棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

磯崎元洋

電王戦FINAL第3局はやねうら王が稲葉七段を破る

人間の2連勝で始まった電王戦FINAL第3局、稲葉陽七段対やねうら王の対局は、
やねうら王が勝利してコンピュータ側から見て1勝2敗となりました。
磯崎さんおめでとうございます。

タイムシフトで視聴できます

今日の対局は横歩取りの将棋になりました。
横歩取りというと電王戦ドキュメンタリー、
【電王戦FINALへの道】#27 稲葉陽 vs やねうら王 1分将棋①~#29で、
稲葉七段がやねうら王の飛車を捕獲して勝利するという対局がありました。
途中までその手順になりましたが、
稲葉七段が捕獲する順を避けて力と力の勝負といった展開になりました。

そして午後に入ると、稲葉七段から開戦して局面を動かしに行きました。

dennou3-5
後手の1三にいる角の利きが飛車によって隠れています。
これをチャンスとみた稲葉七段は 

dennou3-3
少し動いてから▲2七歩と相手の攻め駒にアタック。

その後稲葉七段とやねうら王、両者時間を使わずに指し手を進めましたが、
稲葉七段に誤算があったようで評価値が大差になってしまいました。

dennou3-2
これに人間側はイカール星人で対抗。しかし…

dennou3-1
一瞬で崩壊じゃなイカ。

稲葉七段は入玉を目指す動きも見せましたが、
一昨年の塚田九段対Puella αのような展開にはならず、
やねうら王が稲葉玉に必死をかけたところで稲葉七段無念の投了となりました。

対局後の記者会見で稲葉七段は、
飛車を捕獲にいかなかったのは竜に暴れられてしまう展開になるから、
まっすぐ入玉に行かなかったのはあまりにも駒が足りなかったから、
と述べていました。
また、この対局の戦型である横歩取り△3三桂はランダムな要素が強く、
駒組が20~30通りくらいあるとのことで、
稲葉七段としては研究がなかなか及ばない展開、
やねうら王にとっては本番でいい引きができたということでしょうか。
また磯崎さんは、30手目の△4三銀は1秒前くらいまでは△7二玉を選んでいた、
電王手さんが動くまで30秒、
指し手の操作に5秒ほどタイムラグがあるため、
その間にやねうら王が良い手を発見して事前研究とは違う手を選んだのかもしれない、
それが勝負のあやだったのではと感想を述べています。
勝負の神様は細部に宿るというサッカーの元日本代表監督、
岡田武史さんの言葉を思い出しました。

来場者数:522,486人
コメント数:296,134

第3回電王戦第2局、やねうら王対佐藤伸哉六段

コンピュータと人間が将棋で戦う第3回電王戦第2局は、
95手でやねうら王が佐藤六段に勝ち、コンピュータ側の2勝0敗になりました。

佐藤六段は和服で登場。やねうら王の磯崎さんはスーツで登場しました。
解説の木村一基八段、飯島栄治七段、聞き手の安食総子女流初段、現地の藤田綾女流初段、
ともに両国国技館に行ったことがあるそうで、
相撲好きが棋士には多いんですかね?
立会人は有野芳人七段で観戦記は河口俊彦七段。
河口七段は観戦記やエッセイでも有名な方で、老師とも呼ばれている方ですので、
観戦記がとても楽しみです。
佐藤六段と深夜A時というコンビを組む飯島七段は前日眠れなかったそうで、
木村八段「私はぐっすり眠れました。応援してないわけじゃないですよ」
佐藤六段と飯島七段はイベントが終わったあとにお笑い反省会をするらしいです。
対局開始時の電王手君のおじぎは、前局よりタイミングを遅らせていて、
技術者のこだわりが感じられます。
やねうら王はいきなり▲1六歩とまさかの端歩でスタートしました。
佐藤六段は角道を開けて、飛車先を突いて何でもやって来いと受けて立ちます。
やねうら王は▲1五歩とまさかの端歩突き越しを敢行しました。

やねうら王さんのブログより

[12:30] 午前中までのあらすじ。やねうら王側の初手16歩。
私はこの指し手に度肝を抜かれた。
というのも定跡データベースに登録されているのは76歩(出現頻度80%)、
84歩(18%)、56歩(1%)であり、16歩は0.1%である。
定跡選択は乱数だが、出現頻度に比例するようになっており、
この千分の一をこの大一番でやねうら王は引き当てた。
佐藤紳哉六段も初手からいきなり未経験の局面だったのではないかと想像する。
その後いろいろあって、9手目までがやねうら王側は定跡。
11手目までからは局中学習定跡にもhitしていないことから、
少なくともこの時点で貸出時に経験していない局面であることは間違いない。
いきなりのガチンコ勝負である。
運良くそのように局中学習・局後学習が絡む局面は回避できたので、
それ絡みでいきなりバグって対局終了という惨事は回避できた。
一つ目の峠を超えたことに私はとても安堵している。
午前中終了時の局面のほうは、持久戦模様で、
またプロ的にはよくある局面だと思うし(プロ側の経験が生きる展開だし)、
振り飛車側(やねうら王側)がやや作戦負けかなと思う。
でもやねうら王にしては上出来。


やねうら王の局後学習機能について。
木村八段「えいちゃんどう?」
飯島七段「二日前の棋譜も覚えてない」
佐藤六段のプロフィールの解説になると、
安食女流「佐藤のように甘い言葉で伸哉に君を寝かせない」
木村八段「そのせいで昨日飯島さんが寝れなかったんですね」
佐藤六段は頭を揺らして目をぎょろっとさせて考えていて、
豊島?強いよねの時のNHK杯の時と同じスタイルです。
今日はツツカナの評価関数を表示させるそうで、来週もお楽しみに的なところかな?
今日は解説者への質問メール以外に「あなたが電王戦に期待すること」も募集とのことで、
ドワンゴは火消しのフットワークも軽いなと思いました。
どちらが勝つと思うかアンケートは佐藤六段75.4%、やねうら王24.6%。
いきなり定跡外れの進行なので佐藤六段は時間を使う展開になります。
会場では謎の佐藤うちわを配っていて、
鬘をかぶってきりっとした表情の佐藤六段の写真がありました。
何故か裏番組のポケモン竜王戦とも中継を繋ぎ、
木村八段「阿久津さんA級おめでとうございます」
※木村八段はB級1組で5勝7敗、阿久津八段に負けてます。
阿久津主税八段、野月浩貴七段、中村太地六段、田中悠一四段が登場。
安食女流「みなさんどうしてそちらにいらっしゃるのでしょうか」
木村八段「安食さんさすがですね」
野月七段「木村さんと話しに来ました」
阿久津八段「佐藤さんの力が出やすい将棋」
野月七段「伸哉君はおでこからビームが出るので見逃さないように」
田中四段「伸哉さんが普段と対局で一番ギャップがあるんじゃないかなと思う」
結局やねうら王の四間飛車になりました。
態度を決めてくれたので、佐藤六段が穴熊に組みやすい展開になります。
佐藤六段はさほど時間を使わずに△5四歩。もう穴熊に決まりでしょう。
ツツカナは穴熊に組まないように、
一丸さんは王が隅に行く手の評価を-150くらいに下げているはずなので、
穴熊側は評価値が辛い将棋になりました。
安食女流「電王手君も結構長考」木村八段「やねうら王ね」
流石の安食女流です。
木村八段「穴熊だと私たちの仕事の時間が長くなる。
今日は記者会見の時間も長くなるかもしれないし」
やねうら王は美濃囲いに。
「あなたが電王戦に期待すること」のメールコーナーになると急に真面目な番組に。
ロボットが駒を動かすということは木村八段は羽生さんから聞いたらしいです。
羽生さん耳が早いですね。
片上理事「やねうら王は初手は何を指すかわからない仕様になっている。
初手▲5六歩で中飛車にすることが多かったのでこの展開は意外。
やねうら王は5時間をどう使い切るかということも考えて作られている」
木村八段「解説にとっては嫌な情報でしたね」
佐藤六段が使っている扇子がアップされ、
「寝かさない」の字にコメントが盛り上がりました。
ここで昼食休憩。
昼食後にローソンでプレミアムロールケーキとプレミアムラテを購入。当たるかな?
昼食明けに現地から遠山五段登場。
飯島七段「佐藤六段の表情についてはいつもこうなので、
対局中は顔を見ないようにしている。
今日は長そうなので皆さんもゆっくりご覧になってください」
会場には山本さん、一丸さん、竹内さんもきているそうで、一緒に検討しているそうです。
安食さんに関係がある方もきていると言われて、あじ夫とコメントが流れていました。
飯島七段が筆ペンでサイン中に安食女流
「連盟にも将棋部というのがありまして…、あ、書道部」
今日はいつもより絶口調な気がする。
ニコファーレにSSFの伊藤真吾五段と上村亘四段が登場。
伊藤五段「30分くらい前に来たんですけど宣伝されてて出れなかったんですけど」
上村四段「佐藤六段とは将棋はあまり指さない」
伊藤五段「指し初め式で指してお雑煮をいただいたりはする」
佐藤六段が作るらしい。まさかの女子力。
飯島七段「僕と伸哉さんはふたつでひとつだから」
伊藤五段「もうそこまでなんですか」
伊藤五段と上村四段「伸哉さんの人はわかるけど将棋はわからない」
メンバー同士での研究会とかはしないみたいですね。
穴熊に組めたこともあって、
どちらを持って指したいかアンケートはやねうら王27%佐藤六段73%。
棋力アンケートでは何故か竜王名人が17.9%になりましたが、
直後にポケモン竜王戦に出演している森内竜王名人、
野月七段、中村六段が出演しました。
森内竜王名人は引き角君持っているらしく、飯島七段がひたすら恐縮していました。
中継で竹内さんが登場。
菅井五段とは局後に感想戦をしたり、メールで意見交換したりしている。
習甦は盤面の利きを重視するので前局は力を出しやすい理想的な展開だった。
菅井五段によると、
事前の練習将棋でも毎回ちょっとづつ形が違くて同じ形にならなかったらしい。
その後佐藤六段が創った詰め将棋が出題され、
正解者には躍動する駒たちと書いてある軍配をプレゼント。
おやつはおはぎ。相撲の聖地なら和風だという読みが全く無かったのが敗因か。
佐藤六段がいよいよ歩をぶつけて仕掛け、
ツツカナの評価値が初めて後手にプラスになりました。
穴熊側の評価値が-150になることを考えると、
やねうら王より50分くらい時間を使っていますが、その成果がでていると思います。
ニコファーレがおやつ休憩になり、現地から塚田九段がおやつレポートする謎番組に。
SSFから伊藤五段、セクシー担当の堀越美穂さん、ポーカープロ木原直哉さんが登場。
木原さんは2012年にポーカーの世界選手権で優勝した方です。
SSFはずいぶん人脈が広い組織なんですな。
囲碁の棋士、麻雀のプロといった方々もメンバーだそうで、
気の合う仲間同士の緩い集まりといったところですかね。
石田直裕四段はインフルエンザで倒れて応援に来れないそうです。
おやつが終わり、解説が木村八段へ。
やねうら王が暴れて佐藤六段がなだめる展開なので、受け師の解説は心強いですね。
歩切れの佐藤六段にやねうら王が歩を突き捨てる手を指し、
ここでいい手がありますよと言って安食女流に聞き出そうとする木村八段。
木村八段「振るなよというまで言い続けようと思う」
その後いい手の解説をする木村八段に
安食女流「強いですね先生」
絶口調どころではないかもしれない。
局面は正しく指せれば佐藤六段がいいかなという形勢になりましたが、
持ち時間が2:48対1:43と1時間以上開いたのが気になるところです。
電王手君が動かないトラブルがありましたが、無事リカバリーしました。
木村八段は今日の目標は何ですかという質問メールに、
「安食さんをびっくりさせること」と即答。
現地から豊島七段が出演。
躍動する駒たちと書かれた軍配を持つ豊島七段はなんというかかんというか。
2月3月は毎日のようにやっている。
序盤だけやったりとかもしている。
YSSの場合は1時間でも5時間でも序盤はそんなに変わらない。
勝負にこだわって少しでも勝率を上げられるように頑張る。
現地レポートも隙が無い豊島七段でした。
この後初手から解説となり、
木村八段が「思い出せるよねー。プロだもんねー。」と言って、
飯島七段を困らせます。
しぶる飯島七段に「初手だけ言うよ。▲1六歩」場内から拍手。
その後順調に並べる飯島七段ですが、安食女流「△4三金が先ですね」
並べ終わった後の木村八段「あれは皆さんわざとですからね」
夕休明けも考える佐藤六段。残り1:21になったところで突いた歩を取ります。
取った瞬間にやねうら王に振れるツツカナの評価値。大丈夫かいな。
安食女流が休憩に。
木村八段「豊島さんは▲7七桂、ツツカナは▲6五飛。さあどっちを取る?」
ざわ…ざわ…
飯島七段「僕は▲6四歩で」いい交わしかもしれない。やねうら王は▲6四歩を選択。
その後佐藤六段がすぐに指した△8七飛で一気にやねうら王に評価値が振れました。
佐藤六段は離席したのでまずいと思ったのかもしれません。
どちらを持ってみたいかアンケートはやねうら王70.5%、佐藤六段29.5%。
現地から安食女流の夫である細川さんが出演します。共演は初めてらしいです。
話しにくそうな安食女流「敬語で話すのもなんか…」
細川さん「安食さんそちらはどうですか?」
安食女流指摘のやねうら王がと金を取る手は、
後手を持って細川さんが勝つ変化を並べ、だんなの勝ちに。
終わったあとの安食女流「どうしゃべっていいかわかんない」
盤上では不利な佐藤六段が穴熊を頼りに暴れる展開になり、
佐藤六段がやねうら王の飛車と角の利きが交わる点に歩を打ちました。
焦点の歩というやつですな。
これをやねうら王が角で取り、香車で角と飛車の田楽刺しが決まり、
評価値が佐藤六段の-700くらいから-192まで差が詰まります。
ツツカナの読みが進むと-102まで急接近。
無理が通り、木村八段も投げやりモードから真面目モードになりました。
どちらを持ちたいかアンケートはやねうら王33.6%佐藤六段66.4%。
ツツカナの評価値は計算が進んで佐藤六段の-153になりましたが、
穴熊だと-150するので難解にまりました。
しかし佐藤六段の持ち時間は30分を切ります。
木村八段「逆転したかというとそうではなく、いい勝負になった」
やねうら王は2時間残しているのでやっぱり厳しいか。
現地リポートで永瀬拓矢六段が登場。
控え室では佐藤六段が指した香成りではなく、
竜で桂馬を拾う順を検討していたらしいです。
永瀬六段「香成りには銀打ちですか」木村八段「銀ですか?」
うろたえる永瀬六段。そして金を打つやねうら王。
永瀬六段はぱっと見後手持ちらしい。
木村八段「言う時は自身満々に言わないと。解説だから。」
その後成香をやねうら王が取る変化がみつかり、
ツツカナの評価値も再度やねうら王へ傾きました。
佐藤六段は1分将棋へ。ツツカナの評価値がやねうら王+1000点になります。
こうなると穴熊は脆いですね。
やねうら王が着々と包囲網を狭め、
序盤に突きこした▲1五歩が▲1三歩成りと決め手になり、
やねうら王の勝ちとなりました。

対局後の佐藤六段
相手が強かったから負けたという将棋にしたかったけど、
僕が弱かったから負けたという将棋にしてしまって残念。
コンピュータ全体受けが強い。
やねうら王は序盤が他のソフトより強い。初手端歩は驚きはなかった。
今までの対局で今日は五分五分だと思っていた。

磯崎さん
序盤はコンピュータ的には損だと思った、
オーソドックスな形になってほぼ五分に進んだのでラッキーだった。
中には角香交換してしまうような定跡もデータベースにあるので、
そういう意味ではいい目を引いた。
香車を打たれて評価値が700から0になった。
角を切れば勝てると思っていたが、その局面で角を切れないと理解した。見落としです。
80数手までほぼ横ばいだったので、コンピュータ将棋にしては熱戦だった。
佐藤六段は練習将棋では多分やねうら王に勝ち越している。

▲8三飛でツツカナの評価値が傾きましたが、
佐藤六段はその直前で見落としがあったと述べていて、
しまったと思うと実際の形勢以上にあわててしまって悪手を指してしまう、
というのは将棋というゲームの宿命なんですね。
その後やねうら王に見落としが出て急にわからなくなりましたが、
直後にまた悪手が出てしまいました。
こういう対局の流れを見ると、
騒動が無く精神状態が落ち着いた状況での勝負が見たかったなあと思いました。

対局後の会見で、佐藤六段は事前準備で40局くらい、持ち時間は1時間が一番多い、
5時間は2局やって1勝1敗だったとのこと。あれ?舐めプレイ?
阿部四段は習甦と300~400局くらい指したって言ってたからなー。
菅井五段は200局ですか。
元プログラマとしては自分が作ったソフトを1週間で修正して提出しろーと言われて、
半年で40回しか使われなかったらいろいろブーイングしたいところです。
皆さんも例えばブログを作って、半年で40人だったら悲しいですよね。
将棋ファンとしても結構がっかりなような。

やねうら王さんのブログ「 ■ 2013/11/01 3:16コンピューター将棋、弱すぎるな…」より

人類未踏の、人外の領域まで達したとかまことしやかに噂されている
コンピューター将棋ソフトではあるが、自分で作ってて言うのもなんですが、
序盤が弱すぎますわ。
動作テストしてるとよくわかるのだけど、
定跡を入れていないと平気で相手に穴熊に組ませて、
「形勢互角やで、どや?」みたいなドヤ顔で評価値±0とか出しやがる。
0じゃねぇわ、その局面。圧倒的大差だぜ。

ドヤ顔のまま勝った親孝行娘である。

ニコニコ生放送
来場者:318,625
コメント:357,515

ブログランキング・にほんブログ村へブログランキングならblogram

将棋観戦ぴあ
日本将棋連盟著
¥987






第3回電王戦第2局、佐藤紳哉六段vsやねうら王PV

第3回将棋電王戦 第2局 佐藤紳哉 六段 vs やねうら王


第3回電王戦第2局、佐藤紳哉六段対やねうら王のPVです。
思いがけず遺恨マッチになりました。
そんな演出しなくてもどうせ見るから余計なことすんなよとは思いました。

3月1日、やねうら王の磯崎さんがバグを取るためという理由で、
やねうら王をアップデートしたことが問題の発端でした。
指し手の性質が変わらないという磯崎さんの説明があったので、
プログラムを入れ替えることに許可がでていたのですが、
アップデート後に明らかに以前のバージョンとは違う挙動をする、
指し手も違うし強くなっているという指摘が佐藤六段からありました。
その後佐藤六段、磯崎さん、将棋連盟、ドワンゴで、
どのようなすり合わせがあったのかは分かりませんが、
とりあえず指し手も違うし強くなっているというアップデート後のやねうら王で、
電王戦に出場することになりました。
このPV放送後、電王戦の大将として出場する山本一成さんは以下のツイートを残しました。

山本 一成@電王より

やねうら王さんは悪意をもってレギュレーション違反をしていると思います。
今日の二人の対局のこと、
これからの対局のこと、
電王戦という舞台が本当に多くの人に支えられてできていること、
もう少し理解してほしい。
私はやねうら王の失格を望みます。

やねうら王さんは悪意をもってレギュレーション違反をしていると思います。
今日の二人の対局のこと、
これからの対局のこと、
電王戦という舞台が本当に多くの人に支えられてできていること、
もう少し理解してほしい。
私はやねうら王の失格を望みます。

我慢ができないのでもう一言だけ。
やねうら王の一枠はBonanzaやAperyが出れなかった枠なんだぞ。
大切な大切なものなんだぞ。


せっかく電王戦や将棋電王トーナメントが開催されるところまで漕ぎ着けたのですから、
やねうら王が食い荒らして消滅しました、
ということは許されないという山本さんの気持ちは良く分かります。
個人的にも将棋は400年続く伝統芸能ですから、炎上させて短い期間で注目を集め、
後は無くなっても知らないという焼き畑農業のようなことに、
将棋界を巻き込んで欲しくは無いんですよね。
今回の出来事は他人が作った畑を燃やしてるので焼き畑農業よりひどいんですが。
しかも畑を耕した一人であるドワンゴも一緒に燃やしてるので救えないですな。
将棋電王トーナメントの開催は初めてのことでしたので、
予期せぬトラブルは起こりうると想定して、
5位決定戦に負けたAperyにもリザーバーとして提出してもらってた方が、
スマートに問題が解決したかもしれませんね。

ブログランキング・にほんブログ村へブログランキングならblogram

将棋観戦ぴあ
日本将棋連盟著
¥987






電王戦の反響と新しい問いかけ

第3回将棋電王戦記者発表会[対戦カード・対局日程・対局会場]PV


第1回と第2回の電王戦でヒール役ポジションにいたPuella αの開発者、
伊藤英紀さんが、自身のブログで電王戦の舞台裏について執筆中です。
この中で居酒屋での故米長邦雄会長の話として、
電王戦を興行として成功させたいと話していたと書かれています。
そこで第2回からはドワンゴと組むことになったのですが、
第2回は一般のニュースにも取り上げられるような反響を呼び、
興行的には大成功だったと思います。
私のブログでも、例えば電王戦前の2月で一番PVがあった日で126PVだったのですが、
3月の佐藤慎一四段がponanzaに負けた翌日の31日には2640PVと20倍以上になり、
4月の塚田泰明九段が引き分けになった日には5000PVを超えました。
電王戦によって新たに将棋に興味を持たれた方が、将棋と電王戦のキーワードから、
どんどんネットサーフィンしていたことの証左だと思います。
第3回は対局場にまで趣向が凝らされ、特別スポンサーとして3社が名乗りを上げるなど、
ますます大きなイベントとなりました。

伊藤さんとは別に、第3回電王戦に出場するやねうら王の磯崎元洋さんも、
自身のブログにてコンピューター将棋のことを書いています。
コンピューター将棋で同系のソフト同士の対戦は、
持ち時間がわずかに多い側が大きく勝ち越す、
という事象から、プロ棋士を同系ソフトとみなせば、
実力的な差はわずかなのに勝率に開きが出るということを説明できると掘り下げています。
ここからさらにコンピュータ将棋開発者からの意見で掘り下げて書かれていますので、
興味のある方はそちらを読んでいただくとして、
観る将棋ファンの私はプロ棋士が同系ソフトとは言えないかなーと思います。

コンピュータ将棋の場合、
・自分が指す手→自分の評価関数で考える
・相手が指す手→自分の評価関数で考える
ということが言えると思います。
そのため同系ソフトの場合は読みが一致してしまい、
ちょっとでも強いソフトにじわーっと押し負ける、勝率に開きがでてしまう、
ということだと思います。
それではプロ棋士はどうでしょうか。
昔からトップのプロ棋士はその特徴から、中原誠十六世名人の「自然流」、
谷川浩司十七世名人の「光速流」、森内俊之十八世名人の「鉄板流」、
といったように呼ばれます。
これはプロ棋士の評価関数の特徴と言え、
「光速流」と「鉄板流」が同じ系統のソフトとは思えないというのが私の意見です。
ただし勝率に差がでる現象というのは確かにあります。
それが「○○流」と呼ばれることのないトッププロの棋士、羽生善治三冠です。
例えば羽生三冠と深浦康市九段は、羽生28-27深浦とほぼ互角の成績だったのですが、
そこから急に深浦九段の10連敗になりました。
三浦弘行九段は6-6の後は1-21と大きく負け越していますし、
藤井猛九段は13-14の後に2-23とこれまた大きく負け越しています。
羽生さんはこだわりを持たないということにこだわっている棋士でもありますが、
そんな羽生さんが思考方法を述べているのを本から抜粋します。

梅田望夫著どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語より

木村さんはそういう展開にするよりも、攻めるぞと見せて、
受けにまわるというのが好きなタイプなので、本譜のように▲6八角でしたが、
<中略>
▲6八角の展開になると思っていました。
控え室では、木村の▲6八角にみな驚いていたわけだが、
羽生は木村の個性を見切ったうえで、▲6八角を予測していたというのだ。

-----------------

棋譜を見れば木村さんが指したものとすぐわかります。

-----------------

かつて、ある若手棋士が、
「羽生さんって、人の特徴をとらえるのが本当に上手だからなあ」と感嘆していた。
羽生の強さの秘訣に、戦う相手の棋士としての本質を、
極めて抽象度の高いところで掌握していることがあるのではないだろうか。


先ほど私はコンピュータ将棋の場合、
・自分が指す手→自分の評価関数で考える
・相手が指す手→自分の評価関数で考える
と書きましたが、少なくとも▲6八角を予想した時の羽生さんは、
・自分が指す手→自分の評価関数で考える
・相手が指す手→相手の評価関数で考える
というアプローチを取っていると考えられます。
そのため同系ソフトの場合と同様に相手の指し手が読みと一致し、
読みが少しでも上回ると勝率に開きが出るのではないかと思います。

渡辺明著勝負心より

私は公式戦を600局以上戦い、7割近い勝率を残してきた。
そのうち約200局もの敗局があるが、そのほとんどは、
自分のミスによるものと認識している。
しかし、こちらが一手のミスもなく指しているというのに、気づいたら負けていた、
ということが、ごく希にある。
敗因がわからず、「どう指しても無理だったな」と感じる、その唯一の相手こそ、羽生さんだ。
これだけ完璧に指されたらお手上げだ、と思わされたのが対局のひとつが、
先に述べた2008年の竜王戦フランス対局だったのである。


やねうら王の磯崎さんは、同系の強いソフトにはじわーっと押し負けると述べました。
上記の渡辺二冠の話も、ミスをしていないのに気づいたら負けていたということは、
じわーっと押し負けたということなのではないでしょうか。
渡辺二冠は羽生さんが最も読み筋が合う、
予想外の手もあるが、後で考えるとおおむね理解できる手であるとも述べています。
逆に佐藤康光九段はなぜか根幹から読みが違う、
説明されても納得できないことが多いと述べていますから、
少なくとも渡辺二冠と佐藤九段が同系ソフトというのは間違っていそうです。

ブログランキング・にほんブログ村へブログランキングならblogram

どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?
―現代将棋と進化の物語
梅田望夫著
¥1,365





あかんパターンにはまるやねうら王

新ヒーロー登場 やねうら王さん「これ、あかんヤツや!」


ponanzaよりもレーティングが下、実力が下だと考えたやねうら王こと磯崎さんが、
勝率を最大にするにはどうすればいいか、というテーマで考えたのが、
必勝!やね裏定跡と三倍頑張るファーファ作戦でした。
ponanzaは必殺!やね裏定跡は回避できましたが、
三倍頑張るファーファ作戦には嵌ってしまい、
将棋が強いponanzaの山本さんは、
観戦中に結構冷や汗をかいたのではないかと思います。

羽生善治、岡田武史著「勝負哲学」より岡田監督の話

サッカーはフロックがいちばん多い競技でもあります。
あるふたつのチームが十回戦ったら、
何勝何敗でどっちが勝つかという確率はかなりの精度で予想できるんです。
しかし、トーナメントみたいな一発勝負となったなら、
その確率はにわかに当てられなくなります。
戦力比較にもとづく事前予想がもっとも裏切られるのがサッカーじゃないかなあ。
これを逆にいえば、サッカーは「弱者の戦略」が立てやすいスポーツであるともいえます。
たとえば、日本代表の監督として力が上のチームと戦うとき、
私はよくこんなふうに考えたんです。
「あの強い相手と十回戦っても勝てるのはせいぜい三回くらいだろう。
その勝てる三回はおそらくこんな戦い方をした場合だろう。
その戦い方をするためには何が必要だろう。
その小さな勝てる可能性を最大まで高めるにはどうすればいいだろう」
そんなふうに、
「勝てる偶然性」を少しでも蓋然性にまで高める模索をしょっちゅうくり返していました。


自分のソフトの勝率を冷静に考え、
弱者の戦略をコンピュータ将棋の世界に持ち込んだのがやねうら王の磯崎さんでした。
結果は堂々の4位ですから、有効性が証明されたと思います。
動画の最後にponanza評価値がプラスに転じているのを観て、
「これ…あかんパターンのやつや…」と意気消沈してましたが、
実はこの後終盤まで優位を保っていました。
ご本人もブログで
この局におけるやねうら王は、私の期待以上の働きだった。
やねうら王の善戦ぶりに拍手を送りたい。
と述べています。
コンピュータに弱者の戦略が通用するというのも面白い話です。

ブログランキング・にほんブログ村へブログランキングならblogram

将棋世界 2013年 12月号
¥750







記事検索
ブログランキング
棋士はカワイイ!
将棋の動画を紹介したり、
コラムを書いたりしています。
by teneropi

ブログランキング参加中です。
動画や記事が面白かったときに
ポチッと押してくれると励みになります。

ブログランキング・にほんブログ村へ

将棋アンテナサイトといったらここ
将棋アンテナ棒銀くん
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

将棋観戦のお供に
将棋アイテム

チェコ製将棋セット

価格:6,264円
(2015/1/7 13:56時点)
感想(0件)

どうぶつしょうぎ

価格:1,543円
(2015/1/7 13:44時点)
感想(11件)

クリアファイル (羽生/森内) 2枚組

価格:540円
(2015/1/7 13:46時点)
感想(0件)

クリアファイル (加藤一二三)

価格:216円
(2015/1/7 13:47時点)
感想(0件)


羽生善治のこども将棋 序盤の指し方 入門-1手目からの指し方と戦法を覚えよう!
¥1,026


永瀬流 負けない将棋
¥1,620


人間における勝負の研究―さわやかに勝ちたい人へ
¥576


羽生と渡辺 -新・対局日誌傑作選-
¥1,663
  • ライブドアブログ