棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

2014年02月

王将戦第5局は渡辺王将が圧勝

渡辺明王将に羽生善治三冠が挑戦している第63期王将戦第5局は、
渡辺王将が羽生三冠に勝利し、タイトル防衛に王手をかけました。

渡辺王将は最近後手番でゴキゲン中飛車を指していますが、
今局は先手番で、初手は▲2六歩と飛車先をつく手でした。
これは居飛車でいきますよ、矢倉にはしませんよという意味の手で、
去年のタイトル戦が矢倉シリーズだったことを考えると、
矢倉が煮詰まっているのか食傷気味なのかそんなところでしょうか。
それに対して羽生三冠は少し時間を使って、ノーマル角換わりの将棋になりました。

ニコニコ生放送では初日の解説が遠山雄亮五段、聞き手が本田小百合女流三段でした。
遠山五段は長身で早速顔が見切れていると突込みが入りましたが、
遠山五段が183cm、本田女流が150cmとのことで、かなりの凸凹コンビです。
深浦康市九段からのリレー質問は、
新婚ということでモバイル事業と奥様どちらを愛してますか、ということでしたが、
遠山五段「無茶苦茶ですよねこれ」。
前回の放送を見ていたらしく、深浦九段に何ですかあの質問と話したそうです。
奥さんですと答えてましたが、耳が赤くなってるよと突っ込まれていました。
山口恵梨子女流初段から本田女流への質問は、
クリスマスフェスタの様子はどうでしたかというものでした。
女流棋士が14人くらい出演したそうで、お酒を飲みながら将棋を楽しんだそうです。
加藤一二三九段とのペア将棋があり、本田女流は棒銀を予習していったそうで、
棒銀でしっかり勝つことが出来て加藤九段が大喜びだったそうです。
また、クリスマスは遠山五段は年末は対局がたてこむ時期だそうで、
対局の準備と仕事に追われてクリスマスは何もしなかったそうです。
本田女流は新婚最初のクリスマスですが、
自宅でケンタッキーのチキンとお酒を飲んで過ごしたそうです。
ずっと遠山五段は顔が見切れていたのですが、棋士は正座で前かがみで考えるので、
背が低い方が腰が痛くならなくてよいと言ってました。長身なりの苦労があるんですね。
どちらを応援していますかと言う質問には渡辺王将27.6%。羽生三冠72.4%。
まあ人気投票で羽生三冠に勝てる人は関西で聞いた時の谷川浩司九段くらいですか。
角換わりは角を打ち込まれる隙を作らないようにしないといけないので、
初心者の方には不人気な戦型ですが、
遠山五段は攻め将棋が好きな方は角換わりがいいと言っていました。
角を持ち駒にする分矢倉よりも攻撃力が高いのが理由で、
相掛かりは角を持ち駒にしつつ飛車先も切れるのでより攻撃的とのことです。
渡辺王将と遠山五段といえば、
ブログ研と呼ばれるブログを書いている棋士の研究会が有名です。
渡辺王将と遠山五段の他に、片上大輔六段、瀬川晶司五段がメンバーで、
片上六段が言いだしっぺだそうです。
片上六段が理事になった時に、スケジュールが合わないだろうということで、
遠山五段がこれからは飲み会だけやろうと言ったのですが却下されたとか。
今年は1月中旬にブログ研があり、研究会でも渡辺王将は強く、
こっちは当然一番の手を用意して行くんだけどなあとぼやいていました。
また、渡辺王将に子育ての話をしてもらう企画を準備中だそうです。
盤上では去年の竜王戦の、先手羽生三冠対後手森内名人で出た局面に、
今局では後手番の羽生三冠が誘導しました。
その時は先手番の羽生三冠が敗れ、森内名人が竜王を取ることになります。
昼食休憩明けに渡辺王将が仕掛けましたが、
この局面は前例が2局あり、先手の0勝2敗とのことで、
どこで渡辺王将が工夫を入れてくるのかが注目点になりました。
ここで立会人の深浦九段からティロフォンがありましたが、
副立会の阿久津主税八段が棋譜を見ながら独り言をつぶやいているとぼやいていました。
何を言っているのかとの質問には言えない事が8割から9割で、
将棋の研究内容で言えないんですかねーとフォローを入れる遠山五段を、
そうではないと一蹴していました。
また、現地の大盤解説に聞き手がいないとのことで、
陣屋に来て聞き手をしてくれる女性の方を募集してますとまさかの公開募集。
流石に聞き手しますという人は来なかったですけどね。
昔将棋連盟ではご主人様王手ですという番組をやっていて、
上司役の中川大輔八段に遠山五段が命令されて、
3人のメイドを半年で3級にするという企画をしていたことがあります。
遠山五段は流石に将棋を知っている人が来るんだろうと思っていたようですが、
桂を見てかつらですか?と聞かれた時はこの企画大丈夫かと思ったそうです。
また、最近ですと女優の高梨臨さんが出演した、
豊川七段と高梨臨のマンモス将棋基礎講座は遠山五段の企画だったそうで、
何かいい企画があったらコメントに書いてくださいと募集していました。
質問メールで遠山五段が記録係で印象に残っている対局を聞かれ、
遠山五段はどうしても明より暗な場面が印象に残るらしく、
佐藤康光名人が丸山忠久九段に名人位を奪取された時の対局や、
順位戦で他力で昇級がかかっている棋士の対局で、
その棋士が勝った後にライバルの棋士が勝ったという結果を、
10分くらいじっと見つめていた姿が印象に残っているそうです。
盤上では渡辺王将の攻め駒の桂馬を羽生三冠が駒損で食いちぎり、
渡辺王将が駒得を確保する代わりに羽生三冠に攻めの手番が回ってきました。
どちらを持ちたいかアンケートでは渡辺王将51.9%対羽生三冠48.1%になります。
渡辺王将にどういう受けをするのか重要な分岐があり、このまま封じ手にすれば、
羽生三冠がどの分岐になるのか絞れないまま一晩考えることになる、
という状況になりましたが、
渡辺王将は残り時間を優先して終局予定の6時になる30分ほど前に着手。
羽生三冠は30分使い封じ手の権利をとるという駆け引きがありました。
羽生三冠は正座になって考えていたので、指すかもしれない雰囲気だったのですが、
記録の伊東三段は封じ手用の図面を用意しないといけないので、
じっと羽生三冠の顔色を伺っていて面白い光景でした。
封じ手後に大晦日の船江五段とツツカナのリベンジマッチの話題になり、
打ち上げの席でツツカナの一丸さんの誕生日だと初めて言われて、皆で祝ったそうです。
また、3月18日に中村太地六段とponanzaの山本さんの対談をする企画があるそうで、
告知されたらよろしくお願いしますと言っていました。
また、本田女流がうっかり渡辺竜王と言った時に、
遠山五段もよく竜王と言ってしまう、
流石にタイトルホルダーになべちゃんじゃまずいし…、ということで、
新ニックネーム募集中だそうです。
9年も竜王でしたからねえ。

2日目のニコニコ生放送は解説が田村康介七段、聞き手が中村桃子女流初段でした。
田村七段は早指しで有名で、マッハ指しと呼ばれています。
早速質問メールで自分以外で早指しの強い棋士はという質問がきましたが、
コメントに上がる棋士を見ながら、
なかなか挙がってこないなあ、早く指すのとはまた違うんだよと、
さっそく親方ぶりを発揮していました。
ちなみに電王戦で有名になった阿部光瑠四段が、
早指しで早くて急所に手が行くと評価していました。
コメントには糸谷哲郎六段の名前なんかも挙がっていましたので、
阿部四段は関西四天王以上というずいぶん高評価ですね。
また、兄弟子の鈴木大介八段の麻雀についての質問は、
しゃべりながら麻雀をすれば強い、黙ってればそうでもない、
リーチしたら手牌を覗いてきたりもすると述べていましたが、
鈴木八段は確かに言われてみればそんな感じかもと思いました。
故村山聖九段とのエピソードでは、
早指しに自信があった田村七段が対局を挑んだものの、
5分切れ負け、3分切れ負けでも分が悪く、1分切れ負けでようやく勝ち越せたそうです。
プロは3分切れ負けでもしっかりまとめてくるんですな。
盤上では羽生三冠が持ち駒の香、桂、金と、
3枚を投資して渡辺王将の飛車を捕獲にいきました。
そこで渡辺王将は、
羽生三冠に持ち駒を3枚使わせたタイミングで鋭くカウンターに行き、
ここで昼食休憩になりました。
今日は女流棋士会40周年イベントの会議があったらしく、
昼休みに藤田綾女流と山口恵梨子女流とばったり会ったそうで、
何故か藤田画伯からアルパカの絵が届きました。
山口女流曰く「泡風呂に入っている犬みたいだ」
その下に画像を見ながら描いたという絵がありましたが、
何故かそっちの方がひどかったです。
というわけで当然中村女流もアルパカを描く羽目になりました。
中村女流曰く「何で私アルパカ描いてるんだろう」
藤田女流は犬みたいでしたが中村女流は猫みたいになり、
変だなあ、そうだ、もじゃもじゃ感が出ればいいんだと、
何故か藤田画伯のように泡をつけ始めます。画伯は発想が似るんでしょうか。
どちらが上手かアンケートでは桃画伯55.2%対綾画伯44.8%の大熱戦でした。
盤上ではどんどん渡辺王将が優位を拡大していきましたが、
どちらが優勢かアンケートでの渡辺王将66%対羽生三冠34%に、
田村七段がほーさすがだな羽生さんはと驚いていました。
田村七段的には結構絶望的な差だったんでしょう。
終盤になるとマッハ指しの本領発揮となり、
コメントで挙がった手の解説や一旦渡辺王将が受けに回る▲6九金を当てたり、
こうなると勝ち、こうなると事件と手が見えるのが良く分かりました。
と同時にプロ棋士が勝ちきるにはずいぶんな地雷原を通ることになるんだなあと、
大差に見える将棋だったのでかなり驚きました。
結局羽生三冠が渡辺王将の飛車を捕獲するために使った香車、桂馬、金は、
そのまま飛車を取ることもなく、動くことも取られることもなく、
盤上に残ったまま羽生三冠の投了となりました。
個人的には2日目の午前中は局面が混沌としていて、
元々先手が有利だと思っている羽生三冠的には、
難しい局面に誘導できて満足なのではないかと思っていました。
しかし渡辺王将がいきなり放り込んだ▲1一銀でスパッと斬った、
という将棋になり驚きました。
羽生三冠は中4日開いたら体調は万全になるが、
少しくらい疲れている方が勘が冴えると言ったことがあります。
ちょうど渡辺王将は棋王戦の防衛戦ともかぶっていますから、
今が勘が冴えている状態なのかもしれません。
渡辺王将は3月7日に順位戦最終局、12、13日に王将戦第6局、
16日に棋王戦が控えています。
7日の順位戦最終局はニコニコでも生放送されるそうですが、
渡辺王将は後手番で佐藤康光九段を迎え撃つことになります。
ゴキゲン中飛車を続けて出すのかも注目ですね。

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羽生さんの前でパニクる伊奈川女流

【棋士人狼】羽生善治三冠に人狼を説明する伊奈川愛菓


羽生善治三冠がニコニコ生放送の解説に来た時に、
羽生さんの大ファンである伊奈川愛菓女流初段がゲストで登場した時の動画です。
この動画は紹介済みだと思っていたのですが、
昨日記事を書くときに紹介していないことに気がつきました。申し訳ないです。
大盤の駒がとっちらかっているのが羽生さんらしいですが、
伊奈川女流が緊張のあまり藤田女流の陰に隠れていて突っ込まれたり、
その後パニックになって何故か人狼ゲームの説明に熱弁を振るったり、
終始デレデレで面白かったです。
藤田女流も伊奈川女流と仲がよいせいか、
youtubeで羽生さんの名言集を見て泣いたと言っていたとか、
見ろと勧めてきて新幹線で一緒に見たとか、
羽生さんが勝つと「対局勝ったよ」と連絡がくるとか、
伊奈川女流の羽生ファンエピソードが暴露されています。
藤田女流は伊奈川女流と羽生さんを会話させるために、質問は?と話題を振ってみたり、
なかなかの仕切り能力ですね。
先日高橋道雄九段がニコニコ生放送に出演した時に、
羽生七冠とタイトル戦をした時はどこに行ってもファンが待ち構えていた、
と言っていましたが、羽生さんのファン対応能力は流石です。伊奈川女流挙動不審だし…。
伊奈川女流が羽生ファンすぎて、見てる方まで気恥ずかしい動画です。

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王将戦公式放送の裏側その2

その4【公式放送の】第63期王将戦第四局 感想戦1~感想戦2迄【裏側】


その5【公式放送の】第63期王将戦第四局 感想戦2~終局【裏側】


株式会社東北新社の公式ニコニコチャンネルである銀河将棋チャンネルから、
公式放送の裏側動画その2です。
先日公式放送の裏側動画を期間限定で配信したところ、
会員数が増えたということで、
動画配信の期間延長とさらに追加の動画が公開されました。
20日に公開された最初の感想戦の動画は5800再生を超え、
早くも銀河将棋チャンネルで一番再生回数が多い動画になっています。
でも不思議ですよねえ。
動画を見ても羽生三冠の持ち駒が歩なのか香なのかの駒の字すら見えないのに、
何故か見ていて面白くて再生数が伸びているんですよね。

梅田望夫著「シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代」より

しかし、そういう結論がどうということ以上に、私が印象深く思ったのは、
勝者の佐藤棋聖と敗者の羽生挑戦者が、終局のとたん、
二人で作った作品たる棋譜から適度な距離を置き(デタッチ)して、
健全な批判精神をもって、第三者のように語り始めたことだった。
この感じは、感想戦が終わるまでずっと続いた。
自分の研究成果であろうと、皆と一緒になって批判精神で眺め、
活発に議論する欧米の科学者たちをみているかのような錯覚を覚えた。
<中略>
佐藤棋聖と羽生挑戦者の感想戦は、二人にとってきっと至福の時間なのだろう。
傍で見ていて、私は本当にそう思った。


梅田さんが見た佐藤棋聖と羽生挑戦者の感想戦も、
きっとこの動画のような光景だったのでしょう。
さて、銀河将棋チャンネルの動画を再生数の多い順に並べると、
会員になると見ることができる動画では銀河戦の解説をしている動画が上位に来て、
将棋の定跡などの講座をしている動画は下位にいます。
ですが、これはニコニコ動画のユーザーで将棋の勉強に興味がある人が少ない、
ということではないと思います。
何故かというと、ジャパネット浦野先生こと浦野真彦八段が、
解説の合間に著書である詰め将棋ハンドブックの宣伝をしたらamazonの在庫が切れた、
という事件があったからです。
浦野八段の話術が凄いというのもありますが、
詰め将棋ハンドブックとか思いっきり勉強本です。
それでは何故講座動画が再生されないのかというと、
勉強は本でするという習慣が染み付いてるからというのがあると思います。
小学校1年生の頃から教科書という本を読んで勉強していますし、
動画よりも文字の方が情報量の密度が高く、
同じことを覚える際の時間効率が文字の方が動画よりいいはずです。
そして本では表現できないこと、ニーズがあること、を考えた際に、
感想戦の様子を動画で配信するということは、
かなりストライクだったのではないでしょうか。
銀河将棋チャンネルは月額1575円ですが、
今のような講座中心のラインナップだと苦戦すると思います。
何故なら将棋講座の場合は、ライバルが棋士が書いた定跡書になってしまうからです。
この値段設定ですと、
例えば藤井先生の四間飛車を指しこなす本が買えてお釣りがきますから、
流石に将棋を勉強したいと言う人には藤井先生の本の方が魅力的に映ります。
かといって代わりに値段が安いですよ路線では尻すぼみでしょうから、
ここはひとつ棋士が書いた定跡書がライバルにならないような路線、
感想戦に限らず例えば控え室の検討の様子とか、立会人に密着してみるとか、
研究会を覗いてみるとか、何故か加藤一二三九段に1日完全密着とか、
丸山忠久九段に1日密着なら私が会員になりますとか、
そういった動画を多めにしてもらえるとありがたいんですがどうでしょうか。

銀河将棋チャンネル

田中誠さんは棋士の田中寅彦九段の息子さんですが、
正直会社への言い訳材料探してますね~とTwitterでつぶやいていて、
裏側動画が続いて欲しいと思ったので言い訳を考えてみました(笑)。

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シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代
梅田望夫著
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棋王戦第2局は、渡辺棋王が大乱戦を制す

渡辺明棋王に三浦弘行九段が挑戦している第39期棋王戦碁盤勝負第2局は、
渡辺棋王が三浦九段に勝利し、2勝目を挙げて防衛にリーチをかけました。

注目の序盤ですが、後手番の渡辺棋王は、
15日、18日に指したゴキゲン中飛車を今日も採用し、
それに対して三浦九段は、一気に激しい戦いになる超急戦という作戦を採用しました。
この戦型は17手目に先手が桂馬を取りつつ龍を作り、
18手目に後手が銀を取りつつ馬を作るという大乱戦になります。
ゴキゲン中飛車の超急戦というと、今年の1月8日のC級1組順位戦で、
斎藤慎太郎五段対阪口悟五段の対局があり、
超急戦から23手目に新手を披露した斉藤五段が47手で勝利するという、
重要な前例があります。
この対局では、渡辺棋王がその新手の直前の22手目に手を変え、
ここで三浦九段の長考となりました。

ニコニコ生放送では解説が高橋道雄九段、聞き手が貞升南女流初段でしたが、
もうアニメの話題などでまったりしている場合ではないということで、
ゴキゲン中飛車の超急戦の講座になりました。
その後三浦九段の長考になりやっと一息といったところでしたが、
そこで高橋九段がブログにも掲載している謎キャッチフレーズを披露します。
「パワーブレイカー飛車」「トリックスター角」「変わると強いよ歩」
「パーフェクトディフェンサー金」「モビルアタッカー銀」
「ラビットジャンパー桂」「ストライクソード香」「クリスタルマスター玉」
誰かみっちを止めるんだ。いや止めない方がいいのか。
羽生七冠からタイトルを奪取した棋士というと三浦九段が有名ですが、
それでは最初に誰が羽生七冠とタイトル戦をしたのかというと、高橋九段です。
第21期棋王戦でしたが、当時はどこに行っても誰かが待ち構えている状態なので、
夜が明けないくらいのうちにこっそり帰ったそうです。
また、今はタイトル戦の終局後に、会場の方の前で大盤を使って簡単な感想戦をしますが、
これは当時の高橋九段が負けた後に、
せっかくだからお客さんに羽生さんの声を聞いてもらおうと、
提案したのがきっかけだそうです。
高橋九段が指摘していましたが、渡辺棋王は将棋盤の近くに座るタイプで、
三浦九段は遠くに座るタイプだそうです。
高橋九段は遠くに座るタイプだったそうですが、
どうしてもクラウチングスタートのような体勢になるので近くに座るようにしたそうです。
また、渡辺棋王は表情でわかりやすいとのコメントには、
デビュー当時はもっとわかりやすかったと答えていました。
渡辺棋王は本の中では表情に出さないように努めていると言っていたのですが…。
盤上では三浦九段が長考から桂馬を成り捨てる強攻に出て、一気に激しくなりました。
その後昼食休憩に入ったあたりでは、
先手の三浦九段の攻めがなかなかふりほどけないのではとの評判でした。
昼食休憩の後、三浦九段の座る位置がさらに遠くなりました。
高橋九段「敵陣の駒には届かないですよねあれ」
その後三浦九段が2筋にと金を作るのですが、この手が遅すぎるのではないかと評判で、
形勢が後手持ちになります。
ティロフォンショッキングで登場したブルーノ先生こと青野照市九段もやはり後手持ちです。
おやつの時間では、渡辺棋王が少し下がってガトーショコラにかぶりついていたのですが、
そんな渡辺棋王よりも遠くに座る三浦九段がなんだかおかしかったです。
盤上では渡辺棋王が着々とリードを広げて、丸山九段ばりの激辛流な手も飛び出し、
三浦九段が水を飲んで呆然と盤を見つめる辛い展開になります。
結局▲2二歩、▲2一歩成、▲2三歩、▲2二歩成と、
4手かけて作った2枚のと金が働かない展開になり、
37手目に作った2枚目のと金が65手目にようやく金に化ける厳しい展開になりました。
最後は自玉の安全を見切った渡辺棋王が、三浦九段の攻めに手を抜いて決めに行き、
78手までで後手の渡辺棋王の勝ちとなりました。

渡辺明著「勝負心」より

羽生将棋の特徴について尋ねられることがあるが、いつも返答に困ってしまう。
なぜなら、これといった特徴がないからだ。
特徴といえば、「強い」ということだが、それでは将棋を分析したことにはならない。
「特徴がない」というのは、「個性がない」ということではない。
「弱点がない」ということだ。
棋士なら誰でも好きな戦法や苦手な戦型があるものだ。
私は、序盤からいきなり戦いになるような乱戦は好きではないので、
序盤は、玉を金銀で囲うことを優先する。
しかし、羽生さんはどんな戦法でも指しこなすし、
序盤から大乱戦になっても、一歩も引かない。まさに展開不問だ。
むしろ未経験の形を楽しんでいるようにさえ感じられる。
常に新しい形を積極的に追い求めてきた、
その貧欲な姿勢こそ、羽生さんの強さの秘訣なのかもしれない。


15日の佐藤康光九段は渡辺棋王のゴキゲン中飛車に穴熊を採用し、
18日の羽生善治三冠は超速3七銀戦法、今日の三浦弘行九段は超急戦と、
3者共に違った戦型で対抗してきました。
これだけでも振り飛車党の苦悩がよくわかります。
渡辺棋王は羽生三冠を生きる教材とまで言っていますが、
展開不問で弱点のない羽生三冠の貧欲な姿勢を習って、
これからも様々な戦型を指していくことになるのかもしれません。
もう一人のタイトルホルダーである森内俊之竜王名人も、
2月5日の王位戦挑戦者決定リーグで、角交換振り飛車を採用して勝利しています。
今後渡辺棋王の戦型の幅がどう広がっていくのかとても楽しみです。

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勝負心
渡辺明著
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王将戦第4局舞台裏動画

【公式放送】第63期王将戦第四局二日目 藤井先生のティロフォン・ショッキング【裏側】


【公式放送の】第63期王将戦第四局二日目 行方先生のティロフォン・ショッキング【裏側】


【公式放送の】第63期王将戦第四局1日目終了時 工藤佳織さんの封じ手予想【裏側】


【公式放送の】第63期王将戦第四局終了時 感想戦【裏側】


株式会社東北新社の公式ニコニコチャンネルである銀河将棋チャンネルから、
先日の王将戦第4局の舞台裏動画です。
藤井猛九段のティロフォンショッキング、行方尚史八段のティロフォンショッキング、
岩手県初代永世女流名人である工藤佳織さんの封じ手予想、
王将戦対局直後に記者の方があわただしく移動する様子を、
舞台裏から見ることが出来ます。
立会人の藤井九段も副立会人の行方八段も自虐気味に話していますが、
こういう照れ屋なところは東北人らしいところです。
例えば東北育ちの作家井上ひさしさんと長部日出雄さんとの対談で、
以下のようなものがあります。

「噂」昭和49年3月号より

井上
なんか東北の話というのは、はずまないですね、ぜんぜん(笑い)。
東北対九州なんていうと、わりとはむずかしいかもしれないけど。

長部
いや、東北対九州って話になると、東北の方はすぐヨイショすると思うんです。
もう、おたくの方は全部リッパです。こっちはダメです、とかなんとか。
ですから対抗戦になっても、あんまりはずまないんじゃないですか。

井上
そうなるでしょうね(笑い)。東北人というのは本当にヨイショしますからね。
そういう意味では、東北人というのは都会人なんですね。
ヨイショというのは、結局都会人のものですからね。


※流石に昭和49年の本は持っていないので、
上記は高橋呉郎著「勝負という生き方 将棋棋士32人の肖像」からの孫引きです。

一時期「Q:栃木の魅力は?」「A:ないんだな、それが」というのが有名でしたが、
彼は立派な東北人なのではないでしょうか。
栃木は北関東ですが、栃木出身で神奈川住みの私から見たら似たようなものです。
深浦康市九段は長崎出身ですが、
行方八段との会話はずいぶんはずんで仲がいい様子が伝わります。
東北対九州は東北がヨイショする説は、
少なくともこの二人には当てはまっているように思います。
最後の動画は対局直後の様子ですが、
ずいぶんあわただしく記者の方が入ってインタビューするんですね。
深浦九段がA級最終局で負けた時は落ちたと思っていたと言ってましたが、
そんなときにどかどか記者が来るのはきつい商売ですな。
まあ王将戦では翌日に罰ゲーム?が待っているんですけどね。

弘前市七夕会のメンバーと担ぎ太鼓を叩く羽生さん
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勝ったのに何故か雪かきをする羽生さん
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