渡辺明王将に羽生善治三冠が挑戦している第63期王将戦七番勝負第6局は、
先手番の羽生三冠が勝利し、3勝3敗と逆王手をかけました。

渡辺王将は最近後手番では振り飛車も指すようになり戦型が注目されましたが、
羽生三冠の初手▲7六歩に何でもやってこいと△8四歩と指し、
居飛車に態度を決めました。
羽生三冠は角換わりではなく矢倉を選択し、渡辺王将は得意の後手急戦矢倉に行きます。
第3局では先手渡辺王将の矢倉に後手羽生三冠が急戦矢倉で挑み、
後手の羽生三冠が勝利しています。
ただし先手が良さそうな分かれから羽生マジック1発で突然終わったという将棋で、
どちらが先に手を変えるのか注目されました。

ニコニコ生放送では初日が阿久津主税八段で、聞き手が山口恵梨子女流初段でした。
阿久津八段は2月13日にB1からA級に昇級を決めたので、
リレー質問でA級で何勝する自信がありますかと質問され、
「やるからには全勝って言った方がいいんでしょうけどなかなかねー。
3、4、5勝あたりが残留ラインですけどー。下を見るとねー。」
と答えにくそうな様子。順位戦は生意気なことを言うと後が大変ですからねぇ。
山口女流には卒論のテーマを教えてくださいという質問でしたが、
日常で使われる将棋用語の研究とのことです。
また、山口女流によると、
里見香奈女流三冠は豊川孝弘七段の親父ギャグ解説が好きだとのことで、
もしかしたらA級順位戦最終局はニコニコ生放送を見ていたかもしれませんね。
女子高生時代に生瀬勝久さんが好きと答えた人は感性が違いますな。
応援アンケートでは羽生三冠70.5%、渡辺王将17.1%、両方12.4%となり、
将棋界での羽生三冠の人気投票は無敵ですねえ。
前日にお酒を飲むのに驚いたと山口女流が言ってましたが、
地元の方や主催者の方と交流する社交の場ですからお酒もちょっとは飲むのでしょう。
阿久津八段はA級に昇級した次の日に小倉に旅行に行ったそうです。
また、毎年4月か5月に渡辺王将と関西へ競馬旅行に行き、
指導対局をしたり厩舎に入れてもらったりするそうで、旅行が好きなんですかね。
山口女流も明日藤田綾女流と伊奈川愛菓女流と3人で日帰り旅行らしいです。
旅行ブーム?
盤上では渡辺王将がどう王様を固めるかの選択肢になり、
阿久津八段は12時くらいに渡辺王将が指して、羽生三冠が30分考えて昼食休憩と予想。
コメントでフラグと言われていましたが、11時52分に渡辺王将が指して、
12時10分に羽生三冠が指してやっぱりフラグでした。
しかしこの52分に指した手で、第3局から離れることになりました。

午後に入ると質問メールで、
阿久津八段のお父さんが阿久津八段のサイン会で本を5冊くらい買っていた、
と目撃情報が送られ、定年したので将棋イベントによく行くようになり、
自分が出るイベントにもこっそり来て後で駄目だしされるとぼやいていました。
山口女流もお父さんがニコニコ生放送を見ていて、
深浦先生に携帯を持たせるなと駄目だしされたそうです。父は厳しいですな。
その後何故か山口女流がアルパカを描くことになりましたが、
攻める大和撫子の異名を持つ山口女流が、
阿久津八段にも描くような流れを一生懸命つくり、
阿久津八段が全力で嫌がる展開になります。
山口女流の絵はいい感じに犬っぽい絵になっていましたが、
何故かふさふさ感を出そうとしてぐりぐりと泡を書き足して台無しに。
何で画伯と発想が同じなんでしょうか。
NHK杯で中田七段が三間飛車宣言をしたのに、
阿久津八段が三間飛車にしたと突っ込まれた時は、
コメントは知らないで指していたがひどいことをした、
後で動画を見たらお互いすごい怖い顔をしていた、
あの後中田七段とビール飲みつつ麻雀をした、と答えていました。
ティロフォンショッキングは近藤正和六段ですが、出番を1時間待ってたらしいです。
近藤六段を1時間待たせてアルパカ描いていたんですな。
島根といえば銀山だから銀がキーポイント。
今銀がいる5四、5六の位置に歩が垂らせた方が勝つと大胆予想します。
その後も近藤六段がゴキゲンだからゴキゲン中飛車の由来通りにずっと話していました。
阿久津八段と近藤六段は通算で近藤六段から見て1勝4敗らしく、
矢倉の将棋で何故か勝って中飛車の将棋は全部負けたとさっそくぼやいてみたり、
今流行っている中飛車から左側に穴熊を組む将棋は、
近藤六段が昇級のかかった対局で同じく昇級がかかっていた阿久津八段にぶつけ、
その将棋は負けて誰も見向きもしなかったのに、
菅井五段が指したらみんな左穴熊左穴熊と言うようになったとぼやきを重ねたり、
阿久津八段や松尾七段にぶつけたのがまずかったのかなとまたぼやいたり、
口調がゴキゲンなのに話の中身はぼやきまくりでした。
対局場は標高1000Mで空気が薄いらしいです。対局者は大丈夫なんでしょうか。
前日車で移動する時は、近藤六段が聞き手に回るほど羽生三冠が話をしていて、
1時間半くらいしゃべりっぱなしだったそうです。
また立会人の鈴木大介八段は記録の梶浦三段が弟子なので、
弟子の前では少しきりっとしていると笑っていました。
その後も話しまくっている近藤六段でしたが電波が悪くて電話が切れてしまいます。
すぐにかけなおしてきましたが、
また話せと現地の声がきたので解説に行ってきますとのことでした。
今までのティロフォンで最長記録だったんじゃないでしょうか。
その後の次の一手アンケートでは、
皆さんも商品が当たるとかならその他がいいんですよ、
と言う阿久津八段がフラグだったのか意外なところから開戦します。
つい一手前に渡辺王将が△1四歩と受けた端に▲1五歩とぶつけ、
羽生三冠が仕掛けました。
すると攻める大和撫子の異名を持つ山口女流が急に楽しそうに駒を動かし始め、
流石ですねと阿久津八段に突っ込まれていました。
その後羽生三冠がさあ攻撃するぞと角道を開けたところで、
渡辺王将の封じ手になりました。
阿久津八段が言うには、
渡辺王将は封じ手の時間がずれるとそのまま関係者の食事などの時間がずれるので、
長考しないで封じる派とのことですが、
18時を少し回ったところで封じ手になりました。

二日目のニコニコ生放送は解説が森内俊之竜王名人、
聞き手が室谷由紀女流初段でした。
リレー質問は阿久津八段から森内名人へ、
結婚されてからタイトル戦に出るようになったイメージですが、
結婚してよかった所は何ですかとの質問でした。
そういえば東の王子の阿久津八段も西の王子の山崎隆之七段も独身ですね。
森内名人は独身の時は無茶な生活の時もあったけど結婚してからは安定した、
と無難な回答。
室谷女流へは東京の生活には慣れましたかとの質問でしたが、
2回目の大雪の時が引越し日だったらしく、19時間もかかったとのことでした。
室谷女流は4月1日付けで関西から関東所属に変わるのですが、
例えば森内竜王名人が序盤は銀を奇数の筋に進出させるのが角が使えるので良い形、
と言ったときに室谷女流さっと駒を動かして良い例と悪い例をあげるのが、
関西で鍛えられてきました感がしてよかったです。
解説中の森内名人「関西弁出ましたね。いいですね。」
封じ手は候補にあがっていない捻った手でしたが、森内名人は先手持ちとのこと。
記録係の梶浦三段が封じ手を当てたそうです。
やっぱり同じ空気にいると捻った手だなとかが分かるんでしょうか。
その後羽生三冠が歩を突き出して渡辺王将の銀が下がった手を見て、
森内名人「涙の撤退。」
先後を入れ替えて見るひふみんアイについては、
「私も実際にやられたことがあります。」
この後解説中の大盤の先後を入れ替える中座アイになり、
森内名人「私の顔が見切れていますね。」
羽生三冠人気と森内名人の羽生三冠優勢が合わさり、
どちらが優勢かアンケートは羽生三冠85.1%対渡辺王将14.9%まで広がります。
その後小学生名人戦で、
森内名人が対局後に詰みがあったのを指摘して負けた小学生が泣いた事件を受けて、
森内名人も泣いたことがありますかとの質問メールには、
小学校時代決勝戦ですごい頓死をした時に、
泣いたかどうかはわからないけど気持ちに残ったことがあると答えていました。
午後に入ると羽生三冠が怒涛の攻めで優勢を拡大していきました。
こうなるとニコニコ生放送では解説よりも質問になりますね。
森内名人はクイズが得意なことで有名ですが、
アメリカ横断ウルトラクイズでクイズに興味を持ったそうです。
さらにアタック25のパネルの開け方を羽生三冠や佐藤康光九段と研究した、
という噂には本当ですと答えていました。豪華な研究会だ。
森内名人は去年渡辺王将と竜王戦を戦いましたが、
渡辺王将が本当に森内名人の手番の時におやつを食べないで、
少しの時間席を外して戻ったらおやつが無くなっていたのを見て、
急いで食べたんだろうな、不思議なところに気を使うんだな、
と思ったら笑いそうになったそうです。確かに不思議なところかもしれない。
食べ物に話題がいくと、島朗九段と鈴木環那女流が森内名人とカレーを囲む会をやった、
タイトル戦で名古屋で食べたエビフライカレーはえびが27cmもあって、2日続けて食べた、
地獄蒸しプリンは確か大分だったかなと、すごい記憶力を発揮していました。
どうやって覚えているんだろう。
また、女性が将棋をやってくっるようにするのはどうすればいいかという質問には、
室谷女流が姉がボードゲームが好きで将棋を始めたが、
自分は運動の方が好きだったので好きではなかった、
ジュースとおやつにつられて週3回通っていた、
おじさんがたまに負けてくれたので、
勝ったことが嬉しくて続くようになったと答えていました。
勝たせて褒めてあげることが重要らしいです。あとおやつ。
チェスは羽生さん曰く満員電車の中にたくさん詰まっている感じで、
最後は地味な応酬になるゲームみたいです。
他にはモノポリーなども森内名人はするのですが、
家族で人狼をやったときは人狼をひきあてたら嬉しくて顔に出てしまい、
すぐにばれてしまったそうです。
ここまでやたら質問メールに答えてばかりにみえますが、
実は質問メールや詰め将棋の回答の応募が殺到しすぎてメールフォームがパンクし、
応募できなくなるというハプニングもありました。これが竜王名人の人気ですか。
午後は大盤で初手から並べなおす時に、
先手後手を入れ替えて渡辺王将の気持ちになって見てみようということに。
最初は不思議な感覚でしたが、慣れればこちらも面白そうですね。
ただし渡辺王将が猛攻される展開だったのでさらに希望が無くなったように思えました。
注目のおやつタイムは羽生三冠の手番で迎えましたが、渡辺王将は待たずに食べました。
渡辺王将は形勢が顔に出る方ですが、
もうだめだと思っている時はおやつを待たないという法則もあるかもしれません。
森内名人のおやつはLeTAOのドゥーブルフロマージュ。おいしそう。
ティロフォンは鈴木大介八段でした。
立会人は終局時には対局室にいるのですが、
早めに終わりそうなのでいつ入ればいいのか森内名人に聞き、
森内名人は立会人が入ると緊張するのでまだ入らない方がいいと答えていました。
ティロフォン中に手がぱたぱたと進んだので、
投了前に部屋に入らないといけないと早々に退散しましたが、
間に合わなかったのか気を使ったのか、結局投了時に部屋にいませんでした。
ソフトによると33手詰めだったそうで、
負けるとタイトル挑戦失敗かつ自玉に詰めろがかかってるという状態で、
33手詰めをきっちり詰ますのだから凄いと思いました。
終局後に時間があったので質問メールに答えていました。
森内名人が振り駒を数千回振って、
歩が表になりやすいというデータを得たという都市伝説には、
1000回も振ってないが100回くらい振ってだいたい同じだったので辞めた、
と答えていました。噂は大きくなるものですね。100回もすごいですけど。
また、定刻で封じ手になる直前に、立会人がそれでは封じ手をというタイミングで、
「あ、指します」と言って指したのはだいたい事実だそうです。
今ならありがたく封じ手をさせてもらいますとも言っていたので、
封じ手する方が有利と見ているんでしょう。

これで3勝3敗となり、第7局に勝った方が王将ということになりました。
第7局は振り駒で先手後手を決めますが、
渡辺王将は後手番で振り飛車をしたり、今日は後手急戦矢倉で敗れるなど、
後手番で指す戦型に苦労しているように思います。
また、3月は3日、5日、7日と対局があり、棋王戦も16日、負ければ23日と続き、
複数タイトルを持つ厳しさがいよいよ出てきました。
王将戦の第7局は26、27日で、棋王戦も16日と23日に敗れると31日に対局となり、
重要な対局が続きます。
将棋のタイトルホルダーは意外に体育会系じゃないと務まらないんでしょうか。

王将戦第7局のニコニコ生放送は、
初日の解説が中村太地六段で聞き手が安食総子女流初段、
二日目は解説が久保利明九段で聞き手が藤田綾女流初段です。
久保九段は関西所属なので、
ニコニコ生放送での解説は滅多に無いと思いますので見逃せません。
また、今週の土曜日から電王戦も始まります。
15日の第1局は解説が鈴木大介八段と中村太地六段、
聞き手が本田小百合女流三段です。こちらも今から楽しみです。

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