棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

2013年02月

書評?「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」

将棋の駒の動き方がわからなくても、
勝負の世界に生きるプロ棋士の魅力がわかる、お勧めの一冊です。



著者について

著者の梅田望夫さんはアメリカのシリコンバレーでIT事業に携わっています。
こういうとエンジニアをイメージされると思いますが、
梅田さんはコンサルタントであり、職人とは少し距離を置いた方です。

本のタイトルについて

タイトルは梅田さんの釣りといっていいと思います。
このタイトルだと、
羽生さんをひたすら賛美しているような内容に思われてしまいますが、
梅田さんの望みは
もっとたくさんの人が将棋の棋士に興味を持つようになって欲しいということです。
ただし羽生さんがダントツの実績を残しているのも事実です。
本書は羽生さんと、
タイトルを争った相手の棋士に話しを聞くという形で進行していきます。
 
今の将棋界について

将棋というと伝統芸能であり、古臭いイメージがありますが、
盤上の技術の進歩がすさまじい速さで進んでいます。
棋士同士が研究会をしていて、さまざまなアイデアが出ては試されています。
また、実戦で現れた新手は即座にインターネットを通して広まり、
明日には研究会で並べられて対策をみんなで考えているといった状況です。
当然作戦や新手に著作権は無いので、
秘密にしておいたアイデアが成功したとしても、
手に入れられるのは目の前の1勝だけという世界です。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
目次
はじめに―残酷な問いを胸に
第一章 大局観と棋風
・リアルタイム観戦記「割れる大局観」第80期棋聖戦第一局
・対話編「棋譜を見れば木村さんが指したものとすぐわかる」(羽生善治)

第二章 コンピュータ将棋の遥か上をゆく
・リアルタイム観戦記「訪れるか将棋界『X-day』」第80期棋聖戦第五局
・対話編「互角で終盤に行ったら、人間は厳しいです」(勝又清和)

第三章 若者に立ちはだかる第一人者
・観戦エッセイ「『心の在りよう』の差」第57期王座戦第二局
・対話編「あれ、むかつきますよ、勝ってんのに」(山崎隆之)

第四章 研究競争のリアリティ
・観戦エッセイ「研究の功罪」第68期名人戦第二局
・対話編「僕たちには、頼りないところがあるのかもしれないな」(行方尚史)

第五章 現代将棋における後手の本質
・リアルタイム観戦記「2手目8四歩問題」第81期棋聖戦第一局
・対話編「優れた調理人は一人厨房でこつこつ研究する」(深浦康市)

あとがき―誰にも最初はある
―――――――――――――――――――――――――――――――――

将棋の本というと棋譜や図面が載っていて、
将棋が強くないと楽しめないというイメージを持つ方も多いと思います。
この本もタイトル戦の棋譜を題材に観戦記が書かれていますが、
5級向け、初段向け、5段向けと分けて解説されている部分もあり、
様々な棋力の読者に楽しんでもらえるような工夫がされています。

しかし、本書の最大の特徴は対話編にあります。
著者が棋士に話を聞くという形式で進んでいきますが、
棋譜の部分はすっとばして読んでも十分楽しめます。

対局後の羽生さんの態度についての山崎七段の言葉
「羽生さん、怒ってましたよね。
せっかく楽しくなってきたところなのになんだよって感じで。
投げんなよってことなんでしょうけど。
あれ、むかつきますよ、勝ってんのに。」

名人戦の対局が終わった日の深夜、
著者が行方八段、久保九段、対局者であった三浦八段の
深夜の研究会に誘われたときの三浦八段の言葉
「封じ手は▲3九歩か▲3九金を予想していました。
それで昨日の晩は特に▲3九金からの変化をずっと読んでいて、
もし封じ手が▲3九金ならこちらが勝てそうだと思って、安心して、
幸せな気持ちで眠ったんですよ」

深夜のお酒の席上でのある棋士の言葉
「深浦さん、王位ひとつならいいけど、タイトルふたつ以上は嫌だなあ」
「深浦さんは羽生信者ですよ。でも、そういうふうを見せながら、
その羽生に勝った俺は偉いんだ、と自己主張している」

私は将棋ファン、棋士ファンとして、
こういった言葉を聞きだせる梅田さんが非常にうらやましいです。
棋士との信頼関係が非常にうまく築かれているように思います。
将棋の観戦記者と棋士も信頼関係があると思いますが、
観戦記者との違いは梅田さんの立ち位置にあると思います。

通常の観戦記の場合、指し手についての質問に話がいきがちで、
棋士の言葉も符号が多くなってしまいます。
その結果、盤上の真理に話が進んでしまい、初心者お断りの空気が漂います。

ところが、梅田さんは職業が観戦記者ではないにもかかわらず、
棋士と信頼関係を築いていて、また、棋力も初段くらいといったことから、
かなりミーハーな立ち位置で棋士から本音を引き出すことに成功しています。
そのため将棋の強くない人、指し手について書かれてもわからない人でも、
棋士の魅力が十分に伝わる本です。

観戦記者のうち何人が、山崎七段の
「あれ、むかつきますよ、勝ってんのに」
なんて言葉を引き出せますかねえ。
また、羽生さんが梅田さんに狂気を見せるシーンもありますが、
いったい何人が狂った羽生さんを見たことがありますかねえ。
私が観戦記者でこれを読んだらそれこそ嫉妬で発狂ものだ。 



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私のNHK杯勝率は8割4分です

show棋ふぉーカス


羽生さんが投了したときの長沼先生のお辞儀がえらい深すぎです。

将棋マガジン1990年3月号、
神吉宏充五段(当時)の「へえへえ 何でも書きまっせ!!」より。

棋士室に「わーい、神吉さんだあ」と叫びながら長沼四段が入って来た。
「おおっ、長沼君、将棋世界で読んだんやけど免許取りに行ったんやて?」
「ええ、十二月十九日にやっと取れました」と感慨深げに頷きながら。
聞けば教習所に通いだしてから5ヵ月と4日もかかったそうで、
口の悪い仲間からは並の運動神経ではないと絶賛しきり。
しかし免許を持った強みか、フンと鼻息で「もうだいぶ走りました」ここまでは良かった。
「百キロぐらい走ったんですよ」(一同ズッコケ)。
マッチ(浦野六段)「へえー、百キロか。神吉さんぐらいスピードが出るんやなあ」
「スピードと違いますよ、距離ですよ。スピードやったら神吉さんより出ますよ」
「アホか!」関西の棋士が二人以上集まるとほとんどこんな会話になる。
ネ、オモロイでっしゃろ。さらに長沼免許騒動は続く。
しかし5ヵ月と4日もかかったのなら教習所でも結構費用がかかったのだろうと思って
「なんぼぐらいかかったん」と私が訊ねた。
長沼は笑いながら「なんぼかかったんか、もう全然覚えてないんですよ」
そう答えた瞬間マッチはもとより
隣で棋譜を見ていた森(信)五段も長沼君の方に目を向けて
「君が数えんわけないやん」。
関西の棋士に長沼流のボケは通用しない。
観念したのか、暫くして「ええー、消費税込みですかあ・・・」
一同「そうや!」
「あんまり覚えてないけど、二十八万九千五百七十三円です。ひどおーい」
さすがである。「駒取り坊主」と呼ばれる長沼将棋。
このキメ細やかな損得勘定が、彼の将棋を支えている。



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森内俊之名人と佐藤康光王将

森内名人と佐藤王将はライバル同士です。
歳は佐藤王将の方がひとつ上ですが、どちらも羽生世代と呼ばれています。
それでは羽生さんはライバルなのかというと、
森内名人はこんなことを言ってます。

「自分で意識して張り合ってきたのは佐藤康光さんになります。
羽生さんとは同世代ですが、若い頃から遠い存在でした。
羽生さんは道を作ってくれた人。歩んできた道も実績も全然違う。
ライバルというより目標です」

以前羽生さんはアウトサイダー?というコラムを書きましたが、
きっと外からは窺い知れない数々のしがらみを羽生さんが壊してきたのでしょう。
そういえばタイトル戦の公開対局も、
島竜王と羽生六段の竜王戦が最初でした。
今ではニコニコ動画で解説つきの生放送が見れるようになっています。

さて、ライバル同士の森内名人と佐藤王将ですが、将棋はまるで違います。
森内名人は鉄板流と呼ばれ、力強い受けに特徴があります。
勝負師、研究家、芸術家のうち、勝負師の色が濃く出ているのが
森内名人の将棋です。

将棋マガジン1996年6月号、
名人戦七番勝負開幕「両雄を森下、村山が語る」より。

棋風は正統派に近い将棋。近い、というのが森内流で、
正統派にありがちなひ弱さがないのです。
一方で正統であり、もう一方では言葉は悪いのですが、
博打打ち的で一種野性的な面も持っていると思うのです。
時々、えっと思わせる力強い勝負手を放ってくることもしばしば。
森内流には油断は禁物です。

それに対して佐藤王将は綿密流、一億と三手読む男と言われ、
どんな展開になっても多数の手を読んでまとめてしまう豪腕が魅力です。
本人は棋理に基づいた手を指しているつもりであると述べていますが、
研究家の色の他に芸術家の色が強く、
それが意地っ張りな手となって出てくるため、
先崎八段に綿密ではなく野蛮と呼ばれてしまっています。

将棋世界2002年6月号、
佐藤康光王将の特別寄稿「我が将棋感覚は可笑しいのか?」より

私は正直、自分自身ではトップの中でも序盤巧者だと思っている。
中終盤も弱いとは思っていないが、今現在最強でないことは力負け、
逆転負けのある過去の対羽生戦で証明済みである。
<中略>
しかし、確かに私の作戦を真似する若手が全くといっていい程いないのも事実である。
これは本来いい姿なのだろうか?

佐藤王将ほど意地っ張りな部分を真似できる人は
そうそういないと思います。

さて、若かりし日の羽生さん、佐藤さん、森内さんを率いて研究会をしていた
島朗九段は、二人の違いを次のように述べています。

佐藤は中盤で四十手ほど読み筋を掘り下げると、
それを幹の部分にして今度は枝を読んでいく。
枝は本線の一手ごとに三つにも四つにも分かれていき、
その先でまだ……と無限に広がるのだが、
彼の読み方は枝分かれする分岐点を重視して読む方法を取るケースが多い。
森内は、枝分かれの瞬間より枝についている個々の手を探す読み方を得意としており、
方法論が微妙に違う。
佐藤は目印のない沖合の海で特定の場所を求めてブイを懸命に置こうとし、
森内は砂浜でダイヤモンドを丹念に探す。そんな差があった。

佐藤王将は現在タイトル防衛戦の真っ最中です。
相手は合理主義者の渡辺明竜王で、第5局が3月6、7日に行われます。
ニコニコ動画では初日の解説が村山慈明六段、
二日目が行方尚史八段です。
村山六段は序盤は村山に聞けと言われるほど序盤巧者で、
さらに歯に衣着せぬ発言から渡辺明竜王、戸辺誠六段とともに
酷評三羽ガラスと呼ばれています。
行方八段はロック魂に溢れた棋士で、
デビュー直後の第7期竜王戦で挑戦者決定戦まで進んだ時に、
「羽生さんに勝っていい女を抱きたい。」と言ったことが有名です。
今のところ渡辺竜王が3-1とリードしていますが、
このままタイトル奪取なるのか佐藤王将が踏みとどまるのか注目です。



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運勘技根

MA☆SU☆DA


升田先生はいかにも昔の勝負師といった風貌で、
残っている話も面白く、今もなおファンが多いのもうなずけます。

運勘技根。

例えばホリエモンの後にライブドアの社長に就いた平松庚三さんは、
著書「ボクがライブドアの社長になった理由」にて、
成功するには運、才能、努力が必要で、そのうち2つあると結構いい線までいける、
と述べています。
勘は才能、技根は努力とすれば、
まるで違う人生のはずの2人でも同じことを言っていますね。



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おじいちゃん2人の止まらない将棋愛

石田和雄-ひふみん 感想戦


何十年も将棋を指し続けてなお満足しない探究心。
勝ったはずの北浜健介七段そっちのけで、
石田和雄九段と加藤一二三九段が感想戦をどんどん進めます。
最後は神武以来の天才と言われた加藤九段が、
流石の一手を見つけました。



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