真田七段講演【将棋と人生の魅力&羽生名人の凄さ】


サニキこと真田圭一七段が、羽生さんの凄さを語る動画です。
最初に真田七段が説明している局面は振り飛車対居飛車穴熊の局面です。
羽生さんが15歳くらいの頃には、
お互いがベストポジションに駒組する理論はできていたとのことですが、
羽生さんの登場によってさらに理論が進み、
居飛車穴熊側が駒組が出来た段階で、
10回戦えば8回9回勝つということが解析されたと述べています。
そうなると羽生さんが15歳くらいの頃の、
お互いがベストポジションに駒組する理論はもう無意味なことになりますから、
羽生世代の藤井猛九段の藤井システム、近藤正和六段のゴキゲン中飛車といったように、
振り飛車側が新たな理論を創ることになりました。
次に真田七段が並べる横歩取りも、
やはり羽生世代の中座真七段が△8五飛戦法という新たな理論を創りました。
私が面白いと思ったのは、
一人の棋士が羽生さんの手を理解するのに一生懸命考えたことが、
今は理論が言語化されて教科書的になり、
小学生でも読んで理解すればいいというところまで落とし込まれているという話です。
羽生さんより若い世代は整備された理論を学ぶことが出来るため、
理論が言語化された環境では合理的な考え方をする渡辺明二冠が初代永世竜王になり、
四間飛車穴熊という独自路線で王位を獲得した広瀬章人八段が、
タイトル失冠後に矢倉や角換わりの将棋を指して理論を学びなおし、
今年A級に昇級したというのも面白い流れです。

藤井九段の藤井システム、近藤六段のゴキゲン中飛車、中座七段の△8五飛戦法は、
将棋が強くて棋士になった人が、
それまで自分を強くしてくれた理論を捨てて創った理論です。
羽生さんも例えば以前紹介した東京大学で羽生さんが講演した動画の中で、
横歩三年の患い、振り飛車には角交換、手損は避けよ、5筋の位は天王山、
という格言を紹介したうえで、
でもこれは今はそうではないんですよということを述べています。
現在の将棋の教科書を作るとしたら絶対入らないであろう格言を、
参考書を読みまくったであろう東大生を相手にわざわざ言うくらいですから、
それまでの価値観とか権威とか、
そういったものを壊して新しい価値観を発見するのが本当に好きな人なんだなと思います。
歴史は繰り返すといいますが、
羽生世代の理論も覆ることになるんですかねえ。

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