棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

一丸貴則

第3回電王戦第4局、ツツカナ対森下卓九段

コンピュータと人間が将棋で戦う第3回電王戦第4局は、
ツツカナが森下卓九段に勝利し、コンピュータが3勝1敗と勝ち越しを決めました。

小田原城の銅門(あかがねもん)の中での対局ということで、貴重な映像になりました。
ツツカナの開発者一丸貴則さんは既にPC前でスタンバイしていましたが、
寝癖をつけていたので羽生流かもしれない。
森下九段は9時47分くらいに登場するということで、
えらい細かいのが律儀流らしいのかもしれません。
門ということでトイレも控え室もありませんから、
前日の設営は9時から18時までかかったとか。スタッフの皆様お疲れ様です。

ニコニコ生放送では解説が藤井猛九段と行方尚史八段、
聞き手が山口恵梨子女流初段でした。
森下九段はプロ棋士の中では個性的な将棋、
ツツカナもコンピュータの中では個性的な将棋とのこと。
47分に門が開き森下九段が和服で登場。
藤井九段「天気が良くてよかったですね。雨だと大変です」
この後門の中に入り、時計をセットして駒を並べますが、森下九段のペースが早い早い。
普段は相手がいますからねとの行方八段に、
藤井九段「相手のペースを考えないで並べる人が今日来られる」
コメントが加藤一二三九段フラグかとざわつきました。
今日の観戦記は推理作家の西村京太郎さんで、大物の方の西村とのコメントも。
トラベルミステリーの大御所ですな。
電王手君が一家に一台欲しいという行方八段に、
山口女流「駒を並べる以外はあまりできないですが。」
行方八段「棋士もそんなもんでしょ。」
どちらが勝つかアンケートはツツカナ36.6%森下九段63.4%と、森下九段優勢。
戦型予想は
藤井九段「森下行方戦だったら矢倉」
行方八段「寝てても矢倉ですね」
ツツカナは何でも指せるのでツツカナの気分次第なのではないかと藤井九段。
注目の対局開始時のお辞儀ですが、
森下九段が深々とお辞儀をすると電王手君が止まってしまう恐れがあるため、
今日の森下九段は浅いお辞儀でした。
電王手君のお辞儀が終わるまで数回お辞儀していましたが。
注目の戦型はツツカナが矢倉を選択しました。
行方八段「空気読むんですね。」
ツツカナはその後藤井矢倉を目指すような駒組みをしたり、
森下システムを目指すような駒組みをしたり、矢倉加藤流を目指すような駒組みをしたり、
解説も観戦者も翻弄していきました。
行方八段「矢倉は将棋の2大戦法のひとつですね」
山口女流「もう一つは?」
行方八段「藤井システム」
ツツカナが▲2六歩なら加藤流に合流する局面で端歩を突き、
藤井九段「手の流れは端歩を突きこすんだけどコンピュータは点で捉えるんでしょ?」
行方八段「若い頃君の手は一貫性が無いって言われた」
行方八段も点で捉えるコンピュータ流らしいです。
森下九段は電王手君にすみませんがと手で合図をしてから胡坐にチェンジ。
律儀流である。
ツツカナは10分以上考えて端歩を突きこし、
プロの感覚に近いと言われる棋風を発揮していきました。
森下九段は朝5時に起きて水垢離をし、朝7時から棋譜並べをすると話題になり、
藤井九段「朝7時に寝る行方八段とはまるで違います」
現地リポートは藤田綾女流初段で、今日は小田原城の広場からとなりました。
全国おでんサミットが開催中でお客さんがたくさんいました。
塚田泰明九段は静岡のおでんが食べたいとのこと。静岡は黒はんぺんなんですよね。
盤上ではツツカナが銀を繰り出して得を目指す手に対し、
森下九段が銀の頭に歩をぶつけて開戦となりました。
今日の評価値はBonanzaが使われるとの事。
藤井九段「序盤は趣味。勝ち負けは終盤で決まる。
序盤だけで勝負が決まるならもう50番か100番くらい勝ちが増えるんですけど」
現地中継ではおでんサミットの実行委員の方が登場。
小田原おでんと沖縄おでんを持参し、
何故か広場で片上理事が沖縄おでんを食べる謎番組に。
キャベツと豚足が入ったこちらでは見ないおでんでした。
その後実行委員の方がマイクで解説し、藤田女流がおでんを食べるグルメ番組に進化。
さらに出汁の説明をする本格グルメ番組になりました。
藤井九段の出身はと聞かれて群馬ですと答えると、
藤田女流「群馬のおでんはありますか?」実行委員「無いです」
何で聞いたんだと突っ込まれていました。
山口女流の出身地鳥取のおでんもありませんでしたが、
行方八段出身の青森おでんはありました。
かまぼこの板を積み上げる競技もやるので是非皆様来て下さいとのこと。
盤上では森下九段が△5五歩と仕掛け、
ツツカナの▲同歩に△同銀と取ればまだおでんが食べられる、
取らずに飛車を回ると展開が忙しくなりおでんが食べられないという展開に。
昼食休憩まで30分ほどあり、
その時間を使ってもまだ森下九段の方が持ち時間でリードできているので、
このまま昼食休憩かと思ったのですが、森下九段は決断良く飛車を回りました。
将棋と性格は一致しますかとの質問メールには、藤井九段曰く、
将棋を見た目はあまり一致しない。橋本八段は渋い。行方八段も渋い。私はいい加減。
山口女流曰く女流は攻め将棋が多い。奨励会は受け将棋が多い。
プロになると攻め将棋が多くなる。とのこと。
12時4分前に森下九段が提案し、昼食休憩になりました。
次の一手アンケートは藤井九段が選択肢を5つ提示しましたが、
最後に言った△8六歩がこれいい手に思えてきたと言い、アンケートでも46%の支持率。

私は昼食を食べた後にローソンでスフレチーズケーキを購入。
当てるなら大福こしあんではないかと思いましたが、無性にケーキが食べたくなったので。

休憩明けの注目の一手は△4六歩で、Bonanzaの評価値はツツカナの+227になりました。
その後電王手君が固まり、森下九段は興味深そうに見つめていました。
その後体勢を立て直す時に森下九段に威嚇しているみたいになり、
森下九段は笑っていました。
現地中継からは高見泰地四段が登場。
電王手君にトラブルがあって動かなくなったら代わりに指すことになっているそうです。
ここでもおでんサミットの波が押し寄せていて、
高見四段が青森県のしょうが味噌おでんを食べる謎番組に。
入っている具が油揚げかさつま揚げかで謎論争になりました。
こんにゃくを食べる高見四段「ちょっとこれ熱いんですけど。あっんぐっ。
見た目が透き通ってるんですけど味も透き通っていておいしいです。」
グルメリポーターになれるんじゃないですか?
その後高見四段がよくきつねうどんの上にのってるやつだから油揚げじゃないんですか?
と言って論争再開。藤田女流が食べて「さつま揚げですね。」
その後藤田画伯がおでんサミットの様子をスケッチに描いて見せてくれました。
高見四段はツツカナの玉側の端歩の突き合いが入っていればツツカナだけど、
現段階では互角か少し森下九段を持ってもいいかなあとのこと。
昼食休憩中の詰め将棋の解説をしている間に盤上は一気に激しい戦いになり、
Bonanzaの評価値はツツカナに+124。
森下九段はまだ55分しか使っておらず、対コンピュータを意識しまくっています。
ここで加藤一二三九段が登場。行方八段とのダブル解説になりました。
ツツカナが加藤流を指さずに▲4六銀と指したのが疑問とのことで、
これは様式美みたいなもんですか。
加藤九段「電王戦はできたら先手番で出たいらしいです。
▲3七銀の矢倉加藤流なら自信があります。
角交換腰掛銀や一手損角換わりは苦手なので勝算はありません。
先手番で矢倉で、振り飛車にくれば棒銀で勝てますからね。
コンピュータは最善手を指すことが出来るので、
序盤で半歩リードしてそのまま押し切るしか勝てないです。
100局か200局指して手ごたえがあったら出たいと思っています。」とのこと。
森下語録の棋士の最盛期は25歳だについて加藤九段
「私は40歳前後だと思っている。」
森下九段の言葉の意味は、長時間研究できるのが25歳までだからだそうです。
また、加藤九段は普通は恋愛すると強くなる、
モーツァルトは結婚してから数々の名曲を創ってきたと恋愛観も披露。
四谷のキリスト教会でカップル相手に結婚相談を受けていますからね。
盤上ではツツカナの次の手を▲4六角と予想していましたが、
ツツカナが▲4六銀を指して加藤九段がさみしそうな表情になりました。
現地中継では小田原市長が小田原おでん持参で登場。
相模湾の鯵とちくわがお奨めらしいです。
また梅の産地なので、梅を使った梅味噌をつけて食べるのが小田原流儀とのこと。
小田原市長がおでんの説明をして藤田女流が食べる謎番組になった後に、
藤田女流が話題を振って市長がイベントの宣伝をする謎番組に。
5月3日に北条五代祭りが50回記念ということで、
豪華版でやるらしいのでよろしくとのことでした。
風魔忍者祭りが9月にあるらしいです。
5月の北条祭りでは天下一忍者決定戦もやるらしく、これはいったい何を競うのだろうか。
小田原市長のよろしくお願いしますの直後に将棋の話を始める加藤九段。流石でした。
加藤九段はこれはサービス手順と言って、
飛車や角を捨ててツツカナの玉が詰む変化をすいすい並べていました。
こんな手があっさり見えるのが恐ろしい。
来年電王戦に出るとしたらひふみんアイはしますかと聞かれて、
「それは無いと思うけど、
コンピュータは熱に弱いのでストーブをあてるのはあるかな。」
開発部は熱対策を突きつけられた模様です。
今でも鰻を食べるんですかとの質問には、
今は冷やしトマトとそばを食べているが、これからは鰻も食べるとのこと。
盤外作戦については、
神谷八段との対局中に私の駒に触らないでくださいと言われたり、
冬場の対局で羽生さん、青野九段、神谷八段との対局で、
ストーブの熱が自分と相手等分にいくようにしたら、
3人ともに熱いからやめてくださいと言われたりしたそうです。
また、行方八段は加藤九段に後ろに回られて、本当なんだと喜んだと言っていました。
行方八段の師匠である大山康晴十五世名人とのタイトル戦では、
加藤九段の秒読みにあわせて、大山名人がラジオ体操いち、に、さんと言ったそうで、
これはなかなか上手いと思ったそうです。
森下九段はおやつを2個頼み、
プレミアムぎゅっとクリームチーズと純生クリーム大福とのこと。
チーズと大福でかすったかな?
加藤九段はおやつの話題を振られたのに将棋の話を始め、
話がとっちらかってイケメンボイスに休憩に入りましょうと言われていました。
ニコファーレがおやつ休憩で現地から勝又清和六段が解説。
純生クリーム大福を食べて勝又六段「これすんごいおいしいわ。」
おやつガールの小日向愛さんが登場し、
おやつ解説は勝又教授ではなく小日向おやつガールになり、
その間勝又六段はおやつを即座に食べ終えていました。秒殺でした。
控え室に佐藤康光九段が来ているらしく、
解説の勝又六段はちょいちょい佐藤九段に指し手を聞いていました。
盤上では解説中に手が進み、Bonanzaの評価値が0、
2時間43分も残していてねじり合いのいい勝負です。
おやつ休憩が終わると藤井九段の解説に。
「休憩中はずっと加藤先生見てましたよ。それだけで十分楽しめました。」
森下九段がじっと歩を垂らし、ツツカナが金を打って守り、
人間が攻めてコンピュータが受ける展開になります。
現地リポートで西村京太郎さんが登場。
そしてまたまたおでん登場。西村さんが京都のおでんを食べる謎番組に。
西村さん「味はいい」
藤田女流も富山のおでんを食べ、
「昆布出汁ですか。これで昆布じゃなかったらどうなんだということなんですが。
しょうゆでした?すいません。」
西村さん「コンピュータは1万回に1回くらいはぽかやると思うんで見たいんですよ。」
名人戦でも観戦記を書いたことがあり、
「ここで羽生さんがケーキを食べたなというのとかは見てたので、
それを書いたら喜んでくれる人がいた。
一手が2時間くらいとかになるのでその間何をしていいかわかんない。
戦前は将棋を指していた。縁側で将棋を指していて、見に行ったらまぜてくれた。
プロのはわかんないんだよね。何でそこにうつのかわかんないんだよ。
昔サムライがやってたから小田原城でやるのはふさわしいんじゃないか。
開始のおじぎはちょっと笑った。プロ棋士になりたいと思ったことはある。」
西村さんもサイン色紙を書くことに。
言葉は「人生は愛と友情と裏切りで成り立っている」
西村さん「ずいぶん裏切られましたからねぇ。」
その後西村京太郎クイズが出題され、正解者の中から1名にプレゼントされました。
ここで森下九段がツツカナの遊んでいる角を金で取りに行く作戦に。
筋の悪い手の応酬で、藤井九段は森下九段の金とツツカナの角のどっちが働かないか、
働かない競争みたいになってるとコメント。
結局金で角を取ることに成功し、藤井九段
「すごい筋の悪いリーチが通っちゃったみたいな。」
その後も読み筋だと言わんばかりにノータイムで指す森下九段。不思議である。
ただし藤井九段は角とって喜んだんだけど状況はよくなっていないとの解説。
そして先手ツツカナ持ちを断言。
ただしBonanza評価値はツツカナに+103でほぼ互角でした。
ティロフォンショッキングで長岡裕也五段登場。
長岡五段は局面は先手のツツカナ陣が森下九段好みの形なので、
少しツツカナ持ちとのこと。
関東の若手棋士の集まりである登竜門で、
初イベントの電王戦の解説会をするとのことでよろしくとのことでした。
門倉啓太四段、藤森哲也四段、石田直裕四段が登場するらしいです。
森下九段は持ち時間を2時間残して夕休になりました。
長岡五段について藤井九段
「奨励会の時私の記録を良く取っていて気にかけていたが、
振り飛車党から居飛車党に鞍替えして、藤井システム破りみたいな本をだしていた。」
夕休中も対局場の映像が映っていて、
森下九段が一丸さんにおやつをどうぞどうぞと勧めていました。
食べにくい空気だったのかもしれない。
その後藤井九段と行方八段のダブル解説に。
次の手を難しくさせる手渡しが両者とも多いとの解説。ねじり合いですな。
現地から屋敷九段登場。
森下九段作の詰め将棋の答え合わせの後に、現局面は森下九段がややいいという見解。
ただし森下九段が攻めをせかされていて、
森下九段が森下九段を相手に指しているみたいな将棋になっているので大変とのこと。
皆さんに見てもらいたいポイントとかはありますか?の質問には、
「おやつや食事とか?」
何局くらい練習しているかは対局後に聞かれることになると思うので、
まだ秘密にしておきましょうとのことでした。
終盤になるとBonanzaとツツカナの読む手が一致しはじめます。
藤井九段説では「羽生さんの恐ろしい言葉「終盤は誰が指しても一緒」になっている」
屋敷九段は藤井九段との大事な番勝負の前日にコンビニにいって、
新聞を買って競艇の予想をしていたと暴露。25歳くらいの時らしいです。
現地リポートから佐藤康光九段が登場。
現地から屋敷九段がみてましたよと言われ、
藤井九段「将棋の事しか話してないですよ?屋敷九段は非常に手厚い将棋を指して…」
佐藤九段が▲6五銀を解説中に▲6五銀を指すツツカナ。
流石ですの言葉に
「流石ですっていうのはどっちが流石って意味なんだろう。」
伊藤真吾五段が新幹線にのって通過してしまい名古屋まで行ってしまったそうで、
2時に着く予定が5時になってしまったとのこと。
きしめんを食べてから小田原に戻ったらしいです。ただでは起きない、これ大事。
盤上ではじわっとツツカナが押して行き、森下九段が角を見捨てて攻める手順を選択。
でもコンピュータはびっくりしないからなー。
藤井九段はツツカナについて
駒の損得が崩れていてもバランスが取れるのだから大局観に優れていて、
形に明るくバランスがいいと絶賛。
歩が5枚で1森下と言われるほど駒得に敏感な森下九段ですが、
ツツカナが1森下で森下九段は歩切れになる展開に。
森下九段みたいなツツカナの指し回しです。
山口女流「藤井九段にそっくりなコンピュータが出てきたらどうですか?」
藤井九段「最後まであきらめませんよ」
将棋に運は関係ありますかとの質問メールには、
藤井九段「行方八段は形成が悪いのに悪い手を指して勝つのを得意としているから、
それは運でしょ?」
行方八段「それはもう通用しないなと思ってるんですけど」
将棋のゲーム性に関しては運は関係ないけど、勝負なら運は関係あるとのことでした。
メール返答中に森下九段にしゃれた手が出て評価値を少し押し戻し、
会場でメールがいいか解説がいいか拍手で決め、解説に戻ることに。
終盤の詰む詰まないの解説になると、行方八段は詰め将棋選手権で45位、
久保九段が46位だったからちょっと自信がなくなったとのこと。
以降詰む詰まないを検討し、先手が勝つ手が何通りかある形勢になったようです。
ここまできてからようやくツツカナの駒が成り。
それまで自陣に手を入れてかなり手厚く指していたという証拠だそうです。
これを同金と指すと桂馬を打ってと言う解説で、
藤井九段「これ詰むんでしょう?読んでないけど。」
行方八段「先生3手詰めです。」
その後も局面を進めて、
藤井九段「コンピュータなんだからこの局面詰むと読みきって指しているんですよ。」
これから詰む詰まない論争に。しかしなかなか詰まない。
Bonanzaも詰まない手を選んでいたので藤井九段と行方八段は安心していました。
山口女流「逆転の目は…」
藤井九段「逆転まではないよ。行方藤井戦ならしょっちゅうね」
ここで現地から伊藤五段が登場。
藤田女流「今日は名古屋まで立ち寄ってからこちらに。」
伊藤五段「あまりいじめないでください。」
行方八段「新横浜で降りられたのでは?」
伊藤五段「新横浜から乗ったので受けが無かった」
伊藤五段は詰め将棋選手権13位だったのですが、
伊藤五段の解説も藤井行方解説と一緒で、
藤井九段「終盤はみんな一緒ということで。」
この後も解説、Bonanzaの読み筋通りにツツカナも指して、
最後に飛車取りかつ後手玉が必死になる手を指し、
Bonanzaの評価値が700くらいから一気に9999に。
これはコンピュータ凄い手ですねと言っていたのですが、
ここから急に評価値が266まで激減しました。
その後計算が進んでツツカナ+1000までになりましたが、
コンピュータも勝ったと喜んだり読み抜けを見つけて動揺したりするんですね。
最後は行方八段指摘の詰み手順で森下九段の玉を詰まし、ツツカナの勝ちとなりました。

森下九段
いつもなかなか粘られて勝ちきることは大変なんですよね。
4七金と打った局面は少し指せているのではないかと思っていました。
辛抱されるのではないかと思いましたが、うまく辛抱されてしまって。
矢倉になると思いました。
ツツカナはこうやってくるんだろうなという手がよく当たりまして、
しっかり粘って頑張ってくるのでそれを跳ね返すのは容易ではないというのが実感です。
ツツカナの指し方が森下流と言われていましたがとの質問には、
そうなんですよねそうなんですよね。
コンピュータとは読みで戦うのは厳しいです。
読みの不安定さというのは人間にはありますから。

一丸さん
お互いの差し手が綺麗でさわやかな気持ちになりました。
矢倉になると思いました。
自分が勝ったのではなくソフトが勝ったので、
勝ったという気持ちとは少し離れた気持ちです。
きちんと完走できてよかったです。
じわじわと評価値が上がりましたが、
強いて言えばさきほど話されてた△5八歩成で評価値があがりました。
森下九段に対する印象は?と聞かれて
対局が始まる前に棋譜を並べて、すごく正統派だと感じました。
本局も印象通りの指し手でした。

その後感想戦になりましたが、塚田九段と森下九段の符号だらけの会話が
宇宙人みたいで面白かったです。
運営の方にとりあえず出ましょうと言われるまで符号で会話をしてました。
ツツカナの▲4四金に驚いて、
直後に指した△8五桂馬が森下九段が後悔した手だったようです。

その後の記者会見で
一丸さん
ソフトを提出してから半年がたってそれまでにいろいろかんがえてたが
無事終着点にたどり着いてほっとした。

森下九段
今日の将棋もこちらが指せていると思ったが、
そこから勝ちに至るまでの大変さがみにしみた。

塚田
矢倉の本格的な戦いになって、ツツカナが強かった。
ツツカナが森下流の将棋を指して、強かった。

片上
本格的な将棋で美しい棋譜を残したい、
という一丸さんの気持ちが実を結んだ一局だったのでは。
何度も意表を突かれる手があったと思うが、
そのあたりで疲労が出てミスがでたのではないか。
負け越しが決まって、屋敷九段には健闘を期待している。

屋敷九段
来週いよいよponanzaと戦う。
今回のツツカナ対森下九段の戦いは中盤のねじりあいが長く、
将棋の奥深さやいろんな要素が楽しめた一局。
来週の対局もしっかりと準備をしていい将棋を指したい。

一丸さんへ、前回と比べてソフトの進歩をしているとすればどんなところか。
印象の話になるが終盤が強くなった。
評価関数を変えた。それによって終盤力の強化が図られた。
昨年は終盤で読み抜けがあって一気に逆転されたので、
今年はそういうことにならないようにと考えていた。

森下九段へ、PVでコンピュータから学びたいと言っていたが、何か得るものがあったか。
久しぶりに情熱をもつことができて非常にいい機会だった。
最初のソフトのときに1日何番も指していた。
11月末にもらってからはコンピュータ同士でやっているのを見ている、
というのが1ヶ月続いた。
なかなか1番指すと疲れが厳しくて、1日に何番も指すと言う状況にはならなかった。
序盤から中盤までここ4日で20番くらい指した。
序盤でよくなっても勝ちに至るまでがものすごく大変だった。

塚田九段
第2回にくらべてソフト自体が強くなっている。
勝って欲しかったので残念だったが、
もうちょっと別のメンバーで挑むべきだったかもしれない。

森下九段
▲4四金が驚いた。直前の形勢は角金交換ながら歩損が大きかったが、
端歩をうけられなかったのでそれならこちらが悪くないだろうと思っていた。

片上理事
第2回と第3回でソフトを比べると、明らかに強くなっている。
進歩がどれくらいか表現するのは難しいが、
今年勝つのはさらに難しくなっているというのは感じた。

森下九段
ツツカナと練習で指しても、なかなか良くなってから勝ちきるのが難しい。
ツツカナの▲2八角も必ずそうやるだろうと思っていた。
人間とコンピュータが戦うルールを決めないといけない。
メンバーや持ち時間といった小手先の話ではなく、
人間対コンピュータのルールを作るべきなのではないかと思う。
人間は読みで勝負するが、読みは不安定な存在でミス、錯覚が多いので、
人間側も盤駒を使って考える。
盤駒を使って実際やってみたが、その場合人間は間違えない。
イベントではなく勝負としてやるのならということですが。
久しぶりに燃えました。戦っているんだなと言う実感が湧いた。
最後も詰むかぱっと見わからなかったが、よく読んでみるとぴったり詰む。
対局もそうだし、ここ半年あまり将棋に打ち込むことができ、
内容もよくなっているので、この情熱を持って戦っていきたい。

屋敷九段
ponanzaとも指したり検討したりしているが、中終盤の強さはかなり強い。
切れ味も粘りもありなかなか手ごわい相手。
こちらがどれだけ準備していけるかでいい将棋になるかどうかが決まると思うので、
しっかり準備していい将棋になればと思う。

個人的には藤井九段の、
序盤は趣味、勝ち負けは終盤で決まるというコメントが面白かったです。
序盤の大家がそんなことを言ったというだけではなく、
小飼弾さんがコンピュータが仕事を奪うという本の書評で、
こんなことを書いていたのを思い出したからです。

職がなければ遊べばいいのに - 書評 - コンピュータが仕事を奪うより

「コンピュータに勝つ」ということは、
本書においてコンピューターは労働者として擬人化されているということである。
「コンピュータ」は「我々から仕事を奪う」「あいつら」であると。
本書におけるコンピューターはその意味において
"My Job Went to India"のインド人や中国人と変わらない。
しかしそもそも仕事なるものは
人が人として生きて行くのに欠かせないものなのだろうか?
本書の設問そのものにこう疑問を投げかければ、答えは明らかとなる。
本書にないもの、それは「遊」である。
コンピューターに出来ないことのうち、なぜかこれだけ抜けているのである。
コンピューターは、仕事しか出来ない。
ゲーム機で遊んでいるのは人であってコンピューターではない。
そしてコンピューター以降に創出された仕事のほとんどは、
ゲーム機に代表されるように、遊びそのものか遊具づくりなのである。


趣味を遊びと考えれば、遊びが出来る人間は序盤が上手く、
仕事が得意なコンピュータは中終盤に強いとも言えますね。
やねうら王の磯崎さんがやねうら王2014の開発コンセプトとして、
局後学習により、定跡を自らの手で切り拓くと書いていますが、
これはかわいい娘に遊びを覚えさせるという、
なかなか挑戦的なテーマということになりますな。
来週の土曜日は電王戦最終局。ponanzaは特徴的な序盤作戦をしますが、
いい将棋を期待したいです。

ニコニコ生放送
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PV 第3回電王戦第4局森下卓九段vsツツカナ

第3回将棋電王戦 第4局 森下卓 九段 vs ツツカナ


第3回将棋電王戦第4局、森下卓九段対ツツカナのPVです。
PVでは森下九段の師匠の花村元司九段にも触れられていますが、
花村九段は升田幸三実力制第四代名人と同じ学年の棋士で、
60歳でA級に返り咲いた時はB級1組から同じく昇級した棋士が大内延介八段で36歳、
B級1組では内藤國雄九段が38歳、A級では加藤一二三九段が38歳、
米長邦雄八段が34歳、大山康晴棋聖が55歳、中原誠名人が30歳という時代でした。
55歳でタイトルホルダーだと…。
大山十五世名人は63歳で名人挑戦、66歳で棋王挑戦という化け物でしたが。
花村九段の60歳で順位戦昇級というのは、全クラスを含めても最高年齢昇級記録です。
真剣師から棋士になったというのも時代を感じさせます。

米長邦雄著「将棋の天才たち」より

人生の辛酸を数多くなめているだけに、さすがと思わせる語録が数多くある。
ある年の棋士総会のことだ。
一人の棋士の不祥事があり、その棋士の除名や退会を主張する棋士も多くいたなかで、
花村九段は次のように仲間をかばった。
「世の中には世間に出すのが恥ずかしい人もいる。
将棋界ばかりではなくとの世界にもそういう人間がいるのだ。いいか。
19人の仲間がその一人を取り囲んで、世間に将棋界の恥をさらけ出さないようにして、
その一人を助けるのが人の道というものだ」


そんな花村九段が手塩にかけて育てたのが森下九段で、
森下九段が49歳年下ですからおじいちゃんと孫くらいの年齢差ですね。

鈴木輝彦著「神の領域に挑む者 ~棋士それぞれの地平~」より

森下
6級で入って直ぐに2勝8敗でBに落ちました。
父には帰って来いと言われるし、奨励会を甘く見ていました。
花村先生が「これからだ」と言ってくださって。

鈴木
厳しい目に遭っているんだね(笑)。
そこから、有名な花村先生のレッスンが始まるんだね。

森下
学校から帰ると、1日に3番から5番、月に10日は教えてもらいました。

鈴木
月に40番として、年に500番ですか。それはいつまで?

森下
三段になるまで、4年続きました。先生がまだA級の頃です。

鈴木
恵まれたというか、この世界ではめずらしいですね。
磨けば光るのを見たのと、本気で弟子を育てたかったんでしょうね。
<中略>
---
森下君は花村先生が手塩にかけた秘蔵っ子である。
しかし、そこに着眼した花村先生の慧眼もさることながら、
千数百局の労力を向かわしめた森下君の人間性も見逃すことは出来ない。
棋界では稀有の師弟関係に粛然たる気持ちになるのは私一人ではないだろう。


森下卓九段は電王戦出場が決まった2013年度は18勝13敗の勝率5割8分、
また王位戦予選では屋敷伸之九段や松尾歩七段に勝利して、
12年ぶりに挑戦者決定リーグ入りを決めました。
2012年度が14勝14敗、2011年度が18勝16敗、2010年度が16勝18敗、
勝率5割8分よりも高かった成績は2005年度まで遡らないといけないので、
ツツカナをトレーニングに取り入れた成果がはっきり出ています。
いきなり結果を出していますから、PV中で話した50歳までにA級、50過ぎでタイトル、
というのは律儀先生のことですから本気で狙っていると思います。
豊島七段はコンピュータは中盤が強いと言いましたが、
手厚い将棋が身上の森下九段がどのような将棋を指すのか、
コンピュータとトレーニングをする時はコンピュータの力を十分に引き出すことが大切だ、
と述べる森下九段がどのような将棋を目指すのかも注目です。

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森下卓の矢倉をマスター
森下卓著
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電王戦リベンジマッチ感想

電王戦リベンジマッチを30分で見る


あけましておめでとうございます。年末年始は帰省していてネット環境がなかったので、
さっそく電王戦リベンジマッチをタイムシフトで見てみました。
まだ始まってないのに評価値がツツカナ有利になっていて、
見所満載で面白かったです。別アングルに切り替える機能とかあったっけ。
解説が鈴木大介八段で聞き手が藤田綾女流初段。
特設会場はタイトル戦をやりそうな和風な部屋で、
何故かふすまを閉めていて見えないはずの廊下まで作ってありました。
大きなLEDパネルに四季折々の景色が映っていて、
地方のホテルでやるタイトル戦みないなのをイメージしたのでしょうか。
最初の駒を並べる時に、船江五段が玉を持ちました。
通常は先輩や目上の棋士が王将、後輩が玉将を持ちますが、
今回はリベンジマッチということで、
リベンジを目指す立場の船江五段が自ら玉将を選びました。
三浦初段が王将を持つ時に何か声をかけ、船江五段もそれでいいとうなずいていました。
ツツカナは4手目△7四歩で前回と同じ序盤になりました。
鈴木八段は研究にソフトを使っているそうで、前回のぶれぶれ解説とはえらい違いで、
3時間くらいで勝つのがベスト、2時間でもいいくらい、
1時間あれば2回くらい局面が揺れて難しくなっても考えがまとまると、
コンピュータに勝ちやすい流れを解説していました。
また、飛車先の歩を切らないのは、その局面では他にポイントが高い手があるからで、
歩を切る手は局面が進んだときに価値がでるので、
コンピュータの評価が低いそうです。
将棋は前回の電王戦と同じ進行になりました。
ツツカナが仕掛ける△7六歩に▲同銀からの研究で、
鈴木八段が見つけた▲9八角という手を、
船江五段はいい手ですねーと言ってたそうですが、
船江五段は▲同銀ではなく▲6八銀を選択。
自分の見つけた手を指してくれると思っていた鈴木八段がっかりでした。
ただし▲6八銀の展開でも、鈴木八段が見つけた▲5七銀右という手があって、
先手がいいはずだからきっと船江五段は指してくれるとさらにフラグをたてます。
その後電王戦タッグマッチの話題になりました。
鈴木八段「将来は50手くらいまで藤井さんに指してもらって…。」と大失言?
多分見てないから大丈夫と言う鈴木八段ですが、
これタイムシフトありますよと言われて動揺してました。
そこでツツカナが検討と違う手を指して、
鈴木八段の見つけた▲5七銀右という名手?は幻となりました。
また、鈴木八段はコンピュータは攻め将棋というイメージだが、
負けていると思ったら攻めてこないので、
ある程度優勢になったら強気に対応すると不利を悟って攻めてこなくなる、
下手におさめようとする方が負ける、
勝つときは圧勝で、1手差で勝つことはほとんどないと、
コンピュータと対戦を重ねた経験を述べていました。
また、逆算で考えるタイプの棋士は負けやすく、
順に手を読んでいく棋士の方が勝ちやすいそうです。
鈴木八段は逆算型なので相性が悪いらしい。
鈴木八段は負けた将棋はかなり研究して、勝った将棋は忘れていると言っていましたが、
山崎八段は逆だったような。
船江五段は昼食休憩までに消費時間2分。
早指しですが、コンピュータ相手だとこのくらいがいいという研究なのでしょう。
午後からは塚田泰明九段が解説になりました。船江五段が優勢だからか嬉しそうです。
前回の電王戦でも船江五段が優勢だったので、
塚田九段は2勝1敗でまわってくると喜んでいたらしく、
船江五段が負けた後は1週間へこんでいたそうです。
コンピュータは自分に甘いので、
コンピュータの評価値から100引いたくらいがちょうどいいと、
こちらもコンピュータ相手に頻繁に指していることをうかがわせてくれました。
加藤一二三九段は鰻をやめて寿司と冷やしトマトにしていたはずですが、
塚田九段が昼休憩のとき鰻が部屋にあったよと暴露。
おやつに食べている説が浮上します。
その後遠山五段がゲストに登場。
船江五段は振り飛車にすることも考えてたらしいです。
コンピュータ将棋は歩切れにうるさく、歩切れの方の評価が低いと、
こちらもコンピュータの癖を見つけていました。
情報交換ができていれば春の電王戦は相当棋士はやれそうな気がしますが、
棋士は一匹狼の集団だからなー。
テレフォンショッキングには谷川会長が登場。
電話出演が定跡として定着するのでしょうか。
船江五段が負けると自分も船江五段と対局しにくいので勝って欲しいと言ってました。
局面が進みツツカナが船江五段に▲6二歩という手があると見つけると、
評価値も船江五段有利に傾きました。
解説には度々登場していた手なのですが、
その瞬間歩切れになるのでコンピュータには見つけにくい手なのでしょうか。
その後ゲストに竹俣紅女流が登場します。
激指13の読み上げや秒読みの声を録音したり、
制服や私服でいろんな表情を撮ったりしたそうです。
塚田九段と竹俣女流の解説になりましたが、
竹俣女流は塚田九段の娘さんと同学年らしく、親子で解説してるみたいでした。
竹俣女流も激指13と研究しているとのことで、
棋士の研究にコンピュータが完全に入り込んでいる現状がうかがえます。
船江五段が記録用紙を見ていたが、これは自信があるときにやる癖らしいです。
無くて七癖とはよく言ったものですね。
コンピュータは去年と比べて、
評価値の正確性や詰ます前の寄せの構図もうまくなっているらしいです。
棋士からこういう意見を聞くと、
ずいぶんコンピュータ将棋の解析が進んでいるんだなあと思います。
終盤は塚田九段と鈴木八段のダブル解説になりました。
コンピュータ相手に対しての勝ち方が、船江五段はうまくなったと感心していました。
局面の解説を最終盤まですすめて、これは流石に詰みでしょーと言う鈴木八段に、
一応最後まで並べて見ましょうと塚田九段が言い、
詰まずにあれーという鈴木八段に、
こうやって負けるんですよと塚田九段がつっこんでいました。
塚田九段はコンピュータ相手にも切り合いの将棋を指すことが多く、
よく逆転されるとぼやいていましたが、経験者は語るということでしょうか。
香川女流王将がゲストに登場。
同じ関西の船江五段とも話すことが多く、船江五段は電王戦の後に、
どんな手を好むのかまで分かった相手に対して、
残念な将棋にしてしまったと悔いていたらしい。
女流王将をとって2ヶ月が過ぎたが、責任をいろいろ考えるようになったと述べていました。
番長と呼ばれたときの面影がちょっとドSだっただけであまり無かったです。
鈴木八段はコンピュータ相手に対局をすると待ったしたくなる癖がついたそうで、
だいたい負けるときはすごいのくらう、
王様を固く囲ってもすごい攻めがとんでくるので、バランス重視で指した方が勝ちやすい、
と見解を述べていました。もともと手厚い将棋ですしね。
コンピュータと大舞台での勝負と言うと渡辺明竜王対Bonanzaが最初だと思いますが、
その時は王様を固く囲いあう相穴熊の戦いだったので、
コンピュータ相手にどう戦うのが勝ちやすいのか、
という研究も各棋士の中では進んでいそうです。第三回電王戦は情報共有が鍵でしょうか。
とうとう詰みが見えなくなった鈴木八段は、
これは詰みでしょーと言いつつ藤田女流にわかった?と振るようになってしまいます。
その後の鈴木八段「まぎれなし。そろそろ油断してもいい」
さらに鈴木八段「これ詰み逃したら…。これは詰みなんですね…。あれ?」
そして詰ませられない鈴木八段。近年不調の原因はこれですよね絶対。
ほぼ勝ちとなったところで師匠の井上九段がテレフォンショッキングで登場。
「今日はもうこれは大丈夫やと思うんですけど。
かっこいいですね。かっこよすぎますね。」
親ばかならぬ師匠ばかなコメント連発でした。
今日の対局場には井上九段の書いた掛け軸「動中求静」が飾ってあり、
戦いの中にも冷静さを持つという意味だと言った後に、
これ画面早く変えてと照れていました。
また、▲6二歩を打つとき評価がコンピュータ寄りになったので心配だったと、
師匠らしい感想を述べていました。
テレフォンショッキングが終わり間もなくツツカナの投了になりました。
リベンジ成功です。
この後船江五段は佐藤慎一四段とおいしいお酒を飲めたことでしょう。

対局後のインタビューの船江五段のコメント抜粋
前回の戦いでは▲5六銀を読んでいたので今回の対応も時間を使わずに指せた。
もう1局指したかったのでリベンジマッチを受けた。
コンピュータの強みは粘り強さ。
終盤の一直線の変化だと人間の方が深く読める。
序盤似たような展開になりやすい。
漠然とした粘っこい終盤戦だとコンピュータの方が強い。
人間だと手数は長いけど駒を並べれば詰みといったような局面でも、
コンピュータは深く読めない。
この出だしだと十数局指して五分五分だった。
必勝法を探すという方法も考えたが必勝法は無いと考えてこの局面にした。
練習将棋ではツツカナはこの攻めをしなかった。
勝負は時の運なのでたまたま私の番だった。

インタビューの後一丸さんが足がしびれたらしく、
辛そうに立ち上がる一丸さんが笑いをかっさらってました。
最後に大盤で感想戦がありました。
船江五段も一丸さんもほっとしたという感想でした。
切り合いが身上の船江五段ですが、コンピュータ相手の場合は、
目に見えて勝ちじゃなかったら寄せ合いはしない方がいいという見解だそうです。
今回は前回のように終盤から中盤へといった流れになっても、
1時間くらい残っているように持ち時間3時間のつもりで指したとのことで、
これは時間を使わなくても序盤でリードできるという自信からなのかなと思いました。
最後に船江五段から第三回電王戦に出場する弟弟子の菅井五段へ、
しっかり力を出し切れば勝てるはずなので普段通り力を出し切って欲しい、
とコメントが出たところでめでたしめでたしとなりました。
大晦日に見たかったなあ。

ponanzaが初代電王に輝く

11月2日~4日にわたって行われた第1回将棋電王トーナメントは、
ponanzaの優勝で幕を閉じました。
ponanzaの山本さんは今年の春に行われた第2回電王戦が終わった後に、
今度は大将として舞台に立ちたいと言ってましたので、
念願がかなったということになります。
特にTwitterで、
「オレ、電王戦トーナメント勝ったら結婚するんだ。」
「勝ちたい(結婚資金的な意味で」
とフラグ?をたてて心配されていましたが、見事に跳ね返しての優勝でした。
これで春の第3回電王戦に出場するソフトが決まりました。

5位 習甦 竹内章さん

今回の習甦は1次予選の最初で1勝3敗まで追い込まれ、
内容も攻めが暴発して負けるといった展開でしたので、
ちょっと電王戦出場は危ないのではないかとも思いました。
しかし持ち時間が増える決勝トーナメントでは切れ味を取り戻し、
Aperyとの第5位決定戦では解説の西尾六段が「かっこいい決め方」
と絶賛するような寄せを見せて快勝しました。
1次予選ではAperyに負けてしまいましたが、
電王戦出場をかけた5位決定トーナメント決勝戦で借りを返しました。
Aperyの開発者の平岡さんはTwitterで、
「Aperyを電王にしてやりたい。確率は低いが諦めてはいけない。」
「今日も早く来ることに関して他の参加者の誰にも負けなかった。」
と気合十分でしたが、惜しくも電王戦出場は逃してしまいました。

4位やねうら王 磯崎元洋さん、岩本慎さん

やねうら王は1次予選の初戦で負けましたがこれがいい方に働きました。
スイス式トーナメントというのは、初戦で勝ったら次も勝った人と対局、
負けたら負けた人と対局となるので、いい感じに裏街道で勝ち星を積み上げ、
最後の実力ソフトであるAperyとの対局では、
必殺のやね裏定跡が炸裂して快勝しました。
こちらに関してもAperyの開発者の平岡さんはTwitterで、
「富岡定跡みたいなのを一定のアルゴリズムで定跡から省くのって、
やね裏定跡仕込むしか無いかなという印象。
必敗形になって将棋が終わってても、
評価値自体はもう少し局面を進めないと下がっていかないので。」
と言っていて、技術者にとってインパクトのある考え方だったことがうかがえます。
開発者の磯崎さんもインタビューではしゃべりっぱなしで、
ソフトの名前、開発者の印象、実装した考え方といった面で、
非常にインパクトのある方でした。BM98の開発者は面白い人だった。

3位 YSS 山下宏さん

YSSは第2回世界コンピュータ将棋選手権から出場している古豪です。
AI将棋という名前でPS2版やWindows版のソフトも出されていたので、
こちらの名前だと知っている方も多いと思います。
第5回世界コンピュータ将棋選手権から、
Bonanzaの登場以降においても決勝トーナメント入りを逃していない、
非常に有力なソフトです。
2010年に将棋ソフトあから2010が清水市代女流王将に勝利したときに、
日本将棋連盟からアマチュア五段の認定を受けたという珍しいソフトでもあります。
1次予選ではBonanzaに敗れましたが決勝トーナメントで借りを返し、
第3回電王戦出場の切符を手に入れました。
また、3位決定戦ではやね裏定跡にはまらないように工夫をしたそうで、
やねうら王の磯崎さんがインタビューでずるいよずるいよとぼやいていました。
1次予選、決勝トーナメントと2度にわたって、
ダークホースのやねうら王を撃破し、Bonanzaも撃破した実力派の古豪、
YSSは森下卓九段と当たってほしいなあ。

2位 ツツカナ 一丸貴則さん

ツツカナは2010年の第20回世界コンピュータ将棋選手権が初登場で、
このときは21位とあまり奮いませんでした。
翌年も11位でしたが、2012年に3位に入り、
第2回電王戦で開発者の一丸さんと共に有名になったソフトです。
特にプロ棋士からの評価が高く、筋のいい将棋を指すと評判ですが、
指し手の読みの深さをプロ棋士の棋譜を元に自動調整しているとのことで、
プロ棋士から評判がいいのも納得です。
1次予選ではApery、AWAKE、Bonanza、習甦といった、
前評判の高いソフトに危なげなく勝利し、
ponanzaに敗れはしたものの優勝候補の強さを見せ付けてくれました。
決勝トーナメントもponanzaを追い詰めましたが、
敗れて準優勝になった後のインタビューで、
1位よりも2位か3位くらいのほうが気楽でいいなと思っていたのでよかった、
と言っていたので、望みどおり?の結果になりました。

1位 ponanza 山本一成さん、下山晃さん

ponanzaは2009年の世界コンピュータ将棋選手権が初出場で、
このときは31位でした。
2年後の2011年には5位になり、そこから4位、2位と着実に順位を上げ、
実力をつけています。
今回はBlunderの開発者である下山晃さんとタッグを組んで、
すさまじい強さを見せ付けての優勝でした。
1次予選は一度攻めたら止まらない猛烈な攻め将棋で他の将棋ソフトを圧倒し、
これは1枚も2枚も上の実力だなと素人の私にもわかるくらい、
インパクトのある勝ち方でした。
決勝トーナメントでは持ち時間が増え、
1次予選ほど圧倒とはいきませんでしたが、
準決勝、決勝とやや不利な状況からねじり合いでひっくり返し、
未知の局面でどのくらい最善手に近い手を指し続けることができるかという、
将棋の力という面で1番であることを証明しました。
ツツカナとの決勝戦では、
ponanza自身は▲7九金と受けられると攻めが切れてまずい、
と考えてたそうですが、その手をツツカナが逃してからは一方的になりました。
ハードの制限があるものの、春の世界コンピュータ将棋選手権よりも、
格段に強くなっているような印象を受けます。
ただふわふわした序盤にも磨きがかかっていそうで、
決勝戦でツツカナとの不思議な序盤戦も面白かったです。

個人的にはたまに映される開発者の部屋が面白かったです。
対局中にもかかわらず、
勝負しているはずの人間同士がなごやかに歓談しながら将棋を観戦していて、
とても不思議な光景でした。

K-Shogi開発者の本田啓太郎さんのブログより

今回、将棋電王トーナメントに参加して、
開発者の皆さんと会話をさせていただいたことでモチベーションが上がり、
また頑張ってみようかなという気持ちになりました。
開発時間の確保が最大の課題ですが。。。


Apery開発者の平岡拓也さんのTwitterより

ずっとコンピュータ将棋において勝てば棋譜がどんな内容でも良いと考えていたが、
一丸さんと長いこと話しながら将棋見てて、内容にもこだわりたいように思った。
最後の王手ラッシュとか、無意味な桂不成とかはコンピュータ将棋らしいし、
人に対しても失礼にはあたらないと私は考えているなど、美意識は人によるだろうけど。


やねうら王開発者の磯崎元洋さんのブログより

ツツカナとAperyとの一戦ですが終盤の寄せで驚愕の現象が起こりました。
ツツカナが大長考に入ったのです。
AWAKEの再来かとざわめきが起きるなか、ツツカナの作者は、
「fail-high*1したときは、さらに思考を続けるようにしてあるんですけど…」と、
一応意図的なものであることを強調。
「しかしさすがに考えすぎでしょ。時間残ってないですよ。」
「仮にfail-highしたときに思考続けるって言っても限度ってものがあるでしょ。
普通、5倍ぐらいの時間使ったら打ち切るでしょ。」
など否定的な開発者もいるなか、この長考によりツツカナが勝ちまで読みきり、
大盤面には9999の評価値が。
ツツカナが高らかに自分の読み切り勝ちを宣言したのです。これには観戦者全員驚愕。


ツツカナかっこよすぎです。。。
まだ将棋電王トーナメントが終わったばかりですが、
今後開発者さんが吐かれるであろう感想や裏話も面白そうですね。

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第2回電王戦を終えて

【第2回電王戦】三浦弘行xGPS将棋の局後の記者会見の様子【将棋】


【第2回電王戦】全体を通しての記者会見の様子【将棋】


三浦八段がどこが悪かったのかわからないと言ったのは驚きですね。
将棋には400年以上に及ぶ歴史があり、
様々な発見があり、格言として後世に残ってきました。
例えば攻めは飛角銀桂、4枚の攻めは切れないといった格言がありますが、
電王戦ではコンピュータが薄い攻めを決行することが多かったです。
本局では、コンピュータが40手目に歩をぶつけて開戦しました。
このとき飛車や角は長い距離を動けるので後方にいても大丈夫ですが、
銀が三段目、桂馬や香車はまだ一段目にいるという状態でしたので、
銀が参加できても3枚の攻めということになります。
そこで攻めが薄いと判断して、
力強い受けの手を選択するというのは自然なことだと思います。
ところが3枚の攻めのまま、桂馬や香車は援軍に行くこともなく取られるという展開で、
受けつぶしを狙った三浦八段を相手に攻め切ってしまいました。
下記は渡辺明三冠のブログからです。

A級棋士の三浦八段も負け、ですか。
△GPSの△75歩▲同歩△84銀はこの形では新手法の仕掛けですか、
これで決定的に悪くならないのならば新定跡誕生です。
以下▲77銀と埋めるまでは相場ですが、
△64角と引いて特に狙いはないけど先手に価値が高い手がない、と。
この△64角と引くところまで△75歩と仕掛けた段階で見通しているんですね。

電王戦が創設されて、昨年は米長先生が負けた。
今年は現役棋士が出るとは言え、
自分のところに回ってくるのは当分は先だと思っていました。
来年以降のことはもちろん何も決まっていませんが、その見解は甘過ぎたようです。
再び今日の将棋。66手目△74歩▲同歩△64歩って、
そんなんで手になるの?って感じですが、えらく細い攻めを繋ぐんですね。驚きました。


渡辺三冠は細い攻めを繋ぐ技術の高さに強みがあるとされている棋士ですが、
その渡辺さんをしてそんなんで手になるの?という手を通したというのはすごいですね。
思いもよらないところから攻めの糸口を作るのが得意なのが羽生三冠、
細い攻めを繋ぐのが得意なのが渡辺三冠、
攻めをぶち切る、繋がりを絶つのが得意なのが森内名人というのも面白い構図です。

さて、第2回電王戦はこれで終わりましたが、
皆様は将棋に、棋士に、コンピューターに、どのような考えを持ったでしょうか。
400年以上にわたって当代一と呼ばれた人達が人生をかけて挑み、
それでいて今もなお新発見があり続ける将棋の奥の深さ。
将棋に没頭し、研鑽を積まなければ生き残れない世界にあえて身を置いた棋士達の純粋さ。
とにかく手を広く読み、新たな鉱脈を探し続けるコンピュータとそれを支える開発者達。
私は日本の伝統の中の美しい世界を見れたことが嬉しいです。
電王戦で初めて将棋の番組を見たという方の中から、
これを機に将棋ファンになってくれる人が少しでも増えるといいなあと思います。

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