棋士はカワイイ！ : 2014年07月

2014年07月

2014年07月22日14:23

カテゴリ: 動画

北浜七段思い出の詰め将棋

将棋魅惑の詰将棋 part1

北浜健介八段が詰め将棋のルールや用語を簡単な例題を元に解説し、

思い出の自作詰め将棋を披露する動画です。

北浜八段は詰め将棋作家かつ第4回詰将棋解答選手権の優勝者で、

詰め将棋に関しては詰む方でも解く方でも実績のある棋士です。

ニコニコでは穏やかな物腰と謙虚な人柄、

意外な展開に巻き込まれやすい体質から係長とも呼ばれていて、

解説なのに巻き込まれた山崎木村ぼやき感想戦の動画や、

勝ったのに巻き込まれてしまった石田和雄－ひふみん感想戦の動画では、

中間管理職としての生き様を見せ付けてくれます。

この動画では詰め将棋サロンで初入選した17手詰め将棋を披露してくれます。

詰め将棋を解いたことがある方ですと派手に駒を捨てる手順ばかり考えてしまいますが、

この詰め将棋はわざと筋悪な手と派手な手が両方あって、とても気持ちいい手順です。

詰め将棋のルールや用語を解説する時の例題は短手数の詰め将棋ですので、

こちらは解きながら楽しむことができます。

山崎木村ぼやき感想戦

序盤から山崎八段の猛攻を受けて敗北してしまった木村八段。

感想戦では数々の名言でぼやきまくり、

そんな木村八段をフォローする北浜八段と、

「そうでもなかったですけどねー」とフォローを一蹴する勝った山崎八段。

最後には3人とも黙り込んでしまう落ちも秀逸です。

石田和雄－ひふみん感想戦

角損ながら攻め切って石田九段に勝利した北浜八段。

しかし感想戦では石田九段と加藤九段のおじいちゃんコンビによる猛攻を受けます。

ぼやき芸の大ベテランで加藤茶さんと声質が似ている石田九段と、

自分が見つけた妙手に喜んで直前の局面から並べなおさせる加藤九段、

おじいちゃんズが元気すぎて何故か聞き手みたいな役割になってしまう北浜八段でした。

脳トレ7手詰
北浜健介著
￥1,296

タグ：: #将棋; #詰め将棋; #北浜健介; #早水千紗

2014年07月21日16:56

カテゴリ: コラム

ニコニコ生放送の将棋はここが楽しい！

1）みんな見てる！

ドワンゴ会長の川上量生さん曰く、ニコニコ生放送でよく見られているコンテンツは

・政治（←これはわかる）

・アニメ（←これはわかる）

・将棋（←何故？）

とのこと。土日に放送された菅井五段のリベンジマッチは60万人超え！

たくさんの人が見ているコンテンツの方がたくさんコメントが流れて楽しいです。

2）棋士は変人が多い！

最近では加藤一二三九段や竹部さゆり女流三段、株主優待生活の桐谷広人七段、

おやじギャグ解説の豊川孝弘七段といった方々がテレビに出演していますが、

将棋界には他にも多数の変人？がいらっしゃいます。

将棋界は勝った奴が偉い＆給料も高い、

という世界なせいか純粋で凝り性な人が多く、将棋以外に嵌っている事、

なんてテーマになると将棋そっちのけで雑談に全力投球となることもしばしば。

特にニコニコ生放送では何時間もかけて、

ゆるーい雰囲気で解説も雑談も進んでいきます。

かじりついて見るもよし、何かをしながらラジオ代わりに聴くもよし、

コメントや他のサイトで騒ぐもよしの何でもありコンテンツです。

3）おやつがおいしそう！

将棋のタイトル戦は1日や2日かけて1局が行われます。

そのため棋士が食べる食事やおやつは地元の名産品がどーんとでてきて、

中継ブログでも必ず画像付きで紹介されます。

注目度の高さから今月上旬まで争われた棋聖戦では、

おやつスポンサーまでつくようになりました。株式会社ブールミッシュ

ニコニコ生放送で解説している棋士や女流棋士にも当然おやつがでてきて、

特に羽生さんが解説に来た時はおやつがゴージャスなだけでなく、

最高級ステンレスを使用した二重構造により、

アイスが溶けにくく結露が出ないよう計算され、

江戸時代初期から続く金属用食器の技術とナノテクノロジーが融合したカップ、

アイスクリーム専用のすくいやすい角度に計算され、

先を薄くして口当たりをよくした、帝国ホテル仕様のスプーン

小さすぎてケーキがはみ出してしまう計算されていない皿、

お茶が入ったただの紙コップも登場し、グルメ番組顔負けのラインナップになりました。

4）棋士と会話ができる！

ニコニコ生放送では質問メールを募集しています。

内容は将棋とはまったく関係の無いものでもOKで、

群馬県のアピールポイント、今日のファッションのポイント、

小学2年生の息子が5級で伸び悩んでいます、映画に出演してくれますか、

等々様々な質問とは言えない事にも答えてくれます。

また、コメントを拾ってくれたりアンケートで聞いてくれたり、

タイトル戦が行われている現地から電話で棋士が出演してくれたり、

とても楽しませてくれます。

5）わからないを楽しめる！

福崎文吾九段「名人が指した手とか当たるわけないでしょ」

というわけで、将棋はゲームが進むにつれてどんどん複雑になり、

何が正解なのかわからない状況になります。

解説を聞いて分かったつもりになったり、解説と違う手が指されて棋士と一緒に悩んだり、

先手がいいと解説されればアンケートで先手有利と答え、

次の日に羽生さんが後手がいいと言えば後手有利と手のひらを返す、

同じ阿呆なら踊らにゃ損損とばかりに踊りましょう。

6）楽しむ姿を楽しむ！

対局中ものすごい真剣な顔で考えている棋士ですが、

解説では勝負事というプレッシャーが無いせいか、すごく楽しそうに駒を動かします。

子供の頃から取り憑かれているかのように将棋に打ち込んできた棋士達ですから、

笑顔できゃっきゃしながら解説している姿を見ると、

将棋の内容がわからなくてもこちらまで楽しくなってしまいます。

そんなわけでみんな将棋を観ようぜ！

将棋世界 2014年 08月号
日本将棋連盟編集
￥800

タグ：: #将棋; #ニコニコ動画; #ニコニコ生放送

2014年07月18日12:47

カテゴリ: 動画

豊川七段のおやじギャグ人気ランキング

ニフティ、テレビ出演とオヤジギャグの話

今年の5月20日におこなわれた第72期名人戦第4局の初日、

豊川孝弘七段と藤田綾女流初段がニコニコ生放送で解説したときの動画です。

この日は豊川七段が電車が遅れた影響で遅刻して、

最初は藤田女流が名人戦の解説を一人でやる羽目になったり、

豊川七段が映画の出演に誘われたり、面白い放送になりました。

動画では豊川七段のおやじギャグ人気投票ということで、

代表的な？おやじギャグ8個+その他でアンケートになりました。

1位　両取りーヘップバーン28.8％

2位　難解ホークス20.6％

3位　同飛車大学17.3％

4位　青野とるいち12.6％

5位　間に合わじ仁茂8.6％

6位　味よし道夫4.5％

7位　取ればービーバック2.3％

8位　コマネチ1.6％

※その他3.6％

両取りーヘップバーンは指導対局で女性受けがいいということでお勧めです。

将棋指し57人の日常
週刊将棋編集
￥1,663

タグ：: #将棋; #豊川孝弘; #藤田綾

2014年07月17日17:10

カテゴリ: 動画

郷田九段が故村山聖九段について語る

郷田真隆さんが村山聖さんについて語る

故村山聖九段は羽生世代の一人で、東の羽生、西の村山と並び称された棋士です。

広島出身ということで関西に所属していましたが、

東で羽生さんが七冠を取り、自身がA級になった時期に関東にやってきます。

動画で郷田九段は村山九段の将棋を、

「野性味溢れる、生きていたらどういう将棋を指すかなと時々思う」

と述べていますが、

順位戦で173手の死闘を演じた丸山九段や羽生さんは次のように述べています。

大崎善生著「聖の青春」より

「この将棋は負けを覚悟していました。
あの局面で桂を打たれれば勝てないことも知っていました。」と丸山は言う。
しかし、丸山は最後まで諦めなかった。
村山には村山の順位戦があるように、丸山にも丸山の順位戦があるのである。
「ひらめきをあやつるような将棋」と丸山は村山の将棋を表現する。
どんなに自分が深く読んでいたつもりでも、それは必ず村山の読みの範疇にある
というジレンマと丸山はいつも闘っていた。
驚異的な勝率をあげ無敵といわれた丸山の先手腰掛け銀に、
後手番を持ちながらも真っ向勝負を挑まれ、歯が立たない相手が村山であった。
丸山にとって村山こそが超えなければならない、
倒さなければならない相手だったのである。

───────────────

「本能的な感覚のよさに加え、20代になってからは序盤が非常にうまくなりました。
研究に基づいた理論的な面と、感覚の鋭さがうまくかみ合って強さとなっていました。
村山さんが少し悪いかなと思うような局面での、勝負手を見つけ出す本能的な嗅覚は、
真似できない独特の凄さがありました」と羽生は言う。
村山には見えない海を見ていた羽生は、
羽生に見えない海を見る村山に畏敬の念を抱いていた。
センス、感覚、本能。
羽生が語る村山将棋の特徴は経験や努力では埋められないものばかりである。

動画で郷田九段は病気のことは最初から知っていたと述べていますが、

村山九段は5歳の時に、

ネフローゼという腎臓の病気にかかっていることが判明していました。

同じ部屋で入院している自分より年下の女の子が死んでしまう、

という環境の中で、何か気晴らしにと父が教えたゲームのひとつが将棋で、

病院のベッドでひたすら本を読んで勉強したそうです。

「ひらめきをあやつる」ってどんな事なんですかねえ。

丸山九段の言うことは面白いけど難しいです。

※2015年1月29日追記
ネフローゼをフロネーゼと書いている箇所があったので訂正しました。
コメントでのご指摘ありがとうございました。

また、動画がリンク切れだったので修正しました。