棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

習甦

菅井五段対習甦リベンジマッチ決定!

「電王戦リベンジマッチ 激闘23時間」菅井竜也五段 vs 習甦


2014年7月19日18時~20日17時まで、ニコニコ23時間テレビが放送されます。
その企画第1弾として、久本雅美さんによるゲストを迎えての本音恋愛トーク、
作曲家・新垣隆さんの交響曲HARIKOMIの製作、
そして菅井竜也五段が習甦と対局するリベンジマッチが発表されました。
持ち時間は8時間、使い切ると秒読み1分、チェスクロック方式ということで、
両者使い切ると16時間プラス秒読みという長丁場になります。
対局は19日13時からということで、ニコニコ23時間テレビに先立って開始されますが、
持ち時間をフルに使うと終わるのが翌日5時プラス秒読みプラス休憩時間ということで、
終盤頭が働いている視聴者はいるのだろうか…。

リベンジマッチについて羽生先生と森内先生でもした事ないんですよ、
人間追い込まれたら120%くらい力出すんですよと豪語する菅井五段ですが、
将棋界での追い込まれる環境というのはタイトル戦くらいですから、
そんな環境に身を置いて早くトップに追いつきたいという菅井五段の意思が見えます。

羽生善治、岡田武史著「勝負哲学」より岡田監督の話

「うーん、どうもすっきりしないなあ」と悶々とした気持ちを抱えながら、
その夜、試合のビデオを何度も見直していました。
すると、夜中の三時半ごろ、ふっと女神のしっぽをつかんだ気がしたんです。
三本目のやり方にプラス、松井、大久保の両サイドも加えた五人のMFを
全員横に並べてみたらどうだろう─そうひらめいたんですね。
<中略>
それからコーチを叩き起こして、また映像を見直し、
ホワイトボードの磁石で何度もシミュレーションをして、夜が明けるころには、
ひらめきが「これしかない」という確信に変わっていったんです。


2010年のワールドカップで、
岡田監督は大会の直前でシステムの変更と選手の入れ替えを決断しました。
その結果ワールドカップ4試合でわずか2失点、ベスト16という結果に繋がりましたが、
そこには深夜のひらめきがありました。
動画の中で久保利明九段が、振り飛車は感性で指していくと述べていますが、
勝負哲学の中で羽生さんは、いままでに経験したいろいろなことや
積み上げてきたさまざまなものの層が厚いほど、生み出された直感の精度が上がる、
と述べています。
また、岡田監督は直感を働かせるタイミングについて、
結論を出す瀬戸際までは理論でできるだけ精密に積み重ねるけれども、
最後の一片を埋める決断は直感ですると述べています。
電王戦に出場が決まった直後から急に成績が上向いた森下卓九段のように、
菅井五段も何かを掴んでもっと上のステージに行って欲しいです。

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勝負哲学
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豊島七段&YSS vs ponanza&ツツカナ&習甦

「豊島将之&YSS」 対 「ponanza×ツツカナ×習甦」 @ニコニコ超会議3 1/3


「豊島将之&YSS」 対 「ponanza×ツツカナ×習甦」 @ニコニコ超会議3 2/3


「豊島将之&YSS」 対 「ponanza×ツツカナ×習甦」 @ニコニコ超会議3 3/3


ニコニコ超会議3超囲碁・将棋・電王ブースより、豊島将之七段とYSSのタッグが、
ponanzaとツツカナと習甦の合議制タッグと対局する動画です。
コンピュータは意見が割れた場合は多数決、
3者で分かれた場合は電王ということでponanzaの指し手が採用されますが、
序盤の定跡の駒組みの段階から習甦が違う意見を言ったり、
ponanzaが積極的に桂馬を跳ねる手を言ったりと棋風が出ていて面白いです。
定跡手順でも意見が割れるのですから、
将棋を指したいけれど定跡を覚えるのが大変そう、という方には頼もしい傾向でしょう。
将棋は角換わり同型という、
先手がいいのではないかと今のところ言われている形になり、
もしこれで後手が良くなったら生活にかかわってくる、
と解説の佐藤天彦七段が言ってましたが、なかなかどうしていい勝負になりました。
中盤からは人間的と言われるツツカナと、やんちゃなponanzaと、
形に明るい習甦と、指摘する手が分かれるシーンも目立ち、
将棋は結構いろんな手が可能性としてあるんだなということが分かります。
ただしponanzaはやんちゃなだけでなく、豊島YSSタッグの読みに無い受けの手を見せて、
それでYSSの評価値が後手になってしまったといったこともあり、
電王の強さを見せてくれました。
私は終盤は計算の世界なのでコンピュータの意見は一致すると思っていたのですが、
実際にはばらばらになることもあって意外でした。
佐藤七段の解説はとても面白いですね。
2012年にニコニコ生放送で解説していますが、タイムシフト期間が終了してるんですよね。
第38期ユニバーサル杯女流名人位戦の解説を見たことがあるのですが、
将棋に取り憑かれてるような解説で、
将棋の話だけなのに口も手も止まらないといった様子でとても楽しかった記憶があります。
タイトル戦の解説にも挑戦者としても登場して欲しい棋士です。

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第3回電王戦第1局、菅井竜也五段対習甦

いよいよ始まった第3回電王戦第1局、先手菅井竜也五段対後手習甦の対局は、
98手で後手の習甦が勝ち、コンピュータがまず1勝をあげました。

習甦の開発者竹内章さんは去年と同様和服で登場しました。
そして電王手君がどーんと将棋盤の前に構えます。
robotarm640x

ニコニコ生放送では解説が鈴木大介八段と中村太地六段、
聞き手が本田小百合女流三段でした。
対局は10時開始ですが、9時37分くらいに菅井五段が入場。
鈴木八段「スーツなので勝負モードだ。」
最初の駒並べから電王手君に注目が集まります。
現地レポーターの藤田綾女流初段
「菅井五段は入場する前は談笑していてリラックスしていた。
電王手君は意外に小さい。」
通常は対局者が交互に駒を並べますが、流石にそこまではいかなかったようで、
最初に菅井五段が並べて終えてから電王手君が並べることになりました。
電王手君が王様を置いた時の鈴木八段、中村六段、本田女流「おー」
駒は升目の真ん中に置く派と下の線に沿って置く派の棋士がいますが、
電王手君は真ん中に置く派で、大橋流で並べる本格派でした。
対局開始時にはおじぎもして、菅井五段がちょっと笑いをこらえるシーンも。
まさかのコンピュータ盤外戦術。
盤上では菅井五段の中飛車に習甦が急戦含みの駒組みになります。
鈴木八段「菅井ノートもちろん買いました。あれがないとついていけないんで。」
途中で習甦が△7三桂を読み筋に上げていましたが、
これを鈴木八段が悪い手、私の本に書いてあると指摘しました。
習甦は鈴木八段の本を読んでいなかったようです。
しかし△7三桂を指さなかったのは流石ですか。
長い持ち時間になると習甦は強さが出てきますね。
どちらが勝つかアンケートは菅井五段83.9%対習甦16.1%。
その後何故か菅井五段が話しながら対局場を離れました。
記録の貞升女流、読み上げの竹部女流も離れてトラブル発生。蜂が出た模様。
初めての会場だとこんなトラブルもあるんですね。
駒組みで習甦が△4三銀を10分以上考えていたのにいきなり△4三金を指して、
中村六段「おー」
中村六段の解説では金の方が穴熊まで囲える進展性があって夢があるとのこと。
人間側もコンピュータ側も力が出せる将棋ということで、
コンピュータは課題の序盤を結構上手く乗り切ったのかもしれません。
ここで電王手君を開発したデンソーの方のインタビュー。
「電王手君開発期間は1ヶ月。正直3ヶ月くらい欲しかった。
成る時はロボットが一番早く動く。
手彫りなので同じ銀でも違うので認識させるのが大変だった。制作費は秘密。
人と同じ場所にいるというのは工場ではないので、
センサーで人とぶつかりそうだったら止まるようにしている。」
立会人の飯野健二七段
「会場は寒いが菅井五段は寒い方がいいらしい。
電王手君?電王手ちゃんじゃないんだね?男の子なんだ。
虫が入ってきたのは蜂。電王手君は無視してた。
電王手君が駒を並べている時菅井五段の目がきょろきょろしていた。」
片上大輔理事
「菅井五段が取材に来る人を順番に出迎えてるみたいだった。
おだやかな流れになったのは意外だった。」
観戦記を書く先崎学八段
「ボクシングの時とはずいぶん雰囲気が違う。がんばれよーと言った。
普通の対局は相手も棋士なのでエールは送りにくいけどね。
振り飛車の方が気分がいい。
自分もコンピュータと指してみたりするが序盤はおおざっぱ。
電王手君の前に座ったら何とも言えない。
きぐるみなんか着せてやればいい感じなんじゃないかな。
この将棋は振り飛車が勝つ場合は比較的早く優勢になる。
居飛車が勝つ場合はじわじわと押していって優勢になるまで時間がかかる。」
解説の中村六段
「なんか電王手君が正座してるように見えてきた。」
何故か電王手君が癒しキャラになっている?
菅井五段が積極策をとるか、待機策をとるか、手が広い局面で長考し昼食休憩へ。
私も昼食に行きましたが、ローソンがおやつ協賛とのことなので、
ローソンでチョコミルクレープを買ってきました。菅井五段と同じになるかどうか。
午後からは鈴木八段の解説になりました。
鈴木八段「▲8八角が一番コンピュータの弱点を突きやすい手。」
昼食明けも考えてる菅井五段をみて鈴木八段
「私と指した時は早指しだったんですけどねー。相手軽しとみたのかな?
▲8八角が防御体勢。▲6八飛が攻撃態勢。▲6八角は誘う手。
将棋盤を前にすると考えてた手が不安になったり変えたくなったりする時がある。」
菅井五段は誘う手の▲6八角を指します。
これは習甦が△5四歩から攻めてくるのを誘った手とのことで、
習甦も△5四歩から読み始めました。
鈴木八段「コンピュータは攻める手をまず読むが、
それは序盤は裏目に出やすくて終盤は表目に出やすい。」
習甦が△5四歩からしかける。
鈴木八段「手待ちは習甦より私の方がうまいかなー。」
遠山五段現地リポートで登場。
「テニスの試合を見に来てチケットが買えなくて帰ったことがある。
電王手君の挨拶かわいかった。」
盤上では電王手君が駒を取るシーンになるので注目が集まりました。
習甦の評価値が107点で習甦が少しいいという判断を見て、
解説の鈴木八段の形勢判断が早速ぶれぶれになります。去年も見たような。
昼休みの詰め将棋の回答の後、鈴木八段の本にサインを書くときに、
鈴木八段がせっかくなので詰め将棋をと書いたら、
墨が手についてしまい大変なことに。焦った鈴木八段はすごく汗だくになりました。
左利きの人が筆で書くのは難しいですね。
菅井五段が▲5五歩と指すのが習甦の読み筋で、
鈴木八段は▲5五歩の展開は習甦が無理を通した感じがするので指したくないとのこと。
鈴木八段「限りなく五分の展開で先手は自分の力で打って出ないといけなくなった。
やはり▲8八角がよかったのに」
手厚い棋風の鈴木八段は待機策押しだったようです。
菅井五段は▲5五歩を選択し、
その歩を取った習甦が中央からじわじわ押していく展開になりました。
どちらを持ちたいかアンケートは菅井五段46.6%習甦53.4%。
鈴木八段「私の弱気なコメントが影響していますかね。」
81ダイバーの柴田ヨクサル先生登場。
習甦の評価値が81になってコメントがざわつきますが、
大盤解説で柴田先生も鈴木八段も見逃してしまいました。
現地リポートでの先崎八段
「今の局面は菅井さんが誘導した感じがする。
少し振り飛車が指せる。ただし形としては居飛車も好き。」
形に明るい先崎八段が居飛車が好きと言っているので、
例外的な手が無い場合は居飛車の習甦ペースなんでしょう。誘う手がまずかったかな?
鈴木八段の解説とほとんど同じ手順を先崎八段も並べていて、
プロは同じこと考えてるなと思いました。裏を返せば下手の考え休むに似たりですな。
いよいよ注目のおやつタイムですが、菅井五段はぎゅっとショコラを選択。
おやつ予想が外れたー。
何を食べたいかコメントした人の中から抽選で5名に、
ローソンのおやつ1か月分相当の金券が当たるとのことで、
コメントが大変なことになってました。
また、ニコファーレで見ている方全員にもぎゅっとショコラが配られ、
会場がおやつ休憩に入りました。
おやつの時の残り時間は菅井五段が2時間28分で習甦が3時間26分。
鈴木八段「私が相手のときはもっと早指しだったんですけどねー。
今年の成績では電王戦出場の手が挙げられない。
私は相手の顔が自信がありそうならおとなしく受ける手を指し、
弱気そうなら強気な手をどーんと指します。」
おやつ休憩の間は、
現地から第2局に出場する佐藤紳哉六段と藤田女流が解説になりました。
「砂糖のように甘い言葉で深夜に君を寝かさない。佐藤紳哉です。」
何故か佐藤六段がぎゅっとショコラを食べる様子をじっと見る謎番組に。
「先生食べ方面白いですね」「ここだけの話キスするときと一緒です」
「私なんて答えればいいんでしょうか」
虫について聞かれた藤田女流「私虫結構大丈夫です」
佐藤六段「菅井君がこんなに時間を使うのは初めて見た。
菅井五段を話したときにコンピュータと指すとどうしても時間を使うと言われた。」
習甦が検討されていなかった手を指して、いい手ではないかとの解説。
その後佐藤六段への応援コメントがいっぱいくる。
佐藤六段「ありがたいですねー。あ、今やねうら頑張れって出た」
おやつ休憩明けで解説が中村六段に交代。
中村六段「午前中は菅井五段がうまくさしていて、今は習甦が盛り返している展開」
イケメンボイスの岡本信彦さん登場して大盤解説に。
駒を動かそうとする岡本さんに先手先手で動かす中村六段。
大盤の駒を動かすにも慣れがあるんですね。おろおろする岡本さんが面白かったです。
盤上では後手の習甦が手厚い手を指して、
先手の菅井五段は押さえ込まれないように暴れないといけない展開になります。
そして菅井五段が銀を打ち込んだところでは、
習甦の評価値が習甦に+300以上になりましたが、その後に186まで下がります。
中村六段「あんまり評価値に踊らされない方がいいんですよ」
鈴木八段のぶれぶれ解説とは一味違いますな。
ぶれぶれ解説も一喜一憂感がして好きですけどね。
さらに2手進んだら60まで評価値が落ちました。
打ち込んだ銀に対して▲同金△同歩と進んだだけなんですが、
習甦的には先手が挽回しているのかな?
そして夕食休憩時間に入ったと思ったら電王手君が指してしまいます。
これには菅井五段も動揺。
電王手君はこれまで通りの待機状態なのですが、
「指しましたが何か?」と言っているように見えて面白かったです。
夕食休憩中に現地からponanza開発者の山本さんと下山さんが登場
ponanzaは習甦が120点くらいでかなりいい勝負なんじゃないかとのこと。
それくらいの点数だと勝率になおすと55%くらいらしいです。
年々強くなっているponanzaに関しては、
過去バージョンと戦わせることしか強くなったかわからなくて、
何をしたのが功を奏して強くなったのかがもはやわからないそうです。
第5局については、今日は熱戦な将棋なので、
熱戦になればいいなと思うと言っていました。
その後解説が鈴木八段になり、
習甦が△5六歩で攻撃にきたら自分が対局者ならため息つくと言っていましたが、
習甦は△5二歩と自陣に打って守ります。
その後習甦の読み筋を見ながら鈴木八段
「このタイミングで△4八歩を打つのは絶妙ですね。
私だったら自分より強い人だと思ってもうあきらめちゃいます。」
ここでひふみんアイで後手からの盤を見る。
鈴木八段「あれ?なんか美濃囲い固いから振り飛車もやれるんじゃないの?」
このぶれぶれも芸なのではないでしょうか。
その後は習甦の読み通りに進み、さらに△5一歩と守りに行く手を読み筋に挙げます。
その後の解説でこれはいい手だということになり、
習甦優勢が明快になったということでした。
鈴木八段も中村六段もこんな手は考えたこともないと驚いていましたが、
これを聞いてやねうら王さんのブログに書いてあったことを思い出しました。

やねうら王さんのブログ「電王戦 --- 将棋電王トーナメント --- やねうら王特設ページその2」より

コンピューター将棋の終盤には新手筋みたいなのはたくさん隠されている。
そういうのを問題集のような形にして、
そこから人間が学べば大きく棋力が上達するに違いないのである。


ところが習甦は違う手を指しました。コンピュータといえども結構迷うんですね。
その後初めて電王手君が駒を成る動作をしましたが、
私は紅茶を煎れてて見逃してしまいました。アーヤッチャッタヨー。
初めて駒を成ったときはデンソーの関係者から歓声が上がったそうです。
いくら動作確認していても本番はやっぱり緊張しますよね。
現地から立会人の飯野八段と飯野女流が親子競演。
飯野女流は振り飛車党で菅井ノートは覚え済みだそうです。
飯野七段はプロ棋士同士が指しているような違和感の無い指し手だと、
習甦を褒めていました。
盤上では習甦が勝勢に。
去年と比べるとコンピュータの形勢判断がかなり正確だったと鈴木八段。
プロと同じ感覚の評価値だったらしいです。
菅井五段は横を向いて心ここにあらずといった感じで、
数分その状態になってから菅井五段の投了となりました。
98手で習甦の勝ち。

コンピュータの対振り飛車は強いという話でしたが、
今日の将棋は菅井五段の誘いの隙を見せて、
習甦が隙に飛びつき、そのまま押し切ってしまった印象です。
習甦は去年のいきなり桂馬を跳ねて襲い掛かるコンピュータらしい過激な手ではなく、
中央に厚みを作る指し手で5筋の位を取り返し、
金銀を中央に盛り上げて菅井五段の飛車を銀で捕獲し、危なげなく勝ちました。
ただし解説の鈴木八段や中村六段も言っていたように、
菅井五段にいつもの思い切りの良い手や、
短い考慮時間で踏み込む決断の良さといったことがなく、
大一番で力を出すことは難しいことなんだなということと、
飄々と指した阿部光瑠四段はずいぶん図太い神経なんだなーと思いました。
対局直後に菅井五段は、
事前に200局くらい指した、長考して指した▲6八角はどうだったかという感想で、
その一手前の習甦の△7二飛がそれまでの練習対局には無かった手だったそうです。
また、中村六段が「おー」と言った△4三金も、
練習ではあまり出てこなかった手だそうで、
持ち時間が多い時の習甦の良さが出たと思います。
開発者の竹内さんも公式ガイドブックで、
持ち時間が増えることは歓迎、序盤で時間を使う設定にしたと述べていましたが、
設定がずばりはまった印象です。
菅井五段は200局練習したと述べていましたが、
流石に持ち時間5時間で200局指すには多分200日以上対習甦用にかかってしまうので、
短い時間で数をこなしたように思いました。
でもそれだと相手の指し手を測れないのかもしれません。

電王戦公式ガイドブックより豊島将之七段の話

--持ち時間によってどこが違うんですか。

豊島 序盤の指し方ですね。5時間でこれまで2回やっていますが、
2時間で指した時と比べてもだいぶ違うなと思います。
手が荒くなるという訳ではないんですが。
これからは、できるだけ本番と同じ条件で指したいと思っています。


豊島七段は準備も隙が無いように思う。隙がある分野はどこなんだろうか。
最後に誘ってみるよりも、怖い局面を通すのか全力で回避するのか、
はっきり決めた方がコンピュータ相手にはいいのではないかとの解説。
まあこの将棋を見終えたから言えることですな。
はっきりした棋士というと怖い局面を通すタイプだと佐藤康光九段や郷田真隆九段、
全力で回避するタイプなら丸山忠久九段とかですかね?
今回の出場者ですと森下卓九段が全力で回避するタイプでしょうか。

習甦は去年は攻めて攻めて切れてしまった将棋でしたが、
今年は手厚い将棋で習甦の力が出せたと思います。
習甦の評価値では午前中はやや劣勢、
菅井五段長考後の昼食休憩明けに指された手でやや優勢、
さらに長考後の夕食休憩明けの手で勝勢になったそうです。

イメージと読みの将棋観3 トップ棋士頭脳勝負から抜粋

長考の結果として得るものは?
アマチュアにとっては永遠のナゾであるプロの大長考。
長考の結果として得るものはなんだろう。
①勝利に到達。②有利になる。③何も分からない。
皆さんの実感として、どれが一番近いんでしょう?

渡辺 これは③ですね。
佐藤 長考の結果ですか?強いて言えば③かなあ。
森内 ①が多いとかっこいいけど、それは滅多にない。現実には②と③がほとんどでしょう。
久保 何時間も考えていい手を指したことはまずない。
広瀬 結果的に勝つことはあっても、長考が有利に結びつく可能性は低いと思います。


棋士が長考しているというのは局面が難しすぎて分からない場合で、
難しいのだからミスが出る可能性も高いということでしょうか。

今日の対局は習甦が隙を突いて中央に厚みを築き、
じわじわと優勢を拡大して危なげなく勝った将棋になりました。
将棋には大昔に5五の位は天王山と言う格言がありました。
現代は位を取らせる代わりに、
王様を固く囲って位に向かってどんと駒をぶつければいいという考えが主流ですが、
コンピュータが現代を代表する研究家の菅井五段に、
大昔の格言通りの将棋で完勝したのも面白いなと思いました。

来場者:290,709
コメント;444,759

去年の第1局は来場者が243,166人だったみたいでずいぶん増えましたね。
今年も是非とも盛り上がって欲しいです。

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第3回電王戦第1局PV

第3回将棋電王戦 第1局 菅井竜也五段 vs 習甦


菅井竜也五段はネット将棋で強くなった棋士で、
動画のコメントでも一体どこの24なんだと突っ込まれていますが、
もちろん将棋倶楽部24です。

浦野真彦著「初段になるための将棋勉強方」より

--将棋倶楽部24に登録したのはいつごろからですか。
菅井
小学四年生からです。
倉敷王将戦で全国大会に出たとき他県の代表に教えてもらいはじめました。
もう楽しくて、学校がある日でも一日二十~三十局、
休みの日は一日中指している感じでした。
<中略>
菅井四段はプロ棋士になるまで年間一万局は指していたそうです。
それだけの局数をこなそうとすれば雑になりそうなものですが、あくまで勉強の場と考え、
丁寧に指したことが大きな飛躍へとつながったように思えます。
レートの増減よりも内容を重視する姿勢は参考になるのではないでしょうか。


菅井五段は振り飛車党ですが、
コンピュータ同士の居飛車対振り飛車の将棋は圧倒的に居飛車の勝率が高く、
対振り飛車の戦い方がうまいそうです。

第3回将棋電王戦公式ガイドブックより

鶴岡(激指)
コンピュータ同士の戦いだと、対抗形は居飛車が圧倒的に勝ち越します。
激指もそうですし、他の上位ソフトに関しても同じで、
飛車を振った方が負けというぐらいの差がついています。

棚瀬(東大将棋)
自分も選手権に出場していた頃は、絶対に飛車を振らないように設定していました。
対ボナンザ戦で相手が振り飛車穴熊をやってきたときなどありがたいと感じていました。

佐藤慎一四段
コンピュータは対振り飛車の戦いがとても強いですよね。そこは凄い長所だと思います。
自分が振り飛車をやったら
100パーセント勝てないと思うぐらい強いと思いますよ(笑)。

船江恒平五段
角道を止めた振り飛車には確かに強いですね。
ただし、角交換振り飛車に対しては、あまり強くないと思います。
<中略>
5回やったら3回ぐらいは相当良くなるぐらいの優秀な戦法なので、
電王戦リベンジマッチの時に採用するかどうか凄く迷いました。


これは菅井五段の角交換振り飛車になるんですかね?
個人的には菅井五段がもうボロ負けですと言った時に、
「やっぱりちょっと集中できない?」「そりゃそうですよ」などと話している人をよそに、
5六銀7七銀てすごいなーと素直に感心している菅井五段が面白かったです。
純粋な棋士2人と邪な?関係者2人といった感じがしました。

第3回将棋電王戦第1局菅井竜也五段vs習甦は、
今週の土曜日(3月15日)に有明コロシアムで行われます。
ニコニコ生放送は9時開場9時半開演で、
解説に鈴木大介八段と中村太地六段、聞き手が本田小百合女流三段です。
有明コロシアムをどう将棋対局場にするんでしょうかねえ。とても楽しみです。

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第2回電王戦第1局、阿部光瑠四段対習甦

第2回電王戦の第1局、阿部光瑠四段対習甦の対局は、
阿部光瑠四段の勝利で終わりました。

対局のまとめ

習甦の開発者である竹内章さんは対局場に和服で登場し、
和服とノートパソコンという見慣れない光景が画面に広がって、
対局にかける思いが伝わって見ている人を楽しませてくれました。
和服は祖父の遺品で、竹内家の家紋が入ってるとのことです。

阿部光瑠四段はスーツ姿で登場しましたが、
対局中頻繁に鼻をかんでいて、少し体調が悪そうでした。
終局後の記者会見で、花粉症とアレルギーと風邪と言っていました。
フルコースじゃないか・・・

対局開始から30分ほどは竹内さんが指して、
それ以降は奨励会の三浦孝介初段が、
習甦の指し手を代わりに指すという形で対局が進みました。
三浦初段は阿部四段と仲がよく、阿部四段のリクエストだったそうです。

午前中は穏やかに駒組みが進みました。
私はソフトが序盤もっと早く指すと思っていたので意外でした。

そして将棋ファン注目、阿部四段の昼食は・・・

うな重(松)+まぐろづくし(特上)
特上(中トロ4カン・大トロ4カン) 2,800

こんなに食べるなんてすごい気合ですが、
特上寿司の半分ほどは三浦初段にあげたそうです。
後輩思いのいい先輩じゃないですかー。
人類対コンピュータの戦いだなどと周囲は騒いでいるのですが、当の本人は余裕がありますね。
大物っぷりを見せてくれました。

午後に入るといきなり習甦が攻撃を仕掛け、局面があわただしくなりました。
人間の感覚では無理気味な仕掛けですが、
コンピュータはこういう無理を通してしまうというのは、
対局したことがあるアマチュアの方ならご存知かと思います。
ところが今回は攻撃を受けている側はプロ棋士です。
ここからアマチュア相手とは違いコンピュータの攻撃を受け止めてしまいました。
勝敗が決まってからの悪あがきというコンピュータの癖も出ましたが、
最後は大差がついて投了し、阿部四段が勝利となりました。

ニコニコ生放送
来場者数 :243,166
コメント数 :430,650

放送終了後のアンケートでは、
とてもよかったとまあまあよかったで99%になりました。
将棋のイベントで24万人集客とはネットならではですね。

対局後インタビュー

阿部四段

順位戦が終わってから毎日持ち時間4時間の対局をした。
その後に1時間くらいの対局もした。
4時間の対局は20局以上指した。
1分将棋だと優勢でもひっくり返されるので終盤に1時間くらい残したかった。
これをやるという作戦は決めてなかった。
対局前は緊張したが、盤の前に座れば将棋は将棋。
▲3四歩に習甦が△同銀と取ったところで勝ちを意識した。

竹内さん

習甦は60手目くらいから無理気味だと理解し始めた。(仕掛けは34手目)
コンピュータは1秒に千数百万手読むスペックだった。
プログラムのどこを修正しないといけないのかは今は何もわからない。

この対局の観戦記は、作家の夢枕獏さんとのことです。こちらも楽しみですね。

生放送中のゲスト

対局中にゲストとして、最終局に登場する三浦弘行八段が来ていました。
三浦八段は、30秒で数百万手読むくらいのコンピュータなら楽勝、
数億読むコンピュータだと、早指しならやや苦戦すると言っていました。
弟弟子の阿部健治郎五段も来ていましたが、
今どきの若者風の歯に衣着せぬ発言がよかったです。

矢内女流「阿部五段はどう思いますか?」
阿部五段「私は関係ないので
三浦八段「引き受けなきゃよかった」
阿部五段「GPSに勝ったら100万円に比べると割りに合わない仕事だなー

確かにその通り(笑)。

阿部四段は持ち時間6時間の順位戦では現在C級2組、
今期は6勝4敗の成績でした。
こんな完璧な受けきり勝ちをする人が6勝4敗とはプロの世界は恐ろしい。

印象に残った言葉

解説の阿久津七段
「コンピューターは古くなった定跡も忘れずに覚えてるのが逆に問題」

確かにこれを覚えろとデータを入力するよりも、忘れろと消す方が難しい。

▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲7八金△8五歩▲2二角成△同 銀
▲8八銀△7二銀▲3八銀△3二金▲7七銀△6四歩▲9六歩△6三銀▲9五歩
△4二玉▲4六歩△7四歩▲6八玉△7三桂▲4七銀△3三銀▲5八金△3一玉
▲5六銀△5四銀▲7九玉△2二玉▲3六歩△5二金▲3七桂△6五桂▲6八銀
△8六歩▲同 歩△同 飛▲8七歩△7六飛▲6六歩△同 飛▲6七銀上
△4四角▲8八角△5六飛▲同 歩△8八角成▲同 玉△4四角▲9八玉
△6九銀▲6八金右△7八銀成▲同 金△5七桂成▲7六銀△7五歩▲8五銀
△6七金▲8八金△4二金右▲7一飛△5六成桂▲9一飛成△8四歩▲同 銀
△7六歩▲7八歩△6六角▲5一角△4一金▲6二角成△4二金上▲5一馬
△3九角成▲1八飛△6六馬▲8二龍△8六歩▲3五歩△8七歩成▲同 金
△1二玉▲3四歩△同 銀▲4二馬△同 金▲同 龍△2二角▲3一銀△3二歩
▲3三歩△同 馬▲同 龍△同 桂▲4二角△2一飛▲2二銀成△同 飛
▲3一角打△2一銀▲3六香△8六歩▲同 金△8五歩▲同 金△7七歩成
▲同 歩△8六歩▲3四香△8七歩成▲同 玉

まで、113手で阿部光瑠四段の勝ち。



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