将棋 脳内対局10秒将棋 2009


藤井猛九段と佐藤康光九段の脳内10秒将棋の対局動画です。
佐藤九段は若い頃にお酒の席で、目隠し十面指しまで大丈夫とうっかり言ってしまい、
将棋祭りでの目隠し三面指しや、
日本記録となる五面指しなどをやらされる羽目になっています。

近代将棋1997年7月号より

これはかなり苦戦を強いられるのでは?と思いきや、あっさりと三連勝。
一回の反則もなく無事こなしてしまった。
対局を終えて控え室に戻ってきた佐藤八段に、神吉六段が
「今度は五面でもいけるんとちゃう?」
と言うと、
「もうイヤです。十面まで大丈夫って言ったのは酒の上の席でのことですから」
しかし、私が、
「やっぱり五面は大変だよね」
と言うと、ちょっとカチンときたのか、
「イヤ、正直言って七面までならできると思いますよ。絶対やりませんけどね」
それを聞いてニタッと笑った神吉先生であった。

将棋マガジン1996年2月号より

挑戦者は以下の五人。
K君。川崎市小学五年生。将棋連盟道場でアマ2級。
Cさん。41歳。システムエンジニア。アマ初段。
甲斐智美さん。川崎市長沢小学校六年生。女流育成会会員。アマ四段。
ISさん。39歳。石油プラント関係会社員。アマ三段強。
IWさん。32歳。通信建設会社社員。元明大将棋部レギュラー。アマ四段強。
<中略>
まず三時八分。矢倉の急戦で臨んだ甲斐さんが投了。
続いてISさんとK君も投了に追い込まれた。
いずれも佐藤プロの完勝。
反則がなければ勝つのは当然だが、一手の緩みもなく完璧に寄せ切るところがすごい。
記録を採った勝又環初段(前回、森内プロの三面指しでも記録係を務めた)は
「前回のことがあるから、五面は難しいと思っていました。
プロでも、同じことをできる人は二、三人しかいないと思う。素直に感動しました」という。
「素直に感動した」。これは記者も同じ気持ちである。
竜王戦七番勝負の真っ最中、
忙しい日程の合間を縫って佐藤プロはこの企画に挑戦してくれたのだ。
静まりかえった対局室、大勢の観客が息を殺して見守る中、
目かくしをした状態で、びしびしと急所に駒を進めて行く(言葉でだが)佐藤プロの姿は、
オーバーではなく、神がかり的に見えた。
午後三時三十五分。善戦していたCさんが投了。
<中略>
午後三時三十八分。IWさんが投了して、ついに佐藤プロの五面指しが成功した。
わっと沸き起こった大きな拍手。いいシーンだったなあ。


挑戦者の中の甲斐智美さんとは、現在の甲斐女流王位です。

ブログランキング・にほんブログ村へブログランキングならblogram