新ヒーロー登場 やねうら王さん「これ、あかんヤツや!」


ponanzaよりもレーティングが下、実力が下だと考えたやねうら王こと磯崎さんが、
勝率を最大にするにはどうすればいいか、というテーマで考えたのが、
必勝!やね裏定跡と三倍頑張るファーファ作戦でした。
ponanzaは必殺!やね裏定跡は回避できましたが、
三倍頑張るファーファ作戦には嵌ってしまい、
将棋が強いponanzaの山本さんは、
観戦中に結構冷や汗をかいたのではないかと思います。

羽生善治、岡田武史著「勝負哲学」より岡田監督の話

サッカーはフロックがいちばん多い競技でもあります。
あるふたつのチームが十回戦ったら、
何勝何敗でどっちが勝つかという確率はかなりの精度で予想できるんです。
しかし、トーナメントみたいな一発勝負となったなら、
その確率はにわかに当てられなくなります。
戦力比較にもとづく事前予想がもっとも裏切られるのがサッカーじゃないかなあ。
これを逆にいえば、サッカーは「弱者の戦略」が立てやすいスポーツであるともいえます。
たとえば、日本代表の監督として力が上のチームと戦うとき、
私はよくこんなふうに考えたんです。
「あの強い相手と十回戦っても勝てるのはせいぜい三回くらいだろう。
その勝てる三回はおそらくこんな戦い方をした場合だろう。
その戦い方をするためには何が必要だろう。
その小さな勝てる可能性を最大まで高めるにはどうすればいいだろう」
そんなふうに、
「勝てる偶然性」を少しでも蓋然性にまで高める模索をしょっちゅうくり返していました。


自分のソフトの勝率を冷静に考え、
弱者の戦略をコンピュータ将棋の世界に持ち込んだのがやねうら王の磯崎さんでした。
結果は堂々の4位ですから、有効性が証明されたと思います。
動画の最後にponanza評価値がプラスに転じているのを観て、
「これ…あかんパターンのやつや…」と意気消沈してましたが、
実はこの後終盤まで優位を保っていました。
ご本人もブログで
この局におけるやねうら王は、私の期待以上の働きだった。
やねうら王の善戦ぶりに拍手を送りたい。
と述べています。
コンピュータに弱者の戦略が通用するというのも面白い話です。

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