人間の2連勝で始まった電王戦FINAL第3局、稲葉陽七段対やねうら王の対局は、
やねうら王が勝利してコンピュータ側から見て1勝2敗となりました。
磯崎さんおめでとうございます。

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今日の対局は横歩取りの将棋になりました。
横歩取りというと電王戦ドキュメンタリー、
【電王戦FINALへの道】#27 稲葉陽 vs やねうら王 1分将棋①~#29で、
稲葉七段がやねうら王の飛車を捕獲して勝利するという対局がありました。
途中までその手順になりましたが、
稲葉七段が捕獲する順を避けて力と力の勝負といった展開になりました。

そして午後に入ると、稲葉七段から開戦して局面を動かしに行きました。

dennou3-5
後手の1三にいる角の利きが飛車によって隠れています。
これをチャンスとみた稲葉七段は 

dennou3-3
少し動いてから▲2七歩と相手の攻め駒にアタック。

その後稲葉七段とやねうら王、両者時間を使わずに指し手を進めましたが、
稲葉七段に誤算があったようで評価値が大差になってしまいました。

dennou3-2
これに人間側はイカール星人で対抗。しかし…

dennou3-1
一瞬で崩壊じゃなイカ。

稲葉七段は入玉を目指す動きも見せましたが、
一昨年の塚田九段対Puella αのような展開にはならず、
やねうら王が稲葉玉に必死をかけたところで稲葉七段無念の投了となりました。

対局後の記者会見で稲葉七段は、
飛車を捕獲にいかなかったのは竜に暴れられてしまう展開になるから、
まっすぐ入玉に行かなかったのはあまりにも駒が足りなかったから、
と述べていました。
また、この対局の戦型である横歩取り△3三桂はランダムな要素が強く、
駒組が20~30通りくらいあるとのことで、
稲葉七段としては研究がなかなか及ばない展開、
やねうら王にとっては本番でいい引きができたということでしょうか。
また磯崎さんは、30手目の△4三銀は1秒前くらいまでは△7二玉を選んでいた、
電王手さんが動くまで30秒、
指し手の操作に5秒ほどタイムラグがあるため、
その間にやねうら王が良い手を発見して事前研究とは違う手を選んだのかもしれない、
それが勝負のあやだったのではと感想を述べています。
勝負の神様は細部に宿るというサッカーの元日本代表監督、
岡田武史さんの言葉を思い出しました。

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