棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

2013年03月

電王戦第2局、Ponanza対佐藤慎一四段戦を終えて

第2回将棋電王戦第1局 ponanza vs 佐藤慎一四段 局後記者会見


Ponanzaの開発者である山本さんは、
Ponanzaに中飛車にさせるために三手目▲5六歩を指示したと言ってますが、
現実にはそうはなりませんでした。
ここで当然
「何で定跡を暗記させて途中までそれを指させなかったのか」
という疑問が湧くと思います。
これについては以前の記事の動画で「定跡についての深い理解がないから」と述べていますが、
もう少し掘り下げてみたいと思います。
定跡の理解といいますと、指し手の手順を暗記すると思われがちですが、
指し手の意味を理解するということです。
指し手の意味といいますと、
例えばこの対局では、開始早々真ん中の歩を突くということは飛車を真ん中に置いてね、
という意味なのですが、Ponanzaはそう受け取ってくれませんでした。
初戦ですと、阿部四段が端歩を2つ伸ばすことに成功しましたが、
これにより終盤戦で入玉を含みに守ることができ、優位に進めることができました。
端歩を伸ばす手は序盤ですが具体的な得となって効果が現れるのは終盤なので、
習甦にはそれがわかりませんでした。
それでは何故丸暗記じゃだめなのかといいますと、
定跡の進化のスピードが早すぎるからということがあります。
現在ではプロ棋士同士で研究会を行っていて、新しい手が次々に出ては消えていきます。
例えばどこかの局面で必ず先手が優勢になる、という新手が研究会で出たとしましょう。
するとそれが公式戦で出るには、後手の人がその結論を知らないという条件と、
当然ですがその局面に先手が誘導できたという条件が必要になります。
そしてその条件を満たさないまま時間がすぎると、
研究の結論だけがプロ棋士同士に流れ、やがて公式戦では出なくなります。
Ponanzaは結論を知らないけれど佐藤四段は結論を知っている、
そんな戦型が多数あるはずだと判断した山本さんが、
誘導されることを防ぐために定跡手順を避けたのだと思います。
それともうひとつ、情報収集という理由もあるでしょう。
Ponanzaはソフト相手ですと序中盤にリードをとることができますが、
指し手の意味を理解しているプロ棋士相手だとどうなるか、
ソフト相手と同じようにリードが奪えるのか、それとも不利になるのか、
という事を知りたかったというのもあると思います。
その意味ではPonanzaの3手目と5手目のちぐはぐな手に対して、
佐藤四段が機敏に態度を決めるように迫り、
11手目で居飛車と態度を決めたPonanzaに対して、
ちぐはぐな手を指した事による陣形の立ち遅れをついてポイントを稼いだ、
という展開は、やはりプロ棋士相手だと序盤はだめだという情報がとれたと思います。
ただしその後の、
ポイントを稼いだから無理せずじっくりいこうかという人間心理を突いて、
巧みにリードを奪い返すところはPonanzaの序盤センスが出ました。
この辺はプロ棋士同士ではまずないような、
最序盤でポイントを稼いだ後にどう指すのがいいか、
という局面になってしまったことが佐藤四段にとっては不運でした。
経験の無い局面でしかも自分がいい、しかし始まったばかりで先がまだまだ長いという場合に、
安全にという方針でいくのは人間的には仕方ないところだったと思います。
また、中盤で挽回しましたが持ち時間の消費が多くなってしまいました。
持ち時間が残り1時間を切ったところでは、
盤上の真理としては佐藤四段が優勢だったと思いますが、
コンピュータ相手に終盤の持ち時間を残せなかったと言う点を考えると、
勝負の真理としてはコンピュータが優勢だったのかもしれません。
将棋は野球やサッカーなどとは違い、点数を重ねるゲームではありません。
初回の猛攻で10点取ったとか、前半が終わって5-0だとかですともう試合が終わりですが、
将棋は最後に王様を取られたら負けというゲームです。
そのため終盤に間違うと一気に負けになってしまいますから、
終盤になると時間が短くても間違わないコンピュータは強敵だと思います。
プロ棋士が初めてコンピュータに負けることになりましたが、
人間は間違うものですし、終盤で間違うと負けというのが将棋というゲームです。
実力が上でも負けることはありますし、気落ちする必要はないでしょう。
羽生さんでも勝率7割ですから。



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第2回電王戦第2局、Ponanza対佐藤慎一四段

第2回電王戦の第2局、Ponanza対佐藤慎一四段の対局は、
Ponanzaの勝利で終わりました。
今日のPonanzaは1秒間に3000万局面から4500万局面を読めるようにしてきたそうです。

初戦はソフト開発者の竹内さんが和服でしたが、
今回は棋士の佐藤慎一四段が和服で登場しました。
山本さんはアマチュア強豪ということで、
対局前の駒を並べている時の姿が様になっていましたね。

解説は野月浩貴七段、聞き手は山口恵梨子女流ですが、
この2人は山口女流が子供時代に将棋スクールに通っていた頃に先生が野月七段で、
山口女流が6歳の頃からの知り合いとのことです。
棋風はどちらも攻め将棋で、
解説でも攻めっ気を見せてくれました。

山本さんの作戦は3手目の▲5六歩でした。
これは中飛車を目指した手で、やはり居飛車対振り飛車の戦型に誘導しにいきました。
しかし、Ponanzaは親の心子知らずといいますか、
山本さんの意図を無視して無理に居飛車を選択し、
佐藤四段が少しポイントをあげる展開になりました。

野月「最初は50-50じゃないですか 1ポイント取ったらどうなりますか?」
※51-49で2ポイント差になると言いたい。
山口「49-48?」
野月「聞くんじゃなかった」

CMに山本一成さんがちょいちょい出てきました。
山本「佐藤四段?強いよね。序盤中盤終盤隙がないよね。でも、Ponanzaは頑張るよ。
えーBona…Ponanzaが躍動する将棋を、みなさまに見せたいね。」
野月「これやった人で勝った人いないんだけど大丈夫かな。」

佐藤四段がやや指しやすいといったところで昼食休憩。

昼食休憩の時の山本さんのツイッターより
ちゃんと動いてくれ… 心臓に悪すぎる…
うな重うめー
しかしponanza酷い序盤だ…

初戦勝った阿部四段と聞き手だった矢内女流のツーショット


昼食は佐藤四段、山本さんともにうな重(竹)。
昼食代はスポンサー持ちということなので、
どうせなら松にすればよかったのに…

その後優勢を意識した佐藤四段がやや消極的になり、
Ponanzaの他のソフトより優れているという序中盤の感覚もあってソフトが盛り返します。
しかしそこは逆境のアーティスト。
いい開き直りがでてまた佐藤四段に局面が傾きました。
この辺の手順は佐藤四段の豪腕炸裂といった感じでしたが、
持ち時間がどんどん無くなっていきます。

おやつ
佐藤四段アーモンドチョコレート3500円。
山本さんシュークリーム。
3500円のチョコレートってどんな味なんだろう。

しかしその後持ち時間が無くなるにつれて佐藤四段がリードを失い、
最後はPonanzaが一気に寄せ切ってソフトの勝利となりました。
やはり短い時間で終盤を迎えると、人間には厳しいです。

対局後山口女流が泣きながら聞き手を務めていました。

個人的には佐藤四段の人間っぽさと、
Ponanzaの他のソフトとは違う序中盤の感覚がよくでたいい対局だったと思います。
人間対コンピュータですと、
第1局のようにどちらかが優位になったらそのままというイメージだったのですが、
今日の対局は両者持ち味を出して、一方的にならないように相手についていくという展開になり、
見ている側もスリリングな展開を楽しめました。
序盤だけでなく、中盤のねじりあいでも人間が勝負を見込めるというのは、
いい収穫になったと思います。
また、▲5六歩と指定してもPonanzaが振り飛車にできなかったのを見て、
ソフトに戦型を指示することが実はすごく大変なことだということもわかりました。
それにしても短い時間の終盤はコンピュータの土俵ですね。
人間側はいかに終盤に時間を残すのかが勝利する鍵になると思います。

この対局の観戦記は先崎学八段です。
先崎八段は棋士の中で一番といっていいくらいの文豪なので、とても楽しみです。

ニコニコ生放送
来場者数 :444,278
コメント数 :457,451

将棋の放送で44万人すか、まじすかって感じですけど。
将棋ファンを増やしてほしいと言う故米長会長のまいた種が着実に実っている気がします。 

▲7六歩△8四歩▲5六歩△3四歩▲6六歩△8五歩▲7七角△6二銀▲7八銀
△5四歩▲4八銀△3二銀▲5七銀△3一角▲6八玉△8六歩▲同 歩△同 角
▲8七歩△7七角成▲同 玉△4二玉▲3六歩△3一玉▲5八金右△5二金右
▲2六歩△4四歩▲1六歩△5三銀▲1五歩△4三金▲6七金△3三銀▲6五歩
△3二金▲6六銀△2二玉▲9六歩△9四歩▲8八玉△7四歩▲4六角△9二飛
▲3七桂△2四銀▲7七金△4二銀▲8六歩△5三銀▲5五歩△同 歩▲同 銀
△3九角▲5八飛△8四角成▲5四歩△6二銀▲6四歩△7三桂▲8七金
△6五桂▲6三歩成△同 銀▲5六飛△4八馬▲5八金△3八馬▲6六銀
△5五歩▲5三歩成△同 金▲5五角△5四歩▲4六角△6四銀▲2五桂
△4五歩▲6四角△同 金▲6五銀△同 金▲5四飛△4三銀▲5三飛成
△4四角▲同 龍△同 銀▲8三角△8二飛▲7四角成△5四飛▲6五馬
△5八飛成▲6七銀打△5九龍▲5六桂△3三銀右▲同桂不成△同 銀▲4一銀
△4二金打▲3二銀不成△同 金▲3五歩△3七馬▲3四歩△同 銀▲4四桂
△4二金▲3二金△同 金▲同桂成△同 飛▲3三歩△同 飛▲4四金△3二金
▲3三金△同 桂▲6一飛△5一歩▲4四金△4三銀打▲3五歩△7三桂
▲6六馬△4四銀▲3四歩△2六馬▲6三飛成△3五馬▲3三歩成△同 金
▲2五桂△5三金▲4二銀△4三金打▲3三桂成△同 金▲5三龍



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嘘であって欲しい

元奨励会三段の天野貴元さんがご自身のブログにて、
舌癌であること、ステージ4であること、顎に転移していることを告白しました。

天野さんのブログはこちら

門倉啓太四段の、
回復を祈ることしかできない…ちくしょう!
というツイートはこれだったんですね・・・私もファンの一人として回復を祈っています。

記録係りを務める天野三段
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いえーい
IMGP1992

将棋ビギナーズセミナーで指導する天野三段
b0108657_122478

きりっ!
2008-03-27

羽生三冠による伝説の王座戦の解説

第60期王座戦第4局 羽生三冠による解説(1/2)


第60期王座戦第4局 羽生三冠による解説(2/2)


渡辺明竜王と丸山忠久九段の竜王戦の対局のニコニコ生放送解説に、
羽生三冠がきたときの動画です。
聞き手の藤田綾女流の顔が異様に真っ赤だったことが印象に残っています。

さて、対局のほうは羽生さんが登場したときにはすでに戦況が傾き、
渡辺竜王が優勢という状態でした。
そのため、丸山九段に対してせっかく羽生さんが来たのにどうしてくれるんだと2chでは言われ、
ニコニコ生放送では対局とは無関係な雑談で盛り上がっていたのですが、
対局終了からその空気が一転します。
竜王戦の解説の番組なはずですがそこは柔軟なニコニコ生放送、
話題となった渡辺王座対羽生二冠の対局を解説するということになり、
○(丸山九段)はもう許したコールがすごかったです。

当時の解説はこちら



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虎視眈々Ponanza

ponanza開発者 山本一成氏 インタビュー 第2回将棋電王戦


Ponanzaの開発者の山本一成さんは将棋が強く、
将棋倶楽部24のレートで2400ほどあるとのことです。
レートを言われても分かりにくいと思いますが、これは相当強いです。
私事で恐縮ですが、私は中学生や高校生だった頃、教室では一番強かったです。
クラスで弱い人なら2枚落ち(飛車角落ち)でも勝てるくらいで、
自分のことを相当強いと思っていたのですが、
高校生のあるとき、県大会で優勝した方と対戦する機会がありました。
たまたま将棋部で2番目に強いという人に勝った時に、1番強いラスボスが登場したのです。
「それじゃ2枚落ちで」
と言って駒を並べ始めたその人を見て、私は
「おいおいそんなんじゃ勝っちゃうよ?」
と思ったものです。
開始早々角金交換でこちらの飛車が成りこむことに成功し、それみたことかと思いましたが、
そこから一瞬で私の王が寄せきられてしまいました。
多分100回指して1回か2回くらいなら事故が起こって勝てるかもしれない、
というくらいの差を感じ、当時は驚きしかありませんでしたが、
レート2400というとだいたいそのくらいじゃないかなあと思います。
つまり、身近にいるクラスじゃ一番強かったよという人に、
2枚落ちで完勝できるくらい強い、それが山本さんです。

今回は初戦と違い、山本さんは事前にソフトを提供していません。
インタビューにある通り棋士とコンピュータの差を考えながら、
1発を入れるために虎視眈々と狙っています。
また、Ponanzaは他のコンピュータソフトとは逆に、
序盤が強く終盤が弱い先行逃げ切り型です。
そのため、他のソフトで練習してもあまり対策にならないと思います。

将棋世界2013年4月号より

私が将棋プログラムを作り始めた時、Bonanzaは将棋プログラムのトップに君臨していました。
Bonanzaの先進的設計思想には非常に心打たれるものがあり尊敬していたので、
BonanzaをもじってPonanzaという名前にしました。
保木さんにも許可を頂いています。
なんか弱そうなかわいいネーミングで結構気に入っています。
<中略>
スポンサーのBiglobeさんにマシンを複数借りて、
ネットワーク化した20台前後のクラスタマシンで挑みます。

戦型予想はPonanzaの振り飛車になると思いますが、
佐藤四段は居飛車穴熊も相振り飛車もするので難しいです。
相穴熊を予想しておきます。当たるかな。

開発者山本一成さんの毎日がEveryDay!

2/20にPonanzaを弱くしてしまったっぽいと書いたり、
2/27に全然強くならないとぼやいたり、いろいろ格闘している様子が伺えます。



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