棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

2014年01月

藤田画伯再び

藤田画伯再び


二人で描きましょう半分でと言う藤田女流を、
いや何言ってるんですかと突き放す広瀬七段なのでした。
藤田女流は藤井九段との生放送で桐谷七段を描いたのですが、
こちらがずいぶんな画伯がいたと盛り上がったせいで新コーナーになってしまったようです。
まあ王将戦は対局者もこんな感じにさせられますから。

昨日勝った羽生三冠の罰ゲーム?
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第2局を勝った時の渡辺王将
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これが現代の那須与一の姿なのか…

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防衛できたら皆様も是非那須神社へ!願いがかなうかも?

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王将戦第3局は羽生三冠が勝ち1勝2敗に

渡辺明王将に羽生善治三冠が挑戦している第63期王将戦七番勝負第3局は、
羽生三冠が渡辺王将の先手番をブレイクし、1勝2敗としました。

戦型は先手の渡辺王将の▲7六歩に、
羽生三冠が矢倉でも角換わりでもどうぞという△8四歩を指し、
渡辺王将の選択で矢倉になりました。
その後の分岐で羽生三冠が後手急戦矢倉を選択します。
この二人ですと勝った方が初代永世竜王となる2008年の第21期竜王戦で、
渡辺竜王が3連敗から2連勝した後の第6局、第7局で後手急戦矢倉を連採し、
見事3連敗からの4連勝を決めて初代永世竜王に輝いた対局が有名です。
渡辺竜王がここぞというタイミングで採用した後手急戦矢倉を、
羽生三冠が0勝2敗というピンチな状態のときに使ってきました。

ニコニコ生放送では初日の解説が先崎学八段、聞き手が安食総子女流初段でした。
先崎八段によると、渡辺王将は決断力、大局感の明るさ、寄せの鋭さが長所とのこと。
午前中でしたので雑談多めでしたが、
先崎八段は10時には寝る、
神吉宏充七段との将棋パトロールではリハーサルもなく3本撮りとかもやった、
題材は全部神吉さんが選んでくると裏話に花を咲かせました。
ところが26手目に羽生三冠が飛車を8五、8四、8二のどこかに引くという手の選択で、
先崎八段が△8五飛1割、△8四飛2割、△8二飛7割と言っていましたが、
羽生三冠が積極的な△8五飛を選択します。
先崎八段はある対局で△8五飛と引く前と同一局面になり、
△8五飛って相手に指されたらどうしようかと1時間以上考えてしまったと述べて、
どうなるかすごい楽しみとご機嫌でした。
ちなみに2012年の第60期王座戦第1局、先手羽生二冠対後手渡辺王座のタイトル戦で、
渡辺王座が△8五飛と指して勝っていて、
渡辺王座の得意戦法を羽生三冠がぶつけてきたということになります。
この後は両者時間を使いながら指し手を選ぶ戦いになりました。
先崎八段の解説はこれが筋、これは普通は無い手、
これがいい形、これが悪い形といったような、
ぱっと見た直感で良い悪いを判断することが他の棋士よりも多いです。
子供の頃将棋道場で、寝転がりながらマンガを読みつつ、
大人相手にほとんど考えないで指して勝ちまくっていたという時代がありましたが、
これだけ早く手と形勢が見えればそりゃ勝つよなあと思いました。
ちなみに囲碁は将棋のプロ入りが決まった直後に、
対局がほとんど無く暇だったので覚え、半年で三段になったとのことです。
これが天才先崎か。
局面は34手目の▲7九玉で、両者の王座戦と手が変わりました。
その時は先手の羽生二冠が▲8四歩とつっかけて、
棋譜コメントに「ひええ、頑張るなぁ。なぜ▲7九玉じゃいけないのか」とありますので、
渡辺王将もそんなに頑張らなくていいじゃないという意見なのでしょう。
その後羽生三冠が渡辺王将の陣形を乱してから△8二飛と飛車を引き上げたところで、
49手目に渡辺王将の封じ手になりました。
封じ手になる少し前に、4人ほどぞろぞろと対局室に入ってきたところで、
先崎八段が封じ手圧力をかけている、多分このあと温泉に行きたいんだよ、
ここまで露骨に封じろと言われるといくらなんでもと笑っていました。
すぐに封じ手にしそうな渡辺王将でしたが、
5分ほど温泉に行きたい人たち?を焦らしプレイしてから封じ手となりました。

二日目のニコニコ生放送は解説が広瀬章人七段、聞き手が藤田綾女流初段でした。
プライベートは充実していますか、という先崎八段からの質問には、
最近波戸康広さんの引退試合を見に行ったと述べていました。
今月の18日にニッパツ三ツ沢球技場で引退試合があり、
波戸さんがハットトリックで胴上げされて感動したと言ってました。
波戸さんは元日本代表のディフェンダーで現横浜FMのアンバサダーですが、
将棋親善大使でもあります。
例えば2013年4月27日には日産スタジアムで「サッカー×将棋特別イベント」が開催され、
広瀬七段と波戸さんが公開対局で戦っているという間柄です。
2枚落ち+目隠しの広瀬七段が勝ったようで、
対局後に両者の持ち駒まで正確に言い当てた広瀬七段にギャラリーが驚いていたとか。
藤田女流も波戸さんの引退試合を見に行ったそうで、
サッカーと将棋の不思議なコラボは今後も続くと思います。
ちなみに今年の将棋の指し初め式は波戸さんも参加し、
3手目を渡辺二冠が指した後の4手目を指しました。
初手が谷川会長、2手目が森内竜王名人ですから、
4手目とはなんだかすごい重要なポジションのような。
羽生さんの手番で次の一手アンケートになりましたが、
選択肢が5つ+その他という選択肢で、
その他にも2手ほどありそうな手がある選択肢の広い局面でした。
その後少し進んだところで羽生さんが、
自分の飛車取りを無視して相手の飛車取りとなる△3九角を指し、
広瀬七段が驚いていました。
将棋は優勢なときは局面を簡単にして間違わないようにする、
不利のときは複雑にして間違えさせるようにするという考え方がありますが、
私には羽生さんが少し悪いと見て、
複雑にすることに成功したような感じに見えました。
渡辺王座が飛車取りを逃げつつ攻撃に使う、という手を指して昼食休憩になります。
ここで休憩時間を攻撃する側の羽生さんが自分の手番で考えられるのは大きいような。
休憩後は恒例のサイン本プレゼントがありましたが、
何故か藤田画伯もクマを描いてプレゼントすることに。
これうまいかもという自信作でしたが、これも画伯として後で動画になりそうです。
局面は渡辺王将が銀を前に繰り出し攻める姿勢を見せましたが、
羽生さんのカウンターが鋭く、解説の広瀬七段も羽生さんがよさそう、
渡辺さんの狙いがわからないと述べていました。
その後渡辺王将が席を外しましたが、
やっぱり表情や行動でどう思っているのか分かりやすいような。
局面が一気に終盤になり、
休憩を入れるなら今しかないかなと広瀬七段が言って休憩になりましたが、
その後に手がぱたぱた進み、
予定を早めて再開した直後の15:49に渡辺王将が投了しました。

対局後に広瀬七段が「△3九角は今見ても不思議な手」と述べていましたが、
64手目の△3九角の後一気に羽生三冠が勝勢になって、
18手進んだ82手で投了ですから、この手が羽生マジックだったのでしょうか。
対局後のインタビューで羽生三冠が△3九角を、
「無理気味かなと思ったんですけど、勝負手のつもりで」
と述べていて、渡辺王将はどの辺で誤算があったことに気がついたかという質問に、
「△3九角からの攻め合いですか」と答えています。
渡辺王将は完勝型というよりは逆転型だと思いますが、
その渡辺王将が△3九角から18手で投了ですから、
羽生マジック炸裂局と言っていいと思います。

いしかわごう著「将棋でサッカーが面白くなる本―3日で理解できる将棋戦法入門」より
渡辺明二冠と中村憲剛選手の話

渡辺
明らかに劣勢の時は負けなので、投了するしかないですが、
微差だったらまだ可能性があるので、相手のミスを待ちます。

中村
ミス待ちをすることは多いんですか?

渡辺
そうですね。自分の場合は、相手のミスをとがめて、そのままリードを保って勝ちます。
先ほど中村選手も「サッカーはミスが起こるスポーツ」とおっしゃいましたが、
将棋も相手のミスがなかったら勝てないと思っています。
相手にミスがなくて、自分の手が良かったから勝てたという内容の将棋は、
年に1回あるかどうか……いや、数年に1回ですね。

中村
なるほど。サッカーでも高いレベルにいけばいくほど、一つのミスであったり、
一つの隙を見せてしまってそこでやられてしまうことが多いです。


相手のミスをとがめて、そのままリードを保って勝つとかそう簡単におっしゃられても。

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羽生さんのぼんぼんいじり

【将棋】対局中なのに羽織のボンボンが気になってしょうがない羽生善治名人


動画は2011年に行われた第69期名人戦第6局、
羽生善治名人に森内俊之九段が挑んだ対局の一幕です。
このシリーズは森内九段が出だし3連勝で、その後羽生名人が2連勝し、
この対局も勝って3勝3敗となりました。
羽織の紐の房をずっといじっている羽生さんと微動だにしない森内さん、
解説でやたら対局者を褒め称える島朗九段、半分眠っているような記録係、
記録係の隣でもくもくと自分の仕事をこなす観戦記者?の人。
なんだか不思議な空間です。

羽生善治、海堂尊、川淵三郎、伊東勤、乙武洋匡著「共鳴する頭脳 羽生善治対談集」より

羽生
そうですね。音って結構影響大きいんですよね。
というのも、私、昨日対局だったんですよ。ここで。

海堂
はー。ここで。

羽生
はい。で、隣の鳩森神社がですね、ちょうど盆踊り大会をやっていまして、
延々と東京音頭がかかっているんですよ。
もちろん局面のことは考えているんですけど、
東京音頭がリフレインでずーっとかかっていて、
今も東京音頭が頭の中に残っているんですよ。

海堂
(笑)東京音頭の指し手になっちゃったわけですね。

羽生
対局していても、音として認識しているので、ずーっとかかっていたとか、
「8時半になったら、抽選会をやりますので、みなさん能楽堂の前に集まってください」
とか、そういうのだけすごく印象に残ってまして。

海堂
それで8時くらいまでに対局を終えて、能楽堂の前に行こうかとか。

羽生
ははは。一等が神宮花火大会の特等席だったとか、
そういうのが手を読みながらも入ってくるんですよね。


羽生さんは結構周囲が気になるタイプなんだろうか。
ちなみに羽生さんが東京音頭が気になって仕方が無かった東京音頭の棋譜はこちらです。
渡辺明王座への挑戦者を決める第60期王座戦の挑戦者決定戦で、
相手は中村太地六段というすごく重要な対局でした。
中継ブログによると終局が21:53、感想戦が0:10過ぎまであったようなので、
羽生さんは抽選会には行けなかったのですが、次の日に作家で医師の海堂尊さん、
日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎さんと対談ですから、
なかなかスケジュールが詰まっていますね。
東京音頭の対局は92手目の中村六段の手がうっかりで、
93手目に羽生さんが指した手を見て中村六段の投了となりました。
ずっと難解な局面が続いていて、92手目も他の手なら難解だったようですが、
中村六段の方が東京音頭を気にしていたということかもしれませんね。

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豊島さんといえば…

【将棋】インタビューで例のアレをぶっこんでくる西川和宏四段


西川和宏四段と西川慶二七段は親子であると同時に、
将棋の師匠と弟子の間柄でもあります。
親子の棋士というと、木村義雄十四世名人と木村義徳九段、
板谷四郎九段と板谷進九段、藤森奈津子女流四段と藤森哲也四段、
伊藤果七段と伊藤明日香女流初段がいますが、
西川和宏四段、板谷進九段、伊藤明日香女流初段は父親が師匠も兼ねています。
父親の西川慶二七段は居飛車党の正統派な棋風なのですが、
息子の西川和宏四段は振り飛車党で、
隙を作るように、迷うような指し方をしたいと述べています。
教えすぎると自身の劣化コピーになってしまう恐れがありますが、
まるで違う棋風に育ったのですから、西川慶二七段がうまくやったのでしょう。

米長邦雄著「将棋の天才たち」より

西川慶二七段49歳と西川和宏四段24歳は親子である。
過去にも親子棋士はいたが、江戸時代を別とすれば、両方とも現役というのは史上初だ。
二人とも人に好かれる人柄で、父親は現在理事である。
<中略>
和宏は22歳で四段になった。
新四段は年4人誕生し、総会の日は200名近い先輩達の前で紹介され、
本人が短い挨拶をする。
たいていは「もっと強くなりたい」とか言うものだが、
和宏は「酒が好きです」と明言して皆をドッと沸かせた。


父親の酒好きは有名ですから、やっぱりねと思う先輩棋士も多かったのでしょう。
将棋は予告通り居飛車と振り飛車の対抗形から、
豊島七段が急戦を仕掛け、ねじり合いの接戦になりました。

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王将戦第2局は、渡辺王将が後手番を制す

渡辺明王将に羽生善治三冠が挑戦している第63期王将戦七番勝負第2局は、
渡辺王将が五手番を制し、2勝0敗とリードしました。

戦型は先手の羽生三冠が初手▲2六歩と飛車先を伸ばし、
後手の渡辺王将の選択で相掛かりになりました。
相掛かりはせっかく研究しても、
後手が2手目に△3四歩と角道を開ければ回避できるので、
あまり指されなくて研究も進んでいない戦型です。
そのため序盤からじっくりと時間を使って考える展開になり、
第1局は1日目で87手進んで88手目が封じ手でしたが、
今局は39手目に羽生三冠が封じ手と、前局と比べて半分も進まない対局になりました。

ニコニコ生放送では初日の解説が中座真七段、聞き手が本田小百合女流三段でした。
中座七段と本田女流三段は同じ佐瀬勇次名誉九段の門下で話しやすい相手なのか、
はたまたどちらも攻め将棋なのか、
きわどい言い合いもあって面白かったです。
中座七段といえば△8五飛戦法の創始者として有名ですが、
20年ほど前の奨励会三段だった頃に、
研究会で指した横歩取りの将棋の棋譜を持ってきてくれました。
相手は行方尚史四段と、振り飛車党で藤井システム創始者になる藤井猛五段で、
極秘に研究会をしていた極秘研だったそうです。
行方四段は時間通りに来たのかとコメントで突っ込まれると、
時間通りに来たことなんて無いとばっさり切り捨ててました。
ちなみに行方四段との棋譜には大逆転負けと書いてあり、
藤井五段との棋譜には1三同銀なら楽勝と書いてあると、ちょっと照れていました。
若い頃のぎらぎら感が棋譜のコメントに残っているというのもいいですね。
主に詰め将棋を解く研究会だったそうで、
短編は行方四段、長編は藤井五段が早かったそうですが、
100手といったような長編だと途中でいびきが聞こえてくるときもあったとか。
本田女流は新婚生活について質問されていましたが、
攻めかかる中座七段に本田女流が中座七段の結婚式でのエピソードで切り返し、
本田女流が勝ちとなりました。
中座七段は1970年生まれで羽生世代ですから、
他の羽生世代とのエピソードもたくさん用意してくれていました。
意外だったのは将棋連盟の野球部がなかなか活動的で、
たけし軍団との草野球ではなんと宮沢りえさんがやってきて、
バッターになったりセカンドを守ったりしたそうです。
佐藤康光九段が竜王を取った時は、東京ドームを貸しきって野球をしたと、
懐かしそうに語っていました。
今はサニキこと真田圭一七段が野球部を引っ張っていて、
今度の電王戦に出場する佐藤紳哉六段や、及川拓馬五段、上村亘四段、
藤倉勇樹五段が若手のメンバーだそうです。
ちなみに森内俊之竜王名人はスイングが早く、悪球打ちでフォームはぎこちないとのこと。
最後に本田女流が、高橋道雄九段からAKBの柏木さんの写真の年賀状が届いたと、
爆弾を投下して初日が終わりました。
高橋九段も本田女流と同じ佐瀬門下ですが、その年賀状はありなんだろうか。

二日目のニコニコ生放送は解説が郷田真隆九段、聞き手が山田久美女流三段でした。
昨日の解説で中座七段が、
後手の渡辺王将から仕掛けるというか斬りに行く手順を並べていて、
うまくいきそうなのに悠然と構える羽生三冠と斬りに行かない渡辺王将を見て、
何かあるはずなんだけどなあと言っていたのですが、その何かをさっそく解説してました。
また、羽生さんならこう行くのではと駒が前に出て行く手順を解説し、
羽生世代の連帯感を見せましたが、
羽生さんは一旦下がってじっくり立て直すという手を選択。
郷田九段「若い頃は前に出て行く手だったでしょうけどベテランの指し口というか。
まあもうベテランですかね?」
ベテラン=勝負の場数を踏んでいるという意味でなら大ベテランもいいところです。
羽生三冠が何十分か席を外した時は体調が悪いのかな?と心配していましたが、
戻ってきてから指した手を見て、
これは体調じゃなくてこの手を考えてたんでしょうと断言してました。

郷田九段と山田女流三段の昼食はなんとイタリアンのフルコース。
これが格調高い昼食ですか。以前フルコースで遅刻した解説者もいらっしゃいましたが…。
渡辺王将はつけとろろそばで、初日の夕食で気に入ったため連投とのことです。
羽生三冠はサンドイッチととちおとめ。対局者は軽めですね。

昼食休憩から再開された直後に、渡辺王将が果敢に端から攻めて行きました。
以前端歩マニアの鈴木大介八段の記事に、渡辺二冠も端攻めが大好きと書いてましたが、
2局目で早くも端攻めが出て大満足の展開です。
また、昼食休憩中に攻めた後の展開をじっくり考えられますから、
時間の使い方と検討する手の選び方が上手いなあと思いました。
羽生三冠も金銀を盛り上げて渡辺王将の飛車角を押さえ込みにいきますが、
うまく攻めを繋いで渡辺王将が優勢になります。
終盤になると渡辺王将の攻撃の手と羽生三冠の粘る手を郷田九段がびしびし当て、
羽生さんもあぐらかいて髪の毛かきむしっていましたが、
もう攻めが決まるというところで渡辺王将の手が止まります。
そして羽生さんの入玉を警戒して渡辺王将が自陣の金を攻撃に使う手を指しましたが、
何で普通に桂馬を取らなかったのか郷田九段が悩みつつ解説。
守りの金を攻撃に使ったせいで後手から紛れを求める手が生じ、
形勢が怪しくなってきました。
最後は郷田九段が、後手が勝ちだけど早指しならわからない、
と言うくらい局面が混沌としましたが、時間を残している渡辺王将がしっかり読みきり、
羽生三冠の投了になりました。
終局前渡辺王将が席を外した時に、羽生三冠がため息をついていて、
厳しい戦いを物語っていました。

第1局のコラムでタイトル戦ではあまり見られない戦形も期待できるかもと書きましたが、
羽生さんと渡辺さんの相掛かりは過去2局しかないということで、
やはり研究を外して純粋に将棋の力で争いたいという意思が両者から見えました。
感想戦では二日目の午前中に羽生三冠が駒をぶつけた手がまずそうで、
じっくり指すべきだったという結論なようです。
序盤は渡辺王将は失敗したと思っていたそうで、
羽生さんは研究に嵌まって負けるという事を上手く避けて、
将棋を進めていたことになります。

岡田武史、羽生善治著「勝負哲学」より

長くやっていると、過去の成功体験、失敗体験が経験則として積み重ねられてきますよね。
それは危険と安全の境界を見きわめる頼りがいがある測定器である反面、
安全策の中に自分を閉じ込めてしまう檻にもなります。
<中略>
結果、安全策は相対的に自分の力を漸減させてしまうんです。
それがイヤなら、積極的なリスクテイクをしなくてはならない。
だから私は、経験値の範囲内からはみ出すよう、
あえて意図的に強めにアクセルを踏むことを心がけているつもりです。

河口俊彦著「盤上の人生 盤外の勝負」より

大山の強さは、なによりも数字にあらわれている。生涯の通算勝数千四百三十三勝。
タイトル獲得数、八十期。名人、A級在位、連続四十五期。
すべて不滅の大記録と言われている。
<中略>
その記録に唯ひとり迫っているのが羽生善治で、タイトル獲得数は、
平成二十四年七月の時点で通算八十一期と遂に大山を抜き、
通算勝数も今のペースで行けば七、八年後に抜くだろう。
こんなに勝つ棋士があらわれるとは思わなかった。
ただ、勝数は大山の記録まであと三百勝くらい必要だし、
名人、A級在位は連続十九期で、まだ先の話だ。
勝数は、今のペースで行けば楽に抜けるが、
問題は五十歳を越えてからどれだけ勝てるかで、それは予想できない。
というのも、羽生にはある種の脆さのようなものが、常につきまとっているからだ。
それは、六冠王、七冠王になったときですら感じられた。
大山や中原の全盛期にあった安定感、びくともしない強さ、といったものがない。


1日制のタイトルに比べると、
羽生さんの2日制のタイトル戦はなんだか暴発気味になることもありますが、
それは七冠王時代よりも前からずっと、
リスクを取って踏み込むことを重視しているからに思います。
リスクテイクはうまくいくときもあれば失敗するときもありますし、
うまくいく結果が固まるときもあれば失敗する結果が固まることもあります。
昔からそうですし、今後も羽生さんはこのスタイルなのでしょう。

第3局は羽生三冠が後手番ですので、
渡辺王将から見ると作戦が読みにくい一番になると思います。
個人的には振り飛車が見たいのですが、
渡辺王将が相掛かりで往復びんたに行くかもしれませんし、
29日の第3局は序盤から注目です。

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