棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

第2回電王戦第2局、Ponanza対佐藤慎一四段

第2回電王戦の第2局、Ponanza対佐藤慎一四段の対局は、
Ponanzaの勝利で終わりました。
今日のPonanzaは1秒間に3000万局面から4500万局面を読めるようにしてきたそうです。

初戦はソフト開発者の竹内さんが和服でしたが、
今回は棋士の佐藤慎一四段が和服で登場しました。
山本さんはアマチュア強豪ということで、
対局前の駒を並べている時の姿が様になっていましたね。

解説は野月浩貴七段、聞き手は山口恵梨子女流ですが、
この2人は山口女流が子供時代に将棋スクールに通っていた頃に先生が野月七段で、
山口女流が6歳の頃からの知り合いとのことです。
棋風はどちらも攻め将棋で、
解説でも攻めっ気を見せてくれました。

山本さんの作戦は3手目の▲5六歩でした。
これは中飛車を目指した手で、やはり居飛車対振り飛車の戦型に誘導しにいきました。
しかし、Ponanzaは親の心子知らずといいますか、
山本さんの意図を無視して無理に居飛車を選択し、
佐藤四段が少しポイントをあげる展開になりました。

野月「最初は50-50じゃないですか 1ポイント取ったらどうなりますか?」
※51-49で2ポイント差になると言いたい。
山口「49-48?」
野月「聞くんじゃなかった」

CMに山本一成さんがちょいちょい出てきました。
山本「佐藤四段?強いよね。序盤中盤終盤隙がないよね。でも、Ponanzaは頑張るよ。
えーBona…Ponanzaが躍動する将棋を、みなさまに見せたいね。」
野月「これやった人で勝った人いないんだけど大丈夫かな。」

佐藤四段がやや指しやすいといったところで昼食休憩。

昼食休憩の時の山本さんのツイッターより
ちゃんと動いてくれ… 心臓に悪すぎる…
うな重うめー
しかしponanza酷い序盤だ…

初戦勝った阿部四段と聞き手だった矢内女流のツーショット


昼食は佐藤四段、山本さんともにうな重(竹)。
昼食代はスポンサー持ちということなので、
どうせなら松にすればよかったのに…

その後優勢を意識した佐藤四段がやや消極的になり、
Ponanzaの他のソフトより優れているという序中盤の感覚もあってソフトが盛り返します。
しかしそこは逆境のアーティスト。
いい開き直りがでてまた佐藤四段に局面が傾きました。
この辺の手順は佐藤四段の豪腕炸裂といった感じでしたが、
持ち時間がどんどん無くなっていきます。

おやつ
佐藤四段アーモンドチョコレート3500円。
山本さんシュークリーム。
3500円のチョコレートってどんな味なんだろう。

しかしその後持ち時間が無くなるにつれて佐藤四段がリードを失い、
最後はPonanzaが一気に寄せ切ってソフトの勝利となりました。
やはり短い時間で終盤を迎えると、人間には厳しいです。

対局後山口女流が泣きながら聞き手を務めていました。

個人的には佐藤四段の人間っぽさと、
Ponanzaの他のソフトとは違う序中盤の感覚がよくでたいい対局だったと思います。
人間対コンピュータですと、
第1局のようにどちらかが優位になったらそのままというイメージだったのですが、
今日の対局は両者持ち味を出して、一方的にならないように相手についていくという展開になり、
見ている側もスリリングな展開を楽しめました。
序盤だけでなく、中盤のねじりあいでも人間が勝負を見込めるというのは、
いい収穫になったと思います。
また、▲5六歩と指定してもPonanzaが振り飛車にできなかったのを見て、
ソフトに戦型を指示することが実はすごく大変なことだということもわかりました。
それにしても短い時間の終盤はコンピュータの土俵ですね。
人間側はいかに終盤に時間を残すのかが勝利する鍵になると思います。

この対局の観戦記は先崎学八段です。
先崎八段は棋士の中で一番といっていいくらいの文豪なので、とても楽しみです。

ニコニコ生放送
来場者数 :444,278
コメント数 :457,451

将棋の放送で44万人すか、まじすかって感じですけど。
将棋ファンを増やしてほしいと言う故米長会長のまいた種が着実に実っている気がします。 

▲7六歩△8四歩▲5六歩△3四歩▲6六歩△8五歩▲7七角△6二銀▲7八銀
△5四歩▲4八銀△3二銀▲5七銀△3一角▲6八玉△8六歩▲同 歩△同 角
▲8七歩△7七角成▲同 玉△4二玉▲3六歩△3一玉▲5八金右△5二金右
▲2六歩△4四歩▲1六歩△5三銀▲1五歩△4三金▲6七金△3三銀▲6五歩
△3二金▲6六銀△2二玉▲9六歩△9四歩▲8八玉△7四歩▲4六角△9二飛
▲3七桂△2四銀▲7七金△4二銀▲8六歩△5三銀▲5五歩△同 歩▲同 銀
△3九角▲5八飛△8四角成▲5四歩△6二銀▲6四歩△7三桂▲8七金
△6五桂▲6三歩成△同 銀▲5六飛△4八馬▲5八金△3八馬▲6六銀
△5五歩▲5三歩成△同 金▲5五角△5四歩▲4六角△6四銀▲2五桂
△4五歩▲6四角△同 金▲6五銀△同 金▲5四飛△4三銀▲5三飛成
△4四角▲同 龍△同 銀▲8三角△8二飛▲7四角成△5四飛▲6五馬
△5八飛成▲6七銀打△5九龍▲5六桂△3三銀右▲同桂不成△同 銀▲4一銀
△4二金打▲3二銀不成△同 金▲3五歩△3七馬▲3四歩△同 銀▲4四桂
△4二金▲3二金△同 金▲同桂成△同 飛▲3三歩△同 飛▲4四金△3二金
▲3三金△同 桂▲6一飛△5一歩▲4四金△4三銀打▲3五歩△7三桂
▲6六馬△4四銀▲3四歩△2六馬▲6三飛成△3五馬▲3三歩成△同 金
▲2五桂△5三金▲4二銀△4三金打▲3三桂成△同 金▲5三龍



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嘘であって欲しい

元奨励会三段の天野貴元さんがご自身のブログにて、
舌癌であること、ステージ4であること、顎に転移していることを告白しました。

天野さんのブログはこちら

門倉啓太四段の、
回復を祈ることしかできない…ちくしょう!
というツイートはこれだったんですね・・・私もファンの一人として回復を祈っています。

記録係りを務める天野三段
20081113_amano1

いえーい
IMGP1992

将棋ビギナーズセミナーで指導する天野三段
b0108657_122478

きりっ!
2008-03-27

羽生三冠による伝説の王座戦の解説

第60期王座戦第4局 羽生三冠による解説(1/2)


第60期王座戦第4局 羽生三冠による解説(2/2)


渡辺明竜王と丸山忠久九段の竜王戦の対局のニコニコ生放送解説に、
羽生三冠がきたときの動画です。
聞き手の藤田綾女流の顔が異様に真っ赤だったことが印象に残っています。

さて、対局のほうは羽生さんが登場したときにはすでに戦況が傾き、
渡辺竜王が優勢という状態でした。
そのため、丸山九段に対してせっかく羽生さんが来たのにどうしてくれるんだと2chでは言われ、
ニコニコ生放送では対局とは無関係な雑談で盛り上がっていたのですが、
対局終了からその空気が一転します。
竜王戦の解説の番組なはずですがそこは柔軟なニコニコ生放送、
話題となった渡辺王座対羽生二冠の対局を解説するということになり、
○(丸山九段)はもう許したコールがすごかったです。

当時の解説はこちら



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虎視眈々Ponanza

ponanza開発者 山本一成氏 インタビュー 第2回将棋電王戦


Ponanzaの開発者の山本一成さんは将棋が強く、
将棋倶楽部24のレートで2400ほどあるとのことです。
レートを言われても分かりにくいと思いますが、これは相当強いです。
私事で恐縮ですが、私は中学生や高校生だった頃、教室では一番強かったです。
クラスで弱い人なら2枚落ち(飛車角落ち)でも勝てるくらいで、
自分のことを相当強いと思っていたのですが、
高校生のあるとき、県大会で優勝した方と対戦する機会がありました。
たまたま将棋部で2番目に強いという人に勝った時に、1番強いラスボスが登場したのです。
「それじゃ2枚落ちで」
と言って駒を並べ始めたその人を見て、私は
「おいおいそんなんじゃ勝っちゃうよ?」
と思ったものです。
開始早々角金交換でこちらの飛車が成りこむことに成功し、それみたことかと思いましたが、
そこから一瞬で私の王が寄せきられてしまいました。
多分100回指して1回か2回くらいなら事故が起こって勝てるかもしれない、
というくらいの差を感じ、当時は驚きしかありませんでしたが、
レート2400というとだいたいそのくらいじゃないかなあと思います。
つまり、身近にいるクラスじゃ一番強かったよという人に、
2枚落ちで完勝できるくらい強い、それが山本さんです。

今回は初戦と違い、山本さんは事前にソフトを提供していません。
インタビューにある通り棋士とコンピュータの差を考えながら、
1発を入れるために虎視眈々と狙っています。
また、Ponanzaは他のコンピュータソフトとは逆に、
序盤が強く終盤が弱い先行逃げ切り型です。
そのため、他のソフトで練習してもあまり対策にならないと思います。

将棋世界2013年4月号より

私が将棋プログラムを作り始めた時、Bonanzaは将棋プログラムのトップに君臨していました。
Bonanzaの先進的設計思想には非常に心打たれるものがあり尊敬していたので、
BonanzaをもじってPonanzaという名前にしました。
保木さんにも許可を頂いています。
なんか弱そうなかわいいネーミングで結構気に入っています。
<中略>
スポンサーのBiglobeさんにマシンを複数借りて、
ネットワーク化した20台前後のクラスタマシンで挑みます。

戦型予想はPonanzaの振り飛車になると思いますが、
佐藤四段は居飛車穴熊も相振り飛車もするので難しいです。
相穴熊を予想しておきます。当たるかな。

開発者山本一成さんの毎日がEveryDay!

2/20にPonanzaを弱くしてしまったっぽいと書いたり、
2/27に全然強くならないとぼやいたり、いろいろ格闘している様子が伺えます。



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第2回将棋電王戦第2局 Ponanza対佐藤慎一四段

第2回将棋電王戦 第2局佐藤慎一四段 vs ponanza PV


佐藤慎一四段は奨励会の3段リーグに15期もいた苦労人です。
負け越せば年齢制限で奨励会を退会することになる26歳のときに、
15勝3敗の好成績でプロ入りを決めました。
それまでの14期で勝ち越しが3回しかなかったので、追い込まれてから底力を発揮しました。
将棋も序盤で先行逃げ切り型ではなく、終盤の追い込み型です。

コンピュータは終盤が強いと言われていて、
特に王様が詰む詰まないといった計算の世界では人間よりも遥かに上です。
そのため、序中盤の感覚の世界でリードできるタイプの棋士はコンピュータと相性がいいとされ、
逆に終盤タイプの棋士は相性が悪いとされています。
そういった意味で佐藤四段はコンピュータと相性が悪いと言われています。

将棋世界2013年4月号より

コンピュータと練習将棋を指して感じることは、局面局面の最善手を常に追求していること。
深い読みと決して衰えない集中力、その中から一手だけ選ぶ決断力。
それは人間にも劣らないことだし、その姿は素直にリスペクトしています。
人間側がまさっている直感力、良し悪しの感覚や嗅覚、勝負の世界で肌で感じたものなど、
いままで自分が培ってきたものを出してよい将棋を指したい。

がんばれ!佐藤四段!

佐藤四段の初戦を終えての感想はこちら



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