第71期 将棋名人戦森内名人vs羽生三冠 第5局 渡辺竜王解説1/2


第71期 将棋名人戦森内名人vs羽生三冠 第5局 渡辺竜王解説 2/2 仮


森内名人が羽生三冠の挑戦を受けた第71期名人戦の決着局を、
渡辺明三冠と戸部誠六段が解説しています。
事前に打ち合わせをしたかのような小ボケあり、矢倉の定跡の進化の歴史解説あり、
本譜そっちのけの研究会ありの楽しい動画です。
これだけの解説をするのに、
いったいどれだけの棋譜を覚えて精査しないといけないのかを考えると、
棋士の普段の勉強と頭脳に驚きを感じます。
そしてそんな棋士達ですら見つけられなかった盲点を見つけ、
準備してきた森内名人のすごさも感じました。

梅田望夫著「シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代 」より

各国でトップクラスの実績を上げてアメリカにやってくる若者たちと渡辺に共通するのは、
自由闊達で、合理的なものの考え方をし、強気で、鼻っ柱が強くて、
頭の回転が速く、早口でよくしゃべり、開放的で、
思ったことをどんどんオープンにしていく、といったところである。
そして子供時代から特別な才能を認められた代償に厳しい競争環境の中で育ち、
「才能って結局は努力のことだよな」
と言い切れるだけの精進を続けてきており、そのことが深い自信の拠り所になっている。
だから自分に厳しい分だけ他人にも厳しく、他者を評価するときの表現が、
若さゆえに辛辣になりやすい。
そういうところも本当によく似ているのだ。


渡辺三冠の解説は、難しいことのはずなのに分かった気にさせてくれますが、
合理的な考え方というのが大きいように思います。
また、難しいことをわかりやすく表現する能力、
大盤の使い方や言葉の選び方に頭の回転の速さを感じるとともに、
将棋界を背負って盛り上げていくぞという覚悟を感じました。

渡辺明著「頭脳勝負―将棋の世界 」より

棋士は将棋を指すことによってお金をもらっていますが、
これはプロが指す将棋の勝ちを認めてくれるファンの方がいるからです。
スポーツ等と同じで、見てくれる人がいなければ成り立ちません。


渡辺三冠は強さ以外にも魅力溢れる棋士です。
若手の棋士でブログやTwitterで情報発信する棋士が増えているのは、
渡辺三冠と同じ危機感を共有しているから、というようにも思います。

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