第71期名人戦七番勝負第5局は森内名人が羽生三冠を破り、
4勝1敗で見事防衛を果たしました。
これで森内名人は名人位三連覇、通算八期となります。
それにしても森内名人は強いです。
A級順位戦を8勝1敗で駆け抜けた羽生三冠の挑戦を4勝1敗で退けるとは…。
また、将棋の内容も圧巻でした。
第1局、第2局は相掛かりの将棋でしたが、先手番後手番で往復びんた。
第3局は角換わり腰掛銀で羽生三冠が勝ちましたが、
第4局、第5局は相矢倉で、先手番後手番往復びんたと名人にふさわしい横綱相撲でした。
特に第1局の羽生三冠の初手▲2六歩はそれまで1年間指したことがなく、
平成23年度も3局のみという秘策でした。
名人戦の初戦でとっておきを出した羽生三冠に対して勝利を収め、
勝負の流れをぐいっと引き寄せました。

森内名人が初めてタイトルを獲得したのは2002年の名人位。
同世代の羽生三冠の初タイトルは1989年の竜王位ですからかなり遅咲きです。
頭脳スポーツで42歳になってなお強くなり続ける、
持ち時間が長ければ極限まで100点に近い手を指せる、というのは驚愕です。

大切なのは「年齢」でなく「情熱」。
それさえ失わなければ、きっと、何歳になっても新しい発見があり続けるに違いない。


ソースはわからないんですが森内名人の言葉です。
名人位についた後に何を発見したのでしょうかねえ。
立場が人を育てるとも言いますが、
名人位が家元制から実力制に変わったことで産まれた怪物、森内名人をそう思います。

古くからの歴史と伝統を破った責任は私一人が負うつもりだった。
もし私の考えが間違っていたら、その罰として地獄のどんな責苦も受ける覚悟だった。


これは300年以上続いた伝統を廃して、
実力制名人に移行された関根金次郎十三世名人の言葉です。
今期の森内名人の指しまわしは、
関根金次郎十三世名人も喜んでくれるものだったと思います。それほど圧巻でした。

実力制への移行についてはこちらの動画をご覧ください。
将棋界の偉人達

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