羽生善治王座に豊島将之七段が挑む第62期王座戦五番勝負第4局は豊島七段が勝ち、
2勝2敗とタイトル奪取へ逆王手をかけました。

戦型は豊島七段が3手目に▲5六歩と中央の歩を突き、先手中飛車になりました。
中継Blogによると豊島七段が▲7六歩△8四歩に▲5六歩と突くのは4年ぶり8度目、
過去7戦は全勝のようで、滅多に抜かない伝家の宝刀といったところでしょうか。
羽生王座は意表を突かれたはずで、どういう対策を採るのか注目されましたが、
穴熊にして堅く囲うのではなく急戦から押さえ込みに行く作戦をとりました。
羽生王座が玉側の端歩を突き、
豊島七段が端歩を受けずに角を出る積極策をとったところで昼食休憩になりました。
これまでの王座戦は豊島七段の手番で休憩に入っていましたが、
今局は羽生王座の手番で休憩に入りました。
持ち時間も羽生王座の方が使った状態で、
豊島七段の意表を突いた作戦が効いている気がします

ニコニコ生放送では13時から解説が屋敷伸之九段、
聞き手が中村桃子女流初段で大盤解説が始まりました。
屋敷九段「意表の中飛車」
放送開始くらいの局面で既に前例はなさそうとのこと。

リレー質問屋敷九段へ
普段どのようにして研究をしていますか。
研究は特にこういったものというのはないが、
詰め将棋を解いたり、中継を見て自分なりに考えたり。
棋譜並べはさぼりがち。見てだいたい終わりで盤に並べることはほとんどない。
棋譜データベースで全部の棋譜が見れるので、
対戦相手の傾向を見て自分がどう戦っていけばいいか考える。
対局に関して心がけていること。
時間に余裕を持って対局場に行くこと。
対局は相手との戦い、自分との戦い、時間との戦い。
1時間くらいは終盤に残しておきたい。
ただ相手もあるので、相手も時間を使うと自分も使ってずっと終盤までいい勝負、
ということになるので時間が切迫するようになる。

中村女流へ
普段体力作りとして取り組んでいること。
そんなにやってない。トレーニングにジムに行くとかはやってない。
ゴルフは最近やっている。たまにランニング。
屋敷九段は散歩くらいらしい。中村女流は30分くらいランニングするとのこと。

屋敷九段「この将棋はここから難しくて指し手が遅くなり、
結構眠くなるので記録の伊東三段に注目」
眠気に注目するのが忍者屋敷流。

初手から解説になり、穴熊は最近の将棋で急戦は古い将棋なので、
羽生王座の急戦模様は自分の形に持っていこうとしたのではないかとのこと。
豊島七段の▲5九角で前例が1局だけに。
先手は捌きを狙いたい。後手は押さえ込みたい。

形勢アンケート
先手:豊島七段20.4%、後手:羽生王座30.5%、にゃんにゃん49.0%。

山梨のこの対局場は名人戦で森内名人と羽生挑戦者のときに行ったことがある。
屋敷九段は観光旅行はあまりしないみたいですが、
平和島とコメントされて「そちらはたまにいきます」
中村女流は旅行行きまくりらしい。山梨信玄餅おいしい。
対局者は着物なのできなこなおやつは苦戦するとのこと。
おやつはケーキの人が多く、散らばらずに和服でも食べやすいとのこと。
初めて将棋のタイトル戦を見る人は、真剣勝負中におやつを食べるのに驚くらしい。

質問メール
屋敷九段の弟子の伊藤さんが10月に奨励会を退会して女流棋士になった。
伊藤女流に何かアドバイスはしたのか。機会があれば師弟コンビで解説をききたい。
今はまったく研究会はしていない。アドバイスもしていない。
中村女流「すごくいいこですよね」屋敷九段「ありがとうございます」
将棋に関しては何も言うことは無い。
女流棋士はイベントなどの仕事もたくさんあるので、
将棋より礼儀や私生活については言ったことがある。
屋敷九段「僕もあまり人のことは言えないけど」

屋敷九段はウインタースポーツはしますか。
中村女流はどこか滑りに行きますか。※屋敷九段は北海道出身
今年の夏は北海道出身の棋士を集めて、
東急百貨店が80周年ということでイベントをやった。青野九段が団長。
屋敷九段は子供の頃はイベントを見に来ていたので、
今はする方になり不思議な気分らしい。
小さいときは授業とかでもスキーをやった。公園の山とかでもすべった。
最近やる機会はあまりない。去年の冬に十数年ぶりに滑った。普通に滑れた。
スキーは野月七段が有名。
中村女流はスキーもボードもしたがボードは怖いのでスキーになった。
新潟は結構いく。去年北海道にいった。ニセコとか。普段は新潟が多い。

中村女流と同じ高橋門下の黒沢三段が新四段になったが、
弟弟子と指すことはあるか。
一門の研究会で師匠の家で指したことがある。
すごいちっちゃかった記憶がある。10年近く前。最近はまったくない。
最終日昇段争いが下のほうだった。何があるかわからない。
中村女流は師匠のブログをたまに読むらしい。

地方にいるので対戦相手がいない。ネット対局も味気なく思ってきた。
自分で将棋カフェ経営とか成り立つと思いますか?どうしよう。
どこか遠征したりとかそういう形になるのでなかなか難しい。
将棋カフェはまったく責任がもてません。
女性は道場よりカフェの方が指しやすいのではないか。

ここで豊島七段は屋敷九段が怖いけど突っ張るならと言っていた▲5六飛車を指す。
その後記者の方が対局室に入ってきて、おやつの注文をとっていた。
真剣勝負の最中におやつの注文を取りに来る人と答える人と、
確かにおかしな光景かもしれない。

豊島七段の▲5六飛車について、
屋敷九段「豊島七段が強い手を指してきたので、
のんびりした手だと先手がよくなってしまう」
強い手には強い手を返すのがセオリーと羽生さんも言っていたような。

その後ちょうど気象衛星「ひまわり8号」を乗せた「H2A」ロケットが発射になり、
何故かロケット発射の映像を見てはしゃぐ中村女流を眺めるという謎番組に。

解説では何か先手が良くなる順がありそうな局面で、
よさそうな手もたくさんあるので豊島七段は長考するのではないかとのこと。
羽生王座は広い局面にして手を渡したのかもしれない。
屋敷九段は豊島七段と結構対局したが、
負けてばかりで初めの1局だけゆるめてもらったけど後全部負けてますとのこと。
対局中の豊島七段はのめりこむような表情になっているらしい。

質問メール
棋士の魂という本で屋敷九段の棋聖時代のインタビューを読みましたが、
将棋の勉強はスポーツ新聞の詰め将棋くらいで、
1日1分から3分とか書いてありましたが本当ですか。
また、変化がおきたのは何年前くらいで、きっかけは何ですか。
棋聖時代の事は本当。運があったんですかね?詰め将棋やっただけで。
当時は力で勝負みたいなところがあったので、
でたとこ勝負じゃないですけどどうやっていこうかなくらいですんだ。
変化がおきたのは結婚したあたりから。
このままやっていてもどのくらい勝てるかわからない、と考えるようになって、
ずっと現役ができるかどうかも分からないから、
できるうちにやっておこうということで。ちょっと遅すぎた感じはしますけど。
昔は痛い目に合っても直そうとは思わなかった。
基本的には勉強方は変わっていない。
詰め将棋の手数は長いのは数えていない。
300や400くらいあるのもあるので何手あるのかわからない。
手数が長いからといって難しいというものでもないので。
30手から40手くらいが一番難しいと思う。
こつは詰む形をたくさん覚えること。後は作者の狙いを考える。
狙いが無い詰め将棋はときにくい。

ボートレース好きの屋敷九段に、
レースの魅力や競艇場のそれぞれの魅力についても教えてください。
※屋敷九段は日本モーターボート選手会外部理事でもあります
6人で戦う。スピード感がある。いろんな選手がいろんな方法で勝利を目指している。
そういったところが魅力。個性的な選手が多い。
若い選手がたくさんいるし、女性選手もたくさんいて、
男女混合戦や70歳過ぎた現役選手もいる。そうそう加藤御大。
老若男女入り乱れていてそこは将棋にも似ている。
インが逃げる時は誰がしかけるとか読むのも楽しい。
平和島はどこが勝つかわからない。
江戸川は波立っている。上手い人とそうでない人の差がでてくる。
多摩川は若い選手が強いイメージ。
食堂もあるのでB級グルメが楽しめる。
見て食べて楽しめる感じ。竹部女流も競艇に詳しいらしい。

今日のニコ生のおやつは神戸のチョコレートハウス モンロワールより

ブランデーが入っているらしい。屋敷九段「大丈夫ですよね?」
屋敷九段「おいしいですね。食レポなかなかできないですね」
おやつを食べながら羽生王座が座りなおすのをにこにこ眺める、
という謎番組になったところで一旦休憩。

羽生王座は当初の押さえ込み作戦から変更して捌く手順を選択。
しばらく一本道な手順らしく、解説通り飛車交換に。
捌きあう手順は羽生王座が勝負手を放ってきたように思うとのこと。
形勢も豊島七段が少しいいのではないかと屋敷九段。

形勢アンケート
先手:豊島七段41.4%、後手:羽生王座22.9%、ニンニン35.6%。

羽生王座はフルーツ盛り合わせ。豊島七段はチーズケーキ。
豊島七段は王座戦のおやつはずっとチーズケーキらしい。
その割には先ほどおやつの注文を取りに来たシーンで考え込んでいたような。

現地の佐藤紳哉六段からティロフォン
佐藤六段「もしもーし。だれでしょう。もしもーし」
中村女流「佐藤先生ですね」
佐藤六段「もうわかっちゃったんですか?少しヒントとかだそうとおもっていたのに。
砂糖のように甘い言葉でしんやにきみをうんたらかんたらです」
とうとう全部言うのが面倒になった模様。
現地では検討は今はあんまりしてない。解説会に行ったり。
香川女流王将がきて仲良く並んでいます。お互い恥ずかしそうな感じで。
8四銀と取る手は意外で全然検討されてなかった。(屋敷九段が勝負手と言った手)
この手は羽生さんのほうが苦しそうかなと思って検討はされてなかった。
羽生さんがどういう手を用意しているのか、思惑を測りかねている。
佐藤六段「中村桃子さんSSFに入りませんか?」
中村女流「生放送で勧誘ですか?」
逃げてーのコメントが多数流れる。
佐藤六段「SSFは会員の数だけなら結構いる。1度来たら会員になるシステム。
好きな会員番号になれるシステム。
今言ってもらえればそれを入会手続きとさせていただきます」
中村女流「考えておきます」スルー力炸裂である。
室谷女流や藤田女流も会員らしい。
佐藤六段「1度来ちゃうと会員。退会できないシステムにうちはなっていますので」
その後何のつなぎもなく豊島七段の作戦の話を真面目に始める佐藤六段。
コメントでも急に真面目になったと突っ込まれていました。
佐藤六段「序盤中盤終盤隙が無いとか最近よく言われてるじゃないですか。
この後中盤終盤の隙の無い指し手を見てみたい」
中村女流「羽生王座の印象はいかがですか」
佐藤六段「はぶさん…も強い…
アドリブに弱いと言われてますがその通りなのでいきなり聞かないでください」
最後に次の電話の時には会員番号考えておいてくださいと言ってました。
どんどん追い込んでいく佐藤スタイルとスルーの達人中村女流。
SSFブログ 佐藤紳哉六段とその仲間たち

質問メール
ニコニコ生放送で解説をはじめたことで、周囲で変化はありましたか。
声をかけられたとか、本の売り上げが上がったとか。
自分は羽生さんと谷川さんくらいしか知りませんでしたが、
たくさんの棋士の名前を覚えました。
注目される機会が増えた。電王戦もそう。
たくさんのファンの方、将棋をまったく知らなかった方にも注目されるのはありがたい。
新たなファンが増えた。何だか分からないけど見てて面白いとか。
きっかけがないと知る機会がないので、機会がたくさんできたのはありがたい。
真剣な姿もいろんな人に見てもらえるのでありがたい。
電王戦タッグについて屋敷九段「ペアを組むのがいいですね。平和です」
森下集めなんてちょっと前まで考えられなかった。
何でもありみたいな感じなのがいい。
視聴者とのつながりがあるのがいい。すぐに返ってくるので。
今までは解説をしていてもこれでいいのか分からなかったので。

初めて将棋会館の道場に行きました。将棋盤を挟んでの対局は楽しかったです。
小学生に軽くひねられたりもしましたが、
最後は6連勝で連勝賞の羽生先生の手ぬぐいをいただいたのでうれしかったです。
次に東京に行くのは正月なのですがやってますか。
実際人と指すのは楽しいので是非とも来て欲しいですが、
お正月はだいたいどこも休み。
本当はそういう日に営業するのがいいんでしょうけど。

羽生名人が小学生名人になった時、解説の大山名人が、
順調に行けば将来ここにいる谷川名人といい勝負ができると言ってびっくりしました。
ずいぶん大胆なことを言うと思いましたが本当にそうなって慧眼に驚きました。
子供でもそういう人はいるんでしょうか。
いるんですよ。なんだこの強さはという人は。結構忘れちゃうんですけどね。
その年屋敷九段もでていた。後1回勝てば羽生さんと対戦できた。
自分に勝って対局した人はもう羽生は強いみたいな感じだった。
指導していてもこの人は筋がいいなとかは分かる。
子供は鋭い手を結構指してきて、
押さえ込もうとして吹っ飛ばされるのはよくあるとのこと。

羽生王座は△5五銀。即座にこれで負けならしょうがないだろうという手と屋敷九段。
ぱっと見でそんなことまで分かるらしい。
一直線の斬り合いの順を詰みまで並べて、単純な斬り合いは豊島七段の勝ちとのこと。
羽生王座が何か手を捻り出さないといけない。

屋敷九段は羽生王座に対して対局のときは気合や威圧感を感じる。
前夜祭とかでは気さくに話している。

対局場の様子を映している映像を見て、
屋敷九段「羽生王座の視線は7筋8筋の豊島七段の飛車の周りを向いている感じ。
このまま攻め合いは勝てないので何か受けの手を考えてるのでは」
羽生王座の手番で夕食休憩に。

次の一手アンケート
7一歩26.9%、9四角11.1%、6九飛12.3%、8四角9.6%、
4二金19.5%、その他20.6%。

夕食アンケート
うなぎ28.3%、中華29.6%、おにぎり21.7%、パン20.4%。

夕食休憩明けに羽生王座は△7一歩。豊島七段の飛車のすぐ上に打ちました。
北海道が産んだ大天才は視線で何を考えているのも分かるのかもしれない。
そして▲同飛成りで手数を稼いでから△5七角と攻め合いに。
あまり思いつかない組み合わせで手が広い局面なので、
豊島七段は長考するのではと屋敷九段。そして豊島七段は残り1時間に。
その後羽生王座は駒損ながら粘る順を選択。
豊島七段と羽生王座の指し手は共に屋敷九段の候補手の中から出ている感じで、
流石北海道が産んだ大天才はすごいです。
選択肢に出なかったのは、
苦戦を意識していそうな羽生王座が勝負手気味に出した△5七角くらいだったような。

19:57羽生王座離席。前局も劣勢な状態で席を立っていました。

盤上では豊島七段の囲い再生に羽生王座が自陣馬と長期戦の様相になりました。
私には羽生王座の粘りに何を指せばいいのか手が見えませんでしたが、
屋敷九段はさっさと豊島七段の攻め筋を披露。
豊島七段もどんどん羽生王座の王様を寄せに行きます。
そして間違わなければ勝ちだろうという局面で豊島七段が離席。
羽生王座も勝ったと思ったところで席を立つ癖があるって真田七段が言ってたなあ。
豊島七段が戻ると今度は羽生王座が入れ替わるように席を立つ。
ここにきて戦型は相トイレに。
羽生王座も残り10分になり、何分から秒を読むかとの記録係りの声に「ごぉ…ふん…」
かなり元気なさそうでした。
屋敷九段「受けてもきりが無いので△4七歩成り▲6二金で投了かなという感じ」
と解説したところでその通りに進み、羽生王座の投了になりました。
終わってからも両者無言でちょっと怖かったです。

屋敷九段「結構きわどい終盤になった。内容的には豊島七段が押してた。
うまく攻めをつなげて豊島七段が勝ちきった。流石に豊島七段隙が無い」

第4局は豊島七段が意表の中飛車でしたが、
数は少ないながらも7戦7勝と得意にしている戦型から序盤で少しリードを奪い、
着実にリードを広げて押し切るという、
まさに「序盤、中盤、終盤、隙がない」将棋でタイトル奪取に逆王手をかけました。
羽生王座がタイトル防衛に王手をかけている状態で、
先手中飛車を選択するというのは大胆な決断だと思いますが、
着実にリードを広げて勝つ横綱相撲で会心の一局だったと思います。

第5局は10月23日、ニコニコ生放送では13時から解説阿久津主税八段、
聞き手安食総子女流初段で大盤解説があります。
オールラウンダー同士の対局らしく、ここまで矢倉、角換わり、横歩取り、中飛車と、
戦型もばらばらで楽しいタイトル戦になっています。
第5局は振り駒で先後を決めますので、どんな戦型になるのか予想もつきません。
ちなみにponanzaの山本一成さんが第5局の観戦記を担当します。
対局中からtwitterで、
と興奮していましたが、無事に?観戦記が書けるということで、うらやましいっす。