羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦七番勝負第5局は、
羽生名人が勝利して名人位を防衛しました。

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本田女流「注目の封じ手は何でしょうか」
阿久津八段「ここは△7三銀か△7五歩の2択ですね。
羽生名人は駒が前に出て行く将棋なので△7五歩ですかね」
本田女流「どきどきしますね」

注目の封じ手は△7三銀。
阿久津八段「こうやって外れるんですね」

ニコニコ生放送では9時から、解説に阿久津主税八段、
聞き手に本田小百合女流三段で大盤解説会が始まりました。

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おはようございます。

△7五歩は先手の馬が後手の攻撃陣を牽制する形になるので、
それを嫌ったのではないかとのこと。
守りの方で手をかけずに攻めに手を加える藤井矢倉なので、
これから行方八段が攻める展開になるらしい。

リレー質問
飯塚七段から阿久津八段へ
居飛車振り飛車両方指されますが、それぞれ作戦を選ぶ時の感覚や、
気持ちの違いを教えてください。
阿久津八段「どちらもやるんですけど、最近居飛車の方が私は多いんですけど、
結構その日で決めます。
先後が決まってない将棋でしたら、
常にやりたい戦型は何個かあるんですけど、その日の気分とか、
先手なら角換わり、相掛かり、後手だったら横歩取りとか、考えていく事が多いです。
振り飛車やるときも、ごきげん中飛車をやったら穴熊が多い相手というように、
戦型がしぼりやすいと思ったらやることが多いですね。
振り飛車をやる時が今日飛車振りたいなあと思う事が多いです。
振り飛車のほうが捌けた時気持ちいいなあとか、
ずっと同じ戦型ばかり指していると飽きるので」
本田女流「居飛車と振り飛車の感覚って全然違うじゃないですか」
阿久津八段「そこまでではないかなと思います。そこまで気にして無いですけど」
本田女流「居飛車だと相手の振り飛車を押さえ込むために手厚くとか」
阿久津八段「私振り飛車やると、
序盤で失敗することが多いから我慢の展開が多いんですけど、
綺麗に捌けると爽快感があるので。
そういう将棋は練習将棋でやればいいという人もいるかもしれないですけど、
公式戦でやってこそ身につくことがあると思います」
本田女流「いいですね。私は練習将棋でやることはあるんですけど、
捌けない振り飛車党になります」
阿久津八段「練習だからじゃないですか?
本番でやったほうが何倍も勉強になることが多いんで、
1回やったほうがいいかなと思うんですけど。
振り飛車でも相手の囲いとか相振り飛車とかあるんで、
やっていかないと覚えないかなと思います。
本田さんは玉型が固い将棋が好きなので、
最近の振り飛車は玉型が固いので合うと思いますよ」

室田女流から本田女流へ
新婚さんということで、お料理をよく作っていらっしゃると思いますが、
新婚生活ぶりを根掘り葉掘りお聞かせください。
本田女流「伊緒ちゃん来ましたね。家でも普通ですね、普通にすごしてます」
阿久津八段「料理はどんなものを作ってるんですか」
本田女流「みなさん作ってるように、納豆料理を中心に、納豆毎日食べさせてます」
阿久津八段「納豆料理ってどういうのか気になりますけどね」
本田女流「和えたりとか、おつまみで油あげに納豆入れて焼くとか、
納豆の玉子焼きも作ります。納豆の天麩羅とか地元にいくとありますよ。
刺身もマグロの赤身とかとまぜるとおいしいです。
納豆サンド結構好きみたいですよ。パンだけだと栄養が不十分なので」
阿久津八段「それあんまり料理って感じしないですけど。
新婚さんの話聞きたいのに納豆だらけで」
本田女流「納豆大丈夫ですか?」
阿久津八段「私あんまり食べる機会が無いですけど好きですよ」
本田女流「納豆にこだわりはありますか」
阿久津八段「たれはあまり好きじゃないですね。しょうゆの方がいいです。
たれちょっと甘いんで」
本田女流「メーカーによって違うみたいですよ。
私はくめ納豆を買って食べてます。
水戸人はくめ納豆の人が多くて、東京だとおかめの方が多いですもんね」
阿久津八段「確かに本田さんの地元にいったときも、くめ納豆食べてましたね」
本田女流「そうですね。おみやげに納豆を贈る時もあります。
船の形のに入れてあるんですけど、阿久津さんにもお渡ししましたよね」
阿久津八段「家であんまりご飯食べないから、
お酒をかってきて納豆だけ食うみたいなね」
本田女流「船の形した納豆はプレゼント用で普段はパックの食べてますよ」
阿久津八段「ちょくちょく新婚生活の話はってコメントが流れますけど」
本田女流「洗濯物の量が増えたとか?買い物の量が増えたとか?
そんなにたいした事はないです」
阿久津八段「幸せだとしてもうちの業界の人は、
あんまりこういうとこでは言わないですよね」
本田女流「まあ阿久津さんもそのうち頑張ってください」
阿久津八段「こういう人多いですよね。切り返されるというか」
本田女流「阿久津さんはどういう人が好みですか?」
阿久津八段「明るい人がいいですかね」
本田女流「棋士ってなんかあるんですか?癒し系がいいとか」
阿久津八段「人によるんじゃないですか?」
本田女流「勝負の世界だから癒されたいみたいな」
阿久津八段「割合多いのかなとも思いますけど」
本田女流「阿久津さんはそうじゃないと」
阿久津八段「癒し系は定義がいろいろありそうなんで」
本田女流「一緒にお酒飲める人のがいいですか?」
阿久津八段「まったく飲めない人よりはいいかなと思いますけど、
逆にすごい飲むとかだと大変じゃないですか。本田さんは家では飲むんですか?」
本田女流「家では飲まないですね。
前回も名人戦の打ち上げで飲むじゃないですか。なので家では飲まないですよ」
阿久津八段「だんなさんお酒飲みますよね」
本田女流「お友達でいつもありがとうございます。仲良くさせていただいて」
阿久津八段「何かそういわれると変な感じですけど、
飲み友達というかよく飲みますよね」
本田女流「電王戦もだんなニコファーレに応援に行きましたから」

といったところで初手から解説に。

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こういう7三桂と8五歩の形はダサい。△8五桂と飛べないと角が狭いから。
先手も角を4六から6八に引き上げることで、後手の角の狭さを利用する。
封じ手候補だった△7五歩は枝分かれの局面で100手くらいはぱっと見えるが、
じゃあその局面はどちらがいいかと言われると難しいとのこと。

本田女流「何手くらい読むんですかとかよく聞かれますよね」
阿久津八段「実戦で中盤で読むのは100手200手だと思いますけど、
同じ局面に戻るときもありますし、違う手順だと相手に変化されてとかもあるので」
本田女流「佐藤先生でしたっけ、1億と3手読むと言われてましたね」
阿久津八段「その3手多いことが大事なんだって事なんですかね。
ただ進んだ先の局面で形勢判断ができないと、
20手先まで読んでましたって言われても、
20手先で自分がダメだったら意味が無いじゃないですか。
控え室でみんなで検討してれば読みは上回りますけど、
対局者の方が形勢判断は辛いということが多いですね」

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本田女流「対局室静かですね」
阿久津八段「進まないと思ってましたけどこんなに進まないとは。
行方さんが△7三銀を見て1時間近く考えたのは意外でした。
前日のうちから考えてたと思うんですけどねえ」

ということで一旦休憩に。
行方八段の▲4一角成に羽生名人は△4二金引。
先手の馬を巡る攻防に入ったようだ。

解説に戻って、先手の馬が取られる前に何か動く展開になるとのこと。

アンケートどちらを持ちたいか
先手:行方八段23.2%、後手:羽生名人43.0%、判断できません33.7%。
阿久津八段「はー意外な感じがしますねえ。
まあ羽生さんのブランドという感じがしますねこれは。
なんとなく後手を持つ方が当分の間受けに回る将棋になるので嫌ですけどね。
逆かなあと思ったんですけど」

解説の後に次の一手アンケート
▲1五銀22.2%、▲3五歩25.7%、▲5五歩12.1%、▲7五歩20.2%、その他19.7%。
阿久津八段「私の感覚だと▲3五歩か▲7五歩だと思いますけどね。
あ、全部出してもらいましたね。これはその他不利じゃないですか」
本田女流「出ましたね。ずいぶん分かれてます。その他健闘してますよ」
阿久津八段「これだけ言ってその他が多いのは悲しいですけど、
▲5五歩は微妙と解説して人気がないのは嬉しいですね」

質問メール
阿久津先生は400勝に王手がかかってますが、通算勝数にこだわりはありますか。
これまでで一番印象深い白星も教えてください。
阿久津八段「自分では知らなかったんですけど、
携帯の中継を見ていて佐藤天彦さんに負けたときの棋譜コメで見ました。
翌週に羽生さんとやってまた逃したんで、
早いうちにね、400勝って緊張するというのはないんですけど、
コメントで何回も見るのはね。早く勝ちたいと思いますけど。
まあ1000勝とかだったらすごいと思いますけどね」
本田女流「これまでで一番印象深い白星は」
阿久津八段「印象深い…白星で印象深いって難しいですね。
負けた方は覚えてるんですけど。
自分のくだらないというか、心の乱れで悪手を指してしまうとか、
そういうのは後々まで考えますね。
勝ったら勝ったでいつまでもそれに喜んでいると痛々しい人というか。
印象に残ってるのは朝日オープンで、
番勝負をやってた頃のなんですけど、鈴木大介さんとやった将棋が印象に残っています。
普段から付き合いのある先輩なんですけど、対局前はすごいぴりぴりしてたなあと」
本田女流「対局中との差が激しい人いますよね。
鈴木先生は普段は気さくな方ですけど」
阿久津八段「普段は研究会とかお酒飲みに行ったり競馬いったりしてるんですけど、
当日は全然しゃべんないで会った時に挨拶したくらいでした。
中には対局相手とお昼食べに行ったとかびっくりしちゃう話も聞きますけど。
対局始まっちゃえば変わらないですけどね」
本田女流「阿久津さんは変わりますか」
阿久津八段「それなりにぴりっとしてるとは思いますけど、
やる前1週間2週間前から鈴木さんとはぴりぴりしてました。
終わったあとの感想戦とかもさらっとでしたけど、
数日後には一緒に競馬にいきまして、その時に感想戦の感想戦をしたり、
後で考えたけどこういう手はどうかなとか。
自分の感じで言ったら、
終わったら終わったで1ヶ月くらいはそっけない感じになっちゃいますけど。
本田さんはどうですか」
本田女流「私は寝たらもう忘れます。
でも女流棋士と遊びに行くとかもないので、あんまり気にしないかもしれないですね」
阿久津八段「本田さんは勝って印象に残ってる将棋あります?」
本田女流「やっぱり負けてるほうが印象に残ってるんですかね。
タイトル戦に負けたのは印象に残ってますね。勝ったのは残ってないですね。
次に切り替えちゃうからなのかなあ」
阿久津八段「負けたときのが自分の悔いが残る一手とかがありますからね」

阿久津先生の本で駒落ちの勉強しています。
ただ、教えてくれる相手がいないのでコンピュータ相手に練習しています。
4枚落ちでやってますが力戦調になり、脅威の終盤力で逆転される事が多いです。
いずれ指導対局を受けたいのですが、その際に心がけておくことがあれば教えてください。
阿久津八段「なかなか近くに将棋を指してくれる人がいないと大変ですね。
結構独創的というか、今までに無い定跡の形を載せてたりするんで」
本田女流「これは全部の駒落ちをかいてあるんですか?」
阿久津八段「8枚落ちから2枚落ちですね。
どの駒落ちでも居飛車党振り飛車党両方ありますね。
定跡といっても昔からのものなので、
昔の定跡ですと駒落ちでしか出てこないものとかもありますから、
2枚落ちは四間飛車美野囲いが一番いいと思いますけどね。
平手でも出てくる形になりますから。
競馬でとったら買います?是非当てて欲しいですね。
なかなか棋士が来られない地方の方ですとそういう機会がないですからね。
いい経験というか、指した事が無いとか、
普段緊張しすぎる人が結構多くて、普段の力を出せなかったと言う事が多いので、
やる前にこういうの初めてなんでとか言った方が、
ちょっと会話でリラックスできるというのがあるんで。
後は自分の実力がわからなくてとかだと、
こちらとしても言ってもらえればやりやすいですね」
本田女流「阿久津先生の本買ってますと言ってもらえればね」
阿久津八段「それは綺麗に負けます。
定跡をやってきた人は勉強してきたんだなと思いますし、
定跡じゃなくてもいい手を指されたら上手く負けましたってなりますから。
定跡を知らなくても固くならずに、駒がぶつかってから強いという人もいますし、
終わったあとの感想戦で疑問に思った事を言ってもらえれば、
直接指導対局受ける時の醍醐味だと思います。
機会があったら固くならずに挑んでもらえれば」
本田女流「この人終盤逆転負けが多いと書いてありますので、
終盤ですと詰め将棋とかでしょうか」
阿久津八段「初段とかになる前の方だと詰め将棋なんですけど、
私が解くのが好きじゃないんですよね。
今解くのは10手後半とか20手とかくらいですね。
短いのを数解いた方が圧倒的に役に立つので、
お勧めしたいのは1手詰めをたくさん、簡単になったら3手、
物足りなくなったら5手7手とするのがいいと思います。
5手詰めがしっかり解けるようになったら初段だと思いますね。
今は森先生とか浦野先生とか短編を出されている方もいますからね」
本田女流「浦野先生は綺麗な詰め将棋ですよね」
阿久津八段「詰め将棋はセンスだなと思いますね。私はセンス無いなと思いました」

行方八段は1番人気の▲7五歩。

去年出演されたときに、メールでA級順位戦について聞いた者です。
もうそろそろ今期順位戦が始まります。
A級復帰にむけての意気込みをお聞かせください。
阿久津八段「そうですね、昨年は応援していただいた方に非常に申し訳ないというか、
情け無い結果になってしまったんですけれども」
本田女流「まあA級復帰に向けての意気込みということで」
阿久津八段「内容がね、スタートから自分らしくないというか、
駒が前に出て行く将棋が指せていなかったというのが悔いが残っているので、
そこを直しながら」
本田女流「A級の雰囲気はどうでしたか?」
阿久津八段「雰囲気はよく言われるんですけど、そんなに変わらないと思うんですけど、
普段から他の棋戦で当たりますからね。
結果が見られる世界なんで、やることとすれば内容を上げながら結果を出せるように。
また今期は12局と局数も増えるんでね、心のぶれだったり、順位戦は長丁場なので」
本田女流「安定感とか大事ですよね生活とかも」
阿久津八段「耳が痛いんですけどね。
人間ですからコンディションいい時と悪い時があると思うんですけど、
悪い時でも80%出せるといいと思います。
いい時に120%で悪い時でも80%だったらね、
いろんな棋戦で活躍できるんじゃないかなあと。
割合行方さんなんかはブレがあると思いますけどね」
本田女流「結婚されて成績が良くなったと」
阿久津八段「そういうのみなさん拾ってきますね」
本田女流「生活が安定してくるんですかね?
飲みに行く時間が減って家で勉強する時間が増えるとか」
阿久津八段「そんな感じなんですか?
そういうのをうまく出来るといいのかもしれないですね。
行方さんもそういう意味じゃ奥様がうまくやってるんですかね」
本田女流「気持ち的なものなのでしょうか。前に行く将棋ができなかったというのは」
阿久津八段「言うのは簡単なんですが、出るタイミングが悪いんですね。
負けが込んだりしてくると、勝負勘で悪い方を選んだり、そういうリズムが悪かったかな。
勝負どころでの嗅覚が良くなかったかなと思いますね。
調子がいいときはもちろん誰でも上手く行ってるように見えるんですけど、
勝っててもリズムが悪いというか、内容が悪いと思うと、
調子を落とした時に反動がきます」
本田女流「是非A級復帰頑張ってください」
※今月将棋大会で4戦4敗をやらかした私にも耳が痛い話でした。
大人がいるクラスに参加する小学生とか強いに決まってるって、
頭では分かってるんですけど、
子供に伸び伸び指されて自分は手が縮んで負けるとかへこむっす。

阿久津先生に質問です。
羽生名人や阿久津先生の棋風は切れ味が鋭いと言われますが、
切れ味が鋭いってどういうことなのでしょうか。
本田女流「将棋用語なんでしょうかね?」
阿久津八段「比べられてるのが羽生名人ということでちょっと困りますよね。
羽生名人は切れ味、全部強いよねということなんですかねフレーズ的には。
でも鋭いだけじゃダメなんですね。
切れ味はよく言うと、勝つときにすぱっと、
流れるような手順で勝つのが切れ味だと思います。
でも自分は切れ味があると思うことがないんですよね。
そういう方たくさんいますから。谷川九段とか。
糸谷さんとか出てますけど糸谷さんは切れ味の将棋じゃないですね。
加藤一二三さんなんかもそうですけど、ずんずん進んでいく感じですかね。
重厚という感じだと思うんですけど」
本田女流「行方さんは?」
阿久津八段「行方さんは粘り強い。囲いじゃない囲いになってから強いというか。
行方さんお酒が好きで夜型というか、将棋も終盤になってからしぶといというか。
結構陣形がばらばらになってから崩れないで相手にくっついていくとか、
そういう技術がすごく高いイメージがありますね」
本田女流「棋風って性格に比例するんですかね」
阿久津八段「性格は普段知らない人がいるんで分からないですけど、
すごい攻める人、ファーストチャンスが見えたら確実に攻めてくる人、
っていう人もいますし、不確定要素があると攻めない人もあります」
本田女流「指導対局でも見た目と将棋が全然違うという方がいますね」
阿久津八段「実際の性格と将棋の性格は違いますよね。
将棋は趣味ですから、将棋くらい好きに攻めさせてくれよとか。
手つきも丁寧な感じの人と豪快な感じの人とか、
棋士でも有利でも手つきに出ない人とすごく出る人と、
北浜さんの名前出てますけど、すっごい攻め将棋ですね」
本田女流「女流結構攻めますよね。
アマチュアの方が疑問に思ってる手を結構指していると思いますので」
阿久津八段「結構やりますよね。そこまでやるのと」
本田女流「私は攻めたいんですけど、攻めが鈍くて受けてることが多いです」
阿久津八段「バランスよくっていうのは難しいですよね」
本田女流「攻めるときと受ける時で悩みますよね」
阿久津八段「そういうところが棋風だと思いますね。
迷ったら攻める手を読みますけど、時間が無かったら好みが出ますね」
本田女流「恵梨子ちゃんも結構せめてますね」
阿久津八段「恵梨子ちゃんは攻めしかないですね」
本田女流「恵梨子ちゃんは攻めが切れてても真顔で攻めてきます」
阿久津八段「最近は受けも勉強してますって言ってますけどね」
本田女流「でも棋風が出るっていいですよね。見て分かるような将棋だと」
阿久津八段「そうなれば一人前って感じですけど、
山口さん結構無理攻めも多いんで、
男性棋士ですと戸辺君なんかは切れそうで切れない攻めを繋いでくるので、
戸辺攻めとも言われていますね。二人とも中飛車が得意ですし。
でも戸辺君のは真似するのは難しいですねえ。これでよく繋がるなと思いますので」

羽生名人は△4一角。
阿久津八段「なるほど。こちらの方が馬が早く消えるんですね」

プロ棋士のLINEスタンプがありますが、私は登場してすぐ購入しました。
阿久津先生の3パターンをどう使えばいいか分かりません。
使用例なんかを教えてください。
阿久津八段「私すぐに買いました。やっぱりね、全然使って無いです。
将棋連盟公認のスタンプなんですけど使いにくいんですよ。
将棋やってない人には絶対使えないと思います。
広瀬さんの冬眠しますとか、穴熊だからなんですけど分からないですよね。
羽生さんでも2つしかないのに自分が3つあってもいいのかな」
本田女流「みなさん使ってらっしゃる方いるんですかね」
阿久津八段「あまりいないんじゃないかな。LINEはされますか?」
本田女流「私今やってないですね
(プリントを見て)あーこれはどんな時に使うんだろう。
加藤先生のうひょーとかかわいいですね」
阿久津八段「糸谷さんの散歩行くかとかね。
広瀬さんの今夜は穴熊とか意味が分かんないですけどね」
本田女流「阿久津さんが知人に送る時に自分ので送ると嬉しいんじゃないですか」
阿久津八段「送るわけ無いじゃないですか。
屋敷さんの禁酒中ですとかは断る時に使うんですかね。
使ってみたいのは岩根さんのさみしーちゃんかな。
自分が一番使うのは佐藤慎一君のがけっぷちですね。
何か追い詰められてる時とか競馬当たらない時とか、
後はなかなか、佐藤しんやさんの毛っとかない…とか、
あ、毛が無いって意味なんですね今気づきました。
将棋の知らない人にも使えるようなね、
おはようとかおっけーとかあるといいんですけど」

本田女流「解説行きますか?メール行きますか?」
阿久津八段「メール行きましょう」

阿久津先生にソフトについてお聞きしたいことがあります。
コンピュータは飛車先の歩の交換を気にしない、
むしろ手損と考えてるそうです。
最近飛車先を切らす作戦をソフトに詳しい若手が指していました。
これが正しいとなると将棋にとてつもないブレイクスルーと起こすと思いますが、
阿久津先生はこの考え方をどう思いますか。
阿久津八段「まあ飛車先の歩をそんな高く評価していないということですね。
手損ということでもなくて、他に価値の高い手を指すということで、
それがなくなれば交換してきます。
でもまあこれは新しい可能性が出てくる事なんで、
確かに矢倉とかで左美濃に囲って飛車先を交換されるけど後手が先攻するとか、
交換するのは得なんですけど、他のところで得を目指すという発想がでてきています。
今後も指されていくとは思いますね。
これだけ強くなってるソフトがやってるわけで、実際は面白そうだなと思います。
ただただ定跡型で受けに回るよりもね」
本田女流「練習とかで何か意表突いた指し方とかありましたか?」
阿久津八段「ponanzaの序盤は結構びっくりするような、
76歩に…せっかくだからやりますか」

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後手がponanza。初手△3二銀から後手が飛車先を交換させて、
代償として先攻するという作戦。

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▲7六歩△3二銀▲2六歩△4四歩。
昔は初手▲7六歩に△4四歩と指すのをパックマンと呼んでいた。
阿久津八段「しまったとか言いながら△4四歩を指すとか書いてありました」

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狙いはこの図。
▲7七飛には△7四歩、▲8六飛だと持久戦になる。
阿久津八段「昔子供の時に流行りましたけどね。
相手が騙されなくても結構不利にならないです」

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阿久津八段「しまったで思い出しましたけど、
昔神吉さんが初手からしまったと言いながら△3四歩指してました」

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喜んで馬を作るとこんな罠がある。6枚落ちなのに無慈悲に勝ちに行く神吉七段。
本田女流「斬新ですね」

昼食アンケート
そば11.6%、カレー8.6%、パスタ13.1%、そこいらのNATTO23.1%、
うなぎ19.1%、ステーキ9.0%、例の味噌汁15.5%。
阿久津八段「やっぱり。そうだよね」
本田女流「まあ裏切って別のとこでも」
阿久津八段「違うの食べたらそこいらの納豆風味の何かを食べましたって」

次の一手アンケート
△7五歩26.8%、△6五歩17.8%、その他55.4%。
阿久津八段「3択くらいだとその他が当たると思うんですよね。
5択6択とかになるとその他当たらないじゃないですか」
何故かその他が当たると嬉しい阿久津八段。

一旦昼食休憩に。

阿久津八段「おなかいっぱいで大変です」

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昼食アンケートの正解は松永

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阿久津八段「蕎麦裏切らないですよね。
対局で海老3本は指しすぎかと思って頼まないんですけど」

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本田女流「まあ同じのを」

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阿久津八段「本田さんと蕎麦の量が違うのは僕は大盛りで」

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阿久津八段「結構しっかり食べられてますね。
飲み物はグレープフルーツジュースって書いてありました」

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本田女流「なんか天麩羅もおしゃれですね」
阿久津八段「見てると食べたばっかりだけどまだ食べたくなるなあ」

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本田女流「おおっすごい」

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本田女流「すごいですね素敵ですこれ、ロマンチックです」
阿久津八段「是非だんなさんに」
本田女流「無理ですよー」

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阿久津八段「一人で入りたいですねえ」
本田女流「豊川先生と一緒じゃだめなんですか?」

昼食休憩明けの羽生名人の手は△7五歩。
阿久津八段「私その他押しにするために2択にしたんですけど、
当たってしまいました」
銀取りに打った▲3五歩がびしっと今日一番の駒音だったとのこと。
羽生名人の△4二金引も舞うような手つきだったらしい。

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ばらばらな後手陣をヒフミンアイで味わってから形勢アンケート。
アンケートどちらを持ってみたいか
先手:行方八段40.3%、後手:羽生名人25.4%、ニャンとも34.2%。
長い戦いなら後手、早い戦いなら先手とのこと。

第5局で応援しているのはどっち?
行方八段38.6%、羽生名人61.4%。
本田女流「羽生名人強いですねぇ」

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詰め将棋の解答の後にプレゼント、駒落ちの教科書

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あっくんの目ヂカラ~
阿久津八段「久しぶりに書くの恥ずかしいなあ」
これは貴重品。

行方八段は▲6一角。
先手からの攻め筋が多いので、後手が先手の攻めを切らすのは相当大変とのこと。

アンケートラーメンといえば?
とんこつ21.9%、醤油28.8%、みそ17.4%、塩12.8%、つけ麺5.2%、坦々麺5.6%、
二郎もしくはインスパイア系3.4%、その他4.9%。
阿久津八段「すっげー広いなこれ」
本田女流「室谷さん一人で行けちゃうんですよ」
おやつの話がこじれてラーメンの話に。

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行方八段はジンジャーエール連投。

ニコ生のおやつは

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本田女流「私ここのケーキ好きなんですよ、HARBSのミルクレープ」
阿久津八段「これだけ大きいと分かってたら蕎麦大盛りしなかったですね。
それじゃ食レポお願いしますよ」
本田女流「ほどよい甘さで間のブルーベリーの食感がアクセントになって、
とても爽やかな味です。こんな感じのがさらっと出るといいんですか?」

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羽生名人はフルーツの盛り合わせ
本田女流「フォークじゃないところがすごいですね」
分かるような分からないような。

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行方八段はバニラアイス
阿久津八段「やっぱりジンジャーエール!」

一旦休憩に。

羽生名人は阿久津八段の解説通り△5三金。
阿久津八段「あんまり当たるイメージ無かったんですけど」
消去法で選んだ手だったのでとのことでした。
▲5五歩で攻め味が増えるのでいいのではないかとのこと。
後手玉が詰む変化もありました。

ヒフミンアイ

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阿久津八段「こんなに便利だと私思ってなかったんですけど。
加藤先生の理にかなった手だったんですね」

質問メール
明後日の日曜日は日本ダービーが開催されます。
阿久津先生の予想をお聞かせください。
阿久津先生の予想にオールインします。
我が家の夏の予定は阿久津先生にかかっています。
阿久津八段「やばいっすね。
あのねー今日の解説に来るに当たって、危険だなと思ってたんですけれども。
私オールインしない方がいいと思いますけどね。
私ニコ生に出て週末G1で予想したこと2回あるんですけど、2回とも外してますね」
本田女流「週末雨の予想ですけど」
阿久津八段「雨が得意な馬だったり苦手な馬だったり。
私が買おうとしてる馬がリアルスティールという馬なんですけど。
乗ってる福永さんがね、まだダービー勝った事ないんですけど、
勝てそうなチャンスで頑張って欲しいです。
調教師の先生も何度かお会いした事が会って、
もちろん知っている方に勝って欲しいというのはありますけど、
新馬戦も強いと思ったことと、
2戦目の共同通信杯も見ていて、G1勝つんじゃないかなこの馬はって思ったので、
応援したいなという気持ちがあります。
穴っぽいところではアダムスブリッジです」

日曜日はいよいよ日本ダービーですが、注目馬を数頭教えてください。
ちなみに自分はサトノクラウンから流す予定です。
阿久津八段「私もサトノクラウン買おうと思ってますけど、
1番人気になりそうなドゥラメンテはちょっとお行儀が悪いんですよ。
ちょっとね、やんちゃなのより、しっかりした馬に勝って欲しいなあと。
後はレーブミストラルとか。青葉賞勝った馬ですけど」
本田女流「渡辺先生とかも競馬好きで有名ですけど」
阿久津八段「渡辺さんと会った時は競馬の話のほうが多いです。
橋本さんに先週会ったときもダービー何買うのかと話しました。
リアルスティールから11番サトノクラウン、12番アダムスブリッジ、
7番レーヴミストラル、ドゥラメンテもG1勝ったから一応、
それとタガノエスプレッソを3着狙いで。
今週8時間くらい研究してるんで、
予想が全然外れたら買われた方は会った時に言って下さい。
私でもね、この番組予想させてもらうとちゃんと買わなくちゃいけないなと思って、
買っちゃうんですけど当たった事ないんですよね。
そろそろ当てたいと思います」
本田女流「棋士仲間と買いに行くんですか?」
阿久津八段「競馬好きの友達とかと行ったりすることが多いですね」
本田女流「棋士は勝負事が好きなんですかね?」
阿久津八段「競馬がすきなんですね。競馬が上手いって人はなかなかいないです」
本田女流「屋敷さんは競艇ですね」
阿久津八段「棋士は時間が自由なので凝り性の人は嵌まりますね」

今日の対局は何時くらいに終わると思いますか。
夕休って6時から6時半くらいでしたっけ。
8時くらいですか?普通かなあ。
この段階で終盤に全然入ってないということは夕休に入ると思うんですよ。
行方さんが勝つなら8時過ぎになるんじゃないかなと思います。
名人が勝つとすれば手数が長くなると思うので、9時過ぎになるんじゃないかなと。
夕方までに、6時までに終わる事は相当無いと思います。

行方八段はばしっと▲2四銀。
阿久津八段「突き捨て入れませんでしたよ。
入れなくても攻めきれるってことですかね」

行方八段は銀損の▲2三銀成を決行し、急に展開が早くなりました。
羽生名人の銀得、行方八段の猛攻といったところ。
先手の攻め筋をいろいろ並べて、
阿久津八段「先手の攻めが細いような気がしてきました」

といったところで一旦休憩に。

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休憩中に羽生ゾーンに銀が放たれました。
本田女流「そして、進みました」
阿久津八段「受けきるか攻めきるかという将棋になりました。
タイトル戦でこれだけ直線的な叩きあいになるのは珍しいですね」

ここでティロフォン豊川七段から
豊川七段「どうもマンモス」
阿久津八段「マンモスよろしくおねがいします」
本田女流「現地の検討とかの様子はいかがですか」
豊川七段「現地はとるいち先生をはじめ熱気が凄いですよ」
阿久津八段「大盤解説はどうでしょうか」
豊川七段「今日は深浦さんと中田功さんが出ています。
さっき内藤九段のトークショーとかあって大盛り上がりでした。
ちからとさゆりもびっくりで」
阿久津八段「局面の方は△2七歩じゃなかったですね」
豊川七段「銀なら歩成りでしょうか?」
その後2人ですらすら符号を言い合って、
豊川七段「あ、痛い!負けマンモス!」
阿久津八段「△2七銀も驚きの手だと思いますけど」
豊川七段「銀を打つということは凌げると見たんだと思うんですけど」
阿久津八段「結構先手も調子よく攻めてるのか攻めさせられてるのか、
現地の見解はどうでしょうか」
豊川七段「青野先生どちら持ちなんですかね」
電話の裏で会話の後、
豊川七段「難解ホークスですー九段の技をしても難解ホークスで。」
今福岡なんでソフトバンクホークスにしといてください」

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豊川七段「いやあんま見ないでください。ちょっと重力に負けて落ちてきてるんで」

本田女流「先生新作のギャグとかないんですか」
豊川七段「ないですよーはい。本田さん私生活はどうですか」
本田女流「もう結婚して2年たつのでそんなに変な事はないです」
豊川七段「阿久津さん私生活は?」
阿久津八段「私はぼちぼちですけど」
豊川七段「困ったときは相手に振り飛車ってね」
阿久津八段「多いですよね将棋界の人は。ちょっと聞くと倍返しで」
豊川七段「福岡はいいですよかとこたいで」
阿久津八段「中田先生もごいっしょなんですよね」
豊川七段「そうそう昨日も2時半まで将棋界の未来について語り合ってましたよ」
本田女流「本当ですか?駄洒落についてじゃないんですか?」
豊川七段「本田さん今日も赤いセーターかわいいですねー」
本田女流「カーディガンです(笑。対局者の様子はいかがでしょうか」
豊川七段「行方さんはすごくリラックスしています」
阿久津八段「ずっとジンジャーエール頼んでると思うんですけど」
豊川七段「あれすごい名物みたいですよ。
お昼中田さんが飲んでうん!おいしい!って言ってました。
彼昔から三つ矢サイダーが好きで、炭酸系いけるみたいですよ」
阿久津八段「楽しそうですね現地ね」
豊川七段「いやいやいや真面目にやってますよ」
本田女流「先生今回副立会いですから、
対局室に入った時は駄洒落は言えないですからね」
豊川七段「いやいやいや何をおっしゃるうさぎさん」
阿久津八段「なんだかコメント見てるとマンモス先生になってますね」
豊川七段「それじゃみなさん失礼しまーすマンモス!」

本田女流「こんなに楽しく現地の様子を知らせてくれて、
それで検討はどうでしたっけ?」
阿久津八段「検討は、難解だって言ってましたかね。
△2七歩だとぼんやりして勝負が長引く展開でしたけど、
△2七銀打としたのでいけると見てるんじゃないかと言ってましたね。
△2七銀打はこれ行ったら喧嘩必死っていう手です。
後手も上部に逃げ出す展開も見えてきて、
ここで押し切らないといけないようになりました。
休憩前にここまで激しくなるとは思えませんでしたね。
△2七銀みたいな手を見ると、△5五歩入れとけばよかったとか考えちゃうんですよね。
入れておけば△5八飛と回るのが絶好なので」

行方八段はすごい手つきで▲同飛。
銀と飛車の交換ながら後手玉に殺到する狙い。攻めが繋がるか。
そして飛車を切ってから▲5五歩。
本田女流「形勢的にはどうでしょうか」
阿久津八段「今は後手の指し手の方が分かりやすい、読みやすい展開になってますね。
この進行で寄せきれるかと言われると少し心配です」

アンケートどちらを持ちたいか
先手:行方八段12.8%、後手:羽生名人44.4%、南海ホークス(ソフトバンク)42.7%。
阿久津八段「これだと正しい数字が出ない気がします」
本田女流「とりあえず3を押してみたくなりますもんね」

18時に休憩なので、45分までいったら指さないと言っていたら、
44分50秒に羽生名人が△同歩。
阿久津八段「いきなりこの振りはびっくりしましたね」
しばし解説の後、
阿久津八段「まあ休憩でしょうね」
先手の攻めが角金銀桂のぎりぎりの攻めで、
羽生名人の方がいいんじゃないか、
△3九飛にいい手がないとはっきり羽生名人がいいとのこと。

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行方八段は定刻に現れず。羽生名人はさっさと△3九飛車。
阿久津八段「ここで先手の行方八段に上手く続く手が見えなかったんで、
次の手に注目ですね」
行方八段は▲3四銀。その後咳き込み退室。

本田女流「それじゃここでアンケートいきましょうか次の一手の」
阿久津八段「え…ここの局面じゃその他無いんですけど」

アンケート次の一手
△同飛成27.7%、△2四玉60.9%、その他11.4%。
阿久津八段「その他11%いるの『えー』って感じですね」

質問メール
棋士の先生のネクタイがおしゃれで毎回ひそかに楽しみにしています。
意識している事がありましたら教えてください。
阿久津八段「最も苦手な分野ですね」
本田女流「メーカーとかそういうのは?」
阿久津八段「全く分かりません。ぱっと見ていいなと思ったら買います。
ネクタイの方が普段の服より見ていて楽しいなと思いますけど」
本田女流「現地には佐藤天彦さんがいますけど、
こだわりのメーカーがあるんですよねなんかすごい長い文字の。
あ、アンドゥムルメステールでてきました。
阿久津さんは験を担ぐとかはありますか?」
阿久津八段「ないですね。負けてると何も着れなくなるんで。
お昼とか前回これ食べて負けたなあとかありますけど、1局分くらいですかね」

羽生名人は△2四玉。
阿久津八段「これは寄らないと見切ったということでしょうかね」
即座に▲3三桂成△3五玉と進み、大盤解説へ。
解説中に行方八段が▲2五銀。
阿久津八段「何か不気味な早さですけど、何かあるんですか?」
羽生名人も△2六玉。
阿久津八段「あれー?どんどんどんどん」
行方八段は後手の飛車を金銀との2枚換えで外す手順を選びました。

質問メール
競馬の趣味で渡辺明先生と仲が良いと聞きました。
お二人そろうと競馬の話が中心になるのでしょうか。将棋の話はされないのでしょうか。
阿久津八段「そうですね、将棋の話も勿論しますけど、
終わった時は競馬の話が多いですかね。
阪神の方とかも旅行に行きながら行った事もあって、
将棋の話を長くした事はないかもしれないですね」
本田女流「研究会は?」
阿久津八段「研究会はないですけど、競馬研はあります。
あ、競馬するだけですよ?
あえて趣味が同じだから将棋をやろうということはないですね」
本田女流「何か渡辺さんの他にも競馬を一緒にする方はいますか」
阿久津八段「橋本さんとか佐藤慎一君とか、歳が近い人は馬が好きな人が多いですから。
あと記者の方や将棋の好きな競馬ファンと」
本田女流「誰が勝ってるんですか?」
阿久津八段「チャラに出来ればいいという考えでやってます。
100円買って75円しか返って来ないんで、勝てる人はそうはいないと思います。
たまに大きいの当たったとかは聞きますけど、
トータルだとだんだんマイナスの方に行く感じですかね。
一応75%返って来れば普通の人ですけど、自分の場合は95~97%くらいなので、
それなりに勝ってるほうだと思います。
最近は大きく負けないようにと心がけてますけど」
本田女流「あとスロットの話とかきてますけど」
阿久津八段「いやーそれはねぇ。ギャンブラーじゃないですか」

今年春になり、新入社員が入ってきましたが、ジェネレーションギャップを感じます。
阿久津先生も年下の棋士に対して感覚の違いを感じることがありますか。
阿久津八段「そうですねやっぱり最近感じる事が多いですね。
いい意味でも悪い意味でもというか。若手が結構入ってきてますからね。
最近の若手はさばさばしてるというか、
よく言えばすっきりしてるというか、微妙な感じで言うと付き合いが悪いというか、
先輩に誘われるのがめんどくさいとかテレビでやってるのを見るとわかるなと。
でも自分達が積極的に声をかければ、好きな子もいますからね」
本田女流「どんな棋士を誘うんですか?」
阿久津八段「自分から後輩で誘った事はあまりないですね。
先輩に声をかけられて感想戦やろうとか言われたり、
そういう意味では自分から誘わないといけないかなと思いますけど」
本田女流「阿久津さん棋士になって何年くらいですか」
阿久津八段「棋士になって15年ちょっとですかね。
でもなかなかそういうのは気にしないで誘って、
一緒にめし行ったり飲み行ったりする方がいいかなと思います」
本田女流「気になる若手の方はいます?」
阿久津八段「面白い子も多いですけどね、佐々木勇気君とか」
本田女流「ほわっとしてますよね」
阿久津八段「マイペースというか。
感想戦で『あーちょっと難しいかー』とか。ため口かもしれないですけど。
若い棋士と将棋対局する機会が増えて、
感想戦でもずばずば言ってくれると嬉しいですね」
本田女流「生意気だとかはないんですか」
阿久津八段「まあ自分より生意気な人はいないというか、
逆転負けした時にこんな将棋の感想戦やる意味無いでしょとか言った事もあります。
10も20も上の先輩にそんな事言ってよく怒られなかったなと思います。
ストレートに言ってる子がいると、昔の自分を思い出すと言うか、
『ああわかるわかる』みたいな。本田さんはどうですか」
本田女流「ここ1年で5人くらい入ってきて、
女流の親睦会が年に1回ありまして、そこでお会いする感じです。
この子があの子かーとかちょっと確認して。私の事とか分かんないと思います」
本田女流「いやいやいやオーラでてますって」
阿久津八段「おばさんオーラとか?
友達とひそひそあの子新人だよとか話して、ちょっと話しかけてみようとか。
最近女流棋士で京大の人とか入ってきてますね」
阿久津八段「新しいほうの山口さんですね。名前も恵まで一緒なんですよね」
本田女流「子供の教室をやってるんですけど、卒業生が女流棋士になったりするので」
阿久津八段「私が教えたの覚えてるよね?とか言うんですか?」
本田女流「多分忘れてるんだろうなと思ってたんですけど、
どこどこで指した事ありましたよねとか言ってくれます」
阿久津八段「やっぱり若い人達の感覚とかね、大分違うなと思いますね。
将棋ももちろん違いますけど、今ネットとかあるんで趣味とかも広がりが大きいです。
将棋連盟の野球部とかサッカー部とかやる人が減って、
いろんな趣味が広くなったと思います」
本田女流「何部に入ってました?」
阿久津八段「野球もサッカーも入ってましたけど今は全然行ってないですね。
バスケも行った事があります。
でもどれも人が少なくなって、おじさんばっかりって感じがしますよね。
若手が入らないと盛り上がらないですからね。
ボーリングも行った事がありますね。
部活じゃないですけど関係者とか棋士とか、でもやってる事は部活みたいな感じでした」
本田女流「あ、書道部はありますね、囲碁部もあります」

盤上では羽生名人の入玉がほぼ確定し、
行方八段が駒を拾って入玉に向かうのを羽生名人がどう寄せるのか、
という勝負になりました。
阿久津八段「先が見えない将棋になりましたね。
終わる時間8時から8時半くらいって言いましたけど全然終わらないです」

ということで一旦休憩に。
休憩中に羽生名人の王様の入玉が確定し、
行方八段は竜を自陣に戻して徹底抗戦という泥試合に。

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本田女流「これはどういう戦いになるんですか?」
阿久津八段「持将棋を巡る戦いになりました」
点数と王様への寄せを両方睨んだカオスな展開に。
本田女流「これは終局は何時くらいになりそうですかね」
阿久津八段「10時くらいですかね?」

羽生名人は盤上に大駒を放ったため、
大駒を取りきれれば行方八段が点数で勝てるのでは?
という持将棋特有の勝負になりました。
阿久津八段「行方さんからするとかなり楽しみが出ましたね。
でも検討といっても検討が盛り上がる展開ではないですね」
本田女流「見守る感じですかね?」

行方八段は羽生名人の飛車の捕獲に成功。
後は王様が詰まされないように上部に脱出すればいいということに。
羽生名人は上部脱出を防ぎつつ、
行方八段の王様を寄せにいく狙いも含みにした手を選びました。
持ち時間はお互い残り10分に。

そして羽生名人は持将棋になったら点数が足りなくなるリスクを恐れずに、
行方八段の王様を寄せにいきました。
行方八段もスルーで銀を拾い、
阿久津八段「いいんですか?いやー誘ってますね」

羽生名人は行方八段の王様を狙いつつ竜にも狙いをつける攻め。
持将棋になっても竜を取れば5点なので引き分け以上と阿久津八段。

本田女流「ここで現地から写真が届いてるようです」
阿久津八段「このタイミングですか?」

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阿久津八段「記者室の様子ですか」

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本田女流「検討しているというよりは見守っているという感じですね」

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本田女流「写真がぶれてるのが多いですね」
阿久津八段「カメラマンの方も疲れてるんじゃないですか?」

羽生名人は行方八段の竜を取り、
持将棋の点数を確保してから寄せの体勢に入りました。

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羽生名人勝勢といったところで水を飲む行方八段。
直後に投了となり、羽生名人の防衛が決まりました。

本田女流「手数は170手ということになります」
阿久津八段「もっと行ってる感じの将棋でしたね」

阿久津八段
本当に凄い将棋でしたね。
行方さんの方も矢倉の先手番で主導権を取りに行く積極的な作戦で、
羽生さんがすごいバラバラの陣形からまとめあげまして、
そこから入玉を巡る攻防になったり、行方八段も巻き返したり、
どう将棋が終わるのかと思ったときに羽生さんが寄せに行って、
厳密に全部の寄せが寄っていたかは分かりませんが、
あそこから寄せに行ってしまうのが羽生名人らしいというか、凄い将棋でした。
見ていてどうなるのか分からなくて、
凄い将棋で一視聴者のように楽しませてもらいました。
この将棋で寄せに行って決着がつくのかと感心しました。

ということで名人戦は4勝1敗で羽生名人の防衛という結果になりました。
行方八段も1局目以外はいい将棋を指せていたと思うんですけど、何で負けたんだろう。
解説の阿久津八段は中盤の難所でずばずば手を当てて流石でした。
170手の大熱戦でしたが、
持将棋ではなくきっちり王様を詰ませに行った羽生名人は流石でした。

6月2日からは豊島将之七段が羽生善治棋聖に挑戦する第85期棋聖戦が始まります。
ニコニコ生放送では9時から、解説に田村康介七段 、
聞き手に山口恵梨子女流初段で大盤解説会が放送されます。
羽生棋聖は7連覇中ということで相当得意にしている棋戦ですが、
豊島七段がどこまで迫れるのか、タイトル奪取なるか注目です。