュータの対振り飛車は強いという話でしたが、
今日の将棋は菅井五段の誘いの隙を見せて、
習甦が隙に飛びつき、そのまま押し切ってしまった印象です。
習甦は去年のいきなり桂馬を跳ねて襲い掛かるコンピュータらしい過激な手ではなく、
中央に厚みを作る指し手で5筋の位を取り返し、
金銀を中央に盛り上げて菅井五段の飛車を銀で捕獲し、危なげなく勝ちました。
ただし解説の鈴木八段や中村六段も言っていたように、
菅井五段にいつもの思い切りの良い手や、
短い考慮時間で踏み込む決断の良さといったことがなく、
大一番で力を出すことは難しいことなんだなということと、
飄々と指した阿部光瑠四段はずいぶん図太い神経なんだなーと思いました。
対局直後に菅井五段は、
事前に200局くらい指した、長考して指した▲6八角はどうだったかという感想で、
その一手前の習甦の△7二飛がそれまでの練習対局には無かった手だったそうです。
また、中村六段が「おー」と言った△4三金も、
練習ではあまり出てこなかった手だそうで、
持ち時間が多い時の習甦の良さが出たと思います。
開発者の竹内さんも公式ガイドブックで、
持ち時間が増えることは歓迎、序盤で時間を使う設定にしたと述べていましたが、
設定がずばりはまった印象です。
菅井五段は200局練習したと述べていましたが、
流石に持ち時間5時間で200局指すには多分200日以上対習甦用にかかってしまうので、
短い時間で数をこなしたように思いました。
でもそれだと相手の指し手を測れないのかもしれません。

電王戦公式ガイドブックより豊島将之七段の話

--持ち時間によってどこが違うんですか。

豊島 序盤の指し方ですね。5時間でこれまで2回やっていますが、
2時間で指した時と比べてもだいぶ違うなと思います。
手が荒くなるという訳ではないんですが。
これからは、できるだけ本番と同じ条件で指したいと思っています。


豊島七段は準備も隙が無いように思う。隙がある分野はどこなんだろうか。
最後に誘ってみるよりも、怖い局面を通すのか全力で回避するのか、
はっきり決めた方がコンピュータ相手にはいいのではないかとの解説。
まあこの将棋を見終えたから言えることですな。
はっきりした棋士というと怖い局面を通すタイプだと佐藤康光九段や郷田真隆九段、
全力で回避するタイプなら丸山忠久九段とかですかね?
今回の出場者ですと森下卓九段が全力で回避するタイプでしょうか。

習甦は去年は攻めて攻めて切れてしまった将棋でしたが、
今年は手厚い将棋で習甦の力が出せたと思います。
習甦の評価値では午前中はやや劣勢、
菅井五段長考後の昼食休憩明けに指された手でやや優勢、
さらに長考後の夕食休憩明けの手で勝勢になったそうです。

イメージと読みの将棋観3 トップ棋士頭脳勝負から抜粋

長考の結果として得るものは?
アマチュアにとっては永遠のナゾであるプロの大長考。
長考の結果として得るものはなんだろう。
①勝利に到達。②有利になる。③何も分からない。
皆さんの実感として、どれが一番近いんでしょう?

渡辺 これは③ですね。
佐藤 長考の結果ですか?強いて言えば③かなあ。
森内 ①が多いとかっこいいけど、それは滅多にない。現実には②と③がほとんどでしょう。
久保 何時間も考えていい手を指したことはまずない。
広瀬 結果的に勝つことはあっても、長考が有利に結びつく可能性は低いと思います。


棋士が長考しているというのは局面が難しすぎて分からない場合で、
難しいのだからミスが出る可能性も高いということでしょうか。

今日の対局は習甦が隙を突いて中央に厚みを築き、
じわじわと優勢を拡大して危なげなく勝った将棋になりました。
将棋には大昔に5五の位は天王山と言う格言がありました。
現代は位を取らせる代わりに、
王様を固く囲って位に向かってどんと駒をぶつければいいという考えが主流ですが、
コンピュータが現代を代表する研究家の菅井五段に、
大昔の格言通りの将棋で完勝したのも面白いなと思いました。

来場者:290,709
コメント;444,759

去年の第1局は来場者が243,166人だったみたいでずいぶん増えましたね。
今年も是非とも盛り上がって欲しいです。

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第3回電王戦第1局PV

第3回将棋電王戦 第1局 菅井竜也五段 vs 習甦


菅井竜也五段はネット将棋で強くなった棋士で、
動画のコメントでも一体どこの24なんだと突っ込まれていますが、
もちろん将棋倶楽部24です。

浦野真彦著「初段になるための将棋勉強方」より

--将棋倶楽部24に登録したのはいつごろからですか。
菅井
小学四年生からです。
倉敷王将戦で全国大会に出たとき他県の代表に教えてもらいはじめました。
もう楽しくて、学校がある日でも一日二十~三十局、
休みの日は一日中指している感じでした。
<中略>
菅井四段はプロ棋士になるまで年間一万局は指していたそうです。
それだけの局数をこなそうとすれば雑になりそうなものですが、あくまで勉強の場と考え、
丁寧に指したことが大きな飛躍へとつながったように思えます。
レートの増減よりも内容を重視する姿勢は参考になるのではないでしょうか。


菅井五段は振り飛車党ですが、
コンピュータ同士の居飛車対振り飛車の将棋は圧倒的に居飛車の勝率が高く、
対振り飛車の戦い方がうまいそうです。

第3回将棋電王戦公式ガイドブックより

鶴岡(激指)
コンピュータ同士の戦いだと、対抗形は居飛車が圧倒的に勝ち越します。
激指もそうですし、他の上位ソフトに関しても同じで、
飛車を振った方が負けというぐらいの差がついています。

棚瀬(東大将棋)
自分も選手権に出場していた頃は、絶対に飛車を振らないように設定していました。
対ボナンザ戦で相手が振り飛車穴熊をやってきたときなどありがたいと感じていました。

佐藤慎一四段
コンピュータは対振り飛車の戦いがとても強いですよね。そこは凄い長所だと思います。
自分が振り飛車をやったら
100パーセント勝てないと思うぐらい強いと思いますよ(笑)。

船江恒平五段
角道を止めた振り飛車には確かに強いですね。
ただし、角交換振り飛車に対しては、あまり強くないと思います。
<中略>
5回やったら3回ぐらいは相当良くなるぐらいの優秀な戦法なので、
電王戦リベンジマッチの時に採用するかどうか凄く迷いました。


これは菅井五段の角交換振り飛車になるんですかね?
個人的には菅井五段がもうボロ負けですと言った時に、
「やっぱりちょっと集中できない?」「そりゃそうですよ」などと話している人をよそに、
5六銀7七銀てすごいなーと素直に感心している菅井五段が面白かったです。
純粋な棋士2人と邪な?関係者2人といった感じがしました。

第3回将棋電王戦第1局菅井竜也五段vs習甦は、
今週の土曜日(3月15日)に有明コロシアムで行われます。
ニコニコ生放送は9時開場9時半開演で、
解説に鈴木大介八段と中村太地六段、聞き手が本田小百合女流三段です。
有明コロシアムをどう将棋対局場にするんでしょうかねえ。とても楽しみです。

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第3回将棋電王戦記者発表会

電王戦リベンジマッチPV 船江恒平五段 vs ツツカナ


電王戦リベンジマッチ第2回将棋電王戦出場者からのメッセージVTR


今日将棋電王戦記者発表会がニコニコ動画で生放送され、
対局日とそれに向けてのイベント等が発表されました。
今回は対局会場や特別協賛などえらいことになっています。

対局日程

3月15日 有明コロシアム
先手菅井竜也五段 後手習甦

3月22日 両国国技館
後手佐藤紳哉六段 先手やねうら王

3月29日 あべのハルカス
先手豊島将之七段 後手YSS

4月5日 小田原城
後手森下卓九段 先手ツツカナ

4月12日 将棋会館
先手屋敷伸之九段 後手ponanza

屋敷九段は順位戦で先手番16連勝という怪記録を持っていますので、
ファンは振り駒の結果に一安心といったところじゃないでしょうか。
最終日のponanzaの山本さんは会場が将棋会館なことを残念がっていましたが、
城はともかく国技館や有明で将棋の対局ってあったのでしょうかね?
あべのハルカスは大阪市阿倍野区にあり、来年の3月7日にグランドオープン、
対局は一番上の55階で行われるようです。
YSS開発者の山下宏さんは地元が大阪ということで、
地元の知り合いを呼びやすいと喜んでいました。
小田原城は銅門(あかがねもん)という場所で指すようです。
ここなら電車1本で行けるなあ。公開対局なんだろうか。

先後を決める振り駒の立会人に谷川浩司将棋連盟会長が登場しました。
もっとすごい人が振り駒にくると言ってましたが、
なんと阿部晋三内閣総理大臣が登場し振り駒をすることに。
全部歩が出て第1、第3、第5局がプロ棋士側の先手になりました。
確率は1/2の5乗だから1/32かな?持ってる人というやつか。
官房長官から話があったとのことで、
将棋を世界に向けて発信していきたいと述べていました。
クールジャパンに将棋追加なんだろうか。

今回はスポンサーがついたということでそちらも発表されました。
特別協賛にソニーコンピュータエンタテインメントジャパンアジア、
日産自動車株式会社が挙げられ、
電王戦のMVPに日産エルグランドが送られるとのことです。
ユーザーにも日産デイズルークスが送られるとのことで、流石日産太っ腹です。

おやつ協賛には株式会社ローソンが発表されました。
ローソンのおやつが選び放題らしいので、
棋士と同じおやつを食べようと思ったらローソンに行けばいいようになりました。
屋敷九段は研究材料が増えたと喜んでいました。

2013年大晦日に、電王戦リベンジマッチということで、
船江恒平五段対ツツカナが行われることになりました。
持ち時間4時間で切れたら1手1分という、当時のルールをそのまま採用し、
解説に鈴木大介八段、聞き手藤田綾女流初段と、
こちらまで当時を再現して開催されるようです。
年末年始は実家にいるのでネット環境がないんですが…。

ソフト開発者に1秒間に何手読むのか、
将来人間を超える日はくるのかという質問がありました。

習甦
1秒に400万から500万手くらい読む。
将来人間より強くなるかはわからない。

やねうら王
1秒に400万手から500万手。
今は評価関数をよくする方向で進化しているので、
手数というものさしがいいものさしかはわからない。
遠い将来ならそうなるが、今はコンピュータに弱点がありすぎる。

YSS
1秒に400万手くらい。
名人戦のような条件で勝ち越せば追いついたと言えると思う。

ツツカナ
1秒に600万手くらい。
今は無理。

ponanza
1秒に400万手くらい。
いつか必ずくる。

最後に、来年の11月1日から3日の3日間、
第2回将棋電王トーナメントが開催されることが発表されました。
詳細はまだ不明ですが、激指やGPSも参加できるような取り決めになればいいですね。

電王戦リベンジマッチ特設サイトはこちら
やねうら王磯崎さんのサイトTwitter
YSS山下さんのサイトTwitter
ツツカナ一丸さんのサイト
ponanza山本さんのサイトTwitter

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