電王戦リベンジマッチを30分で見る


あけましておめでとうございます。年末年始は帰省していてネット環境がなかったので、
さっそく電王戦リベンジマッチをタイムシフトで見てみました。
まだ始まってないのに評価値がツツカナ有利になっていて、
見所満載で面白かったです。別アングルに切り替える機能とかあったっけ。
解説が鈴木大介八段で聞き手が藤田綾女流初段。
特設会場はタイトル戦をやりそうな和風な部屋で、
何故かふすまを閉めていて見えないはずの廊下まで作ってありました。
大きなLEDパネルに四季折々の景色が映っていて、
地方のホテルでやるタイトル戦みないなのをイメージしたのでしょうか。
最初の駒を並べる時に、船江五段が玉を持ちました。
通常は先輩や目上の棋士が王将、後輩が玉将を持ちますが、
今回はリベンジマッチということで、
リベンジを目指す立場の船江五段が自ら玉将を選びました。
三浦初段が王将を持つ時に何か声をかけ、船江五段もそれでいいとうなずいていました。
ツツカナは4手目△7四歩で前回と同じ序盤になりました。
鈴木八段は研究にソフトを使っているそうで、前回のぶれぶれ解説とはえらい違いで、
3時間くらいで勝つのがベスト、2時間でもいいくらい、
1時間あれば2回くらい局面が揺れて難しくなっても考えがまとまると、
コンピュータに勝ちやすい流れを解説していました。
また、飛車先の歩を切らないのは、その局面では他にポイントが高い手があるからで、
歩を切る手は局面が進んだときに価値がでるので、
コンピュータの評価が低いそうです。
将棋は前回の電王戦と同じ進行になりました。
ツツカナが仕掛ける△7六歩に▲同銀からの研究で、
鈴木八段が見つけた▲9八角という手を、
船江五段はいい手ですねーと言ってたそうですが、
船江五段は▲同銀ではなく▲6八銀を選択。
自分の見つけた手を指してくれると思っていた鈴木八段がっかりでした。
ただし▲6八銀の展開でも、鈴木八段が見つけた▲5七銀右という手があって、
先手がいいはずだからきっと船江五段は指してくれるとさらにフラグをたてます。
その後電王戦タッグマッチの話題になりました。
鈴木八段「将来は50手くらいまで藤井さんに指してもらって…。」と大失言?
多分見てないから大丈夫と言う鈴木八段ですが、
これタイムシフトありますよと言われて動揺してました。
そこでツツカナが検討と違う手を指して、
鈴木八段の見つけた▲5七銀右という名手?は幻となりました。
また、鈴木八段はコンピュータは攻め将棋というイメージだが、
負けていると思ったら攻めてこないので、
ある程度優勢になったら強気に対応すると不利を悟って攻めてこなくなる、
下手におさめようとする方が負ける、
勝つときは圧勝で、1手差で勝つことはほとんどないと、
コンピュータと対戦を重ねた経験を述べていました。
また、逆算で考えるタイプの棋士は負けやすく、
順に手を読んでいく棋士の方が勝ちやすいそうです。
鈴木八段は逆算型なので相性が悪いらしい。
鈴木八段は負けた将棋はかなり研究して、勝った将棋は忘れていると言っていましたが、
山崎八段は逆だったような。
船江五段は昼食休憩までに消費時間2分。
早指しですが、コンピュータ相手だとこのくらいがいいという研究なのでしょう。
午後からは塚田泰明九段が解説になりました。船江五段が優勢だからか嬉しそうです。
前回の電王戦でも船江五段が優勢だったので、
塚田九段は2勝1敗でまわってくると喜んでいたらしく、
船江五段が負けた後は1週間へこんでいたそうです。
コンピュータは自分に甘いので、
コンピュータの評価値から100引いたくらいがちょうどいいと、
こちらもコンピュータ相手に頻繁に指していることをうかがわせてくれました。
加藤一二三九段は鰻をやめて寿司と冷やしトマトにしていたはずですが、
塚田九段が昼休憩のとき鰻が部屋にあったよと暴露。
おやつに食べている説が浮上します。
その後遠山五段がゲストに登場。
船江五段は振り飛車にすることも考えてたらしいです。
コンピュータ将棋は歩切れにうるさく、歩切れの方の評価が低いと、
こちらもコンピュータの癖を見つけていました。
情報交換ができていれば春の電王戦は相当棋士はやれそうな気がしますが、
棋士は一匹狼の集団だからなー。
テレフォンショッキングには谷川会長が登場。
電話出演が定跡として定着するのでしょうか。
船江五段が負けると自分も船江五段と対局しにくいので勝って欲しいと言ってました。
局面が進みツツカナが船江五段に▲6二歩という手があると見つけると、
評価値も船江五段有利に傾きました。
解説には度々登場していた手なのですが、
その瞬間歩切れになるのでコンピュータには見つけにくい手なのでしょうか。
その後ゲストに竹俣紅女流が登場します。
激指13の読み上げや秒読みの声を録音したり、
制服や私服でいろんな表情を撮ったりしたそうです。
塚田九段と竹俣女流の解説になりましたが、
竹俣女流は塚田九段の娘さんと同学年らしく、親子で解説してるみたいでした。
竹俣女流も激指13と研究しているとのことで、
棋士の研究にコンピュータが完全に入り込んでいる現状がうかがえます。
船江五段が記録用紙を見ていたが、これは自信があるときにやる癖らしいです。
無くて七癖とはよく言ったものですね。
コンピュータは去年と比べて、
評価値の正確性や詰ます前の寄せの構図もうまくなっているらしいです。
棋士からこういう意見を聞くと、
ずいぶんコンピュータ将棋の解析が進んでいるんだなあと思います。
終盤は塚田九段と鈴木八段のダブル解説になりました。
コンピュータ相手に対しての勝ち方が、船江五段はうまくなったと感心していました。
局面の解説を最終盤まですすめて、これは流石に詰みでしょーと言う鈴木八段に、
一応最後まで並べて見ましょうと塚田九段が言い、
詰まずにあれーという鈴木八段に、
こうやって負けるんですよと塚田九段がつっこんでいました。
塚田九段はコンピュータ相手にも切り合いの将棋を指すことが多く、
よく逆転されるとぼやいていましたが、経験者は語るということでしょうか。
香川女流王将がゲストに登場。
同じ関西の船江五段とも話すことが多く、船江五段は電王戦の後に、
どんな手を好むのかまで分かった相手に対して、
残念な将棋にしてしまったと悔いていたらしい。
女流王将をとって2ヶ月が過ぎたが、責任をいろいろ考えるようになったと述べていました。
番長と呼ばれたときの面影がちょっとドSだっただけであまり無かったです。
鈴木八段はコンピュータ相手に対局をすると待ったしたくなる癖がついたそうで、
だいたい負けるときはすごいのくらう、
王様を固く囲ってもすごい攻めがとんでくるので、バランス重視で指した方が勝ちやすい、
と見解を述べていました。もともと手厚い将棋ですしね。
コンピュータと大舞台での勝負と言うと渡辺明竜王対Bonanzaが最初だと思いますが、
その時は王様を固く囲いあう相穴熊の戦いだったので、
コンピュータ相手にどう戦うのが勝ちやすいのか、
という研究も各棋士の中では進んでいそうです。第三回電王戦は情報共有が鍵でしょうか。
とうとう詰みが見えなくなった鈴木八段は、
これは詰みでしょーと言いつつ藤田女流にわかった?と振るようになってしまいます。
その後の鈴木八段「まぎれなし。そろそろ油断してもいい」
さらに鈴木八段「これ詰み逃したら…。これは詰みなんですね…。あれ?」
そして詰ませられない鈴木八段。近年不調の原因はこれですよね絶対。
ほぼ勝ちとなったところで師匠の井上九段がテレフォンショッキングで登場。
「今日はもうこれは大丈夫やと思うんですけど。
かっこいいですね。かっこよすぎますね。」
親ばかならぬ師匠ばかなコメント連発でした。
今日の対局場には井上九段の書いた掛け軸「動中求静」が飾ってあり、
戦いの中にも冷静さを持つという意味だと言った後に、
これ画面早く変えてと照れていました。
また、▲6二歩を打つとき評価がコンピュータ寄りになったので心配だったと、
師匠らしい感想を述べていました。
テレフォンショッキングが終わり間もなくツツカナの投了になりました。
リベンジ成功です。
この後船江五段は佐藤慎一四段とおいしいお酒を飲めたことでしょう。

対局後のインタビューの船江五段のコメント抜粋
前回の戦いでは▲5六銀を読んでいたので今回の対応も時間を使わずに指せた。
もう1局指したかったのでリベンジマッチを受けた。
コンピュータの強みは粘り強さ。
終盤の一直線の変化だと人間の方が深く読める。
序盤似たような展開になりやすい。
漠然とした粘っこい終盤戦だとコンピュータの方が強い。
人間だと手数は長いけど駒を並べれば詰みといったような局面でも、
コンピュータは深く読めない。
この出だしだと十数局指して五分五分だった。
必勝法を探すという方法も考えたが必勝法は無いと考えてこの局面にした。
練習将棋ではツツカナはこの攻めをしなかった。
勝負は時の運なのでたまたま私の番だった。

インタビューの後一丸さんが足がしびれたらしく、
辛そうに立ち上がる一丸さんが笑いをかっさらってました。
最後に大盤で感想戦がありました。
船江五段も一丸さんもほっとしたという感想でした。
切り合いが身上の船江五段ですが、コンピュータ相手の場合は、
目に見えて勝ちじゃなかったら寄せ合いはしない方がいいという見解だそうです。
今回は前回のように終盤から中盤へといった流れになっても、
1時間くらい残っているように持ち時間3時間のつもりで指したとのことで、
これは時間を使わなくても序盤でリードできるという自信からなのかなと思いました。
最後に船江五段から第三回電王戦に出場する弟弟子の菅井五段へ、
しっかり力を出し切れば勝てるはずなので普段通り力を出し切って欲しい、
とコメントが出たところでめでたしめでたしとなりました。
大晦日に見たかったなあ。