王将戦が終わり、挑戦者の渡辺明竜王が佐藤康光王将を破り、二冠を獲得しました。
将棋の内容は第1、2局は渡辺竜王が優勢のまま押し切り、
第3局は佐藤王将が優勢から渡辺竜王の攻撃を受けきり、
第4、5局は佐藤王将がいい局面もありましたが渡辺竜王の逆転勝ちでした。

将棋は逆転のゲームで、終盤に入っても何故か逆転の要素がそこら中にあるのですが、
渡辺竜王がうまく終盤まで時間を残し、じっとチャンスをうかがっているのが印象的でした。
佐藤王将は序中盤で時間を使うことが多く、
そのことが逆転を生む要因になってしまいました。

シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代」より

プロ同士はわずかな差で戦っていて、どこで勝負がつくかがなかなか分からない。
思わぬところで勝負がつくということもあるが、戦っているうちに、
どこで形勢が逆転したのか分からないまま指していることがある。
それが最初の20手目の局面であるときもあるし、
本当に投了する最後の直前のときだったりもする。
これを予期するためには、やはり鋭敏な感覚が不可欠。
逆に、これがないとチャンスをつかめない。
だから、お互いに感覚を研ぎ澄まし、お互いにピンチを切り抜けた結果が、名局となる。

佐藤王将はこういう考え方なので、
独創的な棋譜を残す一方で終盤時間が無いということも多いです。
時間の使い方、封じ手の駆け引きに気を遣う合理的な渡辺竜王とは対照的ですね。

現在渡辺二冠は棋王戦の挑戦者として、郷田真隆棋王とタイトル戦をしています。
将棋界には7個のタイトルがありますが、そのうち3つをとり、
他のタイトルにも挑戦ということになれば、
1年中厳しい番勝負をしている日常に身をおくことになります。
環境は人を育てるといいますが、
羽生三冠をものすごいモンスターに育ててしまった環境のひとつが、
この厳しい番勝負をしている日常だと思います。
1992年度から2012年度までの20年間で、年間タイトル戦登場が3回以上、
そのうち18年がタイトルの過半数である4回以上登場と、他の棋士と比べて圧倒的です。
渡辺二冠がこの日常に身をおくことができるか注目ですね。



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