森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦している第27期竜王戦七番勝負第3局は、
後手番の森内竜王が勝利し、星を一つ返しました。

注目の封じ手は▲2四歩。
何故か立会いの森下九段が5分前に封じ手を開けてしまい、
手持ち無沙汰のまま対局室の関係者が定刻まで待つ不思議な展開になりました。

ニコニコ生放送では解説に先崎学九段、
聞き手に本田小百合女流三段で大盤解説会がありました。
先崎九段「厳密には森内竜王が5分くらい得したんだ。
夜中の終盤なら大きいけど将棋界は朝はゆったりしてるのが伝統だからね」

これまでのシリーズについて先崎九段
今日は2日目で、挑戦者の2連勝。
1勝1敗だとなんとなくのんきなんだけど、
糸谷さんの連勝なうえに森内竜王の出来があまりよくない。
ここで勝てないとずるずる行ってしまう。
相性というか、まだ糸谷さんの強さが何かをわかっていない。
森内さんの強さもわかりにくい。羽生さんは瞬発力があって分かりやすい。
糸谷さんが森内さんの強さを分かる前に、
七番勝負が終わっちゃうんじゃないかと心配している。
ハワイに行く1週間前に糸谷君に会って、誰が来るんだろうなとか、
ビーチに行くんだろうなとか楽しそうな感じだった。

封じ手の▲2四歩に森内竜王は△同歩。
矢倉だと銀で取ることが多くて、角換わりだと歩で取ることが多いらしい。
糸谷七段はさらに▲2三歩と垂らし、
先崎九段「これは欲張った手。歩を突いた一手を無駄にさせようという手」
鈴木大介八段と昨日話していて、
森内竜王の△3五歩が、攻めたいところで受けに戻った手なので、
この手しかないんじゃまずいんじゃないかと言っていたらしい。
昨日の解説では中村六段が△3五歩について、
糸谷七段が2筋の歩を突き捨てなかった手を直接とがめに行った手と表現していましたが、
お互いお前の手は芋手だとやりあってるってことですな。
ponanzaは先崎九段と違って森内竜王の+604。
読み筋は森内竜王から攻めかかる△6五桂を候補手に挙げてました。

どちらを持ちたいかアンケート
糸谷七段47.9%、森内竜王52.1%。
ponanzaの+600↑アピールも効果は薄いようで、
先日の電王トーナメントでの逆転負けが響いてるかな?

糸谷七段は明るくて話好きで周りに気を使うタイプらしい。
お酒を飲んでいるときは大学で習っている哲学の話は全然しないらしい。
先崎九段「難しいこと言うとこっちもごちそうしなくなっちゃうからね」

リレー質問 中村六段から先崎九段へ
先崎先生と森内竜王は同世代ですが、
今まで出一番印象に残っているエピソードを教えてください。
若い頃は一緒に海外旅行とか、九州ぐるっと廻ったりもした。
どこいってもずっとトランプをみんなでやってた。
みんなゲームが好きなんだけど羽生さんと森内さんは特に好き。
将棋以外のゲームを何でこんなに一生懸命やるんだろうと思ったりもする。
勝負事じゃなくてゲームが好き。
今年の正月からキャンディークラッシュというゲームをずーっとやってる。
ステージ480くらいまでいってもう飽きたんだけど、
製作者の方には申し訳ないんだけど一切課金せずにやった。
今は2048というゲームをやっている。
自分の性分はわかってるからロールプレイングゲームは絶対手を出さないようにしてる。
あれやるとさらに駄目になるんじゃないかと思うから。
森内さんと羽生さんはほんとにゲームが好き。
森内さんはバックギャモンに凝ってるらしいですよ。海外の専門誌とか読んでるらしい。

鈴木女流から本田女流へ
水戸のお酒のポスターになったと聞きましたが、水戸について語ってください。
先崎九段と一緒に水戸でイベントをした。
水戸のお酒のポスターになってるんですよ。
先崎九段「強いんですよ、僕より全然つよい。あの日よく飲んだねぇ」
他に戸辺六段がいたらしい。
水戸といえば偕楽園、納豆。
最近納豆のゆるキャラが非公式で出てテレビにでてる。伸びるやつ。
茶色くてふなっしーに似ててふなっしーの茶色版。
目とかももようがかわったりとか、名前なんですかね?ねばーる君?
水戸はみとちゃんっていうかわいいのがいるんですよ。
髪型がわら納豆で梅祭りが有名なので梅の髪飾りのやつで。
みとちゃん本当にかわいいんで宣伝お願いします。ゆるキャラ大好きなんですよね。
有名なのが一品というお酒、副将軍っていうお酒も結構おいしい。
震災以降飲食店が低下気味になったので乾杯条例を作って盛り上げていこうということで。

盤上では森内竜王が△3六歩。先崎九段は実に意外ですとのこと。
先崎九段「3筋の歩を伸ばしていったのは僕は賛成できないけどものすごい勝負手」
糸谷七段が席を立つのは、日頃の対局だともっと多いらしい。
ものすごく早見えで手が見えて見えてしょうがないくらい。でもちょっとそそっかしい。
最近はそういう凡ミスが少なくなってようやく将棋がまとまってきた。
ここで大輪の華を咲かせるというのも、いいタイミングではある。
席を立つのは先崎九段は全然気にならない。
棋士によって全然違うと思うけど、向こうのしぐさが自然だから。
不自然で挑発的だというタイプは嫌とのこと。

先崎九段「糸谷さんの将棋は将棋界の中でもちょっと変わった将棋。
森内竜王は1局目2局目振り回されちゃったからつらい。
森内さんはじっと構える、糸谷さんは風が舞う、相手を翻弄するタイプ。
1回鎮めちゃえば、何だ風も怖くないやとなって七番勝負が変わってくると思う。
そういう風になる前に4番負けちゃうんじゃないかというのが問題。
1回でいいから相撲でいうとまわしを引いたような感覚になればと思うんだけど、
今のところそうなっていない。
森内さんは構えをしっかりして、どこからでもかかってこいという横綱のような将棋。
羽生さんは相手に対して変化する、
相手がこういう考え方なら自分はこうしようと変化できるタイプ」

引き角君について
先崎九段「飯島君こんなのつくってんの?彼はなかなかユニークなやつだから」

その後初手から解説&先崎九段の角換わり講座に。
形に明るい先崎九段らしく、角換わり5筋の歩を突くと形が悪いのはどうしてか、
といった定跡のわき道も解説。

10:30過ぎには早くも詰む詰まないの変化の解説に。角換わりは終盤になるのが早い。
糸谷七段は感覚で捌いていく感じらしい。
ponanzaは森内竜王の+218。
読み筋の▲2四飛からの手順はいかにもコンピュータらしい手だが、
人間的には一番怖い▲2三歩が無くなり後手が安心するので、
先手もやりたくない手とのこと。
先ほどの糸谷七段の▲2三歩は包囲に行く手だったが、
その後の▲2二銀で王手をしたのは突破の手で、
さっきは包囲なのに今度は突破なのかというのが糸谷七段の読みにくいところらしい。
森内竜王や先崎九段は流れ重視なのでこういう手は読まないし、
こういう将棋のつくりもしないとのこと。なるほど。
羽生さんがサッカーの岡田監督との対談で、
トッププロは対局する相手が限られるので、こんな将棋がいい将棋だとか、
こんな手がいい手だとか、こういう考え方がいい考え方なんだとか、
価値観が一緒になりやすいので、若手の将棋はよく並べると述べていたことや、
郷田九段がNHK杯で糸谷七段に負けたあとの感想戦で、
読みが合わないなあとぼやいていたことなどを思い浮かべながら聞いてました。
しかし森内竜王の手も先崎九段が当たらないのは意外で、
先崎九段の感覚では自然じゃない手を森内竜王が指しているらしく、
この辺りはどうも不調ってことなのかな?と思いました。

ponanzaは森内竜王の+502。
先崎九段はこの局面は大局観ではなく、理屈で桂馬で取って大丈夫かという局面で、
取れるのなら後手がいいし取れないならわからないとのこと。
さらに詰む詰まないまで解説して
先崎九段「他にもいっぱいある変化の一例なんですけど、
これでどっちが勝ちかはわかんないんだ」

質問メール
先崎先生といえば監修されている3月のライオン10巻が発売されました。
今回はバンプオブチキンとコラボレーションです。
3月のライオンの監修の裏話があれば教えてください。
先崎九段は盤面を見るだけ。羽海野チカさんは完ぺき主義なところがある。
将棋はそんなに上級者ではないけど、勝負の世界を描きたがっている。
初めに担当の方から話があったのは連載開始よりかなり前。
そういうふうにやるんだーと思って感動した。
子供の同級生の奥様にも好評で声をかけられることもあるらしい。
控えめな方というか遠慮がちな方というかあまり派手なところには出演しないとのこと。

先崎先生は大の中島みゆきファンですが、
先月発売されたシングルの感想を聞かせてください。
また、今年の東京での夜会は見に行かれますか。
そんなに昔ほどは聞かないがファン。
夜会はなかなか、どうしようか考え中。ご本人と話したこともある。
NHKの中島みゆき特集でゲストに呼ばれて、ご本人が来て楽屋でお話させていただいた。
本田女流「カラオケとかで歌ったりはするんですか」
先崎九段「それはもうとんでもない恐れ多くて」

相手の弱点を突く将棋の勉強のため、先崎九段の最強の駒落ちを読んでいますが、
うちにいるGPS先生は定跡を指してくれません。
機会があれば将棋道場で指導対局を受けたいのですが、
受けるに当たって心がけておくべきことなどあれば教えてください。
また、手合いは厳しめのほうがいいとかありますか。
あまり緊張しないで、自分の力をぞんぶんに。
手合いは2枚落ちで初段くらい。
6枚落ちとか4枚落ちとかは、6枚落ちだと上手からの攻撃はまったくない。
厳しい方がいいか緩い方がいいか、
厳しいと当然勝てないことが多いが、
緩くしてもらって勝つ喜びを味わうか、厳しくしてたまに勝つ喜びを味わうか。
上手が何を考えているかを教えて、対策を教えて、
一人でも多く勝って欲しいというのが本のコンセプト。
行くときは全部負けようと思っていくが、やると半分以上勝ってしまう。
できることならみなさんに笑顔になってもらって、楽しくやってもらって、
みなさんは趣味でやってるんだから楽しくないと。

先崎先生への質問といえば羽生世代の棋士の裏話がど定番ですが、
阿久津渡辺広瀬先生の若手時代の裏話を教えてください。
裏話って言われると話しづらい。
その3人は指す手がぴかぴかに光っている。奨励会時代から絶対棋士になると思った。
今A級で昨日対局があって、これからタイトルとったり名人とったりは分からないけど、
これくらいは来るだろうなと思っていた。
感性がいいっていう感じがある。瞬発力が大事。
よくなってから勝つまでが早いとかが奨励会だと才能。
ポテンシャルは阿久津さんが一番あると思う。
まあ渡辺さんはね、もう竜王いっぱいとって、
結構将棋を若くしてあれだけ勝って、分かりやすく言えばお金持ちになったんだけど、
人間が全然ぶれなくて、私家が近いんだけど庶民的な感じで、
ものすごくさっぱりしててよくしゃべって。
才能はねぇそれなりの棋士ならみんなあるから。
数年前から新四段になる確率が関西の方が多くて、関西は家族的で。
関東もこれから巻き返すっていうのは変だけどでてくるんじゃないかな。
阿部光瑠っていうのはね、糸谷的な将棋観があって、ちょっと普通じゃない。
そういう人間を天才と言うなら天才。人と違うことが考えられるというのを言うなら天才。
人間は変わってない愛想のいい奴なんだけど、将棋は感覚が違う。
佐々木勇気っていうのは保守本流というか王道、正統派の将棋。

昨日の1日目で席を立っていた糸谷七段が昼食休憩の合図に間に合わなかったが、
休憩には2人そろっていないといけないとかありますか。
その他対局規定に面白いものがあれば教えてください。
休憩明けにいなければいけないというのは別に無い。
面白い規定…なんだろう。
最近は持将棋とかで規定がかわった。遅刻も変わってたような気がする。
遅刻しなきゃいいんだよ。だからよく知らない。
携帯はややこしいんだ。今は電源をけしておけばいい。
そういうのは細かいのを上げたらきりがないから、将棋連盟は性善説でやるんだけど。

将棋を指さなくなって40年、見る将棋ファンとして楽しんでいます。
先崎九段は自分のことは書かないと述べていましたが、
一番嬉しかった対局と悔しかった対局、エピソードなど教えてください。
自分に関することは書かないというのは何かの誤解かなと思う。
一番嬉しかったのはB級2組からB級1組にあがったことかなあ。あれが一番嬉しかった。
田中魁秀先生との対局。調子が悪い年だったがその中で上がれたのはよかった。
A級に上がったときも調子は悪かった。
悔しいのはいっぱいあるから何が一番とかは嫌だよねぇ。
頭に血が上ってっていう感覚は自分でもわかる。
次の日どうしても血が降りなくて、献血にいったら落ち着いたこともある。
自分が順位戦の2日後で、佐藤康光九段が前の日対局で、
車の中できついよなーって話しもした。
今は持ち時間の多い対局の後はお酒を飲みに行かない。
最近彼の車の助手席に乗るのが楽しみ。みんな忙しくて顔を会わせる機会が無いから。
仕事やゴルフなんかで一緒になることが多い。

先崎先生はボクシング将棋をやりましたが、
将棋と組み合わせて面白そうなものはありますか。
ボクシング将棋は洒落でやった。
井岡さんが素人相手にやっちゃいけないようなパンチだして負けた。
あれは純粋な遊び。将棋は娯楽だからそんな形でやれればいいと思います。
ボクシングはうまくなっても試す機会がないから不思議。
試合とか危ないからやれないし。
スパーリングは僕のレベルじゃまだ怖くてできない。
3人で将棋やったらどうなるかということで、3人でぐるぐる回って指したことはある。
するとさっき先手だったのに今度は後手になる。
そうするとぐるぐる回って誰も負けないっていう世界が新鮮だった。
3人ともこれは不思議な世界だという感想になった。
3人の中で一番弱い人が一番勉強になる。
自分で指した手を自分が対策たてないといけなくなったりもする。

電王戦FINALの予想を聞かせてください。
後、コンピュータ将棋への思いもあれば教えてください。
予想を聞かれるとねえ、希望的予想と、イギリスのブックメーカーがやって、
自分がかけるときの予想が違うんだよね。だからそういうことだ。だいたいわかるでしょ。
僕はそんなにコンピュータ使うとかは無い方だけど、
コンピュータを活用しないと日常生活は送れないし、抵抗はないんだけど、
でも面白そうだなと思う。結構ファン目線なんですよ。
僕が将棋の勉強に使うには大変だなという感じがします。
これからの棋士は徐々にコンピュータを使うように変わっていくんだろうなと思う。
面白いですよコンピュータ。

12:20に現地では休憩に。
コメントで昼食候補が流れて
先崎九段「千駄ヶ谷の店が出るは出るは。どうなってんだろいったい」

昼食アンケート
うなぎ42.9%、ステーキ17.5%、中華20.0%、パスタ19.5%。
先崎九段「これ当たると何かいいことあるの?」
本田女流「当たると…嬉しい?」

昼食休憩明けに森内竜王が突いた3筋の歩がと金になって3八まで進出。
先手玉には詰めろがかかるまで一手の余裕があるので、
後手玉にどこまで迫れるかの勝負とのこと。

及川六段から電話。
先崎九段「どっちがいいの?どっちが勝ちなの?」がっつきすぎである。
画面の局面をやってまして、後手持ちの方が多いように思う。
その後も検討手順を大盤に並べて、
及川六段「人間的には…」
先崎九段「最近将棋界の得意のジョークだよね」
現地は戸辺先生、片上先生、勝又先生がいるらしい。
イベントは朝からだったがたくさんの方にきていただいて大盛況だった。
本田女流「ご夫婦でご出演されているとのことなんですけど」
及川六段「さすが詳しいですね、一緒の出番はないので分担されています。
大盤解説とかも今日は一緒ではないです。
これから佳境に入っていくので詳しい解説ができればと思います」

電話が終わって
先崎九段「現地が森内勝ちって言ってたんだ」
本田女流「勝ちとまでは言ってなかったと思うんですけど」
先崎九段が控え室は森内勝ちって言ってたと力強く断言。

昼食クイズの正解はうなぎ。
森内竜王の昼食もうなぎで、写真が映されて
先崎九段「ちょっと俺達のうなぎよりうまそうじゃない。悔しいなあ。
4100円のやつ頼んでどうだって言えばよかったかなあ、領収書落ちないかな?
帝国ホテルのうなぎ凄いなあ。ずるい」

一気に後手玉を寄せる手を解説で探していましたが、なかなか見つからないまま、
糸谷七段も受けの手を指しました。
先崎九段「これは竜王が勝ちになったと思う。
△4九角と▲6七金の手の流れは後手の勝ちな流れ」
ponanzaの評価値は森内竜王の+1046。

ここで初手から解説に。
角換わりでは▲2四歩や△8六歩のような突き捨ては歩で取る方がよく、
矢倉は銀で取る方がいい。
理由は角換わりは桂馬が入りやすいので銀で取ると▲3四桂の傷があり、
矢倉は歩で取ると▲2五歩の継ぎ歩攻めがあるから。

おやつタイム。
銀座マカロン / SEIYO GINZA 西洋銀座
最近若手棋士の間ではそば茶がブームらしい。

おやつ休憩の後に宣伝タイム
11月24日に女流棋士会ファンイベント2014・秋をやるのでよろしくとのこと。
出演者は本田小百合女流三段、安食総子女流初段、室谷由紀女流初段、
飯野愛女流1級、ゲストに田丸昇九段、広瀬章人八段。
協賛しているスポンサーの中に精神科のお医者さんがいて、
女流棋士の精神を鑑定しるみたいなイベントもあるらしい。

森内竜王が△7五桂と決めに行きましたが、ponanzaの評価値が下がり、
先崎九段も手堅い決め方かどうかはちょっととのこと。
桂馬が先手に入ると、後手の王様が詰む変化がでてきたとの解説。
対局室映像には糸谷七段は映っていませんでしたが、森内竜王は頭を抱えるポーズ。
大丈夫かな?
その後もずーっと大盤で並べて、後手玉が詰み、
先崎九段「いやぁー(ため息)、詰みだ」
糸谷七段も勝負手を指し、
ponanzaはここにきて森内竜王の+51ともうどうなるかわからない展開に。

次の一手アンケート
5一玉26.3%、8七歩成29.1%、3五歩12.6%、その他32.1%。
先崎九段は△5一玉で勝てないと△7五桂との関連がおかしいとのこと。

その後も難しいといいながら詰んだり詰まなかったりを並べ続ける先崎九段。
先崎九段「何言ってるかわけわかんなくなってきた」
本田女流「じゃあメールコーナーにでも」

質問メール
3月のライオンの個性豊かなキャラクター達は本物の棋士のモデルがいるのですか。
糸谷七段を見て、あ、すばるくんだと感激しました。
先生の中で最も個性が輝いていると思う棋士はいますか?
サブキャラみたいな感じでそういう棋士は個性がある。
具体的に現実のモデルでやっているというわけではなく、
はっきりとこの人イコールこの人みたいなことではないとのこと。

対局中のぼやきについて、将棋界のぼやきというのはどんな感じですか。
本日の糸谷七段のぶらつきもなかなかのレベルだと思うのですが、
先生方は気にしないものなのでしょうか。
囲碁の棋士はぼやくけど将棋はあまりない。
終盤で残り時間がかなりなくなって一番緊張しているときに、無意識にでてることはある。
相手が席を外してる時に正直な感想が出ることはある。
先崎九段は相手のことはあまり気にしないから癖とかはよくわからないらしい。
先ほど糸谷七段が席を外している時に、
森内竜王が頭を抱えてたのを思い浮かべながら聞いていました。

以前先生のエッセイで、師匠の米長先生と真部先生宅に行って、
囲碁の勝負に巻き込まれて大変になったと書いてありました。
当時のエピソードがあれば教えてください。
米長先生も真部先生もむちゃくちゃ強くて、
先崎九段が囲碁六段なんだけどそれより強いらしい。
二人がお酒を飲んで自分の方が強いと言い合って、
お酒の席の一言一言がユーモアがあって辛辣さもあって個性があって面白かった。
単純に後輩から見ると将棋以外でも面白かった。

先崎先生ずばり小説執筆のご予定はありますか。
ありません。週刊現代でエッセイを書いていたけど。
小説はエッセイと全然違うのでそんなややこしいことは。
将棋指しは面白いし、それを書くのはこの業界に生きているものの役目かなと思うけど。

詰む詰まないを考えすぎて回転が鈍くなってきた先崎九段。
先崎九段「あ、これは詰みだ」
本田女流「詰みですね」
先崎九段「じゃ、後やって」
詰みまでぺたぺた並べる本田女流。先崎先生お疲れ様です。
ponanzaは糸谷七段の+374。その後▲3三銀打を指して席を立つ糸谷七段。
激しく咳き込む音が聞こえて、だにー大丈夫かとのコメントも流れてました。
加藤九段や佐藤九段などは緊張で咳き込むことで有名ですが、
糸谷七段も傍から見ると自然体ですが緊張で咳き込むタイプのようです。

飯島七段から電話。
飯島七段「非常に恐ろしい終盤になっていて」
先崎九段「これ先手が勝ちでしょうか」
結構長期戦じゃないか。▲3三角で糸谷七段勝ちだったんじゃないかという検討だった。
現局面は森内竜王が勝ちそうという意見も出てきた。
控え室では糸谷さんが勝ちを逃したという空気がでている。
早い終局かと思っていた。宮田君にずっと意見を聞いている。
▲3三角で先崎九段が後手の勝ちがわからなかったと言うと、
飯島七段もしらみつぶしに検討をして後手の勝ちがなかったと答えました。
その後検討手順を聞いて
先崎九段「ははは。それはもう大混戦だ」
現地解説会は昼間でも150人くらいきていた。
大熱戦で素晴らしい一局じゃないかとのこと。
本田女流「引き角君のハンカチ色違いが出たと聞いたんですけど」
飯島七段「それこういう空気の時に言って大丈夫なんですか?」

長期戦になりそうということで一旦休憩になりましたが、
休憩中にponanzaの評価値が糸谷七段の+3に。もうどうなってるのか誰も分からない。

休憩明けの先崎九段曰く、
森内竜王の方が金を渡したら自玉が詰むのか等考えることが多くて、
局面の善悪はともかく、ものすごく読んで正しく指さないといけなくて大変な局面らしい。

先崎九段「あ、これ詰みだ」
本田女流「冴えてきましたね先生」
その後解説を進めて
先崎九段「こんな感じになるんですね。あとは運がいい方が勝つんです」
棋譜コメントにあった、王手金取りを糸谷七段がかける変化も解説。
これはどうも糸谷玉が詰むようです。金が落ちている上手い話はそうそう無いんですな。
そんな解説をしていると対局室から糸谷七段が「あ、そうかあ…」とぼやきました。
森内竜王は席を立っていたので本音が出たか。
その後本田女流が妙手順を言ってスパーク。
先崎九段「君天才だなあ」

森内竜王の手に即指しで応じる糸谷七段。
本田女流「糸谷さんすごい早かったですね」
先崎九段「いやいやこれはまあ時間攻めも含めた総合的な勝負なんですけど」
その後も何故か糸谷玉が詰まないと先崎九段が悩んでいましたが、
森内竜王は冷静に糸谷玉に必死をかけて、森内竜王の勝ちになりました。

いやー今日は大熱戦で、先手玉後手玉共に詰む詰まないの変化が多数あって、
解説の先崎九段お疲れ様ですといった終盤戦になりました。
疲れつつも先々の詰むや詰まざるやを並べる先崎九段を見て、
プロの棋士はこんなに先の変化をこんなに短時間で考えながら指してるんだなーと、
感心しながら見ることができました。
まだ糸谷七段の強さが何かをつかめて無い感じの森内竜王ですが、
一つ返して次は先手番、相手はほぼ後手一手損角換わり、
日にちも13日後の11月20日ですから一息ついて第4局を迎えることが出来ます。
風のように相手を翻弄する糸谷将棋を、森内竜王の鉄板流が捕らえることができるのか、
そろそろお互いの将棋がかみ合ってくると思うので、第4局の将棋は内容にも注目です。

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