第2回将棋電王戦 第3局船江恒平五段 vs ツツカナ PV


なんだか師匠の井上慶太九段がいい味出しすぎていて、
師匠のPVになってしまったような気がしますが、井上九段はいい人なので仕方ないですか。
弟子の船江恒平五段もこれでいいと思っていることでしょう。
井上九段門下のプロ棋士は3人いますが、いずれも若手有望株です。
稲葉陽六段が竜王戦5組優勝、翌年4組優勝、
菅井竜也五段が第5回大和証券杯ネット将棋・最強戦優勝、
そして船江恒平が加古川青流戦優勝と、着実に実績をあげていますが、
これも井上九段の人柄によるものだと思います。PVからもうかがえますね。
下記は井上九段が初めて順位戦で昇級されたときのことです。 

将棋世界1990年5月号昇級者喜びの声より

昇級する事が、こんなにも嬉しい事だとは思わなかった。
それにしても四段に昇段したのが58年春、それからは本当に長く辛い7年間だった。
特に前期は最悪だった。最終局初めて昇級の一番を迎え、終盤必勝形を築きながら、
相手の形作りの手に対して、とんでもない大ポカをやらかしてしまい、
大逆転負けを喫してしまった。
茫然自失となった僕は毎日浴びる程、酒を飲んだ。もうやけくそだった。
将棋をやめようとさえ本気で考えた。
そんな落ち込んでいたある日、某先輩から手紙を頂いた。
その手紙には、―残念な結果になってしまったけど、報われない努力というのはないと思う。
決して悲観する事はない。自信を持って臨めば来期は絶対上がれる―。
一人暗い部屋でこの手紙を何回も何回も読み返した。
涙が止めどなく流れてどうしようもなかった。どれだけこの言葉に勇気づけられたか知れない。
今期、腐らず将棋を指す事が出来たのも、その御陰である。
最終戦、
終わって感想戦の最中上がった事を知らされた時の感動は忘れる事が出来ないだろう。
長かった7年間の色々な想い出が走馬灯の様に頭の中をよぎり、
感想戦もうわの空の状態だった。
最後になりましたが、僕を励まし、又心配して下さった方々、本当にどうも有難うございました。
これからもより一層頑張ります。


上記で出てくる手紙を出した某先輩とは、
井上九段の兄弟子で当時名人だった谷川浩司九段です。
昇級とは順位戦のことで、C級2組からC級1組に7年かかった井上九段ですが、
弟子の船江五段はなんと1年で、しかも全勝で昇級しました。
C級2組を1年で抜けたのは屋敷伸之九段以来22年ぶりの快挙で、
船江五段の才能がうかがえます。

一方、ツツカナの開発者である一丸貴則さんは、将棋世界4月号で次のように述べています。

将棋世界2013年4月号より

自分のプログラムが棋士の方と勝負をするなんて夢のような話だと思いました。
その反面、プロの世界にコンピュータが介入することを不安に感じました。
<中略>
どの手をどの程度深く読むかを、プロの方の棋譜を基に自動調整しています。
そのため読みの方針が人間に近くなっていると考えられます。
また、ほかのプログラムと比較して入玉模様の将棋は強いほうだと思います。
<中略>
コンピュータと違って人間は日々反省して進歩するので、
弱点を探してそこを突くのは一発勝負では危険だと感じます。
ただ、定跡選択の段階で
コンピュータが苦手な戦型を選ばないようにする程度のことはしたいと思います。
<中略>
お互いに力を出せるように勤めたいと思います。よい対局にしたいです。

お互いに力を出せるように勤めたいと述べている一丸さんですが、
ブログを見ると船江五段にソフトを提供したり、船江五段がお返しに棋譜を提供したり、
いろいろと協力していることが伺えます。
ここまでの協力関係はこれまでの2戦ではなかったと思いますので、
第3局がどのような展開になるか注目です。



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