渡辺明王将に郷田真隆九段が挑む第64期王将戦七番勝負第6局の初日は、
渡辺王将の封じ手で初日が終わりました。

ニコニコ生放送では9時から、解説に中田功七段、
聞き手に山田久美女流四段で大盤解説会が始まりました。

山田女流「中田先生、注目の初手は?」
中田七段「▲7六歩じゃないですかねえ」
山田女流「2手目は?」
中田七段「…▲8四歩……」
※中田七段は振り飛車党です。

第6局は立会人が木村一基八段、副立会が野月浩貴七段ということで、
現地の静岡県今井荘では楽しい解説会になりそうです。

さて郷田九段の初手は▲2六歩。渡辺王将は△8四歩と相掛かりの様相になりました。

中田七段「これは単純には矢倉にはしないということですよね」
※現代の矢倉は先手番のときは▲2六歩とは突かない飛車先不突き矢倉が主流です。

中田七段「私が振り飛車ばっかりやってる間に居飛車の定跡が進歩しちゃいましたねえ。
そして結局振り飛車も角交換が主流になってしまいました。
詳しい解説は明日の先生に任せちゃおうと思います」

しかし4手目に少し渡辺王将が小考。横歩取りか角換わりか。
進まないのでお好み焼きアンドもんじゃ焼き談義に。

リレー質問
藤井九段から中田七段へ
中田功XPについて教えてください。
中田七段「私がいろいろ教わりたいのに藤井さんから。ネーミングは島朗さんですね。
今度書くので、三間飛車で面白い局面ないですかと言われて、
教えたらXPと名付けましょうとなりました。
藤井さんの藤井システムからヒントをもらったような作戦です。
居飛車穴熊をどう三間飛車で攻略するか、試行錯誤、四苦八苦して作りました」
山田女流「では後ほどお時間をとってやりますか」
中田七段「秘密にしたいところもちょっとしゃべりますんで」
山田女流「これ意外と棋士の方も見てるんですけど大丈夫ですか。
先日ですね女流棋士の講習会で藤井九段がきて、
角交換の振り飛車の居飛車の対策という講習会があったんですけど、
棋士と奨励会員は完全シャットアウトでしたね。
ということで今度中田先生も講習会にいらしていただければ」
中田七段「藤井さんの講座の後に私の講座は意味が無いんじゃないですかね?」

本田女流から山田女流へ
ホワイトデーのお返しはいくつもらいましたか。
中田七段「ホワイトデーってそんなに重要なものですかね。
私忘れてましたけどね。あっつって」
山田女流「バレンタインもらいましたか?」
中田七段「バレンタインデーもらってないと思いますね。
ずっと東京でゲームやってたんで」
山田女流「チョコレートをバレンタインにあげて、半分以上私が食べて、
ホワイトデーにお返しをもらって、私が全部食べました。
小百合ちゃんきっと自分のこと話したかったんですよ聞くってことは」

9:20になっても4手目を指さない渡辺王将。
中田七段「これは渡辺さんも意外だったということかもしれませんね。
▲2六歩で△8四歩だったんですよね。
仮に▲7六歩なら△3四歩にするつもりだったんですね。
これは角換わりの可能性が出てきたので考えてるということですよね。
横歩取りにしたいなら△3四歩にすればいいですから。
居飛車党は研究が相当進んでいますから、
局面によってわからない局面とか自信が無い局面もあって、
後手番は相当注意しないと厳しいですから」
山田女流「中田七段は長考はどのくらいされたことがありますか?」
中田七段「2時間くらいですかね。長考するのは形勢が悪い時ですね。
形勢がいいときは30分考えればいいです」

渡辺王将は角換わりを選択。

山田女流「中田七段からみて渡辺王将の将棋はどのような印象ですか?」
中田七段「うーんと、綺麗ですね。
変に粘って何か負けちゃうというイメージもないんで。
決め方がすっきりしてるってことですね。
トップ棋士っていうのは羽生さんもそうですけど決め方が綺麗で、
谷川先生の光速の寄せも綺麗ですよね。
私なんかこれで勝ちだろなんて思って進めて、逆転のアヤを作ってしまうみたいな」

質問メール
先日A級順位戦のプレーオフがあり、中田七段と同門の行方八段が名人挑戦になりました。
その対局で行方八段は相振り飛車を指していました、
行方八段は修行時代どのくらい振り飛車を指していましたか。
また、行方先生のエピソードや大山先生のエピソードを教えてください。
※行方八段と中田七段は大山康晴十五世名人の弟子です。
中田七段「行方さんが奨励会入ってきたときは、私は二段だったんですよ。
そして私との対局の後、彼は棋譜をとってたみたいです。
彼は居飛車党ですが、香落ちで振り飛車をやってるはずなんですよ。
私は行方さんの振り飛車を見たことがなかったですね。
相振り飛車はびっくりしました。
指すなら私に一声かけてくれよと思いました。
将棋は久保さんの対応がうまかったです。
序盤の駒組は久保さんのほうがよかったですね」
山田女流「あと大山先生ですが」
中田七段「大山先生のところで行方君と将棋を指したこともありました。
棋譜も見てもらっていました。
先生は派手に勝った将棋は全然褒めてくれないんですよ。
我慢して受けに回った将棋はほめてくれました。
後は全部の駒を使いなさい、
遊び駒を作らないようにと言う言葉が一番印象に残っていますね。
大山先生が色紙に揮毫しているときに私が並べて、
ポイントのところで教えてくれました」
山田女流「あと、行方八段のエピソードですが」
中田七段「エピソードですね。
ありそうですけど私が思い出せるようなものは無いですかねえ。
彼はお酒が好きなんですよねえ。
朝日杯で優勝したときいっしょにお酒を飲んで、
帰るよっていって財布を見たら1万円しか入ってないんですよ。
細かいの持って無いからタクシーに乗って私が払うんですけど、
彼に帰るぞというとむにゃむにゃ、こーやんとか言うんですよ」
山田女流「行方八段がこーやんっていうんですか?」
中田七段「そうですね。私はなめきちとか呼びます」

盤上では角換わりの定跡が並べられていきました。
中田女流の角換わりワンポイント。
後手が△6三銀と上がって、
棒銀の選択肢がなくなったら先手が▲6八玉とあがるらしい。

質問メール
コーヤン先生はアマ時代から三間飛車党とうかがっていますが、
三間飛車を指すようになったきっかけを教えてください。
最初に将棋の定跡書を買って、1冊目が内藤先生の本で2冊目が中原先生の本で、
三間飛車が形がいいように見えたのがきっかけです。
地元で三間飛車が得意な五段の方がいてその方に教えてもらいました。
中学生名人になったときは四間飛車ばっかりだったんですけど、
奨励会入ったときは先手の時は三間飛車、後手のときは四間飛車、
香落ちの上手で三間飛車を指していました。
自分の性格にあっていたんですよね三間飛車は。香落ちの影響ですかね。
香落ちの上手でだいぶ星を稼がせてもらいました。

どうしてもコーヤンに聞きたいことがあります。
NHK杯での中田阿久津戦の時に、
戦前インタビューでかっこよく三間飛車宣言をしたのですが、
阿久津先生がまさかの三間飛車を指してきて、手を止めて険しい表情をされていました。
当時の心境を教えてください。
それは前にもプロ棋戦きせんでありまして、私が相振り勝率悪いんで、
純粋に険しい表情をしていたのは居飛車にしようか相振りにしようか、
阿久津さんが石田流が好きなタイプなのか確認してました。
怒ってたわけじゃないんですよ。
普通は私に飛車を振らせれば穴熊に組めますから、
そんなに私の三間飛車を嫌がる人はいないと思うんですけど。
阿久津さんが三間飛車で、振り穴になると思ったんですよ。
それなら私も居飛車で端から攻めていけるイメージがあったので居飛車にしました。
途中私が勝ちって言う局面もあったんですけど、
あれ負けた後2週間くらいあまり眠れなかったですよ。
阿久津さん相手に全然負けなのを拾わせてもらったのもあったんですけど、
勝ちたかったですよやっぱり。

※その時のインタビューの様子

アンケートどちらを応援していますか?
渡辺王将32.1%、郷田九段67.9%。
フルセット見たい人が多数派。

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座っていても上まで届くのが中田七段。

第4局のニコ生解説では、
弟子の佐藤天彦先生が師匠であるコーヤンの話をされていましたが、
コーヤンから見て弟子の佐藤天彦先生はどうですか。
天彦先生は今期A級昇級を決めて絶好調ですが、
渡辺王将、郷田九段がいるA級でどのくらい活躍できると思いますか。
弟子入りした時の印象や、四段になったときのエピソード、
フリークラスの権利を行使しなかった時の話や、
プライベートの話があれば教えてください。
山田女流「天彦先生が新人王を取った時にね、中田師匠の挨拶は爆笑でしたね」
中田七段「私も舞い上がってましたね。初めて師匠として挨拶したわけですから。
私が29歳のときに、福岡に帰っていたんですよ。
小学校の同級生のかたとよくお酒を飲んでたんですね。
それで私の実家の下が将棋道場なんですけど、
強い子がいるから教えに来てくださいって、当時8歳の佐藤天彦君で、
当時は2日酔いだけどまあしょうがない行くかと、階段とことこーと降りて、
最初2枚落ちで教えて、2枚落ちだと吹っ飛ばされちゃったんですよ。
2日酔いで頭痛いじゃないですか。
君強いから、今度会ったときは飛車香落ちでやるから、
飛車香落ちを勉強してきなさいって言って、
次飛車香落ちでやったら私が楽しくなかったんですよ。強くて。
それで飛車落ちを一番やりましたね。
飛車落ちは結構やりました。私が結構勝ってました。攻めてこないんですよ。
彼は無理っぽい仕掛けをするのが嫌だし、私が攻めると無理と思って受けに回るんで、
受けに回ると受け潰そうとするんですよ、下手が。
だいたい攻め潰しちゃって、そしたら悔しそうな顔して、
私が君の判断は正しいけど今の君じゃ受けきれないよHAHAHAって笑いながら。
高校で東京に来て、
渡辺さんとかいい先輩にお世話になってよかったみたいなんですけど。
彼が奨励会二段くらいになると私が負け越すようになって、
受け潰されるようになっちゃったんです。飛車落ちの恨みみたいに」
山田女流「A級でどのくらいやれると思いますか」
中田七段「いやA級あがれると思ってなかったんですよ。まだ。
B1上がった時にもびっくりしまして、本人の報告待ってたんですけど、
報告が来なくて、そうこうしているうちに健康診断の日にばったり会ったんです。
何で連絡しないんだよ楽しみに待ってたのにって言ったら、
彼が『え?』って言ったんですよ。それで迷いまして。
楽しみにしてるんだから次はちゃんと報告してくれよって言ったら、
A級のときは連絡くれまして嬉しかったです。
阿久津さんは滝先生に報告しないとか、他のお弟子さんにも聞いたんですけど、
阿久津君は報告しないって言ってました」
山田女流「フリークラス行かずにというのは師匠としてアドバイスはあったんですか」
中田七段「16歳だったんですよその時に。
それでフリークラスの制度や規定がどういうものか調べまして、
それをまず佐藤天彦君の親御さんに説明する必要があったんで、
電話をしたら中田先生にお任せしますっていう感じでね。
私としては本人の希望を聞かなくちゃいけないんで、
どっちがいいって言ったら天彦君はどちらでもいいですって言うんですよ。
ただフリークラスに行くと順位戦参加までに時間がかかるし、
予選の1回戦からおじさん相手に星勘定してるようじゃ、16歳からそれじゃと思って、
当時は三段リーグに豊島君とか精鋭ばっかりいたので、
もまれて力を付けた方がいいんじゃないかと。
A級ってこれね、残留するのが大変なんですよ。後はもう見守ってるだけなんで。
残留してくれれば嬉しいです」

休憩中に角換わりの課題である、
先手が▲2五歩を決める王将戦や棋王戦でも出現した局面になりました。
ただし先手番が今回は郷田九段ということで、
渡辺王将は自分の研究を逆用されたような感じになります。

質問メール
鋭い捌きと攻めを得意とするコーヤン先生ですが、
今のプロは居飛車党が多いと思います。
三間飛車を指すようになったきっかけや棋書などがあれば教えてください。
中原先生の将棋定跡が勉強になったんですけど、
当時の私は小学生時代ですから、先手でも後手でもやってたんですよね。
指す間に美濃囲いが好きになっちゃったんですよね。かっこいいとも思っちゃって。

ということで三間飛車の解説に

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こんな手順が解説してあって、手順に竜と馬を引きつけて勝つっていうのが、
カッコイイなと思ったんですけど、何故か三間飛車側から倒したくなったんですね。

三間飛車をよく指すようになったきっかけの香落ち上手の解説
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香落ちの下手は絶対香車が手に入らないので、
△5一歩の底歩が効く形にしちゃえば勝てるとのこと。

居飛車党で香落ちに慣れてない人は、△1二飛車と端を受けて指していました。
私は先手で三間飛車に出来たうえに、後手に端歩を2手指させて、
得だと思ってました。
藤井さんが言うように下手は相振り飛車にすればいいと思いますね。
上手からの端攻めが無いから入玉も目指せるくらい下手の美濃囲いが硬いので。

そして前局で郷田九段が△6三歩と指し、
棋王戦では羽生名人が△7五歩と指した局面まで進み、
さあ渡辺王将は何を指すかということになりました。
前局はこの局面からの△6三歩が封じ手だったのですが、
本局は午前中にここまで進んでしまいました。

中田七段「順位戦だととっておきの手と言うのは休憩の後に指したいんですよね。
この局面までずいぶんスピードアップしてますから、
どこまで進んで封じ手になるか楽しみですね」

その後△6三歩、△6三角、△8六歩、△2七角、△4三金左といった候補手を解説。
先手は4五にいる桂馬を損しても、
銀交換をして▲8三銀から飛車をいじめて手が続けばいいという考え方らしい。

といっていたら渡辺王将は△4三金左。
玉頭が薄くなるので▲2四歩から攻めたくなるが、△3二玉と逃げる手があるとのこと。

山田女流「ここで私たちの昼食何を食べるかアンケートに」
中田七段「ということは私はお昼を食べるということですね?
私結構抜くことがあるんですよ」

昼食アンケート
うなぎ34.3%、ラーメン14.9%、パスタ19.7%、そば31.1%。
山田女流「ちなみに対局のときは何を召し上がられるんですか」
中田七段「ほとんど食べないときもありますけど、CHACOとか」
山田女流「思いっきり肉じゃないですか」
中田七段「一度田村康介君が、CHACOに行くなら僕も行くって言って、
もう出前頼んだじゃんって言ったら食べてから行くっていって、
カツ丼たべてからCHACOで肉食べてたことがありますね」

昼食休憩まで考えるとの予想でしたが、郷田九段は▲2四歩。
中田七段「あら、早い」
山田女流「取ってお昼休憩ですか」
中田七段「取ったらまた指すんじゃないですか?
取られて考えるのはおかしいですから」

質問メール
先崎先生の著作を読んでいたら、若かりし頃のコーヤン先生の、
奨励会時代の話が書いてありました。
パチスロとパチンコとさいころと、様々なゲームで遊ばれたそうですが、
お話できる範囲でエピソードを教えてください。
中田七段「いや先崎さんといいますかね、彼に会った時は9歳で私が12歳で、
ずっと先崎って呼んでたんですけど、9歳の方がおい中田と呼んでいて、
将棋一番やった仲なんですけど、初めて会ったときに君何段って聞かれて、
僕五段って言われて、私は福岡で二段だったんですけど指してみたら勝ち越しました。
君本当に五段?とは言わなかったですよ。
そしてスロットやってたんじゃないですよ、
終わったら麻雀行こうぜとかじゃなくて、お酒飲みに行こうぜじゃなくて、
待ってたんですけど、俺他の台に行ってるからお前これやってろって言って、
そしたら7が揃って何これ面白いとかなったんです。
私のせいっていうの多いんですよね」
山田女流「今でも中田なんですか?」
中田七段「はいそうです。
サイコロはー、サイコロはやめたほうがいいんじゃないかなあ。確率の研究でしたね。
市販のサイコロとは1と6の目がでやすいとか」
山田女流「市販じゃないさいころって何ですか?」
中田七段「父親に見せてもらったことがあるんですよ。
これが本物のさいころだって小学校1年生くらいのときですよ?
角が無いんですよ。丸くなっていて、まあこれぐらいにしときますか(笑)」

そして解説通り郷田九段も▲2五歩△同歩に▲2四歩と垂らしました。

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1日目の午前中にこれである。そして昼食休憩に。

休憩明けに渡辺王将は△6三歩。
タイミングを遅らせての△6三歩が渡辺王将の用意でした。

昼食アンケートの答えはおそば屋さんに行ってからのラーメン。
渡辺王将が海鮮丼、郷田九段は天麩羅うどん。

中田七段「食べると眠くなるんですよ。
あ、丸山さんと若い頃研究会してたときに、
彼はお昼ご飯を食べた後必ず昼寝してましたね。
あと、豊川さんと歩いてたら、
豊川さんが『あ、これ丸山さんの自転車だ』って言った時があったんですよ。
お店のぞいたら本当に丸山さんがいて、
行きたいところあるから食べ終わるまで待っててくださいって言われて、
それで行ったところがゲームセンターなんですよ。
銃持って2人で打つやつをやったんですけど、
彼が手榴弾投げる時におりゃーって言ってて、いやーびっくりしたなあ。
今対局者の横にペットボトル並んでますけど、三浦さんと対局をした時に、
来て早々三浦さんがペットボトルを3本どんどんどんって並べるんですよ。
僕はその時タバコ吸ってもよかったので灰皿だけ置いて、
ペットボトル3本と灰皿の対決でした。
あと、丸山さんはおやつの時間になるとバッグからバナナでてきたりとか、
ずっと前ですけど神吉さん、昔ペットボトルが無い時代だったんですよ?
ちっちゃい缶のウーロン茶を買っては飲み買っては飲み、
数えてみたら50何本あったんですよ」

三間飛車は後手は苦労するらしい。
大山先生にも後手の三間飛車はちょっと手が遅れてる感じがするよって言われました、
とのことで後手三間飛車講座に。
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後手三間で難しいのは端歩のタイミング。
一番簡単なのはすんなり囲ってくれるパターン。

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△8四角がポイントで、この角を決めてから端を攻めるといいらしい。

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中田七段「この局面から斉藤慎太郎君にひどい目にあったんですよ」
どう指せばいいかは今後の課題で発表できないとのこと。
中田七段「最後は9筋にと金を2枚作られて、
こんなところに2枚も作られたのは初めてだって笑ったら、
斉藤君もけらけら笑ってて、笑い事じゃないんだよって言いました」

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先手の番だったら▲3五歩と突き捨ててから▲2四歩と伸ばすのが手筋らしい。
突き捨てないと角道が通っているので△2六歩と止められてしまうから。

ということで郷田九段はまだ長考。
中田七段「郷田さんが2時間くらい考える時って必ず踏み込んできますからね」

休憩再開後、15:35になっても指さない郷田九段。考慮時間2時間は超えたかな?
中田七段「こんだけ考えてわかんないなら私もわかんないですよ」
山田女流「中田七段だったら?1分将棋でわーって言われたら」
中田七段「わーって言われたら▲4六角ですね。
次はわーって言いながら▲6七金かなあ。
ずっと私わーわー言って負けちゃいますね。1回わーって言ったらだめです」

ということでずーっと先の詰むや詰まざるやまで進めつつの解説に。

質問メール
私はタイトル戦や電王戦はよく見ているのですが、将棋を指す方はやらない見る将です。
中田七段が麻雀でプロ3人を相手に勝利して、それ以来ファンになりました。
中田七段も解説で出演している放送で、
将棋はアマの麻雀のプロ達がものすごく楽しそうに指しているのを見て、
私も最近将棋を始めました。
指したい手を指して勝てたら気持ちいいと言う言葉に心を惹かれています。
初心者が心がけたらよいものを教えてください。
好きな駒組を見つけたりですね。
戦法よりもこの王様の囲いが好きだとか、好きな形を覚えて、
そういった形を指しているプロの棋譜を並べるといいです。
楽しかったことだけどんどん記憶に残っていくので。
私の場合は美濃囲いが好きで、囲いが好きというのは守りを大事にするので。
大山先生が言ってたのは遊び駒を作らないということですね。
迷った時には遊んでいる駒は無いか、優先順位に遊び駒が働くことを入れて、
迷った時にヒントになる、
考えるためのヒント集めを自分なりに準備しておくのがいいです。
そうなると秒読みになってもあわてないということができます。
あとは好きな対局相手ができるといいですね。
道場行ったら子供たちが指していますから、お子さんが好きな方は道場でもいいですね。

最近将棋を始めたばかりで、ノーマル四間飛車を覚えて指しています。
相手が振り飛車でもそのままの形で指していました。
しかし将棋倶楽部24で11級くらいになると、振り飛車相手に苦戦するようになりました。
相振り飛車にするのか、居飛車も指してみるのがいいのか悩んでいます。
私と全く同じ悩みをかかえています。
阿久津さんとも飛車振られて戦いましたし、
この前の行方久保戦は、行方さんが角道をとめないで指していましたが、
久保さんが作戦勝ちになった将棋でした。
相振りの美濃囲いの四間飛車は優秀です。
練習将棋は相手の駒組を勉強すればいいと思います。
相振りは駒組の相性なんです。
それでわかんなかったら居飛車やってもいいと思います。
指してみて自分の好みで選んでみればいいと思います。
一通り負けても苦にならない程度にやって、それでいろいろ工夫をして、
相振りだったら三間飛車にしてみるとか、いろいろやってもいいと思います。

コーヤンが考える時に、長い人差し指をみけんに触るくせにあこがれています。
最初に買ったのは内藤先生の本だったとのことですが、
コーヤンは内藤先生の名誉の1000敗目の相手で、かつ最終局の相手でしたが、
その後は何か飲みに行かれたりされたのでしょうか。
対局中は当然光栄だったんですけど、すごい威圧感がありましたし、
簡単に勝たせてはくれないぞと思って指していました。
最後詰むか詰まないかで悩んでいたんですけど、詰まないんですね。
最後の対局は他の方が待ってまして、私とは感想戦だけでした。
以前お酒でご一緒させていただいたときに、
『あの本は素晴らしい本です。
その本を一冊読んで道場にいったら君2級くらいあるよと言われました』
と話したことがあります。
詰め将棋もすごく実戦的で、
最初の奨励会の挨拶も、内藤先生の詰め将棋を解いたかというものだったので、
先生は全国にお弟子さんがいらっしゃるんですよねと言ったら、
中田君きみはええ人やと言ってくれたのが印象に残ってます」

私は角道を止める四間飛車党ですが、勝率が悪く三間飛車に浮気したいと思っています。
三間飛車を指す際に、何かコツがあれば教えてください。
私も四間飛車最初は本当によくやってて、
四間飛車も三間飛車もみんな個性的なんですよ。プロもいろんな棋士がいて。
四間飛車は▲6七銀とあがるタイミングがポイントです。
三間飛車は銀が6七にあがると四間飛車っぽくなります。
5七より6七の方が四間飛車党の方は指しやすいかもしれないですね。
指してみて、どっちも面白いじゃんみたいな感じになればいいと思います。
三間飛車は飛車の成りこみにこだわると、
捌ける手があったのに捌けなくなったということがあります。
三間飛車は飛車角がいじめられやすいので、四間飛車より気をつけないといけないです。
三間飛車で捌けるようになったら四間飛車もうまくいくかもしれないですね。
私がやっているのはいつか5筋に展開しようという三間飛車なので、
5筋で歩をぶつけることを考えながら指しています。

先生は以前夢でしか指せない手があるとおっしゃっていましたが、
私が見た夢の中に、阿久津先生が将棋の世界大会に出場していて、
初戦に勝ったのですが、
先手の成り香が9九の地点にあると言う不思議なものがありました。
先生はどんな投了図を見たことがありますか。
私は投了図はなかったです。投了しようとすると目が覚めちゃうんですね。
不思議な夢だったのは将棋盤が9×9×9だったというのがあります。
下に角を打たれたときに、この角がどこまで効いているのか考えてる夢を見ました。
投了は夢ではしたことがないんだと思います。
苦しくなったら目を覚ます癖があるので。
秒読みでうなされてる夢は見ました。
いやひどい夢だったなーと思ったら、まだ聞こえてるんです。
2階の人がNHK杯の録画を見ていて、それが聞こえていてうなされてたんです。
上に記者の方が住んでいたことがあったので。

などと話していたら、もう時刻は16:24。郷田九段はまだ指さない。

ティロフォン木村八段から
山田女流「もしもーし」
木村八段「もしもしこんにちはー」
中田七段「飲んでますかー?」
木村八段「飲んでないですよコーヤン久しぶりに飲みに行きましょうよ。
近いうちに機会作って飲みましょうよ。
これ2時間は考えすぎでしょ。やることなくなったでしょ。
角は4六って説は野月さんが言ってました。
3七は私だったら△3五歩突きますね。
▲4六角だったら…▲4六角でも△3五歩私だったら突きたいですね。
同歩なら△2七角。これはね受けが好きな人にはやりがいを感じる手なんですよ。
渡辺さんはそういうタイプじゃないから違う気がするんですけどね。
△4三金左を効かしたほうが得だと渡辺さんは思ってるんですよね」
中田七段「郷田さんは何考えてるんですかね」
木村八段「何考えてるんですかね。焦ってるんじゃないですかね。
でもいつも考えてる普通とは違うタイプですから、郷田さんなら封じ手まで考えるとか。
2人とも昨日はリラックスした感じで、
ここは渡辺さんが去年防衛を決めたところなんですね。
郷田さんは何年か前に対局にきてるんですけど、そのことをあまり覚えてないみたいで」
といってたら郷田九段はとうとう▲4六角。
木村八段「▲6六銀上がられる前になにかやりたいなと。
でも手を渡されても何をやればいいか難しいところですね。
どう動けばいいのかプレッシャーかかっているように感じます。
攻めが好きなタイプは先手持ちなのかもしれないですけど」
中田七段「私だったら先手持ってやれると思ってますけどね」
そして検討通り△3二玉
木村八段「私プロっぽいことが証明できました」
郷田九段の▲4六角は2時間26分の大長考だったらしい。
相変わらずのマイペース。
木村八段「1日目だから終わることはないだろうと思って安心してみてましたけど、
止まったら長かったですね。さすが郷田さんというか。
大盤解説は熱心な方は午前中からいらして、
ただ1日目はこんな感じですからなかなか解説することもなくて、
封じ手を書く役目があるんですけど、お客さんの前で書こうかなと思っています」
明日も大盤解説会があるので近い方は是非とのこと。

木村八段のプレゼント色紙は「百折不撓」百回折れても倒れないの意味。
中田七段「私が奨励会初段にあがったときに、
大山先生に書いてもらったのは百折千磨でした。百回折れても千回磨けと」

動くなら▲1五歩を入れてから▲2八飛車。他には▲6六銀が候補とのこと。
▲6六銀だと後手が△3五歩と突きにくく、後手の指す手が難しくなるらしい。

山田女流「ということでおさんじコーナーになりました」
中田七段「3時ですか?今?」
※16:40です。

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中田七段「お酒飲むところは見せられないからお茶飲むところを」
わさびのせんべいでかなりきついらしい。
中田七段「渡辺さんお刺身好きでわさびはだめ?それはなかなか残念な。
これ対局中に食べていいんですかね?これ対局中目が覚めますよね。
対局中にガム噛んだら普通先輩に殴られますから」
山田女流はむせかえってました。
中田七段「先日デスソースの柿の種もらいましたね村中君に。
そういうのばっかくれるんですよ。あとハバネロのポップコーンとか。
つまみにするとビール止まらなくなっちゃうんですよね」
中田七段はかなりの辛党か。

郷田九段は▲1五歩。動いていきました。同歩に▲6四歩。
この手は▲2八飛車から十字飛車で、▲8五の歩を取って攻めていこうという手とのこと。

△同歩▲同角で渡辺王将の選択肢が広い局面になりました。
渡辺王将はこの局面で封じ手をして、
その後の展開を一晩あれこれ考えるのではないかと中田七段。

中田七段「渡辺さんどっかの歩を動かす気がする」
その後いろいろな歩の突き捨てを解説して、
中田七段「△7五歩のような気がしてきたなあ」

定刻の18時になると、渡辺王将はすぐに封じました。

20150319a
封じ手アンケート
△9五歩12.2%、△8六歩15.6%、△7五歩37.6%、△6三歩6.7%、
△2六歩8.2%、その他19.6%。
中田七段「どの手もいつかやる筋なので難問ですよこれ」

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立会人、副立会人含めて挑戦者の郷田九段が一番年上というのも不思議な空間です。

中田七段「みなさんの書き込みとか見てると凄く楽しくて、
リラックスしてできました」

というわけで王将戦第6局の初日が終わりました。
角換わりは渡辺王将が誘ったのですが、
王将戦や棋王戦で出現した局面に誘導して、
負けている後手の立場で研究を用意してきた、というのもなかなか策士ですね。
封じ手予想は△9五歩、△8六歩、△7五歩、△6三歩が攻め合いを目指す手で、
△2六歩はと金を作っての入玉を視野に入れる指し方とのことで、
立会い人の千駄ヶ谷の受け師こと木村八段は△2六歩、
副立会い人の野月七段と記録の佐々木三段は△7五歩を予想しているらしく、
棋風が出る局面みたいですね。
明日のニコニコ生放送は9時から、
解説に田中寅彦九段、聞き手に竹部さゆり女流三段で大盤解説会が始まります。
渡辺王将がどのような方針で2日目を指すのが、封じ手から注目です。