第2回将棋電王戦 エンディング PV


第2回電王戦が終わりました。
PVには第1~3局の対局者である阿部光瑠四段、佐藤慎一四段、船江恒平五段の
後日談もありますのでぜひご覧ください。

コンピュータが見せた温故知新

第5局にGPS将棋が細いと思われる攻めを仕掛けましたが、
じつは同じような陣形で仕掛けた将棋が1982年にありました。

塚田泰明 vs 田中寅彦 1982-09-17 全日プロ

この対局を先後反転すると、仕掛けた側の陣形が、
端歩を突いていないだけというかなり似ている局面になります。
しかも仕掛けた棋士は第4局に登場した塚田泰明九段(当時は四段)で、
この対局も仕掛けた側の塚田四段が勝っています。
塚田が攻めれば道理が引っ込むから30年、GPSが攻めれば道理が引っ込みました。
田中寅彦九段もTwitterで、
昨日塚田九段と打ち上げの席で、
「我々の若い頃と同じような無理気味の仕掛けだったね」と懐かしく話しました。
コンピュータの進歩を感じます。

と語られています。
GPS将棋の開発者で記者会見の場で答えられた金子さんは、
1990年以降の棋譜だけ定跡として記録しているとおっしゃっていますから、
この棋譜はデータベースには無いのでしょう。
東大にある679台のコンピュータが見せた温故知新。すごいドラマでした。
とはいえ何故この手がこんなに以前に出ていたのに、
誰も後に続くことなく忘れ去られてしまったのでしょうか。

「若者の才能を解き放て」2002年7月1日[日経ビジネス]より羽生さんの話

私は今31歳で、年下の人と対戦する機会が増えてきました。
そこで思うのは、後輩の将棋はしっかり見なければいけないということです。
例えば、4段5段の人や、まだプロになっていない人と指した時に、
その人の手が分からないことが時々あるんです。
どういう意図で指した一手なのか分からない。
対局が終わって、あれこれ考えたりしていると、
あっ、こういう方針だったのかと気づくわけです。
できるだけ情報を集め、最新の型も研究しているつもりですが、
それでもこういうことがある。恐らく私の中にも固定観念が形作られているのでしょう。
プロの将棋界は百数十人の世界ですが、いつも対戦する相手は10人程度。
同じようなメンバーの中で指し続けているうちに、
その中である種の暗黙の了解のようなものが出来上がる。
これはきれいな手であり、これは筋が悪いといった仲間内の共通認識が形成されていく。
このままでは変化に対応できなくなってしまう。
それだけは避けたいですから、若い人たちの将棋は極力意識して見るようにしています。


プロの棋士は百数十人、狭い世界ですから当然固定観念が作られていきます。
その固定観念で、この手は見込みが薄いと切り捨てられた手が、
GPSが仕掛けた手だったのだと思います。
羽生さんは若い人たちの将棋は極力意識して見るようにしていると述べていますが、
今後はコンピュータも固定観念を取り払うツールとして、
研究の場に入り込んでいくのかもしれません。
今後プロ棋士がコンピュータ将棋の進歩にどう接していくのか、
21世紀の人類の生き方、伝統とテクノロジーの付き合い方を示唆してくれると思います。

動画の中で船江五段が師匠の井上慶太九段に恩返しをしました。
4月26日(金曜日)、今度は阿部光瑠四段が師匠の中村修九段に挑みます。
予選なので中継は無いのですが、どのような将棋になるのか注目ですね。

電王戦関連リンク

将棋観戦記

将棋・序盤のStrategy

Slashdotのストーリー
第2回将棋電王戦、第5局はGPS将棋の勝利。コンピューターがプロ棋士に勝ち越す

ブログ内の記事
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第2回電王戦第2局、Ponanza対佐藤慎一四段
電王戦第3局はツツカナが船江恒平五段を破る
電王戦第4局、Puella α対塚田泰明九段は引き分けに終わる
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