棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

竜王戦第2局は糸谷七段が圧勝!

森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦している第27期竜王戦七番勝負第2局は、
挑戦者の糸谷七段が勝利し2連勝としました。

注目の封じ手は▲2四歩。
封じ手予想アンケートでは9.7%というちょっと意外な手でしたが、
糸谷七段はいつも通りさして時間を使わずに手を返していきました。

ニコニコ生放送では9時から大盤解説会でしたが、
何故か聞き手の藤田女流のみでスタート。この様子どこかで見たことがある…。
藤田女流「コメントたくさん頂いていますが、遅刻じゃないですよ。大丈夫です」
豊川七段が遅刻したときも聞き手が藤田女流だったんですけどこれは…。

どちらを応援しているかアンケート
森内竜王63.4%、糸谷七段36.6%。
ponanzaは糸谷七段の+110でした。
一手損角換わりはコンピュータの評価値が辛く、
最序盤でいきなり-200とかになっていたので、
ponanza的には後手が相当挽回したということなのかもしれない。
10分くらいたってから中村九段登場。
中村九段「いやいやいや。面白かったですね。
封じ手知らないんですけど、まあ現局面を見て分かったというか。
▲2四歩は無いと思ったんですけどね。
昨日はちゃんと7時に出るつもりだったんですけどね。そしたら8時…」
藤田女流「なんか私ポニーテールにすると一人になる気がして、やめようかな」

中村九段「竜王戦の1回戦で、藤田さんに今回は海外対局なんですよと聞いて、
挑戦者にならないといけないなと思って毎日神棚におがんで、
勝たせてくださいじゃあれだからいい将棋が指せるようにとか、
3組の棋士が挑戦者になれるようにとか、それだけはかなったんですけどね」
※糸谷七段は3組優勝からの挑戦です。

席を立つ糸谷流について
中村九段「どこに行ってるんですかね。糸谷さんカメラかなんかつけてもらって…」
そしたら戻ってきてすぐに指す糸谷流。
森内竜王の封じ手▲2四歩は意外だったが、
封じ手は相手の読みを外す難解な手を指すのが基本ではないけどあるとのこと。
中村九段は家でコンピュータ相手に、昨日の終了図から指してみたらしい。
封じ手一番人気の▲3四銀は、
△4八歩とたらして△4九角からごちゃごちゃやってくるらしい。
▲3四銀からの展開はコンピュータ相手に指したり研究していたようで、
中村九段「私が対局者だったら、これで▲2四歩がきてすこし嫌になっちゃう」

リレー質問
森下九段から中村九段へ
50歳を過ぎてさらに強くなる秘訣を教えてください。
強くなるって別にあの…こちらが教えて欲しいくらいですけど。
将棋界ってなんだかんだいって40代が主力じゃないですか。
20代の頃から強かったですけど。
30代と40代はいろんな意味で大差な気がするんですよ。
ところが40代と50代だと個人差がでてくるんですよ。
そうするとあんまり年齢気にすることがなくなったんですね。
それこそ森内さんたちの世代が勝ってるんだから、
私たちの世代が勝ってもいいんじゃないかなとか、
それこそ20代の棋士がばんばん勝ってたらもうだめかなとか。
最近コンピュータが本当に強くなってくれて、ある意味ありがたいなと思うことは、
将棋指して、感想戦やって、結局わかんないで終わることがあると、
とりあえずコンピュータの判断を見ると、それなりに答えてくれて、
こういう考え方もあるんだなと納得できることもある。

その後ponanzaの読みを見ながらちょっと解説になりました。

安食女流から藤田女流へ
もし女流棋士になってなかったら何をしていたと思いますか。
私なんかできることが少ないので、何でしょうね。
ほんと低学年の頃はケーキ屋さんとかそういうレベルなんですけど。
あまり手先も器用じゃないのであまり思いつかないんですけど。先生はどうですか?
中村九段「TOTOの社員になりたかったんですよ。
男性は思い当たることがたくさんあるんですけど、飛び散るのが気になる」
藤田女流「先生朝の9時半です」
中村九段「それをいろいろ研究したかったんですよ。
今は泡で飛び散るのを防ぐとかいろいろあるんですよ」
※藤田女流は11歳!でプロの女流棋士になったので、
他の仕事をしているイメージが湧かないんじゃないですかね。

中村九段の不思議流TOTO押しが出たところで初手からの解説に。

ポイントとしては後手の73桂馬が85に跳ねることになるが、
跳ねた時は形勢が傾いていることが多い。
先手の47金も、56金にあがることになるが、
これも困ってあがるのが意図してあがるのか。
その手が指されたら形勢を言いたいと思います。とのこと。

ponanzaが読んでいて、
中村九段が浮かびにくい手と言っていた△2八角を糸谷七段が指す。
後手は早い流れにしたい。先手はゆっくりした流れにしたいとのこと。
さらに現地の検討手順を並べて、
中村九段「こういう細かい攻めを考えるのは畠山さんですよね」
藤田女流「はいそうです」
※畠山鎮七段と畠山成幸七段は双子の兄弟で、
弟の畠山鎮七段は名前はマモルだけど攻める棋風、
兄の畠山成幸七段は受ける棋風です。

質問メール
先日放送されたNHK杯の熊坂学五段と香川女流王将の対局で、
中村九段は中盤で熱の入った解説とエールを送っていましたが、
香川女流王将がタイトルを防衛し、熊坂五段も連勝して絶好調です。
香川女流や熊坂五段とのエピソードがあれば教えてください。
非常にいい将棋だった。解説していても内容がいいと熱が入ってしまう。
終盤興奮したのは、熊坂五段が奨励会のときに自分は幹事をしていたから。
両者競り合って最後美しく勝って欲しいと思って。
香川女流が防衛した後連絡?
1局目負けたあとに電話きまして、先生負けましたって泣いてました。
持ち駒かなんかを落として、反則まがいの手になってしまって残念だったなど言ってた。
2局目は気にしないでとはいった。
3局目のアドバイスはない!ハワイいってたよね?
それで負けてぼろくそになったらそれはそれでいいし。
3局目は同じ日に中村九段も対局で、集中できずにそわそわしていたらしい。
熊坂五段は真面目で一生懸命やってたのを知っているので、
なかなか成績に出なくて、最近本当に将棋見てると落ち着いて指せている。
自分の力を8割出せる人ってなかなかいない。相手がいますから。
この年になるとみんな後輩で同じ世界を目指してきた人なんでかわいい。
ただ渡辺君とか橋本阿久津とかは、奨励会の頃はかわいかったけどね、
今はかわいくないね。全然勝てないからね。平気で負かせにくるからね。
先日新人王戦で優勝した阿部四段について
彼は初め負けてね、2局目勝ってこれでよしっと。
藤田女流「アドバイスは何かされ…」中村九段「いや全然」
彼は青森で人と指すというよりはインターネットで将棋を指して、
早指しはほんとに棋界でもトップクラスだと思う。
藤田女流「何か一門で集まるとかは?」
中村九段「ない!大阪に逃げちゃう人もいるし!
北浜君も大阪行っちゃいましたから。そしたら勝ちはじめるし!」
※北浜健介八段中村九段の弟弟子。今年度から関西に移籍し、今のところ勝率6割です。

ぶるぶる将棋について質問です。
プロの先生はまわって指していますが、下手はこう指しましたとか言った方がいいですか。
JTの復興イベントで磐木にいって、ぶるぶる将棋を指した。
プロ棋士7人くらいで50人くらいを相手にする。
1対1とか3面指しくらいなら覚えてるが、50人だと流石に手番がわからないことがある。
手は言わなくてもいい。上手は棋風に左右される。
右に囲おうとしたのに一周回って他の棋士が指し継いだ盤を見たら左にいるとか、
必死かけようとしてるのに戻ってきたら詰ましに行ってるとか。

封じ手について
王将戦で封じ手をした。
お腹壊してねえ、トイレ駆け込んだんですけどねえ。
藤田女流「練習とかしましたか」中村九段「いやしません」
封じ手についてはやり方を聞いた。緊張はしなかったが、書き間違えたらどうしようとか。
丸つけて矢印でいいんだけど、慎重な人は符号も書くんだけど、
矢印と符号が違ったらどうするんだろうとか。
1局目であれだけやってればもう緊張することはないでしょう。
封じ手は予想してるから、立会人は開封のときに予想が外れると「うん?」ってなる。
書いた以上変えられないので、損なんだけど、
取る一手なので歩を捨てる手を書いて後悔したことはある。
僕らの時代は関係者に悪いなとか、20人以上いるので待たせることになっちゃうなとか、
定刻を過ぎたらどうしようかとつまんないこと考えてた。
棋譜は持ち時間の確認、相手の時間の使い方を見る。
最近記録用紙じゃなくてタブレットで記録とるようになった。
そうすると棋譜見せてって言えない。
タブレット見せてくださいとかカンニングしてるみたいでしょ。

森内竜王が激しい手順を選び、糸谷七段が考え始める。
中村九段「これはねえ。あぐらになったら長いですよ」
そしてあぐらになる糸谷七段。
背広より着物の方が将棋は指しやすいらしい。
スーツは座る用にできてないから、夏なんかすぐにすり減ってしまう、
などと話していたら糸谷七段はすぐに正座になおって△3一銀。
中村九段「もう指すの?早いなあ」
激しい手順になり、
中村九段「午前中に優劣がつくという形になってきた」
ponanzaは糸谷七段の+192。

どちらを持って指してみたいかアンケート
森内竜王24.3%、糸谷七段40.8%、にゃんともいえない34.9%。
中村九段「コンピュータは形勢判断をするときに、
形にこだわらないタイプだなと思った」

その後一直線に斬りあう変化でも難解との解説。

テレビ棋戦とかでトイレに行けないとわかっていると不思議とでない。
残り1時間とかだとそわそわしちゃう。
残り5分とかになったら行けないなとか、出ないんだけど行っちゃうとか。
糸谷さんが頻繁に立っているけど気持ちはわかっちゃう。緊張で咳き込む人とかもいるし。
最近しゃべっても、前夜祭とかでしゃべったことが、
すぐその日のうちに流れちゃうじゃないですか。
大盤解説でもここだけの話ですよとか、
NHKではしゃべれませんがとか言って話すことはなくなりました。

質問メール
出演される側として、ニコニコ生放送の登場で変わったなと思うことはありますか。
特に藤田さんはニコ生四天王として、変わったことはありますか。
中村九段
私はあんまり変わってないですけど。
藤田女流
イベントに行くと感じますね。
ニコ生で宣伝させていただくとそれを見てきましたと言われたり、
サイン会とかで絵を描いてくださいとか言われたり。
ニコ生を見て初めてイベントに行ったという方も多いですよね。

ここで咳き込む音がする。糸谷七段が咳き込んで席を立ったようだ。
中村九段曰く集中しるぎて無意識に止められなくなっている。
丸山さんとか佐藤さんとかもそう。
羽生さんに負かされすぎてうなされて止まらないってわけじゃないんですけど。
空咳といえば加藤さんも有名。

ここで宣伝
藤田女流「11月2日にも東竜門イベントがありまして、指導対局、トークショー、
2部制なんですけど、1部は指して楽しむ、2部は見て楽しむイベントになっています。
私はどちらも出ます。みなさん是非」

棋士の方々は研究が嵌まっての勝ち、未知の局面での捻り合いからの勝ち、
どっちがうれしいですか。将棋界での一般論と個人的見解を教えてください。
それはもう未知の局面で勝ったほうがいい。研究だと自分で勝った気がしない。
最後まで研究通りで勝った将棋も見ますけどあれじゃむなしい感じがする。
見てるほうも結末が分かっているのを見るのも面白くないと思う。
本当に今激しい将棋が多くなってきたし、
片方が研究不測だと1本道でしょうがないって事もでてきたので。
横歩取りなんかも激しい将棋がでてきて、
タイトル戦も昔は1日目は駒がぶつかるまででおしまいって雰囲気がありましたけど、
今はもう9時過ぎて遅刻して来たら大変なことになってますからね。
将棋界の一般論っていうのはないんですよ。
プロ棋士100人に次の一手を聞きましたとかをやって、
80人がこの手を選びましたと言って、それが正解じゃないってこともあるんですよ。
個性とか人と違った手が指せる人がプロに上がってくる。
相手に意表をつかれても、読みの蓄積が無駄になってもそれにめげずに、
精神の強い人がトップ棋士になるんだなと思う。
奨励会幹事をやっていて、
幹事席にやってきてぺちゃくちゃしゃべっている人が上がったなあと思う。近藤君とかね。
一生懸命やってるなあと思う人でもなかなか上がれなかったりしてね、
個性が生きる世界なんで。

糸谷七段の座る位置が盤に近いことについて。
こないだ野月さんと指したんですけど、1メートルくらい後ろにいるんですよ。
一緒に指している気がしないというか。お願いしますって聞こえてるのかなとか。
終盤はこちらの方に手がくるじゃないですか。
そうすると届かないんでこっちに来るんですよ。無言の圧力を感じるというか。
斜めに座る人もいるんですよ。気になって仕方が無いというか。

ここで両者席を外して不思議な対局場生中継に。
中村九段「対局者控え室っていうのがあるんですけど、
2人一緒になっちゃうけどどうするのかな。まさか顔会わせるのも嫌だろうし。
神経質な人は初日が終わった後の夕食会みたいなのでも別室にする人もいます」

次の一手アンケート
△2八金19.4%、△5九金29.3%、△8五桂7.2%、その他44.1%。
藤田女流「それでは後手番なんでヒフミンアイを見てみましょうか」
中村九段「みんな普通に言ってますけどそれは将棋用語なんですか?」
後手から見ると、忙しい局面なので何か動かないといけないとのこと。
そして糸谷七段が棋譜用紙を確認して、
中村九段「本日7回目の棋譜確認」
不思議流は回数をカウントしているらしい。
ponanzaは△5九金で糸谷七段の+61。さっきより接戦になったとみているようだ。

お昼アンケート
うなぎ56.7%、中華12.5%、パスタ10.1%、定食20.6%。

昼食明けに中村九段と藤田女流がサンタクロースの帽子をかぶって登場。
今年もクリスマスフェスタやるよーとのこと。
中村九段「今企画も考えてるんですよ。アナと雪の女王にあやかってね。
綾と、由紀と、女王。ね?いいでしょう?」
藤田女流「それ私が出るんじゃないですか」
ここで生放送でプレゼント用の色紙をかかなくなったことが判明。
安定のぐらぐら机と言われた机がとうとう壊れたらしい。

詰め将棋の解答の後に初手から解説。
現局面までいったところで中村九段が糸谷七段ややよしと言い、
森内竜王が一手指してからponanzaの評価値を見たら森内竜王の+179。
さらに先まで解説を進めるも、それでもやっぱり後手を持ってみたいと中村九段。
14:40くらいで既に森内竜王の残りが50分に。

おやつタイム
中村九段「おいしいおやつなんでしょうね。この時間に食べるおやつはね」
糸谷七段はすごい勢いでおやつをかきこんでました。
ニコニコ生放送のおやつはGURUCHURORO原宿店の、
ストロベリークッキーチュロスとハロウィン限定パンプキンチュロス。

食べている間に糸谷七段がばしっ!
中村九段「あ、指しましたね。解説しないといけませんけどちょっと待ってくださいね」
そしてもごもご。食べ終わって糸谷七段が席を外しているのを見て
中村九段「私勝ちましたって感じの手つきでしたね。昔月光仮面って人がいてね」
藤田女流「人ですか?」
中村九段「いやいやいや、疾風のように現れて疾風のように去ってゆく」
ponanzaの評価値は糸谷七段の+317。形勢の均衡が崩れてきたか。
ponanzaの▲2四成銀という読みを見て、
中村九段「根性がすごいよね。これ指せるのは深浦さんくらいじゃないかな」

しばらく呆然としているような考えているような森内竜王。
ばしっと指した糸谷七段の△2五角が読み抜けだったか。
コメントでどのくらいの差なのですかと質問がきて、
中村九段「これはねえ。大差です。投げてもおかしくないくらい。
うーんあのねえ…指せないんですよ、指す手がないんです」
と言いつつ解説を進める、というか手を戻して、
この局面でこうやった方がよかったかなあという反省会モードに。
そして席を外す森内竜王。
中村九段「こういうので席を外すパターンは、気持ちを落ち着けるというか、
この後インタビューとかもありますので」
糸谷七段は気にせず棋譜用紙の確認。本日10回目くらい?
中村九段「気持ちが切れちゃうとね、自分で負けに行っちゃうんですね指し手が」

森内竜王が戻ってきて残り12分に。そして糸谷七段が正座。
投了するかもという空気なのかな?と思いました。
残り10分を切って中村九段も藤田女流も視聴者もそわそわし始めます。
そして秒を読まれた森内竜王の▲4四成銀に糸谷七段は無慈悲なノータイムで△6五歩。
森内竜王は銀損して角を助けるという苦しい非常手段に出て、
ponanzaは糸谷七段の+896。うーん苦しい。
もうどうにでもしてくれという森内竜王に対し、糸谷七段はなかなか指さずに考え、
中村九段「こういう時間帯が一番辛いんですよ。
早く斬ってくれって思っちゃいますからね」
などと言っていると糸谷七段はのんびりおやつタイムに。
中村九段「いやはははは。これはきつい」

そして糸谷七段は△8五桂。
中村九段「最初に△8五桂を跳ねる時に形勢を判断しますと言いましたけど、
後手必勝形です」

とうとう中村九段が、これ逆転したら明日の読売の一面になっちゃいますよ、
と言うくらいの局面になりました。
そしてやっぱり糸谷七段が席を外して
藤田女流「あぁ、このタイミングで」
投了もあるかもしれないタイミングなんでねえ。
そして森内竜王の▲6八銀と首を差し出しました、
次の糸谷七段の△5八竜で必死がかかります。
森内竜王がペットボトルの水をカップに注ぐとコメントがざわつきました。
残り5分でコップの水を飲み、
残り4分、残り3分となってから森内竜王の投了となりました。

この対局は90手目の糸谷七段の△2五角で急転直下という将棋でしたが、
それでは直前の手がだめだったのかというと、
もうちょっと前から形勢が糸谷七段に傾いていたように見えました。
相手の飛車を押さえ込みつつ、最後は縦方向の攻めも絡めて勝つというのは、
右玉党にとっては安心できる勝ちパターンなんですが、
糸谷七段も74手目に△2八金と、
森内竜王の飛車を押さえ込んだところで好転したと感じた、と感想戦で述べています。
中盤の捻り合いから相手より時間を残しつつ勝ちパターンに持っていったという、
流石関西の怪物です。

342
感想戦の糸谷七段。ご満悦である。

第3局の初日は11月6日、ニコニコ生放送では解説が中村太地六段、
聞き手が鈴木環那女流二段です。
中村九段「リレー質問?さっき下にいたんだけどね」
と言いつつNHKとニコニコ動画どっちがやりやすいですかという爆弾を残していきました。
竜王戦は若手棋士が活躍する棋戦で、初代竜王の島九段や、
佐藤康光九段、藤井猛九段、渡辺明二冠も竜王戦が初タイトルです。
糸谷七段がこのまま初タイトルまで突っ走るのか、森内竜王が粘り腰を見せるのか、
第3局はどうなりますかねえ。

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現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~
糸谷哲郎著
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第27期竜王戦第2局初日が終わる

森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦する第27期竜王戦七番勝負第2局は、
森内竜王の封じ手で初日が終わりました。

ハワイでの前夜祭では、
一神教とシャーマニズムについてというテーマで挨拶をしていた糸谷七段ですが、
第2局はハロウィンを絡めたスピーチをしてくれました。ハロウィン新手?
堂々のスピーチで初のタイトル戦とは思えない貫禄があります。

第2局は糸谷七段の後手番ということで、戦型予想は
「一手損角換わりじゃないでしょうか」by桐山九段
「一手損角換わり以外考えられない」by脇八段
「オーソドックスに進めば一手損角換わり」by畠山七段
「本命は一手損角換わり」by大石六段
「一手損角換わりだと思います」by記録係・池永三段
ということで満場一致で一手損角換わりでしたが、
皆さんの予想通り糸谷七段の一手損角換わりになりました。

ニコニコ生放送では9時から解説に森下卓九段、
聞き手に安食総子女流初段で大盤解説会が始まりました。

森下九段「後手一手損角換わりは、
振り飛車の一手損角換わりやゴキゲン中飛車などいろいろな定跡が混ざっていて、
まだこれだという定跡がない。
後手が△8五歩と突かないで角を交換し、△8五桂の余地を残す方が、
一手損をする損よりも得だというのが最初の主張だった。
その後は角交換振り飛車とも融合し、複雑で未解決な定跡になった」

ponanzaは早くも先手+200。コンピュータは一手損角換わりはしないと森下九段。
リレー質問は電話がかかってきたので聞き逃す。うそーん。

丸山九段が指す一手損角換わりは、後手の王様の位置が3二玉。
森下九段は2三の地点を金で守りたいので3二金にしたいらしい。
王様をどこにもって行くかも個性が出るとのこと。
糸谷七段の挨拶のハロウィンネタを聞いて、
森下九段「あ、そうなんですか!へー。余裕がありますねぇ」
西遊棋の運営も糸谷七段がやっているらしく、挨拶は案外慣れているのかもしれない。

質問メール
今回の第二局は一手損角換わりになりました。
一手損は特定の棋士しか指さなくなった印象ですが、何故ですか。
森下九段も一手損角換わりを少し前まで指していた。
全体的に勝率が悪いので指さなくなった。今指すのは青野九段、丸山九段、佐藤九段。
若手の棋士は横歩取りが多い。
戦法が悪いかどうかは何とも言えないが、どうも先手の勝率がよくて下火になっている。
先手の早繰り銀と7八玉型の相性が非常によくて、勝率もいいから。
山崎八段も一手損をさすが、山崎流といえるような大胆さ、スケールがある。
ここ2年くらいで先手の77銀、78玉、68金の片矢倉のような囲いが、
早繰り銀との相性がよいことがわかった。
将棋の神様天野宗歩先生がこの囲いを指していたので昔からある囲いではある。

糸谷七段が席を外すことについて
糸谷七段が席を外したが、棋士によってペースがあり、森内竜王は全く動かない。
いつも海に行く先生もいた。いろんな話をしている棋士もいた。
今は対局場で全然話さないが、昔はいろんな話で盛り上がっていた。
昔は三段特権というのがあって、その中にも先輩後輩があったので、
いい対局の記録はなかなかとれなかった。
今は羽生さんの記録もすぐとれる。
ただし関西は対局が少なくて、いい対局もいっぱいあるので、
関西の奨励会員が関東にきて記録をとることもある。
私が三段だったら全部とりたいくらいなのに不思議。
相手がどんなに偉い先生でも、感想戦では疑問に思ったことは聞いてよかった。
記録係が大山先生や中原先生に聞いてもよかった。
大山先生と青野先生の対局の記録をとったときに、急戦が失敗した将棋だったが、
疑問に思ったことをぶつけたら青野先生に丁寧に答えていただいた。

糸谷七段が持ち時間をさほど使わず、戻ってからすぐに指すことについて
私は指す一手は決まっているけど、自分だけさっさと指してもいいのかなと思って、
ちょっとバランスを取るみたいなことはあった。

質問メール
現在初段を目指して勉強中です。大局観がわかりません。
手筋や詰め将棋はこたえがあるが、大局観は漠然としていてこれだというものがない。
ある程度指針があって、駒得は裏切らないじゃないですけど駒の損得。
次に駒の働き。
一番重要なことは将棋は敵玉を詰めたら勝ち、自玉が詰められたら負けなので、
駒は基本敵玉にせまるのか、自玉を守ろうとするのか意識をつける。
自玉や敵玉から遠い駒から動かすといい。自玉の近くにいる駒はそれだけで働いている。
中盤の折衝あたりから常に意識して、
駒が守りに向かっているのか敵に向かっているのかを考えるだけで将棋が違ってくる。
初段前後なら飛躍的に駒の働きが違ってくると思う。

10時に糸谷七段にほうじ茶プリンのおやつが登場して
森下九段「糸谷七段はおやつも有名。
いつも差し入れを持ってくる。確かお酒は飲まれないと聞いた」
ここでプリンを食べて席を外す糸谷流が出ました。

棋士の先生方は、羽生先生のチェス、森内先生のバックギャモンなど、
ボードゲームをする棋士がいますが、他にもいますか?私はリバーシをやります。
私はオセロは子供の頃にずいぶんやって、ほとんど負けたことが無かった。
技を編み出して、簡単な思考なんですけど、隅をとるのがいいので、
隅の隣には自分の石が来てはいけない。
その隣に自分の石がくるようにして、小学生低学年の時に気づいて連戦連勝だった。
碁が好きで、幼稚園の頃から知っていた。父がいつも並べてたのを見ていた。
将棋で四段になってから本格的に始めた。将棋より覚えたのは5年早い。
将棋はたまたま4年生の正月に雨が降って、
それじゃ将棋を教えてやろうということになってその時に覚えた。
囲碁の井山さんは将棋は長考派でなかなか終わらないので、
室田女流は夫婦での将棋はやらなくなったらしい。
安食女流はボードゲームが結構弱い。
森下九段はトランプの大貧民をめちゃくちゃにやった。
中学生くらいの年齢で、ちょうど奨励会員の同門の先輩が上に住んでいて、
研究会が6時か7時に終わって、みんなで餃子を山ほど買ってきて、
食べながら徹夜でやっていた。それを1年半くらいやった。結構殺気立っていた。
朦朧としてダイヤとハートを間違って出すとかをすると怒られた。
奨励会で一番楽しい思い出。
学校行って将棋指して、大貧民を朝まで。あれで結構体力ついたのかもしれない。
大貧民が大好きすぎて、ギャンブルにまったく興味がわかなかった。
花村先生にギャンブルはやめておけと言われていたが、
大貧民のおかげかまったくギャンブルをやりたいと思わなかった。

真剣師の花村先生がギャンブルはやめておけと言うのは説得力がありますね。

森下先生がツツカナを相手にすばらしい棋譜を作られ、
40代の終わりに差し掛かっていても、
非常に気力が充実している森下先生を見て、情熱を維持できる秘訣を教えてください。
なかなか秘訣が無くて、情熱というのが一番難しい。
年齢を重ねますと体力が落ちるとかいろいろ問題があるが、一番は情熱。
これはなかなかもどらない。
自分を変えたいなと思うところもあって電王戦に立候補した。
プロは注目されて強くなるなと思った。
ファンの方からの励ましなんかもあって、だんだんだんだん情熱がもどってきた。
ここ10年で一番情熱がある。私の場合はたまたま電王戦だった。
後輩の高野先生に勝てる気しないんだと相談されたことがあるが、
その時僕は勝つ気がしないんだと答えた。
電王戦では若い頃C級2組に5年いて苦しんだ時くらい勝ちたいと思った。
10代だと死ぬほど大貧民とかで盛り上がるが、
夢中でできるものを何か一つ持って頂きたいなと思います。
花村先生に恨まれたり憎まれたりする言動をするなと言われた。
恨まれたり憎まれたりすると、情熱が無い相手にも情熱を燃やさせてしまう、
そういうのがあるんじゃないかなと思った。
若いときは人に嫌われちゃだめなんだなくらいだったが、
今は死に掛かっている相手の情熱を呼び覚ましてしまうんだなと思った。

モリシタ集めについて、どのようにして生まれたのか。
きっかけ、開発秘話などを教えてください。私は初日に名人になりました。
私は単に声を吹き込ませていただいただけだった。
20通りくらい台詞があって、それぞれ低い声、普通の声、高い声と3通りで60通りほど。
開発者はまだ新入社員の若い女性だった。
入って1年にならない方。ドワンゴさんのクリエイティブなところなんでしょう。
出た時は家内のスマホを借りてやった。
9月の20日だったと思うが、電王戦タッグマッチの時に、
この人が開発者ですと紹介されて驚いた。
恥ずかしがっちゃいけないと自分に言い聞かせて声を吹き込んだ。
高い声が相当恥ずかしい。
大貧民にはまっていた中学2年生の時の写真もでてくる。
マックス村井さんという方がいて、
ユーチューブでモリシタ集めをやっている動画があった。
視聴回数が10万を超えていた。
子供に聞いたらマックス村井がやるのは相当凄い、
こんなゲームをとりあげるのはおかしいから、
これはドワンゴさんがそうとう金を積んだのではないかと言われた。
高校生なんでスレてるんですね。

律儀先生はメールの冒頭の挨拶にいちいちお辞儀をして挨拶を返す律儀な先生でした。

なんとかツツカナに勝ちたいので力を借りようと、
酒とコーヒーをやめて、なんとか勝たせてくれと思ったら、
まったく意外な効果が出て8キロ痩せた。
今は体が軽いので2時間くらいの正座なら全然平気。ツツカナの前は30分くらいだった。
相手がコンピュータなので天の力を借りようと酒とコーヒーをやめた。
酒よりコーヒーがきつかった。代わりに炭酸水が増えた。なんか活性化するらしい。
今までもお酒はやめようとしたが、ルールなのでどうしても破ってしまう。
そのため今回は天への誓いとしてやった。

そして律儀先生が駒の歪みを直し始めました。
横から見ると綺麗に整って見えるが、画面を見ると結構ゆがんでいるとのこと。
その後安食女流の兄弟子の西尾六段の話題に。
西尾六段は奨励会の幹事をやっていてすごく怖いと評判らしい。
英語のblogを作っていて、海外の方にも将棋の情報を発信しているとのこと。

対局中の行動制限などあるのでしょうか。
コメントで外に出てコーヒーを飲んでもいいの?とか流れましたが。
明確な基準は無いと思われます。
私が棋士になって間もなく、対局中は外出禁止になった。
しかしどうもそれが良くないんじゃないかとなって、今はそれが無い。
外にコーヒーはどうなのか。自宅に帰るのはどうなのか。
温泉アウトと今コメントされた方は相当詳しい方。
超がつく大先輩が立会人で麻雀をうっていて、
他の棋士に温泉にいってきますといわれてだめだと答えたことがある。
麻雀は何かあってもすぐに対局場に行けるが、
温泉はすぐには来れないから駄目だと言ったらしい。この辺は個人の良識。
明快な基準が無いままあいまいになっていることは結構ある。

アンケート将棋の棋力
六段以上1.4%、五~三段7.4%、二段~一級29.7%、わからない15.3%、
全くの初心者35.9%、プロまたはプロ予備軍10.2%。

先日西尾ponanza連合軍と森下ツツカナ連合軍で戦った。
プロが自分以外の力に頼っていいのかという気持ちもあったが、
安心感がすごい。終盤が心強い。
こないだの西尾さんとの将棋は矢倉で定跡だったが、
途中でまさかの手順、飛車損の攻めがきた。
ところがツツカナの評価値があがらない。
こっちが飛車得でも五分の将棋なんてありえるのかと思った。
コンピュータは駒の損得に敏感なのですぐに評価値が上がるはずだと思ったが、
そうはならなかった。将棋ってすごい手があるなーと思った。
ツツカナもその手は読んでいたが、私はまさかと思った。
コンピュータ将棋はそういったまさかという展開がある。私も結構練習はした。
加藤先生は加藤流なのでそんなの見向きもしませんが。
結構楽しいが、最終局はツツカナの数値が全然あがらなくて、
これからはこういう時代なのかなと思った。まさかという手が結構眠っていると思った。
固定観念が必ず悪いなら誰も持たないが、
その考えで今までやってきたというのがあるので、その葛藤が人間にはある。

盤上ではNHK杯の羽生山崎戦と同じ進行に。

森下九段は子供の頃から手付きがよくて、君は手つき八段だねと言われた。
森下九段「手つきも結構芸ですよね」
人差し指の詰めのところと中指の腹のところでうまく挟んでぱしっとやる。
手つきがいいと見た目もいい感じ。べちゃっとやるよりもぴしっとやるのがいい。
ただしぴしっとやりすぎるのもよくない。
昔荒巻先生という大先輩がいて、四段か奨励会の頃だが、
将棋は指すもので打つものじゃないぞと注意された。
師匠よりも大先輩なのでその後は改めた。
当時は花ちゃんの弟子と言われていて、花ちゃんの弟子それはよくないぞと言われた。
ふすまは出てる方をあける。出てない方だと向こうから相手があけたときに指を挟む。
女流だと清水市代女流が姿勢がいい。所作が綺麗。茶道とかもやっている。
森下九段は師匠の花村先生の後援会の方に厳しい人がいて、
所作を教えてもらったらしい。

森下九段が奨励会員のときは、青野先生が一番怖かった。
順位戦の次の日はみんな眠い。
青野先生が森下君、そういうときこそ記録をとらなきゃだめだと言われた。
青野先生は理不尽というのは全く無かったが、厳しくて怖い先生だった。
この時の奨励会幹事は、他に佐藤義則先生と沼春雄先生だったが、
この二人の先生は優しかった。青野先生は目を合わせるのも怖かった。
安食女流も師匠の青野先生に、
気がつかずに失礼なことをしてしまったときなどは怒られた。
ある若手棋士のタイトル戦で若手棋士と仲間が来ていて、
関係者とテーブルをはさんで会食した。
その後帰ろうとしたので、青野先生が一言挨拶をしてから帰りなさいと言っていた。
森下九段「びしっとこう言ってくれる先生はありがたいですよね。
私なんかはなかなか言えないんですけれども」

広瀬王位対羽生挑戦者のタイトル戦の時に、
小堀清一先生の話を羽生さんがして、
記録の少年とか記者の方とかにジュースやパンを配っていたと話していた。
小堀先生は見た目しかめっ面で怖い印象があった。
羽生さん是非そういう大先輩の話はあなたが広めた方がいいよと言った。
安食女流も教室で初めて教えてもらったのは小堀先生だった。
※サッカーの岡田監督との対談をまとめた「勝負哲学」という本の中でも、
小堀先生について羽生さんが話しています。印象に残っている先輩棋士なんでしょう。

質問メール
森下先生は北九州の生まれですが、方言などは覚えていますか。
大分は北九州と共通する方言がたくさんあります。
私はしゃーしーがうるさいというのが印象に残っています。
しゃーしーは北九州ではよく使われている。
何してるをなんしよん、博多はなん↓しよん↑、北九州はなん↑しよん↓でちょっと怖い。
大分の湯布院が北九州弁と同じだった。
鹿児島本線沿いは博多に近い言葉。
森下九段は家内も北九州で、二人で話すときは北九州弁。
コメントでしょんなかねが出てきたんですけどそれは博多ですね。
しかたないという意味なんですけど。
子供は全然違います。家内のお姉さんの娘は土着の北九州弁です。
東京で外にいるときに奥様に北九州弁でうっかり話すと怒られるらしい。

日本シリーズ中ですが、ひいきの球団はありますか?
クラウンライターライオンズ。小倉球場に行った。
阪神の帽子がカッコイイと思った。後は王監督の大ファンだった。
クラウンライターは当時白天仁という選手がいてとても好きな選手だった。
今監督の秋山幸二さんは選手のときに、
自分なんかは王監督の前に出たら声も出ないほど緊張するのに、
若い選手は平気で話していて驚いたと話していて、わかるなーと思った。
安食女流は羽生さんと会った時に普通に挨拶しつつ内心どきどきしたらしい。
森下九段「豊川先生だったら内親王とか出てくるところですかね?」

どちらを持ちたいかアンケート
森内竜王36.8%、糸谷七段21.5%、にゃんともいえない41.7%。
安食女流「こないだ家で見てたときににゃんともに入れてしまいました」
森下九段は後手一手損のこの形は居玉ということもあって指しにくいとのこと。

昼食アンケート
そば47.6%、とんかつ38.1%、中華そば14.3%。
昼食休憩までの考慮時間は、森内竜王2時間6分、糸谷七段1時間14分と1時間近くの差。

大盤解説再開直後に糸谷七段が席を外し、森内竜王も席を外して、
記録係と観戦記者と座布団2つという謎の中継に。

森下九段「地元はむつみ幼稚園とひかり幼稚園が2大幼稚園で、
1年生の時から「お前むつみだな?」みたいな感じで派閥があった。
いやー人間って派閥を作る動物なんですねえ」
謎の中継の後はこの謎の派閥談義である。

棋譜用紙を確認する糸谷七段を見て、
森下九段「この段階で見ることって何もないと思うんですけどねえ」
森下九段も結構棋譜を1枚って頼むタイプだが、何を見ているってわけでもないらしい。

その後初手から解説に。
午前中は森内竜王が棒銀に出て一触即発だったが、
午後に入って穏やかな流れになった。

質問メール
8月の東急将棋祭りの最終日に行きました。
一番の目当ては指導対局でしたが、抽選で外れてしまいました。
指導対局を見ていて、森下先生が一番丁寧に感じましたが、心がけ等はありますか。
緩めてくれてませんかと言ってくる方がたまにいるが、
指導対局は教わっている人がいい手を指せる局面を作ってあげるというのが、
上手の芸だと自分は思っている。
プロ同士だと相手の手を消すことを考えるが、
指導対局は楽しんで強くなってもらうことが目的なので、
下手の人が頑張ればいい手が思いつく、という局面を作ることにしている。
丁寧といえば昔後援会の方が、花村先生が色紙に1枚1枚丁寧に書いているのを見て、
ずいぶん丁寧に書かれるんですねと聞かれて、
自分は何十枚も書くが、受け取る人は1枚なのだからと答えていた。
若い頃はふーんと思ったが年を取ってからなるほどなと思うようになった。

形勢判断をより正確に出来るような勉強方法を教えてください。
私は二段くらいですが、読み通りに進んだのに不利になったということがあります。
将棋はあいまいとしていることが多い。
基本的にはまず駒の損得を見る。大抵駒を損していると将棋は厳しい。
続いて駒の働き。いくら駒得していても遊んでいたら厳しい。
将棋は自玉が詰まされたら負け、相手玉を詰ませたら勝ち。
例えばこの先手の26銀は攻め駒。77銀は守り駒。
守り駒はいるだけでも役に立っている。26銀はいるだけでは何も意味が無い。
攻め駒が働いているかどうかは常に考える。玉から遠い駒を働かせる。
相手から考えると、働いていない駒に働きかけてしまうと、
相手の遊び駒を働かせてしまう、
倒れている相手を起こすようなものなのでまずい。
今この局面で必要な駒は何かを考えておく必要がある。
今桂馬が必要だとか角が必要だとか、そういうことを考える。
後は玉の堅さ。今の言葉で勝ちやすいというのがあるが、玉が堅いと勝ちやすい。
それと自陣に不備が無いか。
将棋は相対的なものなので、相手と比べて硬いとか、
自分の駒も遊んでいるが相手のほうが遊んでいるとか、そういう判断でよい。

おやつタイム
森下九段「記録係にとって一番厳しい時間。2時から4時くらいが一番きつい。
また、昔は対局者にお茶を注いできてなどと頼まれたので、
1回立って足が復活したが、今は対局者が自分で用意してしまうので立つ機会が無く、
昔よりきついのではないか」
今日のおやつは宗家源(みなもと)吉兆庵さんの栗きんとんとのこと。
森下九段は一瞬で食べ終えてしまい「非常においしかったです」
消費時間は先手2:44、後手1:39。糸谷七段が時間ではリード。
初タイトル戦ですが時間配分がだいぶ上手くいっています。

ティロフォンは畠山鎮七段から。いきなり電話が切れてしまうトラブル。
畠山七段「皆様こんにちは。
立会人を勤めさせていただいております畠山鎮でございます。
モリシタ集めのいいですねーを聞いて非常にテンションがあがったんですけど、
なかなか初段がとれずに怒られてばかりでした。
桐山先生が一発で二段になられまして。
昼休みに盛り上がって読売の方が七段までいきました。
この電話でいいですねーと言ってもらえればいいんですけど」
森下九段「いいですねー」
098
モリシタ集めでいきなり二段をとった桐山九段と驚く畠山七段。
その後は局面の検討に。
▲1六歩と突いたいじょうは▲1五歩△同歩▲1四歩と仕掛けていくのかな。
後一手▲7八玉が入れられるかどうか。その瞬間角を打たれる危険がある。
その電話中に森内竜王が▲1五歩と指しました。
糸谷七段が席に座っているのを見て、
畠山七段「あ、戻ってきましたね。戻ってきたら着手早いですからね。
そしたらまた席を外して、戻ってきたらまた指すという呼吸かなと」
両者わりとリラックスしている様子で、
糸谷七段も前夜関係者だけの食事会だったが非常にリラックスしていたらしい。
※畠山七段は糸谷七段が奨励会員だったときの奨励会幹事で、
奨励会員の中でこんなに叱った子はいない、
というくらい厳しく礼儀作法を教えたそうです。元気な少年時代だったんですな。

ブログ「死ぬまで生きよう!」より「糸谷哲郎五段のこと・・・

中盤、形勢は自分の圧倒的勝勢だったが、
ある一手を指したときに不思議なことが起こった。
糸谷少年がかけた王手にすいと5五に逃げた自分の玉を、
いきなりもぎ取るようにつかんで、
脱兎のごとく席を離れて部屋の中を駆け回ったのである。
糸谷少年の父親を含む観戦者はなにやらニヤニヤしているが、
自分には彼のその行為の意味が分からない。
するとセンターの人が言った。「角が利いているところに逃げたねー」。
「あっ!」そういうことか、それで糸谷少年は歓喜のあまり王様を取って逃げたのだ。
やっと意味が分かったし、全然気づかない失態だった。

畠山先生の苦労が目に浮かびます。

ponanzaの評価値は森内竜王の+87。その後読み筋が変わって評価値も+35に。
盤上では森内竜王が珍しく前傾姿勢になって考え込んでいました。

質問メール
竜王対名人の頂上決戦から見始めました。
女流棋士発足40周年記念パーティーに行ったり、駒桜会員になったり、
ここまで将棋に興味をもつことになるとは思いませんでした。
プライベートで旅をするとしたら行ってみたい、住んでみたい場所はありますか。
森下九段
私は北欧に行ってみたいですね。お菓子の国っていうイメージがあるんですよ。
ノルウェーなんかは海賊時代もあったんですけど、かわいいイメージがあるんですよね。
安食女流
ブラジルは結構おすすめです。リオデジャネイロに住んでたんですけれども。
まだ子供だったので踊ってないです。カーニバルはお留守番していたんですけれども。
アマゾンでピラニアを釣って食べたりもしました。
現地のみんなで棒で叩いて殺して夕飯にするんですよ。
叩いたのが印象に残りすぎてフライだったのか何なのかは覚えてないんですけど。
ドラードを姉が引き上げて凄いことになったのを覚えています。
大人の方が手伝ってくれて。落ちたら結構大変なことになるんですよ?

森下九段は地元でライギョをとったことがあるらしい。
永井君がライギョ取りの名人で、私は永井君がとるのを見てたんですかねと言ってました。
森下九段「あとカナダも行ってみたいですね。大自然といいますかね」
安食女流「マチュピチュとかも行ってみたいです」
森下九段「渋いんですけど四国八十八箇所めぐりとかもしてみたいですね。
旅行は最高の贅沢かなーと思います」

森下先生の有名な言葉に駒得は裏切らないという格言があります。
私は初心者ですが、高段者の方からも聞くことがあります。
森下先生がその考えに至った理由や、エピソードなんかあれば教えてください。
駒得は裏切らないというのはたまたま昔書いた本に載せて、
例えばチェスですと取った駒が使えないですけれども、
将棋はそうではないので、
無条件で1歩損したら9対9から10対8になって2割の差になります。
これが金銀桂香だと3対1と3分の1になってもっと大きく損をするんですね。
そう考えるとうかつな損は出来ない、とりあえず突き捨てるという事がいいんだろうか、
と若い頃から常々考えていまして。奨励会の頃からかもしれないです。
時と場合によるんですけれども、歩を突かれて同歩ととるとどうなるのかを考えて、
だめで取らないならいいんですが、この人が突いてきたなら何かあるんじゃないか、
というのは最初から負けている考え方なのでやってはいけないんですね。
あと大山先生の言葉で、取っても悪い、取らなくても悪いなら取った方がいい、
というのがあります。なるほどやっぱり大山流の実利的な考えだなあと思いました。
アマチュアの方は楽しく強くなって欲しいので、
何かあるんだろうけどわからないという場合は、
取って手を教えてもらおうという考えくらいの方がいいですね。
鈴木輝彦先生が1森下というネーミングを考えました。
鈴木先生は棋風としてどんどん歩を突き捨てるので、
対局しているとどんどん溜まるんです。

将棋界とそれ以外で一番影響を受けた人物と、エピソードがあれば教えてください。
安食女流
将棋界ではやっぱり師匠の影響が大きいですね。
将棋界に入ったのも遅かったので、大学2年生くらいだったので、
本当に知らないところでいろいろびっくりしたこともありました。
後は礼儀とかそういう面で将棋に関してもそうなんですけど、
一門会でも毎月教えてもらっていました。
ここならプロなら必ず指す一手があるけど分かる?とか聞かれて、全然分からなくて、
派手な手なのかなと思って探していたら後々利いてくる一手で。
将棋外では大学に行った時に大学の先生とかですかね。
キリスト教の大学だったのでそういう精神とか影響を受けました。
あまり宗教とかそういうのは無かったので。
知らないというのは恥だというのを聞いてなるほどと思いました。
森下九段
将棋界では花村先生に6年半くらいみっちり教わりました。
花村先生を別にさせていただいたら、…やっぱり花村先生が圧倒的ですかね。
子供の頃基礎がつく時にみっちり教えてもらいました。
後は中原先生や米長先生。実戦集を句読点に至るまで暗記しました。
弟子の増田君にも言ったんですけれでも、
羽生さんの将棋は羽生さん以上に君が覚えなくてはいけないと。
暗記が出来ないような勉強法では話にならないんで。
それができないんじゃーもういかんと思いました。
それができてから次のステージですね。
羽生さんの対局を1局残らず暗記しなさいと言いました。
25歳までは出来ればアナログで自分の頭で考えて、
25歳過ぎたらデジタルの力を使ったらいいのではないかとも言いました。
将棋以外だとこの方ひとりというのは難しい。
いろいろな方の本を読んで影響を受けているんですけれでも、一人となると難しいです。
※増田君とは増田康宏四段のことで、
森下九段門下で今年の10月1日付けでプロ棋士になりました。

凝り形とは自分の駒同士がお互いの長所を消しあっている状態のこと。
相手の凝り形に働きかけると急に相手の駒が捌けてしまう。
駒同士お互いの長所を伸ばして短所を補うような格好がいい形。

質問メール
挑戦者の糸谷七段は早見え早指しで有名ですが、
よく解説とかで、なになにさんは長考派なので、
1分将棋は慣れていますからというのもよく聞きます。
早指し棋戦は長考派と早見え派どっちが有利だと思いますか。
長考派の加藤先生は一分将棋の神様とも言われて、NHK杯でも7回くらい優勝している。
確かに長考派の人は普段から秒読みに慣れている。
早指し派は秒読みだと追い込まれて早く指さないといけない、となるので、
強い方はどっちでもいいのかもしれないが、
普段秒読みを経験しているほうが多少いいんじゃないか。
花村先生が直感というのを非常に重んじられていて、
局面をぱっと見て、10のうち9まで正解がわかるなら初めて考える意味がでる、
とにかく番数をこなして直感を磨けと言われて、
上野の将棋センターに6年生と中学1年生くらいの間は通っていた。

投了に関する質問ですが、
棋士の方が投了する時は、頭の中にどのようなことを思い浮かべているのでしょうか。
投了の作法というものがあるかはわからないが、
ある程度のプロが見たらこの図は大体投了だろうと言うのは一致する。
例えばあっさり駄目ですねと言ったり、頭金まではいかなくても頑張るタイプといますが、
自分の指した将棋に責任を持つのがプロなので、
投了図に責任を持つというのが大事だと思う。
どうしてもこの11香には一花を咲かせてやりたいとか、
投げる前にこの桂馬だけでも1回飛ばせないかとか、そういうことは考える。
頑張って逆転を目指して指しているのと、ただ指しているのは違う。
投了にもそれぞれ棋士の考え方や個性、見識が出てくると思う。
私は駒に一花咲かせてやりたいというのがある。

詰め将棋の正解者に送られる森下九段のプレゼント色紙は「一手入魂」
昔一歩千金と一手入魂を書いていて、間違えて一歩入金と書いてしまったら、
神吉先生に森下君は一歩入金が一番似合うと笑われてしまったらしい。

立って上から盤を見る糸谷七段を見て、
森下九段「貫禄ありますねー。相手が同年代ならともかく。
糸谷さんと森内さんの年齢差なら、私だと中原先生や米長先生みたいなものですから。
いやー私ではとてもできないですけどね。
でも私も米長先生にすごいこと言ったなというのはあるんですけどね。
みんな若い頃は忘れているだけなのかもしれないですけど」
律儀先生は思ったことを直球で言うので毒舌先生の時もありますが、
何をやらかしたんでしょうかね?

盤上について森下九段
「どちらかというと後手の糸谷さんのほうが待っている。
森内さんのほうは待つことがなかなか難しい」
糸谷七段の△3五歩に
「これは異筋の手。いくら考えても結論が出ない局面なので、
それなら手を渡して決めてもらおうという手。
森内竜王はここで封じるのではないかと思います」
そして定刻10分前になり、
立会人の桐山九段、畠山七段、観戦記者の方も全員集合しました。
そして定刻通りに森内竜王の封じ手になりましたが、ここでもちょっとしたアクシデント。
糸谷七段が封じ手にサインをした後、立会人の桐山九段に渡しそうになり、
あわてて森内竜王が封筒を受け取って、
封じ手をした森内竜王が封筒を桐山九段に渡すシーンの撮影をしました。
封じ手って難しい。
研究の虫三浦九段が封じ手の練習をしたのも当然だったのかもしれない。

_60
封じ手予想アンケート
▲3四銀46.4%、▲6六歩18.2%、▲2四歩9.7%、▲3七桂6.1%、その他19.6%。
森下九段は▲3四銀を推奨。

明日はニコニコ生放送では9時から、
解説中村修九段、聞き手藤田綾女流初段で大盤解説会が始まります。
中村九段は順位戦4勝1敗、弟子の香川愛生女流王将が10月23日にタイトルを防衛し、
阿部光瑠四段が10月24日に新人王戦で優勝と、波に乗っています。
森下九段が好調の秘訣をリレー質問で聞いていましたが、
なるほど今期の順位戦で中村九段と当たるんですな。
なんて答えるのかも含めて楽しみです。

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現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~
糸谷哲郎著
¥1,575






羽生王座が劇的勝利で王座防衛!

羽生善治王座に豊島将之七段が挑む第62期王座戦五番勝負第5局は、
羽生王座が豊島七段に勝利し、王座を防衛しました。
これで羽生王座は王座通算22期、タイトル通算90期となりましたが、
タイトル通算100期とかになってしまうんだろうか。

最終局となった今局は振り駒の結果羽生王座が先手番になり、
第3局と同じ横歩取りになりました。
第3局は羽生王座が敗れていますが、
王様を▲6二玉と指して敗れた第3局から変化しました。
その後豊島七段がひねり飛車から美濃囲いに構え、
羽生王座がどう囲うのかとなったところで昼食休憩になりました。

ニコニコ生放送では13時から、解説阿久津主税八段、
聞き手安食総子女流初段で大盤解説会が始まりました。

阿久津八段
「豊島さんはその時期時期で凝っている戦法を連投するんだけど、
このタイトル戦はたくさんの戦型がでた。
私も今朝起きたのが9時過ぎだったんですけど、今朝羽生さんが先手になったんだなと」
コメントで早起きですねとつっこまれて
「これで早いって言ったら他の人に怒られますよ。
最近は10時11時まで寝てるということは少ない…、
少ないってことはたまにあるってことですね。
今朝は夢の中で行方先生がでてきたんですけど、
何か将棋じゃない謎のボードゲームで勝負していました」
※阿久津八段はたまに寝坊します。対局に遅刻することも。

羽生さんは右の銀を使って豊島さんの飛車とか角とかを押さえていきたい。
ゆっくりした戦いにしたい。
後手はコンパクトにまとまっていて、早く戦っていきたい。
手の広い局面がこの後も続くので、ゆっくりした進行になり、
夕方くらいから戦いになるんじゃないかなとのこと。

リレー質問
屋敷九段から阿久津八段へ
菊花賞の予想を教えてください
私ねぇ。前も1回高松宮記念かなんかの予想を番組の途中でやったんですけど、
予想大はずれしたんですけど。
先生の馬券買って損しましたよと言われるわけにはいかないので、
結構がつんと買って大外れしたことがあるんですけど。
予想は基本難しいですね。やっぱり走っている馬が動物なんで、
強い馬でも走る気がなかったり、
たくさんの頭数で競争するんで、進路がなくなったり不利をうけてしまうんですね。
それを騎手が上手く導いてあげたり、
上手くてもあいつ上手いからと厳しく当たられたり。
予想して予想通りきまるとすごく面白いんですけどね。
安食女流「勝率は?」
いやぁ勝率…結構ね、寺銭とられるので、
75%以上なら頑張ってると言われるんですけどね。
75%よりはあると思うんですけど。
予想はね。最近私の競馬の予想はことごとく外れますね。
秋華賞は私の好きなレッドリヴェールという馬がね、直線入る頃には全然だめで。
日刊スポーツさんとかで予想やらせてもらったことは何度かありますよ。
NHKマイルカップでね、私の指名した本命がスタート大きく出遅れてね、
直線伸びて4着とか中途半端な結果になったんですけど。
ワンアンドオンリーがあんまり好きな感じじゃない馬だったんですけど、
ステップレースを見たら本番に余力を残しているなと思いました。
すごく普通の予想でね、あまりしゃべりたくなかったんですけど。
残りは馬柱を見てから決めようかなと。
トーホウジャッカルという馬もいいレースをしていたんですけど、
人気になったら買いたくないかな。

中村女流から安食女流へ
得意料理を教えてください。
多分桃ちゃんのほうが料理得意だと思うんですけど。
あまりないんですけどあえていうならハンバーグ。普通のですけど。
阿久津八段「普通じゃないハンバーグってどういうハンバーグなんですか?」
安食女流「すごいたくさん作っちゃいます」
阿久津八段「ハンバーグを?」
安食女流「それでは現地の写真が届いたということで」
阿久津八段「ちょっと逃げを打った?」

ここで対局者が食べる昼食の写真が表示され、豊島七段の昼食に
安食女流「ウーロン茶もおいしそうですね、横浜な感じが」
阿久津八段「ウーロン茶も?」
横浜な感じのウーロン茶って何だろう。そんな昼下がり。

阿久津八段は好みは後手だが、
将棋の理屈的には先手によくなっていって欲しいという不思議な見解。
安食女流は9時から見ていたが、羽生王座の方が動きが多く、
豊島七段は静止画像みたいに動きが少なかったとのこと。
初手から解説し、阿久津八段の横歩取り講座の後に休憩タイム。

休憩明けにアンケート
どちらを応援していますか
羽生王座62.7%、豊島七段37.3%。
2択しかないことについて阿久津八段「逃げ道を用意しない感じですね」

大盤解説会に行ったことがあるかどうかアンケート
よく行きます3.5%、行ったことはあります19.8%、行ったことありません76.7%。
阿久津八段「1回行っちゃえば面白いと思うんですけどねー」
阿久津八段は米長先生が名人をとった時の対局の大盤解説会に行ったことがあるらしい。
チャンピオンよりなかなか取れないみたいな人の方が好きとのこと。
今日の将棋会館の大盤解説会は渡辺二冠ということで、
阿久津八段「なんか今見て行きたくなってきたんですけど。
渡辺二冠の解説はねえ、忌憚の無い、ざっくり斬ってくる解説なので」

おやつの時間になると、モンブランがでてきてテンションが露骨に変わる安食女流。
安食女流「モンブラン大好きなんですよ」
阿久津八段「渡辺さんも好きみたいですけどね、モンブランが。
栗は嫌いみたいですけど。モンブラン栗抜きとか頼んでましたよ」
モンブランに夢中で返事が適当になる安食女流。
ROERMOND(ルールモント)のモンブランらしい。モンブランの栗抜きって何だ?
阿久津八段は女流のタイトル戦の記録のときにおやつがでたことがあったらしい。
清水女流と矢内女流のタイトル戦で、
集中の邪魔になるかなと思い、対局が終わってからすごい勢いで食べたら、
清水さんにもう1個もらったらしい。

阿久津八段は相変わらず
「手の感じとしては先手持ちなんですよ。
将棋の理屈として先手によくなって欲しいから。でも指すのは後手なんですけど」
指す時は理屈よりロマン派なんだろうか。

どちらを持ちたいかアンケート
羽生王座34.2%、豊島七段19.9%、ニャンともカントも45.8%。

質問メール
西宮のご出身と知って以来応援しています。震災以降の西宮もずいぶんかわりました。
阿久津先生の西宮の思い出を関西弁で教えてください。
関西弁はもうほとんど忘れちゃいました、というか綺麗な関西弁じゃないので…。
安食女流「なんか少しかっこつけてますね」
住んでたのが小学校3年生までなので、だいぶもう矯正されちゃってるというか。
将棋はそんなにたくさんやってなかった。野球とかスポーツをやることが多かった。
でも将棋のルールを覚えて、朝の早指し戦を5時からとかでやってたんですけど、
盤に並べて見てたとか。
スポーツの方が好きで、関東に引っ越してから将棋道場に通うようになった。
引っ越してなかったら普通に会社勤めとかしてたかもしれない。
後は怪我が多かったですね。
幼稚園のときにジャングルジムから落ちて、園長先生の車で運ばれた事とか、
駐車場の策で跳び箱しようとしたらがくっと下がって指が血まみれになったとか、
落ち着きがないと通信簿に書かれてたと思いますね。

阿久津先生の下の名前は主税(ちから)といいますが、
どのような意味がこめられているのですか。
そうですねえ。なんか父親が税理士だとか、そういう風に言われたこともありますね。
子供の頃はしゅぜーしゅぜーと言われました。
実際は忠臣蔵の大石主税からからとった。
何でそれをつけたかはおやじのしゃれ。
好きだったのと出身が兵庫県なのと、父親の誕生日が討ち入りの12月14日生まれ、
私の誕生日じゃないんですよ?
子供の頃は名前で呼ばれなくて嫌だったときもあるけど、
大きくなったらすぐに名前を覚えてもらえるというか、
何故かある先輩棋士に主水くん主水くんと言わてましたけど。

どうやったらかっこいい駒音が出せますか。
はじめ3本の指で持って、空中にあるときに人差し指を下に入れて、2本指にしてばしっと。
斜めにするとかっこいいですか?これは決め手のときだけですかね。
最後自分の人差し指を抜く感じで、指をたたかないようにすると上手く鳴りますかね。
安食女流は家で練習した。阿久津八段は学校で消しゴムで練習した。
癖になってしまって買い物するときの小銭を持つ時とかにもやってしまうらしい。
などと話している間に豊島七段がピシッ!
安食女流「あ、今いい音しましたね」

電王手君への要望はありますか。
ガンダム風がいいとかかわいい女性とか師匠のお面をつけてほしいとか。
まだガンダム風とかなら想像できてかっこいいかなと思うんですけど、
萌え系だったら集中力が出るのかなとか思いますね。
人がやってるのは見たいと思いますけど。
阿久津八段「いけめんの電王手君がいたらどうしますか?」
安食女流「見ないと思います」
この中だったらガンダム風。師匠のお面が一番無いと思う。

最近は持将棋を見る機会が多いですが、
阿久津先生は持将棋はありますか。入玉するこつとかもあれば。
最近多い気がします。昨日も中継見てたら300手くらいになってた。
安食女流はやったことはあるらしい。
阿久津八段は公式戦で1回あった。でも入玉の将棋は嫌い。
なので玉が3段目か4段目のときに持将棋を提案したが、
そのせいで後から棋士にいろいろ検討されたらしい。
なるべく自分の成り駒を作ってから玉を上がる。
相手の駒が先にいないかどうか。
相手の自陣に桂馬がぽつんといるだけでも結構押し戻される。
自分の玉と竜とか馬だけだと、
竜とか馬を攻められるついでに玉も攻められてしまう。
一番いいのはお互い入玉したら、はい、やめ、引き分け。

コンピュータの新手で感銘をうけたことはあるか。
来年の意気込みと将棋界とコンピュータが今後どのようにかかわっていくのがいいか。
YSS新手の△6二玉も面白いというか、見た目で怖そうとかがなくて、
視点を変えると見えてくるというか。
名人戦で矢倉の端攻めがこわいなかで、森内名人のこの手が成立するなら、
今までの定跡がだいぶかわるんじゃないかとも思った。
コンピュータ角嫌いですよね。角と守りの金を交換するのが多いような。
意気込み
ファイナルなので注目される大きいところでやらせてもらえて光栄。
棋士としてはすごいうれしいというか頑張っていきたい。
毎年毎年強くなってるわけじゃないですか。
不思議な手を指してる時もあるけどトータルでみるとやっぱり強いものは強い。
自分もやってみたらそういうのが生きる部分ももちろんあると思うので楽しみ。
終盤割り切れる局面になったら人間より桁が違うくらい早い。

ここで塚田九段からティロフォン
午後になって棋士の数も増えて検討に熱が入っている。
羽生さんは普段通り、豊島さんも結構落ち着いている。
激しくならなさそうなので手順より構想とかを検討してる。
さっき聞いたら羽生さん持ちの棋士が多いが、私は豊島さんを持ちたい。
形勢というよりは好みの段階だと思う。
あと2時間くらいで夕食休憩だが、そこまでに戦いが起こるのかもわからない。
そして香川女流王将にチェンジ
香川女流「もしもーし、あ、こんにちはー」
阿久津八段「何でそんな元気ないんですかー?」
香川女流は昨日女流王将を防衛していて、
阿久津八段「おめでとうございます」
香川女流「ありがとうございます」
阿久津八段「今日はこの電話のために現地にいってるんですか?」
香川女流「勉強しにきました」
阿久津八段「やっぱり気分がいいからですか?」
香川女流「そうですね、というか厳しいですね。ちょっと怖いです」
午前中から検討に参加していた。
早く戦いになる変化もあったが今はおだやかな感じ。
大一番ならではの指し方というかお互いなかなか動きたくないというか、
最終局ならではの空気を感じる。
横歩は練習将棋だと後手番で指すことがたまにある。
私だったら美濃囲いができてるし後手を持ってみたい。
阿久津八段は後手を持ってさすことが多いが先手が優勢になって欲しい気持ちが強い。
37の銀をうまく使いつつ王様を上手く囲えれば、
先手の模様がよくなりそうかなと見てる。
豊島先生は糸谷先生と仲がよくて3人でいることはたまにある。
糸谷先生と話してしまうのであまり話したことは無いかもしれない。
普段の豊島七段はこんなに怖くない。
豊島さんは多分船江先生とか斉藤慎太郎先生とかと練習将棋指してる姿は見た。
阿久津八段「ハワイにもいってるし現地率高いですね」
香川女流「ふふふ。ありがとうございます。
海入ったのが15年ぶりとかだったんですけどすごい綺麗で楽しんでしまいました」

その後対局者のおやつの映像が表示され、羽生王座のおやつレアチーズケーキを見て
安食女流「なんかこう横浜って感じですね」
阿久津八段「んぐっ!?」

阿久津八段
すぐに先手から攻めると後手玉が堅いので痛い目に遭う。
矢倉を完成させてから攻めれば先手が優勢なので、
羽生王座は王様を固める方針で、豊島七段は動かなければいけない。
今の先手の囲いは100円くらい。これが4回我慢すると矢倉になって1万円になる。
羽生王座は方針がわかりやすいので、豊島七段は何かしら早い勝負にしないといけない。
待っているだけだと後手がまずい。

質問メール
去年の中田功七段のNHK杯で、
先に三間飛車に振ったのをみて阿久津八段のファンになりました。
この対局のことです
中田七段が得意にしている三間飛車を指した。
たくさんファンの方に言われましたね。中田さんが三間飛車のスペシャリストなので。
後で見たらインタビューの時に今日は三間飛車でと宣言してて。
駆け引き上相振り飛車みたいにしたかったんですけど。
結局終盤でお互い人相悪い感じで秒読みの叩きあいになった。
悪手もお互いたくさん指してどっちが勝つかわからないみたいな。
そういうところが面白かったとか後で言われた。
あの後中田先生と麻雀を打ちに行った記憶があるんですけど。ビール飲みながら。

安食さんの今日の服がかわいすぎます。
もしよかったらブランドなどを教えてください。
どうもしてないんですけど、メイド服じゃないです。好きなブランドなんです。
読み方がちょっと怪しいんですけど、えくしーず…ごにょごにょ。
コメントでアクシーズファムと流れたので多分それっぽい。

天野貴元さんのオールインを読みました。
阿久津八段と小学生の頃の思い出が書いてありました。
天野さんとの思い出を話してください。
阿久津八段「安食さんも教室をやったりブログをやったり」
安食女流は天野君が小学生のときに研修会で指した。棒銀ですごい強いなと思った。
阿久津八段「安食さんは負けちゃったんですか」
安食女流「もちろん(キリッ」
阿久津八段が小学校4年生か5年生、天野さんが2年生くらいで道場で初めて指した。
2年生だから自分より元気で生意気。
天野君が1番指していて2000局くらいは指している。
休憩のときに天野君、佐藤慎一君、長岡君とわいわい指していた。
年齢は阿久津八段の3個下。弟みたいなもんですかね。
イベントごとが好きなので、楽しいですよ。
頑張ってる?頑張ってるんじゃなくて目立ちたがり屋かな。

最近居飛車党の棋士が振り飛車を指すのを見るが、
作戦の一部なのかその時の気分なのか、どのようなことを考えて戦型を決めるのか。
最近居飛車党とか振り飛車党とかいう括りが減ってきた。
安食さんくらいずーっと振り飛車党というのはあまり。最近では珍しいですね。
久保さんもたまに居飛車。ほとんど譲らないっていうのは戸部さんくらいですかね。
私は気分によって戦型を決める。
角交換振り飛車とかは、
自分が嫌だなと思った局面を相手ならどうするのかなと思って指すとか。

阿久津先生A級おめでとうございます。
A級順位戦は他と違いますか?戦ってみて感じることを教えてください。
※阿久津八段は初めてのA級順位戦で、現在0勝4敗です。
本当に苦しい結果になってるんで、もっと頑張らないとという感じですよね。
他の順位戦と違うのは日程がばらばらなので全部別々という感じがするのが違うかな。
他の棋戦でも当たっている棋士なのでそんなすごい違うかなとは思う。
結果が出てなくて良くないなあと。1局1局がんばってやらないとと思います。

豊島七段もうまく動き、一手指した方がよく見えるとの解説。
先手が矢倉に組んだのも大きなポイントだが、
後手が55の位をとって先手の角の働きを抑えたのも大きなポイントで、
だいぶ景色が変わったとのこと。

形勢判断アンケート
羽生王座33.8%、豊島七段37.9%、分からない28.2%。

考慮時間は羽生王座が3時間40分、豊島七段が3時間44分使いほぼ互角。夕食休憩に。

休憩明けに初手から解説。
後手の55の位のおかげで先手の陣形が1万円から5000円くらいに下がってしまった。

そして豊島七段が歩を垂らし、羽生王座が真っ向から咎めに行く。
羽生王座が残り1時間に。
しかし双方まだ歩しか持ち駒がなく、中盤の入り口といったところ。
激しい戦いになるのはこれからですな。
安食女流は豊島七段とは仕事でしか話たことがないが、しっかりした印象とのこと。
阿久津八段「安食さん結構みんなしっかりしてるって言いますよね」
安食女流「そうかも」
その後安食女流「私も結構しっかりしてると思うんですけど(キリッ」
阿久津八段「笑っちゃいますけどね」
鋭い返しなのか何なのか。

盤上では羽生王座が豊島七段の垂れ歩を取り、
豊島七段に歩を渡してしまった損の代償があるのかという局面に。
次の一手アンケート
△5四飛33.5%、△7四歩6.8%、△5三角18.1%、△3三桂10.1%、その他31.5%。
阿久津八段は自分が対局してても何指すのかわからない局面で当たる気がしない、
その他がお勧めと言ってました。

豊島七段は1番人気の△5四飛。
しかし数手進んで先手の方が模様がいいと阿久津八段。
戦いが起こると阿久津八段の解説通りの進行になりました。
安食女流「阿久津先生の解説通りに進んでいますね」
阿久津八段「この辺は進んでもらわないとこっちも困りますね」
頼もしいA級八段である。
ここで羽生王座に離されずについていくことが難しいと阿久津八段。
12時間近くたってようやく歩以外の駒が駒台の上に置かれました。
後手は形勢が悪いが、動くとより反動で悪くなりそうな困った形とのこと。
豊島七段は△5七歩。ぱっと見狙いがわからない手。
安食女流「手裏剣ですか?」
阿久津八段「手裏剣はもっと鋭いイメージなので…おまじない?」

コメントで棋譜コメントの千田四段が話題になりました。
「行ったことがないですけど、
現局面の後手は、富士山の7合目くらいの酸素の薄さかと」
千田四段はポエマーなのか。

羽生王座は▲2八歩と八段目に歩を受ける激辛流。
豊島七段もじっと△7一角と引いて、阿久津八段は根性のある一手、
絶対自爆だけはしないぞという手と言ってました。
阿久津八段「恐ろしい勝負術ですね」
先手に激しく攻めてもらう方が逆転しやすいという考えとのこと。
しかし羽生さんはじっとと金を下げる△1三と。
とにかく後手に△2四桂と打たせて反撃したいということらしい。我慢比べみたいだ。
豊島七段は暴れずに△5八歩と歩を垂らす。
阿久津八段「いやぁ…(ため息」
豊島七段はいつもの淡々とした表情ながらすごい根性だ。
とうとう羽生王座はから激しい順を選択し、
豊島七段が形勢は悪いながら我慢比べに勝って、激しい流れに持って行きました。
阿久津八段「豊島さんとしては辛抱のかいが一応あった」
羽生王座も豊島七段も残り9分。
羽生王座優勢ながらもまだ中盤の終わりくらいの局面で、
まだまだ何が起こるかわからない面白い展開になりました。
そして羽生王座の手番の時に、残り時間2分の豊島七段が席を外しました。
この落ち着きである。

最終盤に羽生王座が角取りにかまわず端歩を▲9四歩と取り込んで決めに行き、
豊島七段も角の王手で合駒請求をし、△9二歩と辛抱する必死の防戦。
残り時間は羽生王座が1分、豊島七段が2分、
解説の阿久津八段は決めに行ったような感じだったのに難しいとのこと。
その後も攻める羽生王座に、飛車を捨てて粘る豊島七段。阿久津八段は「ひょえー」
豊島七段はその後も攻めに使いたい銀を守りに使って阿久津八段「ひえー」
その銀を羽生王座はかまわず竜で取って「うわあ」
決まってるんだろうかこの攻めは。
相当危ない手順に踏み込んだ気がしますと阿久津八段。
その後も手の解説と「ひえー」を繰り返していましたが、
見ているほうもエキサイティングで面白い終盤になりました。
そんな最中に天井カメラの映像が止まったり動いたり。カメラ頑張れ超頑張れ。
コメントも叫びっぱなしの終盤戦でしたが、とうとうはっきりし、
最後に豊島七段はコップに水を汲み、飲んでから投了となりました。

阿久津八段
豊島さんにとっては残念な結果になった
シリーズを通してみると王座に2連勝される苦しいスタートから2連勝し、
今局も最後苦しい将棋からここまで挽回して、面白いシリーズになった。
戦型もいろんな種類が登場した。
今日は息苦しい感じの将棋。
戦いになってからもなかなか土俵を割らない豊島さんも凄かったし、
ねばる豊島さんに勝った羽生さんも流石。
これで羽生王座は22期。
私も興奮してしまっておーとかえーとか言いながらになってしまったんですけど、
面白い1局でした。

いやー今日はすごい対局を見ることが出来て興奮しっぱなしでした。
ちなみに観戦記を書くことになっている山本一成さんのTwitterは、
なんか後手の評価値がぐんぐんあがってる。。
なんか先手の評価値がぐんぐんあがってる。。
どっちだよ。。
羽生さんの手が震えてます。いつもより余分に震えてます。
これどうやって観戦記書くの・・
でした。
タイトル戦の決着局で、持ち時間が残っていなくて、
それでも角を見捨てて攻めたり竜を切って攻めたり、
こんな順に踏み込んで勝ちきってしまうとは、いやーすごい怖いものを見てしまいました。
羽生王座がおっかない順に踏み込んで押し切ってしまった終盤で、
手の善悪なんて誰に聞いたら分かるんだろうか。
分からないものを分からないまま分からなかったって書くしかないのかもしれない。
これで羽生王座はタイトル通算90期。
大台の100期まであと10期と書くともうすぐという感じもしますが、
普通タイトル10期も獲得する棋士はそうそういないので、
どこまで勝ちまくってしまうんでしょうか。
ちなみに今日解説の阿久津八段は、28日に羽生四冠と対局します。
が、がんばれー…。

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豊島の将棋 実戦と研究
豊島将之著
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竜王戦第1局は糸谷七段が初タイトル戦の初戦を飾る

森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑む第27期竜王戦七番勝負第1局は、
糸谷七段が森内竜王を破り、初タイトル戦での初勝利をあげました。

昨日の封じ手では事前に谷川会長に聞くも、
撮影を忘れて撮り直しになった糸谷七段でしたが…

img_0036
封じ手開封について説明を受ける糸谷七段。これで準備は万全だ。

ニコニコ生放送では8時半から解説藤井猛九段、
聞き手飯野愛女流一級で大盤解説会が始まりました。

藤井九段の語る見所
とにかくハワイ。対局者のお二人もハワイは初めてらしいですよ。
森内竜王は百戦錬磨なので、糸谷七段の初めてのタイトル戦、
初めての海外、初めてのハワイ。
こっちはまだ眠いところなんですけれでも、対局現場は1時半です。
お昼休憩明けで第4コーナーを回ったところ。
ここからはもう一気に休憩無しでゴールまでいきますから。
でもこっちは眠いと。このテンションの差はどうしましょうかねえ。

藤井九段も竜王戦でニューヨークで対局したことがありますが、
「日々時差ぼけみたいなものなので特に問題はなかった。それがよかったかな?」

封じ手について
対局室は封じ手しろという雰囲気がある。5分くらいが限界ですよ。
谷川先生がいるなかで30分考えたのはすごいですよ。
封じ手の▲3六歩は普通の手。
30分オーバーするまで考えたんだからもっと普通で無い手なのかと思った。
どうしても▲9九玉が指したかったんですよ。ノータイムでばしっと。
飯野女流「控え室はあまりその手は検討されてなかったみたいですけど」
藤井九段「それはハワイのせいですよ。大丈夫?
これは角換わり指す人なら一目ですよ。指さない私でも一目です」
昨日の封じ手から▲4五歩までは軽く想定できるので、
糸谷七段は予定通りなはずで、これでいけると思っている。
森内竜王の方からはまあまあしょうがない。森内竜王から変化する手はないから。
糸谷七段がこの局面を選んだ。
糸谷七段の手番で昼食休憩に入たのはお得な時間。

そして後手の端攻めから先手玉が頓死する手順を何通りか解説した後、
藤井九段「形勢はだからよくわからない(キリッ」

さきほど▲9九玉が指したかったから選んだと言っていた藤井九段ですが、
森内竜王の端攻めで糸谷七段の王様が9九から8八に引っ張り出され、
藤井九段「あれ?こうなってみると当初の構想とは違うんじゃないかな」
ponanzaの評価値が先手-79と表示され、
藤井九段「互角です。よかったですね。互角が平和ですからね」
その後ponanzaの読み筋が表示され、
後手から攻める手段がたくさんあるのに先手が手抜きで攻める手順が表示され、
藤井九段「人の気持ちを考えてみなさいよー。できないよこんなの」

この局面は千日手や持将棋もありえるとのことで、
藤井九段「後手が木村さんじゃなくてよかったです。
木村さんはなんかもう狙ってるでしょう?持将棋を狙うってなんか嫌でしょう?」
藤井九段は奨励会時代までさかのぼらないと持将棋は無いらしい。
竜王戦は台湾での羽生竜王対阿部七段が2回千日手で終了、
谷川竜王対森下卓六段がタイで持将棋をしていて、
海外対局といえども油断はできません。

リレー質問
富岡八段から藤井九段へ
藤井さんが最近見た、いい風景を教えてください。
実は昨日見てたんですよ放送で。富岡さんがその質問を出すところを。
それでその際に山口さんが、私は大阪のUSJに行った話をしてた。
行ったんですよ今年。子供の夏休み。USJ。
それでその話をふったんだと思うんですけど。
私は富岡さんみたいにアウトドア派ではないんで、
旅行といえばUSJやディズニーランド。今年に限って込んでるのに行くというね。
飯野女流「どうでしたか?」
藤井九段「込んでましたよ」
でもさすが、行ってよかったですよ。
元々券を購入して、並ぶの大変なんで、
それほど待たずに入れるのを用意していきました。
一歩足を踏み入れると違う世界が広がる。ほんとその世界に入れるというか。
年間パスポート結構安いんですよ
飯野女流「先生絶叫系は乗れるんですか」
藤井九段「いきなり乗ったら胃が上昇する感じになっちゃった」

山口女流から飯野女流へ
最近姪っ子さんが生まれたという話をききました。
ご家族のエピソードで面白いもの。飯野七段のかわいいエピソードも。
※飯野七段は飯野女流の父親で、かつ師匠でもあります。
そうなんです。姉が結婚して、最近赤ちゃんが生まれて。
いやもうかわいくてかわいくて。今4ヶ月です。
ちょっと前までずっとうちにいたんです。家族みんなでれんでれんで。
モバイルコラムにも書きましたが、ちーちゃんって呼んでるんですが手をグーにしていて、
師匠がそれにジャンケンを挑みに行くんですけどずっとチョキを出すんですよ。
それで負けましたって言ってるんです。
最近はグーであいこになってる。パーだせば勝てるよって教えてるんですけど。
藤井九段「勝負師なんですけど孫には勝てないんですね」
飯野女流「あまり師弟関係が成り立ってないです」

かわいいエピソード
二人で連盟まで歩いてた時に、道中で冗談いいながら楽しく歩いてたら、
今はこれでいいけど連盟に入ったら師弟関係だからねと言われたんですが、
冗談が止まらなくなってしまって、
連盟に入ったり出たりして、今は師弟、今は親子と遊んでました。
飯野女流「エピソードはたくさんあるんですけど話せるエピソードはあまりなくて」
ずいぶん仲良しな父娘ですな…。

藤井九段曰く、和服は慣れてくれば10分くらいで着替えられるらしい。
糸谷七段は自分で着替えているみたいで、ちゃんと準備して偉いですねと褒めてました。
封じ手、封じ手開封、和服の着方、完璧な前夜祭のスピーチなど、
事前準備もばっちりのようでどこかが抜けてるキャラなんだろうか。

盤上では森内竜王が激しい順を選択。
藤井九段は解説後に「どっちがいいかはさっぱりわかりませんけど決着に向かってます」
ただし森内竜王は穏やかに行く手順も選択できたので、
森内竜王がこれでいいと思ったのか、こう行くしかないと思ったのかと藤井九段。

藤井九段は若手にソフトはこういう手を指摘してますけどと聞かれることはあるが、
自分では使っていないらしい。
ただし終盤の優勢になっているときの勝ち方は、
逆転を許さない勝ち方としては完璧だとのこと。
意外に優勢な方はいろんな勝ち方があるんだなと最近は思うようになったらしい。

日本時間の10時に対局場ではおやつタイム。
藤井九段「対局中のおやつは、局面にもよりますけどスイーツという感じじゃない。
コーヒーとか紅茶の方がむしろいいし、
スイーツよりもフルーツ、マンゴーとかの方が有難かったですね。
16年前はショートケーキとか食べてましたけどね」

藤井九段が初めて竜王戦にでたときと状況が似ていて親しみがあるらしい。
藤井九段は4組から、糸谷七段は3組から、初めての海外で、初めてのタイトル戦。
藤井九段は27歳で糸谷七段は26歳。
飯野女流「応援しちゃいますか?」
藤井九段「応援はしないけど。気持ちはわかるのかなーと思うけど性格が違うから」
藤井九段はいろいろ不安だったそうです。

藤井九段「初めての前夜祭で自分の言葉で話すなんでできませんよ。
普通は緊張してがば、がば、頑張って指しますくらいしかいえませんよ。
ただ本来糸谷さんは早指しだから早く指したいはずなんですよ。
とはいえ2日制の対局で、そうそう早指しはできないですよ。
1日目で終わっちゃったらまずいじゃないですか。
いくら2日制と言われても僕は早く指しますっていうのもあるかもしれませんが、
じっくり指しているあたりはお上品というか、礼儀正しいというか。
なかなかつかみ所がないですね」
飯野女流「藤井先生は糸谷七段とは対局がないんですね」
藤井九段「幸い、幸い。嫌ですよびしびしやられてね、早指しでやらたらね」

糸谷七段が席を頻繁に外していることについて、
藤井九段「昔は控え室に対局訪問があった。今はそういうのがなくなっちゃった。
入ってもよろしいですかと言って、そうすると中では検討している盤を崩して。
先輩なんかと話して。
森内さんとか羽生さんとかあまりそういうことしないんで、
自然にそういうのは無くなっちゃった」
なんて話している最中に席を外す糸谷七段。かなーり頻繁に席を外しています。

形勢アンケート
藤井九段「で、3番なんでしょ?」
飯野女流「にゃーって何ですか?」
藤井九段「え!?知らないの!?」
森内竜王のおやつはフルーツとの情報が来て、
藤井九段「40代はフルーツですよ」
森内竜王26.5%、糸谷七段31.9%、Nyaa41.5%。
藤井九段「3番が一番多いじゃないですか。正しいと思いますよ?」
飯野女流「藤井九段の形勢判断はどうですか?」
藤井九段「こういうのはちょっとねえ。にゃーなんですよ。
これから先手が攻めていくんですけど、後手も入玉含みで粘るんですよ。
勝ちきれるかと言われると、うーん。
攻めが一瞬途切れた時にごちゃごちゃした中で、
複雑になりかけると私はお手上げです。
寄せそうなんだけど先が長いとかだと私はやだですね。
割りとそうなりがちじゃないですか」

その後休憩になりましたが、
糸谷七段は待ちきれないぞという感じでばしっと王手飛車に角を打ちました。

形勢判断の引き角君を動かすように言われて、
藤井九段「私責任もてませんので、動かしません。互角です」
その後引き角君を下においてしまう新手筋も披露してました。
盤上では糸谷七段がぱ力強く自玉の嫌味を取り払い、
藤井九段「これは先手優勢でしょう」
と言って形勢判断の引き角君を糸谷七段の方に寄せました。
ところがponanzaの先手+160くらいとの評価値を見て、
形勢判断の引き角君を真ん中の方に戻しました。

ようやく詰め将棋の解答とプレゼント色紙の時間がとれ、
藤井九段の色紙はコメントから選んで「藤井システム」かっちょええ。

盤上では糸谷七段が飛車を見捨てて攻めかかる順を見送って、一旦飛車を逃げました。
藤井九段は見捨てて攻めかかる手はまずいんだなということで、
攻めかかるとまずいという手順を見つけて解説し、
形勢判断の引き角君を真ん中に戻します。
その後に表示されたponanzaの評価値は先手+41。
控え室は糸谷七段がいいとの検討に、
藤井九段「関西勢の検討は偏ってるかな?糸谷応援団だからね」
その後解説中にponanzaの評価値が先手-147になり、
藤井九段「こういうのがあるからね。解説しにくくてしょうがない。
先手ようやく一手勝ちコースが見えてきたと言いたいところだったのに」
ただponanzaの読み筋を見て、
表示されているよりも深い場所や表示されていない枝葉にあるponanzaの意図を、
すぐに見つけて解説してしまうのはさすがでした。

ここでハワイから佐藤九段がティロフォン
佐藤九段「こんばんはー」
藤井九段「こんにち…???」
佐藤九段「アロハーでしたか。
こちらの評判は糸谷さんが少し良さそうなきがするがはっきりしないという感じ。
先手が少し手厚そうだが、まだまだはっきりはしていない」
糸谷七段の感想について聞かれて佐藤九段
「タイトル戦も海外対局も封じても始めての初物尽くしで
緊張するかと思ったが、2日目に入ってからはマイペース。
封じ手は30分過ぎたので少し心配した」
飯野女流「糸谷七段が席を立っているときはどこにいるんですか」
佐藤九段「出て行く音しかきこえない。
隣の対局者控え室か、外に海があるのでどちらか。
現地は熱心なファンがいて、前々日から指導対局もしていた。
日本からのツアーの客、地元の小学生なんかもきてて盛り上がっている。
戦前は波長が合わないかなと思っていたが結構合っている。
検討陣の検討はほとんど当たってないけど、互角に推移しているので」
飯野女流「ハワイ楽しんでいますか?」
佐藤九段「今回は大阪から若手棋士がたくさんきていてみなさん楽しみながら…」
藤井九段「楽しんでばっかりじゃないですよね?」鋭い突っ込みである。
楽しんでばかりではないはずなんですけどね。
イベントはあるので真面目に仕事もしていますとのことでした。

波長が合わないと読み筋が合わないからわりと一方的な展開になりやすいらしいです。
この対局はバランスがとれている将棋になっているので、
第7局までいくでしょう。8局かもしれないですよ?とのこと。
普通は番勝負をしているうちに合ってきて、後半大熱戦という展開らしい。

藤井九段「まだ詰めろじゃないんで…(解説を進める)
あ、詰めろじゃないですか。まだ眠いのかな。言ってくださいよ」
藤井九段が▲5九歩を解説しているときに糸谷七段が▲5九歩。
藤井九段「言っといてよかった」

こういう攻めたり守ったり自由に手が選択できる勝負だと、結局は強い方が勝つらしい。
藤井九段「私は苦手なんですよ」
飯野女流「いやいやいや」
糸谷七段はため息をついたり時間を聞いたり頻繁に席を立ったり、結構動くタイプだ。
飯野女流「質問メールにいきますか」
藤井九段「このタイミングでですか?結構煮詰まってきてますよ?」

質問メール
先日初めて千駄ヶ谷の将棋会館に行きました。
本物の扇子や色紙、盤駒を眺めたり、小学生と大人たちが真剣に対局している姿や、
指導対局などをドアの向こうからこっそり眺めてました。
ニコニコで見た棋士が目の前いるというのに興奮しました。
ディナーは藤井先生のフレンチ。
シェフの方からお昼フルコースで遅刻事件を聞けてよかったです。
予約もなしにフルコースとかこのひと大物だと思ったらしいですよ。
好きなメニューは何ですか。
見る将棋ファン最近多いらしいですからね。
あの店はたまに行きますけど、あれ以来はフルコース食べてないです。
この番組はゆるいんでね。
少し遅れてもいいですよと言われたので、フルコースを頼みました。
もちろんスタッフもですよ?私だけの責任ではないんです(キリッ。
宣伝になってだいぶにぎわったみたい。
麺類はうどんでもそばでも好きです。ニューヨークもそばだった。パスタも好き。
対局はわりとパスタ多いですよ。
出前でパスタはないじゃないですか。でも前はあったんですよ。
今は出前の時はうどんとそばですね。

その間に手が進んだので解説に。
糸谷七段が優勢との解説の後に、形勢判断の引き角君を動かすように言われて、
藤井九段
「うごかして ひょうかちみたら またもどす
それでもいいかな」
しかしponanzaも先手+696の評価値。ここまできたらさすがにそうでしょう。

藤井九段「形勢はさすがに糸谷七段がいいでしょう。
しかし仮にですよ、私が対局者だったら…はぁー(ため息」
若い頃の羽生さん相手に竜王を防衛した実力者なんだから自信もってくだされ。

糸谷七段の王手に、同玉と同桂を解説後、ひふみんアイを見て、
藤井九段「逆から見ると同桂しかないじゃないですか」
そして森内竜王も同桂。ひふみんアイすごいじゃないですか。
しかし糸谷七段が確実に森内竜王の王様を寄せ、
藤井九段「必死じゃないですか」
森内竜王は残り1分まで考え△4六銀。
藤井九段「必死って言ったけど必死ではなかったですね。
でもponanzaはもう2000レベルなんじゃないですか?」
ponanzaは先手の+2756と表示。そして糸谷七段は席を外しました。
勝ちになって席を外すのは羽生さんみたいで冷静です。
ほどなく森内竜王が投了し、糸谷七段が初タイトル戦で初勝利となりました。

藤井九段の感想
いろいろありましたね。
振り駒で糸谷さんが先手で角換わりになった。
糸谷七段は居飛車同士だと角換わりか横歩で、矢倉や相掛かりはやらない。
先手でも後手でも、森内さんが避けなければ角換わりシリーズになる。
本局は4八飛車とまわったあとに2八飛車と戻るのが関心した。
普通はまわったらすぐ攻めるんだけど、
番勝負の1局目は先手後手がわからないので、研究も手探りになりがち。
むしろ後手をひいたときの方を研究するので第1局の先手はやりにくい。
しかし正体がわかっただけでいい。
用意した手はこうだったんですか、と聞いて、飛車を戻って、
森内さんは手の内を見せちゃったあげく、飛車を戻られ手待ちされてしまった。
森内さんははっきり用意した手を指す局面を避けられて、
その場で考えて指すしかなくなってしまった。
駆け引きがうまいんですよ。見事な駆け引きだった。
中盤の形勢はおそらくどちらにも針が触れていた。
海外対局ということを考えて、お互いはっきり悪い手もなく、
いい将棋で熱戦になったのはよかった。
次局は糸谷さんが一手損角換わりをやりますね。
森内さんも事前に一手損角換わりを自分自身で指していて、対策しているように見える。
シリーズ通してそのパターンが続くと思うので、
先手番で一手損角換わりを破れるかどうか。第2局はそこが見所。

初日は角換わり特有の手待ち合戦もありましたが、
七番勝負を見据えた駆け引きがそこにあったんですね。
序盤巧者の藤井九段は見るところが違います。
森内竜王が用意している局面を引き出して、
しれっと手待ちしてその奥にある研究手は避けるという、
糸谷七段は第1局の先手番としては十分満足な初日だったんですね。
初のタイトル戦なのにずいぶん大人な駆け引きです。
糸谷七段には、デビュー戦で橋本崇載八段(当時六段)に勝ち、
橋本八段に「強すぎる。怪物だ!」と言われたエピソードがありますが、
初のタイトル戦でも、その怪物ぶりを盤上盤外問わず発揮しています。
今日解説の藤井九段は初タイトル、初海外となった第10期竜王戦で、
谷川竜王を4連勝で下して竜王位を獲得しています。
糸谷七段がこのまま勢いに乗って連勝するのか、
森内竜王が先手番をキープするのか、第2局が待ち遠しいですね。

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ハワイでの第27期竜王戦第1局初日が終わる

森内俊之名人に糸谷哲郎七段が挑戦する第27期竜王戦七番勝負第1局は、
糸谷七段の封じ手で初日が終わりました。
第1局は海外のハワイでの対局ということで、
普段とは違った雰囲気のタイトル戦になっています。写真は竜王戦中継ブログより。

記者会見に挑む森内竜王と糸谷七段
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地元ラジオ局に出演する谷川会長と森内竜王と糸谷七段
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ワイキキ・ビーチで記念撮影
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なかなかリラックスムードです。
また、関西の棋士達が糸谷七段の応援に駆けつけています。
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※応援しています

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※応援しています
※写真の西川和宏五段は新四段になったときに、
総会に集まった200人近い先輩達の前で「酒が好きです」と挨拶した剛の者です。

前夜祭では挑戦者の糸谷七段が一神教とシャーマニズムについてスピーチしていました。
初のタイトル戦のスピーチでこれはなかなかの怪物ぶりですね。
糸谷七段は大阪大学文学部から大阪大学大学院文学研究科に進んだ、
棋士としては変わった経歴の方ですが、哲学専攻の棋士らしい挨拶ですかね?
新人王戦で優勝した時は、中学時代に「資本論」を読破したという話をして、
主催紙「赤旗」の皆さんが大いに喜んだとか、
第一声が「将棋は斜陽産業ですので」だったので、
当時の米長邦雄会長が怒って帰ったとか、
エピソードには事欠かない怪物棋士です。香川女流には弱いですが

そんなわけでハワイで開催されている竜王戦の第1局ですが、
同行している野月浩貴七段、関西若手棋士主催の西遊棋、関東若手棋士主催の東竜門
それぞれがハワイからTwitterで様子を伝えてくれていますので、こちらもどうぞ。

さて対局は振り駒で糸谷七段の先手番となり、角換わり腰掛け銀の定跡型になりました。
ニコニコ生放送では朝の4時から対局場の生中継、
8時半から解説富岡英作八段、聞き手山口恵梨子女流初段で大盤解説会が始まりました。
富岡八段はこの二人ならどちらが先手でも角換わりかなと思っていたそうです。
富岡八段は角換わり腰掛け銀の同型から富岡新手を発見した棋士で、
この手でどうも先手が勝ち、
という結論を出してしまったようなインパクトを残した棋士です。
今の角換わりが手待ち合戦になっているのも、
普通に組み合ったら富岡新手で先手が勝ちなんでしょう?となっているせいで、
角換わりの解説にピッタリ、角換わりの大家ですな。

そして解説が始まりましたが、角換わり特有の手を待ちながら隙をうかがう展開になり、
糸谷七段が飛車を▲4八飛車から▲2八飛車と戻した手について
富岡八段「実は私もよくわかりません」

今日はponanzaの評価値や候補手も見れるということで、
ponanzaの△5九角から角金交換で攻めていく手順も解説してくれました。
結構うるさい攻めかもしれない、人間にはなかなか思いつかない手、
違う場面での△5九角はある手だが、この場面で指すのは人間には無い感覚で、
最近プロの若手がコンピュータを使って研究しているのもわかるとのこと。

この後森内名人のインタビューが放送され、
長いシリーズになるが対局が盛り上がるように全力で挑みますとのこと。
アロハ着てました。
富岡八段「嬉しそうな顔してましたね。目じりがさがっているかんじ」

糸谷七段はインタビューで、初タイトル戦だが普段と変わらずに挑む、
ハワイの景色を楽しんで帰りたいとのこと。余裕があるなあ。

記録係りの石田四段もインタビューがあり、
立候補で記録係りになった、寝ないように頑張るとのこと。
立候補制だったのか…。
富岡八段「動きが無いと眠気が襲ってくる。人間の生理現象で仕方ない」

富岡八段の色紙「好手は歩から」
安定のぐらぐら机などとコメントされてましたが、さらさらっと書いていました。
ずいぶん書きなれている…
好手を指したいのであればまずは小さい駒で細工しようということらしい。

糸谷七段の色紙は「自由」、絵みたいに自由に書いていて富岡八段感動。
富岡八段「ただもんじゃない気がしてきました」
森内竜王は「安詳」。
運営は2時から仕事しているらしい。お疲れ様です。

初手から解説になり、先手の糸谷七段が定跡手順ではなく工夫して指しているとのこと。
右の銀を3八に置いたまま、棒銀、早繰り銀、腰掛け銀の態度を保留して、
相手の駒組を見ながら決める工夫をしているとのこと。後だしジャンケンですな。
結局角換わり腰掛け銀の定跡型に合流しましたが、
この後の後手は△7三桂を跳ねるタイミングを見きわめるのが重要らしい。
早いと桂馬の頭を狙われて形勢を損なうとのこと。

他にもこの対局では出ませんでしたが、先手が▲2八角と打つ定跡を解説し、
郷田九段が後手で好手を発見して一時下火になったが、
最近だと羽生王位がタイトル戦で採用して圧勝していて、
森内竜王は糸谷七段の▲2八角を誘ったのかもしれないと解説。

また、手待ちの▲6八金に後手の手待ちの△2四銀と指す手順は、
豊島七段が最初に丸山九段相手に指して、王位戦第3局でも出たとのこと。
この時は羽生王位が先手番で先に仕掛けたが、後手が優勢になったらしい。
富岡八段「しゃべりだすと一時間くらいしゃべっちゃうからね。
面白いんだよね角換わりの将棋はね」
本当に楽しそうに定跡の解説をしていました。

糸谷七段は▲9八香と穴熊に囲う手を見せ、
山口女流「先生穴熊組めますかね?」
富岡八段「穴熊…組めないと思うなあ」
ponanzaは先手-200の評価。
攻め好きponanzaは穴熊なんか嫌いじゃってことなのか、
この瞬間攻められるだろということなのか。

コンピュータについて富岡八段
「若手はみんな使ってるって聞いてる。
我々の世代だとあまり使ってないような気がする。違和感がある。
自分で考えるっていう面白みが減ってくる気がするから。
なおかつ将棋が好きで楽しめるなら導入する価値があると思う」

次の一手アンケート
△1二香29.5%、△6五歩24.9%、それ以外45.6%。
富岡八段もニコニコ生放送でコメントしたことがあるらしい。
答えてもらったこともあるとか。
富岡八段「私はその他が有力だと思います(キリッ」
そして休憩に入った直後にその他の△3五歩。

休憩後はponanzaの攻め好き予想手を解説し、
富岡八段「野獣攻めだったよ?今の?」
興奮気味にそんな手あるの?みたいな手が出てくるので、
研究になるよと褒めていましたが、
この後買ってしまいそうなくらいの食いつきっぷりでした。

質問メール
富岡八段はB級1組で故村山聖九段と2度指していますが、
その時のエピソードを教えてください。
富岡八段が当時27歳か8歳くらい、村山九段が22歳か3歳くらいだった。
自分が勝てばA級だったが、その将棋は負けてしまい、後で並べなおしたら完敗だった。
その後村山新八段になった。自分は力不足。
村山さんはその時から天才的な冴えがあって、考えていることがこいつは違うなと思った。
序盤もうまかったが中終盤の怪力がすごく、普通に力でぐーっと持って行かれた。
村山さんとは2局とも矢倉。

ちなみに富岡八段が角換わりを指すようになったきっかけは、
40近くなってから新しいことにチャレンジしたくなったからとのこと。
角換わりは江戸時代から原型があって、
その頃の将棋、昭和初期、大山升田時代、ときてその進歩の延長上に今の新手がある。
ここに何かありそうだなというところを突っ込んで調べて、
無くても勉強になるわけだから、俺があると思うから考えるんだ、
という精神でいくとたまにある。
大きな通りの真ん中に大きな穴があるんだけど、
何でみんな素通りしていくんだろう、おかしいな、
と思って調べたり、それで角換わりは面白い。
それが勝率に繋がらなかったりして悔しいところなんですけどね。
新しい手を見つけるのは楽しい。

バックギャモン世界選手権で森内竜王が4位になった。
数々の逆転勝ちをして4位になったらしいが、富岡八段は何かゲームをしますか。
森内さんはどのゲームをやってもそのゲームの特徴、本筋を捉える力が優れていて、
すぐに強くなっちゃう。ゲームの達人なんじゃないかな。
羽生さんなんかだとチェス。
全員そうかというかどそうでもなくて、意外と不器用な棋士もいる。
自分は登山が好きで、仕事で地方に行くと一日休みをもらう。
こないだ岩手で仕事があったので、一日休みもらって登山に行き、
紅葉がすごく綺麗だった。
将棋を室内でさして、休みはアウトドアが私としてはそういうバランス。
中川さんは登山研を開いている。メンバーは渡辺竜王とか。
歩くと脳が活性化されるんですか?
それが糸谷ペース。歩きながら考えることでリズムをとっていく。

棋士に向いている性格はありますか。
几帳面で整理整頓が好きな人が向いていると思うんですが。
几帳面な人も向いている。整理整頓能力が早い、美しい将棋の方が強い、
駒があちこち散らばっている将棋はなかなか勝ちにくい。
綺麗に駒が捌けていく将棋の方が勝ちやすい。
この銀無くていいなとか思えると、その駒を捌いていくという感覚がでる。
私はものがたくさんあるとパニクるので、迷いたくないので単純に単純にいく。
最近は物を増やさないように心がけている。
なるべく少なく少なくしていくように。
将棋の手も狭く狭くかもしれないな。私の場合はね。

電王戦で座布団や駒台をまわしているのを見たが、向きが決まっているのか。
これはある。座布団の向きがあるかないか。
私の勘なんだけど棋士は縦縦に入っているのがすき。
将棋の盤も縦に線が入っていて、
駒台も縦に線が入っている方が美しいと感じるようにできている。
これを横にすると盤が縦、駒台が横の木目になってしまう。
これを記録係りが間違えるとぱっと棋士が直す。そろえるのが癖になっている。
座布団も縦系の座布団と横系の座布団がある。
窪田六段が研修会で60枚もある座布団を、全部同じ目になるように並べなおしていた。

ここで立会人の佐藤九段の前日インタビュー。
立会人と解説としてきたんですけど他の棋士に申し訳ないな、とのこと。
ハワイいいのぅ。

その後はponanzaの読み手順を解説後に、
富岡八段「既に形勢に差がついている恐れはあるね」
ただしponanzaは後手持ち、富岡八段はponanzaの読み通りに進んだら先手持ち。

形勢判断アンケート
森内竜王34.4%、糸谷七段28.4%、Nyan37.1%。
ハワイということでにゃんがアルファベットに。

ここで糸谷七段の考慮中に定刻5分前になり、谷川会長と佐藤九段が入室。
富岡八段「さすがにここで指すだけの根性はないでしょう」

封じ手予想として▲3六歩、▲3六角、▲2八飛を解説後に、
コメントに▲5八角という受けの手登場。
解説を進めるとなかなかありえる手とのこと。

封じ手アンケート
▲3六歩21.6%、▲3六角19.2%、▲2八飛6.0%、▲5八角35.3%、その他17.8%。

どれを指しても良くなりそうな順がありそうで、糸谷七段もかなり迷っていました。
富岡八段「将棋はいい手がたくさんあるときに間違える。
一手しかなければそれが細い道でも間違えない。
初めてのタイトル戦でいい手がいくつかあるのでこれは迷うでしょうね」

ずっと考え続ける糸谷七段 
アンケート
10分以内に封じる20.2%、30分以内に封じる28.3%、1時間以内に封じる9.0%、
1時間以上7.8%、うっかり指しちゃう34.7%。
うっかり指すとそれが封じ手になり、反則負けにはならないらしい。
森内竜王は定刻を25分過ぎたところで席を立つ。
対局者としてこれは長くなるなと感じたのだろうか。
富岡八段はこのくらいの局面だと本筋に見える手を20手30手ほどの深さまで読み、
それ以外の手はあまり読まないとのこと。
深さで30手だと枝葉入れたら何手になるんだ…。

定刻を30分過ぎたところで、
封じ手の封筒にサインするシーンまでばっちり生放送されて終了となりました。
が、ここでちょっとしたハプニング。
前日に谷川会長に封じ手のやり方を教わっていた糸谷七段ですが、
取材陣がカメラを構えて待っているのを忘れて封筒を会長に手渡ししてしまったので、
一旦封筒を糸谷七段に戻してから、
両手でおじぎしつつ立会人に渡すシーンを撮影しなおしていました。
封じ手って難しい。 

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封じ手を渡すシーンの再現に笑いをこらえる森内竜王

こうしてハワイでの対局となった1局目の初日は終わりました。

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富岡八段「わからない…私は…▲3六角かな」

明日2日目もニコニコ生放送では4時から生中継、
8時半から解説藤井猛九段、聞き手飯野愛女流一級で大盤解説が始まります。
タイトル初挑戦の糸谷七段が、
哲学挨拶、封じ手シーン再現に続く伝説を残してくれるのか、
勝負の行方以外にも注目です。

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