第2回電王戦の第1局、阿部光瑠四段対習甦の対局は、
阿部光瑠四段の勝利で終わりました。

対局のまとめ

習甦の開発者である竹内章さんは対局場に和服で登場し、
和服とノートパソコンという見慣れない光景が画面に広がって、
対局にかける思いが伝わって見ている人を楽しませてくれました。
和服は祖父の遺品で、竹内家の家紋が入ってるとのことです。

阿部光瑠四段はスーツ姿で登場しましたが、
対局中頻繁に鼻をかんでいて、少し体調が悪そうでした。
終局後の記者会見で、花粉症とアレルギーと風邪と言っていました。
フルコースじゃないか・・・

対局開始から30分ほどは竹内さんが指して、
それ以降は奨励会の三浦孝介初段が、
習甦の指し手を代わりに指すという形で対局が進みました。
三浦初段は阿部四段と仲がよく、阿部四段のリクエストだったそうです。

午前中は穏やかに駒組みが進みました。
私はソフトが序盤もっと早く指すと思っていたので意外でした。

そして将棋ファン注目、阿部四段の昼食は・・・

うな重(松)+まぐろづくし(特上)
特上(中トロ4カン・大トロ4カン) 2,800

こんなに食べるなんてすごい気合ですが、
特上寿司の半分ほどは三浦初段にあげたそうです。
後輩思いのいい先輩じゃないですかー。
人類対コンピュータの戦いだなどと周囲は騒いでいるのですが、当の本人は余裕がありますね。
大物っぷりを見せてくれました。

午後に入るといきなり習甦が攻撃を仕掛け、局面があわただしくなりました。
人間の感覚では無理気味な仕掛けですが、
コンピュータはこういう無理を通してしまうというのは、
対局したことがあるアマチュアの方ならご存知かと思います。
ところが今回は攻撃を受けている側はプロ棋士です。
ここからアマチュア相手とは違いコンピュータの攻撃を受け止めてしまいました。
勝敗が決まってからの悪あがきというコンピュータの癖も出ましたが、
最後は大差がついて投了し、阿部四段が勝利となりました。

ニコニコ生放送
来場者数 :243,166
コメント数 :430,650

放送終了後のアンケートでは、
とてもよかったとまあまあよかったで99%になりました。
将棋のイベントで24万人集客とはネットならではですね。

対局後インタビュー

阿部四段

順位戦が終わってから毎日持ち時間4時間の対局をした。
その後に1時間くらいの対局もした。
4時間の対局は20局以上指した。
1分将棋だと優勢でもひっくり返されるので終盤に1時間くらい残したかった。
これをやるという作戦は決めてなかった。
対局前は緊張したが、盤の前に座れば将棋は将棋。
▲3四歩に習甦が△同銀と取ったところで勝ちを意識した。

竹内さん

習甦は60手目くらいから無理気味だと理解し始めた。(仕掛けは34手目)
コンピュータは1秒に千数百万手読むスペックだった。
プログラムのどこを修正しないといけないのかは今は何もわからない。

この対局の観戦記は、作家の夢枕獏さんとのことです。こちらも楽しみですね。

生放送中のゲスト

対局中にゲストとして、最終局に登場する三浦弘行八段が来ていました。
三浦八段は、30秒で数百万手読むくらいのコンピュータなら楽勝、
数億読むコンピュータだと、早指しならやや苦戦すると言っていました。
弟弟子の阿部健治郎五段も来ていましたが、
今どきの若者風の歯に衣着せぬ発言がよかったです。

矢内女流「阿部五段はどう思いますか?」
阿部五段「私は関係ないので
三浦八段「引き受けなきゃよかった」
阿部五段「GPSに勝ったら100万円に比べると割りに合わない仕事だなー

確かにその通り(笑)。

阿部四段は持ち時間6時間の順位戦では現在C級2組、
今期は6勝4敗の成績でした。
こんな完璧な受けきり勝ちをする人が6勝4敗とはプロの世界は恐ろしい。

印象に残った言葉

解説の阿久津七段
「コンピューターは古くなった定跡も忘れずに覚えてるのが逆に問題」

確かにこれを覚えろとデータを入力するよりも、忘れろと消す方が難しい。

▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲7八金△8五歩▲2二角成△同 銀
▲8八銀△7二銀▲3八銀△3二金▲7七銀△6四歩▲9六歩△6三銀▲9五歩
△4二玉▲4六歩△7四歩▲6八玉△7三桂▲4七銀△3三銀▲5八金△3一玉
▲5六銀△5四銀▲7九玉△2二玉▲3六歩△5二金▲3七桂△6五桂▲6八銀
△8六歩▲同 歩△同 飛▲8七歩△7六飛▲6六歩△同 飛▲6七銀上
△4四角▲8八角△5六飛▲同 歩△8八角成▲同 玉△4四角▲9八玉
△6九銀▲6八金右△7八銀成▲同 金△5七桂成▲7六銀△7五歩▲8五銀
△6七金▲8八金△4二金右▲7一飛△5六成桂▲9一飛成△8四歩▲同 銀
△7六歩▲7八歩△6六角▲5一角△4一金▲6二角成△4二金上▲5一馬
△3九角成▲1八飛△6六馬▲8二龍△8六歩▲3五歩△8七歩成▲同 金
△1二玉▲3四歩△同 銀▲4二馬△同 金▲同 龍△2二角▲3一銀△3二歩
▲3三歩△同 馬▲同 龍△同 桂▲4二角△2一飛▲2二銀成△同 飛
▲3一角打△2一銀▲3六香△8六歩▲同 金△8五歩▲同 金△7七歩成
▲同 歩△8六歩▲3四香△8七歩成▲同 玉

まで、113手で阿部光瑠四段の勝ち。



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