羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦七番勝負第1局は、
羽生名人が行方八段を下しまず1勝としました。

ニコニコ生放送では9時から、解説に森下卓九段、
聞き手に鈴木環那女流二段で大盤解説会が始まりました。

鈴木女流「森下先生の予想は何でしょうか」
森下九段「△5三金だと思うんですけどね」
注目の封じ手は△4三金左でした。

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おはようございます。

鈴木女流「やはり森下先生のおじぎは長いですね」
森下九段「小学生の頃に、師匠の花村先生の後援会の方にだいぶ注意されました。
それは挨拶とは言わない、会釈と言うんだとか、会釈にもなってないとか言われて、
だいぶ鍛えられました。
師匠の花村先生から叱られた事は1回もないんですけど、
ふすまの開け方ひとつとっても、畳の歩き方ひとつとっても教わりましたね」

封じ手の△4三金左は3三にいる銀を前に出して角を押さえに行く狙いとのこと。

森下九段「封じ手の1手前の局面では、行方八段がどう指すのかわからず、
早くも後手が少しリードしたのかと思っていました。
▲6八飛はひねりだしたという手ですね。
指された直後はなるほどなあと感心しましたが、
ちょっと先手が無理な陣形で、
後手に少なくとも互角には戦える順があるのではないかと思います」

リレー質問
田丸九段から森下九段へ
最近お気に入りのお蕎麦屋さんがあれば教えてください。
えーそうですね、実はもう4年近く前なんですけれどもね、
たまたま行ったお蕎麦屋さんが、
山田道美先生のご子息の方がされていたということがあります。
駅の近くで何度も通ったんですけれども、
その時はお昼から時々一杯やってたものですから、
お客さんご職業はと聞かれたんですね。
それで将棋指しやってますと言ったらですね、私の父も将棋指しでしたと言われたんです。
もしよかったらお父様のお名前をと聞きましたところ、
山田道美ですと答えられて大変驚きました。
そば粉100%の太麺で無骨な田舎蕎麦という感じだったんですけれども、
その後四谷に移転されて、
なかなか諸事情があって閉じてしまったんですけど、
今はお蕎麦屋さんの学校で修行されているらしいです。
そのお蕎麦屋さんができたらすぐに行こうと思っています。
そのお店はまつり蕎麦というんですけど、
まつり蕎麦屋さん以外には松永さんというお店が将棋連盟の近くにあるんですけど、
まつり蕎麦さんの後に見つけたお蕎麦屋さんはあまりないです。
松永さんは将棋連盟から歩くと10分少々といったところですかね。
今日みたいにお天気がいい日は散歩コースで、
純粋なお蕎麦屋さんでご飯者とかおうどんとかがなくて、おそば、お酒、おつまみ。
松永さんは多くの棋士が行ってますから、皆さんも行かれると、
もしかしたら知っている棋士がいるかもしれませんね。
神宮前商店街というところにあります。

貞升女流から鈴木女流へ
囲碁は最近打っていらっしゃいますか。上達なさっていますか。
鈴木女流「それが上達まったくしていないんです」
森下九段「なかなか上達するのは難しいですよね。
私も囲碁は幼稚園の頃から知っているんですよ。
親父が囲碁が好きで、ただあんまり好きになった記憶がなくて、
四段になってからですね。でも強くならないです。
囲碁部の幹事もやっていたものですから、20代の頃はよく打ってました。
アマチュアの初段から三段くらいだと思います。
今はもう初段全然ないと思います。今はもう観る将ならぬ観る碁ですね。
将棋と違って囲碁は海外でも盛んなんですけれど、
韓国や中国の選手は読みと計算を4、5歳からとことん鍛えるそうです。
藤井聡太君が12歳で詰め将棋選手権優勝されていましたけど、
韓国中国の囲碁界では子供が優勝するというのも当たり前だそうです。
2、3年前ですかね、中国で8歳のプロが誕生したことがありましたね。
私も来年50なんですけど、だんだん年取ってくると読むのを省略するんですよ、
面倒になって。
若いときはしらみつぶしに読むんですよ。
でもしらみつぶしだとコンピュータには絶対勝てないです。
なので囲碁は選手寿命が厳しいですよね。
中国では30歳だとコーチになるくらい厳しいと聞きました。
いいか悪いかはわかりませんけどとにかく強いということは分かりました。
日本の将棋でよかったと思います。すごい世界ですね。
鈴木さんは以前囲碁の講座番組に出演されていましたね」
鈴木女流「あ、そうなんですよ、囲碁の講座をさせていただきまして、
万波さんから5級をいただきました。
どうしても石を取りたくなってしまって、盤全体を見ることができないんですよ」
森下九段「数年前オセロのチャンピオンに聞きましたけど、
オセロですと10手後を読むのが限界だと言ってました。
その時のコンピュータは25手読む状態だったそうです。
オセロはぱたぱたひっくり返るので、頭の中で整理しきれないそうです。
先日私がコンピュータと指すことになったときに、
子供の友だちの保護者の方に、よく森下先生コンピュータと戦えますねと言われました。
確かに私も将棋を知らなければ、
何で人間がコンピュータと戦えるんだろうと思うかなと考えました。
昔木村義雄十四世名人がどのくらい読まれるかと聞かれて、
ひと睨み3000手と答えたそうです。
今の言葉でいうと盛ったなと思いますけど、
もっと計算できるコンピュータ相手によくやったなあと思います。
リベンジマッチについてですが、事前対局で一手15分、
17時間かかってしまったのですが、3局指したんですけれども3連敗してしまいまして、
対局そのものを盛り上げるから勘弁してくれと言ったら、
いやいや勝ってもらわないと困ると言われたんですけど、
せめて盛り上げないとということで話しながらということにさせていただきました。
途中の局面で無条件で竜を作れたんですよ。
ツツカナが察してくれたのかなと思ったんですけれども、それでいい勝負なんですよ。
ツツカナの評価値を後から見たら全然下がって無いんですよ。
もう全然将棋の作りが違うんですよね。よく勝ったなあと思いました。
環那さんもずっとやってもらいましたし、貞升さんも19時間も読み上げをされて、
ただ貞升さんがおっしゃっていたんですけれども、
後でアマチュア強豪やプログラマの方に、
プロがあんなに読んでるとは思わなかった、と言われたそうです。
どうも意外だったらしくてですね、
それで実際に話してやったら結構面白いかなと思うんですよね。
対局者の生の声というのは、羽生さん何考えてるのかなとか、
行方さん何考えてるのかなとか、我々プロでも気になるじゃないですか。
実際金上がられてもう40分考えられてますよね。
封じ手の△4三金は十分考えられますから、行方さん昨日から考えてるはずなんですよ。
あと羽生さん席を立たれてましたけど何をされていたのかなとか。
コンピュータはフル稼働できますけど人間はそうはいきませんから、
どういう風に休まれるのかも我々は聞きたいですよね」
鈴木女流「A級順位戦のラス前のときに、
糸谷竜王とご一緒させていただく機会がありまして、
その時にどうしてあんなに席を立ったんですかと聞いたんですけれども、
糸谷竜王は緊張するとじっとしてられなくなる、
落ち着くために自分のリズムで席を立つようにしていたと言ってました」

一旦休憩後10:34再開。

鈴木女流「いや皆様お待たせしました。まだ進んでいません」
森下九段「進みませんねえ」

初手から解説に。

森下九段「私あまり記憶に無かったんですけれども、
結構藤井矢倉に最初厳しい批評をしたらいいんですよね。
これで勝てるとは思えないとか、藤井さんに言われたことがあります。
今ならそこまで言わないんですけど、
当時はどう見ても藤井矢倉で勝てると思えなかったですね。
藤井さんの矢倉は▲3六歩▲3七銀からこの銀を足早に活用させようということで、
これは将棋に無いとか思っていました。
今はそんなことは思っていないですけれど、これはコンピューターの影響が強いです。
先日の電王戦でもコンピュータの指し手に私も佐藤康光さんも絶句しまして、
将棋に無いような構想だったんです。
非常に感心したんですけれど、これは将棋の理屈にあってないとか、
そういう考え方は狭いんじゃないかなと思うようになりました。
しかもコンピュータは正統派でも強いんです。
ツツカナを相手にしますとね、ごく普通の四間飛車でも強いんです。
私は居飛車穴熊にするんですけれど勝てないんです。
将棋はこういった手を指すべきだとか、とらわれるのもいいと思うんですけれど、
とらわれすぎるのもよくないと思うようになりました。
コンピュータはベテランの救世主だと思います。
若い頃はアナログで鍛えて、年を取ってから新しい発想の将棋に触れられて、
私は非常に恵まれた年代だと思います。
若い頃からコンピュータ将棋を骨格としてしまうと、
将棋の基本的な形とか私もあると思いますので。
弟子の増田四段には、25歳まではアナログで鍛えて、
それからデジタルを取り入れるのがいいんじゃないかと言っています。
例えば100年後だとコンピュータが強いに決まっていますが、
人間の強さも格段に上がっていると思います。
うまくコンピュータを活用することがベテランの課題だと思います。
実はまだまだ将棋そのものの可能性が眠っていますから、
それをうまく掘り起こしてくれるものです。
私も数年前は不遜にも藤井矢倉を否定することを言ったのですが、
今はそんなことは全然考えていないです」

ここまでの消費事は行方八段が5時間53分、羽生名人が3時間54分とのこと。
持ち時間は9時間でここまで2時間の差。

森下九段「どれだけ勝ちたいと思っているのかが2番から最下位までの差、
一番は勝てると思っている、
何かでこれを読んでなるほどなと思いました。
そのことを塚田正夫先生が自信を持てと言っているんですね。
大山先生がそれを聞かれて自信を持たせちゃダメなんだよねと答えたそうです。
いかにも大山先生らしい言葉ですよね。
羽生さんは勝てると思ってるんでしょうし、挑戦者は勝ちたいと思ってるんでしょうし、
勝ちたいと一番思っているから挑戦者になっているんですけれども、
勝てると思っているのが羽生さんなんじゃないかと。
人間って勝てるかどうか微妙に相手との距離を測っていますよね。
羽生さんが手が震えると言いますけど、それだけ真剣なんですよね。
普通震えませんもん。
私も羽生さんと研究会したことがありましたけど、研究会では震えませんから。
私はC級2組で何年もいましたけど、最後の年は前の晩に眠れたことが1回もないです。
前の日と当日は2日間一睡もできませんでした。
そこまで追い込まれて一番きつかったです。
5期目は人生で一番きつかったです。
手が震えたかはわかりませんけど、前日と当日は眠れませんでした。
昇級が決まった時は嬉しかったというよりやれやれと思いました。
それから眠れなかったことは1回もないです。
勝ちたいっていうのも大変ですけど、
負けたらどうしようっていうのは相当きつかったです。
去年の電王戦は久々に負けたらどうしようと思ってきつかったです。
今の阿久津さんは相当きついんじゃないでしょうか。
自分が負けて負け越しってきついじゃないですか。
しかも2勝2敗で大将ですよね。FINALでファイナルなわけです。
最後もし阿久津さん勝ちましたら、
今回順位戦不調ですけど、それらがすべて帳消しになるんじゃないでしょうか」

質問メール
今朝のお話で囲碁は中国韓国の若手が強いと言う話がありました。
これは初期から英才教育をするのが強いということだと思います。
そこで将棋の英才教育はどうでしょうか。
森下九段「私は賛成じゃないんですよね。
あのーそこまでやるのはどうかなと思っています。
もう10年以上前なんですけど、韓国の若い棋士の自戦記を読んだんですけれども、
4、5歳の頃から負けるような奴は死んでしまえ、自分にとって囲碁は勝つか死ぬかだ、
と考えていたと書かれてたんです。
日本の囲碁棋士もこんな人とやるのは大変だと思ったんですけれども、
そこまでやっていいのかという思いがあります。
私も自分の子供にそんなことをさせたくないですし。
例えばイ・チャンホさんという方が16歳で世界選手権で優勝されて、
囲碁はレーティングがきっちり出てて、イ・チャンホさんが今60位くらいなんですよ。
でもイ・チャンホさんより上のランクに入っている囲碁の先生は、
日本では井山さんしかいなかったはずです。
何ヶ月か前に私が見たランキングでは入ってなかったですね。
やっぱり凄い世界ですけどそこまでやっていいのかなあと思います。
増田四段が入門する時も、そこまでやった方がいいとはとても言えなかったです。
でも何としても、将棋の世界戦が例えばありまして、
毎日が特別強化合宿だとなったらそれは強くなると思います。
しかし犠牲者がたくさん出ますから、それがいいとは私は思わないです。
ただやればそれは強くなると思います。私は指導者としては絶対やりたくないです。
環那さんはどう思いますか」
鈴木女流「そうですね、何が幸せかというのがすごい難しいなと思います」

アンケートどちらの形勢がよいと思いますか?
行方八段14.5%、羽生名人52.8%、ニャンとも(何とも)言えない32.7%。
圧倒的羽生名人。

質問メール
将棋界で一番影響を受けた人物は師匠という方が多いと思いますが、
将棋界以外で一番影響を受けた方はだれですか。
森下九段「将棋界以外でですか。うーん」
鈴木女流「ずっと将棋界に子供の頃から居ますからね」
森下九段「趙治勲先生がですね、私が四段になって間もない頃だと思うんですけど、
だから勝つのだという本を熟読しました。
とにかく囲碁一本にひたすら打ち込めという、当たり前と言えば当たり前なんですけど、
だんだん難しくなっていきますよね。
その本を読んだのは20歳になってなかったと思うんですけどね、
なるほどこういう風に考えるものなんだと思いました。
野球でも王監督が大好きなので、潔く生きたいとかもありました。
でもやっぱり将棋界の人になりますかねどうしてもね」
鈴木女流「私王監督の名言集みたいなのを買ったことがありまして、
その中の言葉を色紙で書いたこともありました。
今ある中でベストを尽くせとか、この言葉いいなと思って」
森下九段「よく歩がもう一枚あればいいのになとか思いますけどね、
なるほど今ある中でですか。王監督の潔さが好きですね」
鈴木女流「私は将棋界以外では難しいんですけど、
プロフェッショナルという番組が大好きで録画して何回も見ています。
いろいろな業種の方が見えられて、清掃のプロの方とかも、
影響を一番受けている番組はそれですかね」
森下九段「番組といいますとテレビ説法極意なりという番組があったんですけど、
いろんな道の人が極意を語るという番組でして、
お坊さんが何で出家しなければいけないのかという話で、
在家でやっているといくら一生懸命にやっているつもりでも、
やりくり上手になってしまう、出家してしまうとそれしかないんだとおっしゃっていて、
年を取るごとになるほどと思いました。
その昔佐々木慎君が四段になったときなんですけど、
奨励会の時は月2回の例会のためだけに生きてきたと書いていて、
なるほどそうなんだろうなと思いました。
それをずっと持ち続けるというのが難しいのだろうなと思いました。
羽生さんが持続することが才能と言ってましたけど、それが一番大変なんだろうなと」

自分は先生の解説が好きでいつも感心しております。そこで2つ質問があります。
解説のときに気をつけていることはありますか。
どうしてもプロ向けの解説になりがちなんですよね。
だいたいアマチュアの3級くらいの方から3段くらいの方が、
わかってくれるような解説を目指しています。
そのくらいの方が一番層が厚いですので気をつけています。
大分前なんですけど初めてお会いしたファンの方から、
森下先生って傲慢な方なんだと思ったんですけど穏やかで驚きましたと言われて、
何でですかと聞きましたら、
こんな手は将棋に無いとか悪手というより将棋になってないとか、
そう言っているからとのことで。
確かにその時はそうだったのかなと思ったんですけれども、
先輩の島九段からも、
森下君は将棋に無いが得意だからなとか、
悪手と言われるよりよっぽどこたえると言われました。
指し手ではなくてセオリーでわかってもらえるように注意しているつもりです。
自分なりに考える解説四天王は、木村先生、鈴木大介先生、藤井先生、
森下先生だと思うのですがいかがでしょうか。
あんまり他の方の解説をこうだと思ったことは無いんですけれども、プ
ロの目で見てしまうかもしれないですね。
囲碁の先生の解説でわかりやすくて好きな棋士はいます。
羽根直樹先生とか、宋光復先生とか、中根直行先生とか、
わかりやすくて面白いんですよね。
解説が難しいと全然わからないじゃないですか、本当に絶品ですね。
将棋の先生の解説だと、
確かに木村さんの解説はアマチュアの方にとってわかりやすいと思います。
鈴木大介八段にお世話になった方はずいぶん多いと思いますよ。
永瀬さんもそう言ってましたよね。
鈴木先生のお弟子さんの梶浦さんが三段のときに、
森下先生は梶浦君をなかせたことがあるらしいですね、
と誰かに言われて、そんなことないはずなんだけどなと思ったんですけど、
1回だけあったんです。
もう5年位前だと思うんですけど、梶浦君当時1級だったんです。
練習将棋を指していましたら、指すたびに駒損をしていくんです。
僕がその時に、粘っているのと指しているのとの区別はつけないといかん、
と言ったんです。
その後鈴木さんすいませんと言いましたら、
そんなこと言ってくれていいんですと答えてくれました。
粘り強く頑張るというのは大事なんですよ。
でも奨励会1級ですからね。
粘ってるというのと指してるだけというのの区別はつけないと。
その時涙ぐんでたなと思い出して、後から鈴木大介先生にすみませんと言いました。
真面目な青年なんですよ。これからぐんと伸びていく棋士だと思います。

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羽生名人はじっと△5三金。
激しく行く手だと将棋が一本調子になってしまうかららしい。

昼食アンケート
おそば47.0%、お寿司15.8%、和食バイキング18.0%、うなぎ19.1%。
森下九段がお蕎麦と言ったのでその効果か。
森下九段「鈴木さんはお昼軽くてもいいんですか?」
鈴木女流「私今日朝からお肉だったのでお昼はさっぱりで」
森下九段「朝からお肉ですか。若いですね」
肉食系女子。

昼食休憩があけて30分。まだ手が進まないまま解説再開になりました。

森下九段「お昼はちょっとしたハプニングがありました。
松永さんに行ったんですけど」

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ガーン。

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ということで和食のお魚屋さんに行きました。

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ブリ丼800円!小盛り100円引き大盛り100円増し!
正解は和食なんですけどバイキングではなかった、
ということでまさかのどれでもないになりました。

現地写真

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盗撮風?

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羽生名人の昼食は昨日の解説の田丸九段の予想通り。

森下九段「何か若いですね名人やっぱり。
ピザと言えば昔から行きつけのイタリアンのお店にピザがないんですね。
それでずっと考えていたんですけれども、
聞いたほうが早いかなと思って聞いてみたんです。
そしたら料亭にお好み焼きがないようなものですって言われました。なるほどですね」

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行方八段は昨日と同じくビーフカレー。
前の日と同じ昼食にする傾向は一緒ですが、
田丸先生の予想は少しひねってポークカレーかハヤシライスだったので、
ひねった分外れました。

鈴木女流「私こっちの方が身近です」

羽生名人がこれまで食べた昼食一覧に松花堂弁当があって、
森下九段「今松花堂弁当で思い出したんですけれども、
berryz工房ってあるじゃないですか。アイドルの。
そのメンバーに熊井さんという方がいまして、熊井語録というのがあるんですよ。
その中に非常に感心した言葉がありまして、幕の内弁当はおいしいけれども、
心に残る幕の内弁当はあまり無いっていう言葉なんですけれども、
確かにその時はおいしいんですけど、
もう1回食べに行きたいってあまり無いじゃないですか。
やっぱりイカ飯とかそういうほうが残るじゃないですか。なるほどなと思いました」

再開後1時間たちましたが、行方八段はまだ指しません。
羽生名人の△5三金寄がいい手だったのかなと思っていたら、
長考の末行方八段は▲4六銀と指しました。

森下九段「ほー。思い切りましたねこれは。でも大丈夫なんでしょうか」
すぐに後手から△4五歩と銀取りにする手があって、
この時に戻るのは変だし手抜きもどうなんだろうとのこと。

森下九段「森下の矢倉は名著なんですけれども、
何で文庫本にならないのか不思議でしょうがないです(キリッ」

質問メール
先日の聞き手の貞升女流はどうぶつ将棋トーナメントで優勝されましたが、
環那女流や森下先生はどうぶつ将棋は指さないのでしょうか。
森下九段「私は見たことはあるんですけどやったことはないですね。
連盟に置いてあるのは見たことがあるんですけれども」
鈴木女流「あります何度も。ものすごい面白いです。
ゴロゴロ将棋というのもあってそちらも面白いです。
どうぶつ将棋と違ってゴロゴロ将棋は本将棋と同じ動き方の駒なので。
家族みんなで集まった時に、
私がスポンサーで賞金を出して、みんなで指しました。
甥っ子に勝たれちゃったり。
あとありましたよね狼の、人狼!」
森下九段「私人狼って最初何だろうと思いました。
トランプのゲームか何かかと思いました。今度囲碁の方とやるんですよね」
出演棋士に伊奈川女流の名前があって、
森下九段「私こないだ初めて伊奈川さんを見ました。
グラビアで見たことはあったんですけど、
あ、この人が伊奈川さんだと思いました。寡黙な印象でしたね」
鈴木女流「私伊奈川さんが小学生だったときに道場が一緒で、
私がずっと女の子一人で通ってたんですけど、後から伊奈川さんが来られて、
たまに対局が同じ時に控え室で一緒にご飯を食べたりもしました。
小さいときからとても頭が良かったので、
女医でもあり女流棋士でもあるという方が出たらとても話題になりますよね」
おしゃべりな人のテンパリ方ではなかったですな。

森下九段に質問します。
先日電王戦FINALで、稲葉七段が楽をして勝とうと思ってしまったと言ったのを聞いて、
森下先生が師匠の花村九段に、
楽をして勝とうと思ってはいけないと言われたと言っていたのを思い出しました。
当時谷川先生が四段か五段で、横歩取り4五角戦法で何番か勝ってたんですよね。
これはいいと思ったんですよ。
こんなに勝てるんだったらと思って研究してたんです。
それを師匠に言ったときに、研究するのはすごくいいことなんだけれども、
楽をして勝とうと思ってはいかんと言われたんです。
自分としてはそういう意識はなかったんですけれども、やはりどこか出てたんでしょうね。
研究に甘えて嵌めて勝とうというのはやっぱり邪道なんでしょうね。
花村九段には私が思ったことより深い意味があるのかなと思いました。
今現在どういったことをお感じになりますか。
当時は子供でしたけど楽して勝ちたいというのはあったんでしょうね。
師匠に見事に見抜かれてまして、研究して勝とうというのはいいけれども、
楽をして勝とうと思ってはいかんぞと、名言ですよね。
花村先生は私より50歳くらい上で、おじいさんと孫と言う年齢差なんですけど、
怒られたことはなかったですね。注意をされたことはあります。
師匠が色紙をかいておられたんです。
そこでお茶をもってこいと言われまして、文机にお茶を置いたんです。
そしたら師匠が、このお茶がひっくり返ったら色紙が全滅するだろう、
こういうときは下に置くものだと、その1回だけ怒られました。
色紙に関してはもう1回ありまして、師匠が後援会で話していて、
後援会の方に、1枚1枚丁寧にかかれてますねと言われまして、
書くほうは何十枚でももらう方は1枚だからと師匠が答えられて、
なるほどなと思いました。
3年位前に将棋のイベントで、
金井五段が名前からから書いていたのを渡辺竜王が見ていて、
金井君、色紙は右から書くものだと言っていました。
それを私も見てまして、私も実は名前から書いていまして、
すいません私もと言ったら渡辺さんは渋い顔されてましたね。
佐藤康光さんも、私も名前からって言ってました。
私は手が汚れちゃうから名前から書いてたんですけど、
佐藤さんがおっしゃるには、我々将棋指しが書く色紙は名前に価値がある、
だから名前から書くんだと言われて、さすが佐藤康光だと感心しました。
名前こそが我々将棋指しの価値でしょと。
その話を先日マイナビオープンで谷川会長が来られた時にしたんです。
会長はもちろん右から書くんですよ。
そしたら会長はうーんちょっとその話は無理がありませんかって。
会長はドライだなと、そう言われたら無理そうなのかな?と思いました。
でも名前に価値があるっていうのは気がつきませんでした。
花村先生から怒られたことはないんですけど、
細かくさりげなく言われたことはよく覚えていますね。
年取るごとにだんだんと、なるほどなと思うことがあります。
花村先生はご苦労された方なので、人の気持ちを理解されているんですね。

コメントで増田四段に怒ったことはありますか?と聞かれて、
森下九段「私の弟弟子に深浦康市九段がいるんですよね。
深浦九段の根性を見習って頑張った方がいいぞと言ったことはあります。
深浦君のような何が何でも勝つんだという根性がちょっと欠けるんじゃないかな、
と思ったことがあったんでその時に少し言いました」

おやつだ!
ニコナマのおやつは椿山荘オリジナルクッキー

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森下九段「結構さっきのお昼がまだこたえてるんですよ」

お茶がおいしいということで、
森下九段「私も奨励会の時お茶の煎れ方結構学びましたよ。
花村会というのが当時ありまして、おじいさんがいっぱい、
あ、おじいさんと言うと怒られちゃいますね。その時に習いました。
浅草の濱清さんという料亭で習ったんですけれども、
まず急須に茶葉を入れまして、湯飲みにお湯を注ぐんです。
その後湯飲みのお湯を急須に注ぐんですね。
いろいろご年配の方仕込みですね。その時のことだけで今やっています。
不思議なもので子供の頃に覚えたのは忘れないんですけど、
最近のことはすぐに忘れるんです。
奨励会のときに読んだ本は未だに覚えています。
米長の将棋ですとか、中原誠実戦集、大山中原激闘123番、中原米長百番指し、
でも昨日並べた棋譜はあれなんだっけって。
やっぱり若い人と戦うには若い人より勉強しないといけないんですね。
若い人が1時間でできることをこちらは3時間やらないと覚えられないのに、
10分とかでごまかしちゃうのはいけないんですね。
私が弟子を取った時に勝又教授とお話しまして、
幼い頃に将棋を覚えて、いい指導者、いいご家族、
周りの方々にめぐまれたらどんな子でも強くなりますよねって言ったら、
勝又さんがいえ違います、将棋はまず才能ですって言われました。
その時はそうなのかなーうーんと思ったのですが、
深浦さんを見ていると根性と才能だと思います。
先日亡くなられた河口先生が、将棋界は才能の墓場だと言われていました。
才能を活かしきったものはなかなかいないと」

休憩中に行方八段は銀取りに手抜きで▲5六歩と金取りに当てました。

行方八段にいい変化が見つからず、羽生名人がいいのではないかと森下九段。
持ち時間も行方八段は1時間になってしまいました。
鈴木女流「先生からみて形勢はどのくらいですか」
森下九段「7分3分くらいですかねえ」
結構離れてしまったか。

ここでティロフォン田村七段から
田村七段「もしもし田村です」
鈴木女流「現地の様子はいかがでしょうか」
田村七段「現地も形勢判断に困っているようで、どうなんでしょうかこれ。
なんとなく私は行方さんが上手く指しているようなきがしているんですけど。
羽生さんのほうが評判がいいんですか」
森下九段「へー△7五歩も激痛、△3三歩でも自信が無いと思うのですが、
結構先手も忙しいですか」
田村七段「△3三歩は全くこちらでは見えてなかったんですけど、
行方さんの駒の方がすごい勢いがあっていいと思ってたんですけど」
森下九段「勢いが止まってしまうと痛い手があるので先手が忙しいと思っていました」
田村七段「私の感性だと勢い重視で先手だったんですけど、
現地でも後手よしの棋士がいて分かれています」
鈴木女流「現地にはどんな棋士がいらっしゃいますか」
田村七段「現地は深浦九段、野月七段、あと若手がたくさんいますね」
森下九段「田村七段の棋風からいくと先手持ちですか」
田村七段「いやー△3三歩がまったく見えてなかったんで」
森下九段「先手の駒に勢いがあると言う見方はきがつきませんでした」
田村七段「目一杯駒を使っているような気がします」
森下九段「取られる直前ですけど取られる直前が一番働いているとも言いますから。
うーんそうなんですねえなるほど」
田村七段「優勢というよりなんとなくという感じですね私の場合は」
鈴木女流「田村七段は今回副立会人ですが、両対局者の様子はいかがでしたでしょうか」
田村七段「羽生さんは慣れているというか普段通りというか、
行方さんはやや緊張してるかなと。
でも将棋は堂々としたもので、
私なんかだと時間が減ってくると怖いんですけど全然気にしないですもんね。
単純な攻めあいだと行方さんいけると思うんですけど、
△3三歩だと確かに何指していいかわかんないんで」
鈴木女流「そう聞くと先手の駒の勢いがあるのかなと思ってしまいますね」
森下九段「正直言って73くらいで後手がいいと思ってたんですけど」
田村七段「私年が近いんで応援してる面もあるかもしれませんけど」
鈴木女流「ここ数手がかなり注目ですね。
現地で多数決していただきたいくらいですよね」
田村七段「軽く聞いてみますね。
(電話の向こうから)先手がいいとおもうひとー。後手がいいとおもうひとー。
後手の5勝0敗でしたね(泣)。挙げて無い人もいますけど」
やはり応援補正が入ったか。

質問メール
私は小学生の頃将棋のルールを覚えたのですが続きませんでした。
しかし電王戦で森下先生が真摯に対応されていたのを見て、
忘れていた情熱を呼び覚まして40を前にして将棋を勉強しなおしたところです。
森下先生にあこがれて矢倉を得意戦法にしたいのですが、
相手もいることなのでなかなか矢倉になりません。
私のような初心者が矢倉を最初に学ぶ戦法とする場合、どのようなプロセスで、
どのようなことを意識するとよいでしょうか。
森下九段「矢倉戦はですね、相手もそれに応じてくれないと成り立たない、
というのが大きな欠点なんですね。
振り飛車は自分が振ればなるんです。
なので双方の合意が必要というのがポイントです。
矢倉戦は手筋の宝庫なんです。なのでいろんな局面で応用が利きます。
いろんな意味で応用範囲が広いですね。
矢倉を学んでおくと言うことは後々大きいと思います。
相居飛車自体が成り立たない欠点があるんですね、相手が振るとだめですから。
矢倉の指し方を基礎として、応用の効く指し方を目指したいですね。
居飛車党でしたら相居飛車と対振り飛車。
そういったので徐々に覚えていくといいと思います。
矢倉戦は思いも寄らない手筋がたくさんあるんですよ。
このまま是非是非覚えていただきたいですね。
他の戦法を全く知らないというのは厳しいんですけれども、
矢倉を基本とするのは立派なことですね」
鈴木女流「いずれ指導対局を受けてみたいと書いてあります」
森下九段「指導対局で時々緩めてるんじゃないですかと言われるんです。
下手の人がどうすればヒットやホームランを打てるのか、
というのが上手の力量なんです。
その人が一番力が出るようにするというのがプロなんです。
初段の人が初段の力を上手く引き出して、いい将棋にするのが上手の力量ですから、
ただ打ち負かせばいいのではなく、緩めればいいのではなく、
8級の人もいれば5級の人もいる、初段の人もいるという中で、
その人の力を引き出すのが上手の力量です」
鈴木女流「その考えになったのはいつ頃ですか」
森下九段「昔は違ったらしいんですね。
らしいというのは、島先生に、
森下君も五段六段の頃は相手が角落ちでと言われたら不愉快な顔をしてたよね、
と言われたことがあります。
囲碁で指導を受けた時に、下手の力が全然出せなくて、
どんどん石を取られて負けた時がありまして、その時に思ったんですね。
指導対局ですから、どうしたらその人が力がつくのかというのがメインですから、
その人の長所を引き出して、短所が少なくなるような指導をするべきじゃないかな、
と私は思うんですね」

meijin1-10
羽生名人は無慈悲な△3三歩。辛い。
森下九段「本当に3三歩打ちましたね」

△4六歩と銀を取る手と△7五歩で金を取る手の2つの狙いがあって、
先手は▲5五銀から暴れて勝負にいくしかないのではないかとのこと。
といったところでGPSが▲5五角を示したとのコメントが流れて、
森下九段「はーなるほど、これはいい手ですねー。ただ△6三歩でどうかなあ」
といったところで行方八段は▲5五銀。

次の一手アンケート
△4三銀48.6%、△6六歩17.3%、その他34.1%。

森下九段「私東京に来た時ついたあだ名がかっぺでした。
最初自分が呼ばれてると思ってなくて、無視すんなかっぺとか怒られて。
東京ってえぐいなーと思いました」
鈴木女流「子供って残酷ですよね。
私みんなから、将棋やってるから王手って言われてました」

などと雑談していたらコメントが投了とざわつきました。

森下九段「え!?投了されたんですか?
行方さんらしくないですねこの投了は。うーん…。
行方さんってこういう将棋をたくさんひっくり返してこられた方ですからね。
これはびっくりしました。
こういう将棋をずっと頑張ってこられた方ですからね。うーん…」

ここからずっと律儀先生のターン!

私が後手持って先手がponanzaだったら全然自信ないです。
行方さんはこういう局面で逆転されたことはいっぱいあります。
私はこの局面じゃ投げないです。
これはまだ将棋としてもひと山ふた山あるんじゃないかというところですから。
いや、これが島先生とか藤井さんだったら投了もあるかもしれませんけど、
最後の最後まで指すのが行方流ですから、この投了はびっくりしました。
行方さんトコトン頑張ってますよいつもは。
羽生さんだから諦めたということがあるんじゃないですかねえ。
ここで投了してると後きついですよね。七番勝負の最初ですから。
例えば相手がponanzaやAwakeならやるだけ無駄だというのがあると思います。
しかし相手が生身の人間ですし勝負ですから、このぐらい頑張らなきゃと、
しかも行方さんですからね。
恐らく1日目から悪かったという意識があったと思います。
そういったことがもろもろあって、負けましたってことになったと思いますけど、
名人戦続きますからね。行方さん根性で勝ってきた方ですから。
私が言うのもなんですが、
羽生さんと戦う棋士は、羽生さんと戦う前に羽生神話に勝たないといけないんです。
正直言いますと周りの人に、羽生さんに勝って欲しいというのがあるんです。
でも一人で戦わないといけませんから。
周りもこの人が勝つと思ってますから、戦う前に羽生神話に勝たないといけないんです。
まず神話に勝たないといけないのが挑戦者きついですね。
これが相手がコンピュータになるとさらにきついです。
今の阿久津さんのプレッシャーたるや凄いんだろうなと思います。
私もツツカナとずいぶん指しましたけど、逆転はまずないです。
将棋は相手が間違えてくれるだろうと思えるから頑張れるんです。
しかしびっくりしましたね60手というのは。ちょっと驚きましたねこれは。
でもまあそれだけ羽生さんの迫力というかオーラが凄かったんでしょうね。
1日目からちょっと行方さんがらしくない動きしてますよね。
力が発揮できそうにない展開だと思いました。
でも羽生さんがそういう重圧をかけてるんじゃないですかね。
将棋って不思議なもので相手が弱いと思っているとミスが出なくなるんです。
強いと思っているとむちゃくちゃになってしまうんです。
ですから行方さんもそういう状態なのでしょうね。
プレーオフで久保さんとやった将棋とか、順位戦で深浦さんとやった将棋とか、
力を出して逆転されてましたから。

ということで初手から解説に。
行方流が出る将棋のつくりじゃないということで、その点も解説になりました。
森下九段「行方さんは序盤早々から策を凝らすと言うよりは、
中盤過ぎから本領を発揮するタイプなので、
矢倉の早囲いを見せたあたりから違和感を感じていました。
行方さんの将棋として、相手についていってから行方流を出すというのが、
将棋に合っていると思います。
また、王様を動かす前に▲3六歩から▲3七銀と攻め駒の陣形を先に整えたことも、
何かいつもより違和感がありましたね。
△6四歩から△8五歩は流石名人だと思いました。
先手は2六の歩が中途半端で、2五にいるか2七にいるのがいいので、
行方さんも長考して2筋にいる飛車を△6八飛と指したんですけれども。
羽生名人の△5五歩に対してすぐに▲同歩と取った手も、
3七の銀を▲3六銀と指した方が、銀の顔が立つのではないかと思いました。
△5三金はいい手でした。流石羽生名人という手ですね。
▲4六銀は行方さんとしてはもう悲観されていたと思います。
また言葉が悪くて傲慢だと思われてしまうかもしれませんけど、
この手は首を差し出した、に近い手ですよね。
ならばこの▲5五同歩の時に考えるべきですよね」

どうも60手で投了は名人戦最短記録とのこと。

森下九段
行方さんはこういう将棋をひっくり返したことが山ほどありますから、
ここで投了とは驚きました。 
もうひと山ふた山くらいあると思ったのですが。
悲観した局面が長く続いていて苦しかったというのもあると思います。 
羽生さんの貫禄もあったのかもしれません。 
2局目以降は頑張ってというか、本来の将棋を指してもらいたいですね。

ということで行方八段が名人に初挑戦となった第73期名人戦七番勝負第1局は、
羽生名人が貫禄を見せて60手で勝利となりました。
最後の森下九段の森下節で、
突然流れ弾が島九段と藤井九段に飛んでいったのは笑ってしまいました。
行方八段は以前ボロ負けした後に泥酔いして、
「先崎のような手を指してしまった」と言い、
先崎九段がもう一度言ったら灰皿を投げつけるぞと返したら本当に言って、
もちろん灰皿も飛んだというエピソードなんかもありますが、
今日は泥酔いコースかな?
第2局は森下九段も言っていましたが、本来の将棋を指して欲しいですね。