棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

羽生マジック炸裂!名人戦第4局は羽生名人が大逆転勝利

羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦七番勝負第4局は、
羽生名人が行方八段を破り3勝1敗と防衛に王手をかけました。

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朝の様子。羽生名人は寝癖もつけて絶好調か。

羽生名人の注目の封じ手は▲8六銀でした(みんな知ってた)。
立会人の大内九段は行方八段に封じ手の書いてある紙を見せてから、
大内九段「封じ手は▲8六銀です」
このパターンは加藤新手と同じ流れ…

最初の取材陣の撮影タイムについて
渡辺棋王「立会人によって時計止めたり止めなかったり、
その辺はもう適当なんすよ昔から。
まあ1分2分の話なんでね時計止めるっていうのも」

副立会いの話になって
渡辺棋王「名人戦は副立会いが2人なんで、若手も使っていかないと足りないんですよ」
室谷女流「今話題の橋本八段なんですけど」
渡辺棋王「どういう話題なんですか?(ニヤリ」
二歩を言わせようとする渡辺棋王。

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おはようございます。
室谷女流「先生はニコニコ生放送は久しぶりということですけど」
渡辺棋王「去年は5局目6局目を予定していたんですけど流れてしまったので、
今年は4局目以内でということになりました。
候補としては△8二角とか、△4二銀右とか、飛車を引くとか、
手が広い局面です。
先手も何か狙っているわけではないので、
どの駒を動かしても大きなマイナスにはならないので」
室谷女流「今回脇システムということになりましたけど」
渡辺棋王「常に相矢倉の1番手にはなってない、2番手3番手の戦法なんです。
ただ1番手の戦法がうまくいってないときはよく採用される戦法で、
行方八段も予想はしている戦型です。
今日は長いですねー…進み方としても遅いですし…」

行方八段は△7二飛。

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似たような前例で先手が1六歩2六歩型の対局があり、
羽生名人が1七歩2五歩型に改良してきたので、
前例の△8二角は誘われている感じだから指しにくかったのではないか、
△7二飛は受けの手なので先手は右辺の攻撃陣に手を入れることになるが、
▲1五歩~▲1七香~▲1八飛と端攻めを狙う間に、
後手も攻撃陣が整ってしまうとのこと。

リレー質問
加藤九段から渡辺棋王へ
渡辺棋王は今後の名人戦についてどのような意欲をもっていますか。
渡辺棋王「いや意欲はあるんですよね。なかなか毎年少し足りないんですね。
5期目か6期目だと思うんですけど、勝ち越すんだけどなあ。8勝とかいかないとねえ。
今期久しぶりにプレーオフだったんですけど、4者プレーオフは久々でしたね。
いやだからね意欲はあるんだけどなかなか大変という。
去年広瀬君があがってきてね、今年天彦もあがってきて、
そのうち半分くらい後輩になると僕も厳しくなりますからね。
35くらいまでに出られないと僕も出られないでしょうきっと」
室谷女流「若手が入ってくるというのはどんな感じなんですか」
渡辺棋王「自分も20代だったはずなのにね、早いですよね」

山田女流から室谷女流へ
東京に来られてしばらくたちますが、将棋界以外のお友達はできましたか。
室谷女流「あー、できてないですねえ」
渡辺棋王「でも難しいですよね将棋界以外。僕も3人くらいしかいないけどな」
室谷女流「先生とフットサル一緒にやらせていただいて、
そこでのお付き合いは出来ましたけど」
渡辺棋王「でもそれ将棋界に片足つっこんでる人だよねえ」
室谷女流「今年は友達が働き始めて、東京に来てる人もいるので」
渡辺棋王「だいたい学校とか地元ですもんね将棋知らない友達って。
じゃあいないということで」
室谷女流「お友達募集です」
渡辺棋王「将棋にまったく関心がないって友達は俺いないけどなあ」

ここで初手から解説に。
脇システムが流行ってないのは先手が面白くないと思っているからで、
本来は脇システムを誘った先手の羽生名人がどこかで新手を見せる流れなのに、
後手の行方八段が先に新趣向を見せたというのが昨日の駆け引きとのこと。
羽生名人は解説通りの▲1六歩。

羽生名人が席を立って
渡辺棋王「進まないですよね。近年まれに見る進行の遅さなんじゃないですか。
昔はこんな感じで1日目は駒組みで2日目が戦いみたいな。
中原先生が言ってましたけど、
1日目は大山先生がどこに飛車を振るのか決めるだけだからって。
でもこれは本格的に戦うのは夕方以降という感じで。
持ち時間5時間の1日制の将棋でももっと進みますからね。
前回自分が解説してたときは夕休前に終わって、
今日は早く終わったーと思ってたんですけど」

室谷女流「今日は質問メールとかアンケートとか」
渡辺棋王「アンケートはもう飽きてるでしょ?」
室谷女流「ヒフミンアイとか」
渡辺棋王「ヒフミンアイも頭の中でやりますけどね。
本当に見に行くのは加藤先生くらいですけど、相手がいない場合はやる人もいますよね。
加藤先生は相手がいてもやりますからね、ヒフミンアイ。
相手がいないときにやってたら相手が帰ってきちゃって、
帰ってきてるのに気がつかないでやってるので相手が待ってるとかもありますね。
早くどいてよみたいな。
加藤先生の記録も録った事ありますけど、
だいたい朝机の位置を動かすことから始めるんですね。
観戦記者の座る位置もなくなっちゃうんですけど、観戦記者もそのつもりで来てるんで」
室谷女流「昨日の放送はご覧になられてましたか」
渡辺棋王「ちょくちょく見てました。いつも通りでしたよ。
講演会だった?まあ駒組みのねちねちした駆け引きの話より面白いんじゃないですか?
ちらっと見たら四間飛車対棒銀の大盤になってて、あーやってるやってると。
何で四間飛車なんだろう」

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早くも分厚い質問メールのプリント

質問メール
渡辺棋王に質問です。ゴールデンウィークに広瀬八段とヨーロッパに行かれましたが、
現地でのエピソードなどを教えてください。
そうですね行きました。えっと9泊かな。
土曜日に出て連休明けの火曜あたりに帰ってきたのかな。
話は去年の、1年前くらいからあったんですね。
ちょこちょこ話しを進めていって、
元々は広瀬君と佐藤天彦君とサッカーを見に行こうという話だったんですね。
みんなそれなりにタイトル戦に出る可能性もある立場だから、
いざ行くってなって僕と広瀬君がなんだかんだ都合つけて行けたんですけど、
佐藤天彦は棋聖戦で勝ち残ってしまって。
準決勝までは相談で日程がなんとかなるんですけど、
挑戦者決定戦はどうにもならないんですね。
僕と佐藤天彦は1回戦で当たってどっちか死ぬから、
それならみんないける可能性高いよねという話を事前にしていました。
準々決勝と準決勝どっちか負けたら行けたのに、挑戦者決定戦で負けてしまって、
だったら準決勝で負けた方がよかったのにねえ。
彼が一番楽しみにしてたんですよ。
クラシック音楽が好きで美術とか見るのも好きで、僕はサッカーだけなんですよ目的は。
そういう意味では残念だったというか、行った僕らは楽しかったですけど。
1日だけドイツで普及してきたんですけど、
現地にお勤めの日本人の方なのかなと思ってたら、あちらの方がたくさんいました。、
ドイツ人の子供たちに教える場所があって、6枚落ちくらいですけど普通に指せて、
僕も海外普及は知識がなかったので、
だから海外でもいるんだな将棋指す人がって。ってくらいかな?

緊急アンケートご職業は?
ある52.5%、ない47.5%。
室谷女流「今日の運営さん攻めますね」
渡辺棋王「どうせ正しい集計は出ないからなあ」

電王戦の最終局はやっぱり競馬に行ったのですか。
電王戦の日?最終局ですよね。私夕方からゲストで出るつもりだったんですよ。
午前中で終わっちゃったじゃないですか。
終わったけど出るのかなと家では思ってたの。
集合は僕3時くらいだったんです。
3時だから時間繋いどいてもらえれば出るのかなと思ってたんですけど、
昼くらいに連絡が来て今日はいいですって。
エキシビジョンやるからもういいですみたいな。
競馬は家では見てましたけど、土曜日だから。
最近競馬場行かないんですよね。家ならパソコンの前で動かないでいいし、
競馬場行くと動かないといけないじゃないですか。
競馬場に行って1日競馬やってると痩せるんですよ。動くし頭使うし。
でも家だと楽だし時間ギリギリでも買えるから。
でも馬券一度でも買った事ある人の方が多いんじゃないですか?棋士なら。
みんな考えるのが好きなんですね、勝負事も好きだし。
勘じゃないんですね競馬は。理論の裏づけがあるんです。

アンケート競馬
1回はある37.6%、結構買う19.6%、経験なし42.8%。
渡辺棋王「だからやる人が60%くらいってことですね」

もし自由に使える100万円があったら何に使いますか。
渡辺棋王「自由?どうですか?自分の金じゃないということですね?」
室谷女流「馬券購入とかありますけど(笑」
渡辺棋王「いや考えますよ自分の金じゃないんですから。
別に外れたって痛くないですし」
室谷女流「私は何だろう。旅行に行きたいですね。」
渡辺棋王「海外旅行に?」
室谷女流「ハワイとか行きたいですね。
ハワイに行って将棋の駒を買って、後は貯金して」
渡辺棋王「ハワイは竜王戦は行かなかったんですか?」

ここで電話の音。「もしもし」
まさかの対局室から。

渡辺棋王「こんなに音拾えるんですね。何の話してたんだっけ」
室谷女流「えーっと、あ、100万円の話ですけど」
渡辺棋王「自分のお金じゃないからなあ」
室谷女流「物とかで欲しいものとかありますか」
渡辺棋王「でも欲しいものはもう買ってるじゃないですか。
わざわざ我慢してるとか無いんで。
生活家電系だと明らかに必要になったら買うじゃないですか。
物はないかなあ。本当に欲しいと思ったら買いますからねえ」
室谷女流「やっぱり馬券が濃厚ですか」
渡辺棋王「とりあえず1回2倍の単勝を買って、倍になったら考える」
室谷女流「株はされないんですか」
渡辺棋王「株は持ってるんですけど、持ってるだけで1回も売り買いしてないです。
1年以上値段も知らないというね。
大和証券杯にでたときに、それを使ってやったんですけど、買ったまま放置。
あれ配当金って来るんですね。それを含めるとそんな大損してないのかな?
専門家じゃないから分かんないですけど」
室谷女流「桐谷先生とコメント流れてますけど、
大阪に桐谷先生のショップがあって、女子高生とか多かったです」
渡辺棋王「テレビは加藤先生のはたまに見るんですけど、この前はっしーのも見ましたね。
神吉さんと加藤先生の楽しみにしてたのに3分くらいしかなかったじゃないですか。
あの絡みはあんまり見たことないですよね。
あの神吉さんの存在感を消しちゃう加藤先生の存在感って凄いですよね」

室谷女流「まだ30枚くらいあるんですけど…どれにしようかな」

もしもお二人の自伝が漫画化されるなら、どの人に書いて欲しいですか。
渡辺棋王「漫画読んでましたか?」
室谷女流「姉はワンピースとか少年物語が好きなので、
私は少女漫画が好きなんで。今は持って無いですけど。
ちはやふるとか?途中でやめちゃいましたけど。
ワンピースは読んでましたけど33巻くらいです」
渡辺棋王「全然追いついて無いですね、今もう70いくつまで出てますけど。
私はかなり漫画読むので一人誰と言われてもねえ。
うみのちかさんも名人戦の取材に来られてましたね。
だから将棋の漫画って多いんですよねなんだかんだ。
今は月下の棋士は、でも知らないでしょ?産まれる前ですから。
ドラマになったの知ってますか?撮影とかあそこの神社でやってるなーとか」
室谷女流「鳩森神社ですか?」
渡辺棋王「そうそうそう。
この人一人って言われると難しいですね。
有名な漫画家さんに書いてもらえるならいいんじゃないですか」

渡辺棋王は体重を気にされていることで有名ですが、
実は体を鍛えまくっていて全身ムキムキと言う噂を聞きましたがどうなんですか。
渡辺棋王「運動が好きで体重管理は本当なんですけど、ムキムキは嘘ですね。
体重管理はタイトル戦に出るようになって、3泊4日で家を空けて食べるだけ食べてると、
すごい太るんですね、2キロとかあっというまに。
それ以来体重計を持って出かけるようになりました」
室谷女流「出かけるんですか?」
渡辺棋王「そうそうタイトル戦にね。
もともと3泊で行くと、それなりにがらがらに入れてくじゃないですか。
今何キロだから打ち上げでどれくらい食べるとかも考えるし、
戻すの大変ですから。冬とか戻らないですよね」
室谷女流「フットサルは体重管理の一種なんですか?」
渡辺棋王「それはそうでもないんですけど、一度管理しだすと数字が気になって。
ムキムキは明らかに嘘です」

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渡辺棋王「なんか戦いが始まりましたね。
具体的に角がぶつかってるので、取れってことですよね後手は。
先手は逃げる手は無いので取るんですけど、千日手はなくなりますよね。
絶対戦いが始まってっていう。
先手は▲4六歩とか▲6一角とかを絡めてどうするかってことですね」
羽生名人が席を外してる映像が流れて、
渡辺棋王「昼休み僕も寝ますけど目覚ましかけますからね。
対局中の休憩は和服脱ぐかはわかんないですけど、5分以上かかりますからね。
脱ぐのは1分ですけど着るのは5分以上かかりますから。呼びに来ませんからね。
羽生さんはたまにやりますねいなくなるっていうのは。
30分くらいロスしても別に痛くないっていう感じなんだと思います。
最初の頃はびっくりしましたねもったいなくないのかなって。
途中で20分30分っていう単位で、
別に時間なくなっちゃってもいいよっていう人はいないですよ。
糸谷君の場合は戻ってきますよね。
あれはあれで時間を無駄にしないぞっていう意気込みは感じますよね。
あ、戻ってきましたね」
記録係りが羽生名人に指されましたと言って、
渡辺棋王「これ記録係りが指されましたって言うけど、
そりゃ分かるよって思うんですけどね。
だってこれ相手の番だったら角取られちゃうじゃん。
昔記録とってて指されましたって言うと、刺されちゃ困るよって返す人いました。
さすって指じゃなくて刺す方ね。今も言ってる人いますけどね。
よくわかんない局面だったらね、9二香とか1個上がったとかなら言って欲しいですけど、
でも△4五歩って突いてそりゃ見れば分かるんだから、面白いよね。
自分が記録してたときは言ってましたよ指されましたって。
記録もやってると面白いですよね、対局室にずっといるから。
片方がいない時って片方が独り言を言ったりするじゃないですか。
だから記録係りはお互いの形勢判断が分かるっていうね、お互いのぼやきを聞いてるから。
でも記録係りは寝ますよね。
僕も何度も寝たことありますけど、
みんなが別に寝るからある程度しょうがないってみんな思ってるんでしょうね。
意地悪でそっと指されたら起きないですけど、ばちって指されたら起きますよね。
流石に何指したかわかるじゃないですかプロの卵だから」
室谷女流「神吉先生そーっと指されちゃって終わっちゃったらしいんです」
渡辺棋王「終わっちゃったってどんだけ熟睡してるの(笑」
室谷女流「わかんないので符号適当に全部書いたら、当たってたらしいですよ」
渡辺棋王「凄いですね。今は中継もあるしそんなこと起こらないですけどね。
昔は密室だからいろんなことできたと思うんですけど、
相手が二歩を打ったことがあるんですよ、佐々木慎さんなんですけど。
もう詰みだったんで、詰みってことでいいんじゃないですかと言ったんですけど、
中継されてるからだめだってことになりました。
さっきの電話もね、昔だったら出ないでしょ。今は気が抜けないですよ」
室谷女流「対局中は実際どうなんですか?」
渡辺棋王「もう慣れましたよねニコ生に関してはね。
無人カメラは昔からあるじゃないですか。でもそれは放送枠が決まってるじゃないですか。
なので放送開始の4時に姿勢を正すとか。でも今はずっとなので逆に気にしないとか。
3時くらいで敗勢なんだけど4時まで持たせるかとかも考えてましたけど、
今は全部映ってるから、おやつ食べる時とかもね。
ニコ生のスタッフとは最初の頃打ち上げで、
僕がおやつ食べるとこ映さないでくださいよって言ったら間に受けられたことがあります。
最初はニコ生のスタッフは新参者という意識があって遠慮していたんですよ。
運営スタッフの人とかとも話すんですけど、
そしたら間に受けて、おやつ映すのNGだからとか、
そんなん間に受けてたんですかって驚きました」

室谷女流「局面の方が進まないのでこの辺で一旦休憩に」
羽生名人「▲6四角!」
室谷女流「あ!」
渡辺棋王「見なかった事にして見なかった事に」
ということで休憩に。

休憩中に△同銀▲3五歩と進行。

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▲3五歩は意外な手とのこと。
いろいろ検討後、多分△同歩に▲4六歩ということだと思うが、
これを△同歩は先手の攻めが早いので後手は攻め合いに行く。
ただそれだと後手の攻めが早いような、
先手が一手負けてるような気がしなくもないのだが。
ということで先手は馬を作って、
後手の攻め駒を攻めるみたいな手も考えられるとのこと。

室谷女流「どちらを持って指してみたいですか」
渡辺棋王「うーん難しいですねえ。まあどちらも持ちたくない。
どっちを持ってもこの将棋は嫌ですね。
どっちが攻めてるのかわかんないですもんこれは」

アンケートどっちを持ってみたいか
先手:羽生名人27.5%、後手:行方八段21.0%、なんとも言えないニャン51.5%。
室谷女流「なんとも言えないニャンが多いですか」
渡辺棋王「まあこのパターンも飽きたよねー」

羽生名人は▲2六銀。

渡辺棋王「あ、また意外な手が。意外な手ばっかですよね」
室谷女流「棒銀ですよね。昨日の時点でここまでだったら、
加藤先生大喜びだったんですけど」
渡辺棋王「どうやったら先手が成功するのかが分からないんですけど。
後手から見たら、どうやったら悪くなるのかな、
どの手をやっても1局以上の形勢になりそうな。
そこを突く作戦なのかな?これは。
どの手も後手が少しいいんだけど迷わせるみたいな」

ところが△3四金、△4四金は先手の攻めもうるさそうで、
△3四銀で普通は先手無理。あ、△5一角の筋で無理じゃないか、とのこと。

室谷女流「手になっちゃうんですねえ」
渡辺棋王「手になるんですねえ。だから先手が警戒するのは△3四金なんですねえ。
でも結構先手が上手くいくパターンが多いんですね。
なるほど棒銀最強説が。こんな強引な棒銀でもいけるんですね」

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最強棒銀の図。△4四金や△3四銀だと攻めが続く。
ただし△3四金だと受かっているかも。

渡辺棋王「これは昼食休憩まで入ってもおかしくないです」
室谷女流「意外でしたか」
渡辺棋王「いや意外でしょうこれは行方八段にとっては」
両者席を外して対局室は記録係りだけになってしまいました。

質問メール
渡辺先生への質問です。
王将戦でおやつを注文されないことが多かったですが、理由は?
午前中のおやつも抜かれることも気になります。
渡辺棋王「あー頼まないことありましたかね確かに。
それは単純に体重調整です。その日の朝に食べるかどうかを決めます。
ちょっと体重が多いなと思えば頼まないし、
朝になってみないとわかんないですしね、体重が。
前の日の夜ご飯の量も旅館によって違うし。
思考には影響しないんじゃないですか?
糖分とると頭にいくとか聞きますけど、自分はそういう理由で食べてるわけではなくて、
ただ単に好きだから食べてます。
朝食べないで対局にいくとおなかが鳴ったら困るんで、
でもめんどくさいと思えば食べないし。早く起きないといけないんでその分。
普通食べるんですか?」
室谷女流「私は対局のときだけ食べますね」
渡辺棋王「まあ朝が遅いからなんでしょうね将棋指しは。
対局は10時だし、研究会だって10時でしょ?
そうすると8時代起床ですよね。7時代に起きるのは今日の解説のときくらいですよ。
目覚まし9時もよくありますよ。
普段将棋10時からだし、8時40分に起きて、8時50分のニコ生に備えてね。
昨日はもたもたしてて遅れましたけどね1分くらい」
室谷女流「コメントは書き込んだりするんですか」
渡辺棋王「昨日はしなかったです。たまに拾ってくれるとコメント流れてたかって」
渡辺棋王が朝のアリーナ最前列争いに参戦していることが発覚。
ニコニコ動画のプレミアム会員なことは以前の記事で紹介しましたが、
まさか8時50分に備えているとは。

渡辺棋王「頭を使って考えるから、
甘いものはいいってなってるんでしょこの業界は。
本来変でしょ将棋盤の前でケーキを食べるとか。
でも割と昔からそうなってるってことはいいんでしょうね頭には」

室谷女流に、3月の北九州将棋フェスティバルに行かれた方からです。
ファッションにおけるこだわりがあれば教えてください。
室谷女流「初めての質問きました」
渡辺棋王「でも女流の場合は服代かかりますよね。衣装代とか出ないでしょ?
男性の場合はスーツだから誰も見ないでしょ?実際どうなんですか?」
室谷女流「私は結構物を買うのが好きなんですけど、ほとんど服ですね。
必要な物じゃないですか。
スーツと違ってネクタイを変えればいいという感じじゃないので」
渡辺棋王「10パターン以上、相当散らしていかないとばれるでしょ?」
室谷女流「仕事と私服は一応分けています。
私服とかこだわりとかはないですか?」
渡辺棋王「僕は男性の中でも相当無頓着な方なので無いですね。
まあスーツとかは買いますけど、
昔中川さんにダメ出しされて、一緒に買いに行ったことはあります。
僕が竜王のタイトルを取った時なんですけど、
中川先生は研究会とかでもずいぶんお世話になっていたんです。
そこで渡辺君も竜王だから、そんな安い服きててもだめだから買いに行くよって。
中川さんがスーツを選んで僕が後ろで見ててお金出すだけで。
間違いないものを中川さんが全部選んでくれました。
テレビの時はこれを着るんだよとか、対局のときはこれ着ちゃだめだよとか。
本来スーツって正座するものじゃないでしょ。
ずぼんは1回でクリーニングってことも多いんですけど、
しわになって結構困りますよね」
好きなブランドとコメントに流れて
室谷女流「好きなブランドはあんまりこだわってないんですよね」
渡辺棋王「僕は言うのもはばかれるくらいわかんないんですよ。
でもそれは言ったら分かるものなんですか?
さっきから佐藤天彦君のコメントでてますけど、
彼と服の話をしても僕はふーんくらいしか答えられなくて、
そんな対等に彼と服の話できる人いるのかなって。
周りの人が分かってくれない趣味ですよね」
室谷女流「女流棋士は結構服を買うお店がかぶるんですよ。
それに同じ服がかぶる時があります。私は飯野さんとかぶったことがあります。
なので一緒の仕事の時は確認しようと。
高浜女流とは10個くらいかぶってて、趣味が一緒なんですね。
小物ならいいんですけどワンピースが全部かぶってるとか」
渡辺棋王「世間のみんなに人気のある本筋の服とかならかぶるんですかね。
対戦相手の服とかは見ないでしょ?
解説とかで一緒になっても…、まあ和服の色はちょっと見るかなあ。
それも袴とかも全部かぶるとかはないんで」

そろそろ昼食休憩ということで、
室谷女流「少し前に休憩に入りそうですかね?」
渡辺棋王「タイトル戦ではあまりないですかね。
普段は12時10分に休憩ですけど、出前を頼んでると12時とかに来るじゃないですか。
12時にねって頼むと11時55分とかに来るじゃないですか。
なので出前とってて自分の手番だと早めに休憩にってことはあります。
タイトル戦だと副立会いの人とか仕事を奪っちゃうので、
はいそれでは昼食休憩に入りますとか言うんですよ。
それでのどをうんうんってやって準備してるのに、
こっちでじゃあ休憩にって言うのもね」

素朴な疑問ですが、段位は何で九段までなんでしょうか。
渡辺棋王「そうですね、九段までしかないですからね。
例えば竜王戦は1期防衛で九段かな?他の棋戦だと3期とか。
何でですかねえ。でも十段ていうのは囲碁でも将棋でもタイトルなんですよ。
だから十段がタイトルだから?
加藤先生はそれこそ九段になってから何百勝もしてるから、
十段に移ったらとか総会でもでるんですけどなかなかそうはならなくて」
室谷女流「某先生が、
十段のタイトルを失ったら十段から九段に段位が下がったみたいって言ってました」
渡辺棋王「確かに十段から九段じゃ下がったようになりますね。」
室谷女流「もし作るとしたら加藤先生なんか何段になるんですかね」
渡辺棋王「十五段くらいになるんですかね?でも喜ぶんじゃないですか?
同じ九段ていうのがちょっと不満なんでしょうやっぱり。
あ、橋本君が入ってきましたね。宣言するために」

昼食アンケートの流れになって、
渡辺棋王「何でこれ各自でってならないの?
だってうな重食べたくないのに加藤先生がうな重って言ったら断れないじゃないですか」
室谷女流「ということはうなぎ?」
渡辺棋王「いや違うんですけど、
昔記録のときに、加藤先生が3000円くらい用意して待ってるんですけど、
じゃあ僕もうな重で、じゃあ僕もってなって、
一人違う人がいて君もうな重にしなさいってジョーク言われてました。
まだやってるんすか昼飯アンケートって。
これ2011年くらいからやってますっけ?まだやってるのアンケート。
でももうさあユーザーさんの方が詳しくなっちゃってるし、
ぶっちゃけ飽きてるでしょ?」

アンケート解説者二人のお昼ごはんを予想して下さい
ぶっちゃけ飽きてる39.6%、毎回楽しみにしてる60.4%。
渡辺棋王「楽しみにしてるんだー。毎回?しかも毎回?
あ、橋本君の発言を待たずに休憩に入りましたね。
人によるでしょうね何のために来たんだろうとか、
むしろ緊張してて助かったみたいな」

といったところで昼食休憩に。

室谷女流「ということで局面なんですけどまったく変わってないですね」
渡辺棋王「昼休憩明けから30分たってるんですよね?
考えどころですけど残り3時間でしたっけ?」
室谷女流「それではお昼何を食べたか」
渡辺棋王「あ!」
行方八段が△3四金。
室谷女流「今日の私タイミング悪いですね」

昼食は松永

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渡辺棋王「こんな写真撮ってたんだ」

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渡辺棋王「中継を見て勉強してるんですよ。
控え室ではどんな手を検討してるのかなーとか」

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渡辺棋王「森下先生がニコ生で勧めてたので一度来てみたかったんです」

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渡辺棋王「どうしても撮るって言うんで、まあ仕事だから仕方なく。
変だからお店でカメラ目線ではいって。周りの視線が耐えられないです」

羽生名人はお寿司。

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室谷女流「どれから食べればいいかわかんないですね」
渡辺棋王「僕は好きなものは残すタイプなので」
室谷女流「それじゃイチゴショートのイチゴは残すんですか」
渡辺棋王「僕はショートケーキのイチゴはいらない派なので、
むしろ邪魔だから最初に食べるみたいな」

行方八段はうな重。

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室谷女流「今日もうな重食べるって話もありましたよね」
渡辺棋王「昨日食べてるんですよ加藤先生が。
だから予算オーバーだということで」
室谷女流「棋士の方はうな重食べられる方多いですよね」
渡辺棋王「加藤先生の影響じゃないですか?
やっぱり強い人の真似をするっていうね」

詰め将棋の解答の後にプレゼントのコーナー。渡辺明の思考。

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色紙「勇躍」

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扇子「闊達」
今期の棋王戦の就位式用に作ったもので非売品とのこと。

室谷女流「一手進みました。▲1五銀と」
渡辺棋王「あ!ほんとだ!」

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渡辺棋王「これが成立するようだといよいよ棒銀最強説が」
▲6一角の筋を絡めてもそこまで先手がいいとも思えなく、
しかも手番が後手なので△8二飛とかわされたらどう指すんだろうとのこと。
行方八段は△8二飛。
渡辺棋王「あ、解説通り」

質問メール
以前ニコ生で本田小百合さんが、渡辺さんは料理教室に通ってるんです、
あ、言っちゃだめだったのかなあと言ってました。得意料理を教えてください。
渡辺棋王「月に1回か2回くらい作ってます。
料理教室には行ってますけど、それとは別に家で料理するのはそれくらい。
直接的なきっかけは妻の漫画が始まったからですね。
今までは基本的に自分が作る必要がなかったんで、
漫画は締め切りがあるから、忙しい時に惣菜とか外食だけじゃ飽きるから。
今3年目ですかね」
室谷女流「どんなレパートリーがあるんですか」
渡辺棋王「教室で習ったものをそのまま作るってだけです」
室谷女流「私も行きたいなとは思うんですけどちょっと面倒くさくて」
渡辺棋王「僕は普段男性だけのクラスに行ってるんですけど、
女性もいるとカテゴリは初心者教室なのに、
女性はど素人ってあんまりいないじゃないですか。
男性だけだと本当に包丁ってどうやって持つんだろうとか。
1回振り替えで行った事があるんですけどひどい目に会いました。
同じ7級クラスなのに女性は初段くらいあって平手で戦わせるみたいな。
なので男性は若い女性がいるから混合クラスがいいなんていうと大変ですよ」

私は将棋が難しそうだったのでまずはどうぶつ将棋から、
という理由でどうぶつ将棋を始めて、2級までは行けたのですが1級になれません。
室谷女流はどうぶつ将棋トーナメントに出場されていましたが、
何かこつのようなものや、よい勉強方法があれば教えてください。
室谷女流「私に聞くのは多分間違ってて、2級とか1級って十分ですよ?
女流棋士に会うたびに勉強してるって聞くとしてないよって言うんですけど、
すごい強いんですよ。これは定跡でとか言われても会話についていけなくて」
渡辺棋王「最近はやってないですね。一時期かなり研究したんですけど。
研究したら分かりそうじゃないですか小さいから。
後手を持つと引き分け以上という感じなんですけど、
素人同士だったら将棋に近い要素があって、結構頭使うのでいいですよ。
捨て駒があったり面白いです。
いい勉強方法は難しいですよね。何か本とかあるんですか?
この人は2級っていうのは十分強いんですね?
もう将棋の方に行かれてもいいんじゃないでしょうか、
ていうのが答えでいいんじゃないでしょうか」

その後飛車厨対角厨の話が出て、
渡辺棋王「やらないよ?でも飛車の守備力が強いんじゃないかな」

渡辺先生に質問なのですが、
現在の矢倉は▲4六銀▲3七桂の形になる前に△4五歩と反発して、
後手が有力だとのことですが、
今までより先手が攻勢に出れないからなのでしょうか。
細かいニュアンスをお願いします。
渡辺棋王「長いなあそれはー。
じゃあ飛車対角やろうか!15分くらいかかりますよ?これもあれも。
矢倉の解説か飛車対角をどっちか15分で。両方は無理だから」

アンケートどっちがいいか
飛車vs角41.0%、マニアックな矢倉解説59.0%。
渡辺棋王「矢倉の解説かあ」

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これが基本形。ここから▲1六歩が加藤流。
しかし▲4六銀が圧倒的に大流行してて、ずっとこれに対しては

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この対抗形が指されてた。
名人戦だと2年前の羽生さんと森内さんの、
ちょっとタイミングをずらした△3七銀がでたやつとか。

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この△4五歩は元々あったがすぐ下火になった。
子供の頃に覚えた定跡は△4五歩が良くないってほとんどやる人がいなかった。
2、3年前に塚田九段がこの△4五歩を指して、
コンピュータに指されてそれの影響とも言ってた。

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先手の▲4八飛に△5五歩。
これが菅井六段が去年のタッグマッチで指した超斬新な手。
割と後手が上手くいって勝った。
僕も直後A級順位戦で使って勝ったんですよ。

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△5五歩にかえて△9四歩が僕がJT杯で羽生さん相手に指して快勝した手。
でも△5五歩の発想がなかったら△9四歩はなかった。

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ここでの△7三桂の発見が流行している原因。
角がぶつかってる時に桂馬を跳ねるっていうのが。
角交換に△同銀ととって、▲7一角が怖くないというのが発見。

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今はこうなる。ここで後手に手が広い。

見直すきっかけは塚田九段。2年くらい前。
タッグマッチの菅井六段の△5五歩が流行するきっかけ。去年の秋。
僕がやった△9四歩がたまたまうまくいって流行加速。
この後どうなるかわからない。
ただ先手の▲4六銀が凄く減って、先手は角換わりが流行している。

室谷女流「先手として最も有力な作戦はありますかということなんですけど」
渡辺棋王「それが今日の脇システムとか第1局の早囲いとか、森下システムとか。
矢倉は今は後手が前例の通りに指していれば悪くならないということですね」

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対局者はフルーツ盛り合わせ?
渡辺棋王「行方さんど急所の局面だから食べてる場合じゃないのかもしれないですね」

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ニコ生のおさんじはDEMEL JAPANのザッハトルテ
室谷女流「家でおやつは食べられますか」
渡辺棋王「スナック菓子の食べすぎで口内炎できたもん」
室谷女流「嫌いな食べ物はありますか」
渡辺棋王「辛いもの全般、わさび」
室谷女流「タイトル戦で辛いものは出てきますよね」
渡辺棋王「出てきますお寿司とか」
室谷女流「お寿司のときはわさびは」
渡辺棋王「言いますよね」

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渡辺棋王はザッハトルテ秒殺。
渡辺棋王「このまま寝る勢いですよね」
午前のおやつも頼めば来るらしい。
棋戦によって午前のメニューが飲み物だけのものとケーキも入ってるのとあるらしい。

盤上では羽生名人が渡辺棋王の解説通りの▲6一角と指したところ。
この攻めじゃ寂しいとの解説でしたがどうなりますか。

休憩中に行方八段は△4三角。
▲同角成り△同金で後手の金が上ずるので解説していなかったと渡辺棋王。
しかし先手は歩を2枚損しているのでもう攻めるしかなく、
金が上部に厚いということなのだろうとのこと。
羽生名人は▲2六銀。いくら羽生さんでも失敗を認めた手だと思うと渡辺棋王。
これで△4四銀、▲1五歩、△3三銀、▲2六銀、と戻って、
後手番だからこれで千日手もありうる、
積極的に良くしていくなら△4四金が候補、
△4四銀▲1五銀に△2五歩も候補、良くしに行きたいとのこと。

両者のおやつ

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渡辺棋王「おー。食べすぎじゃないですか?」

その後両者席を外し、
室谷女流「両者いなくなって記録係りが一人」
渡辺棋王「屈伸とかあくびとか昔ならしたんじゃないですか?
今は映ってるから出来ないですよねかわいそうに」

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渡辺棋王「お、差し入れ」
両対局者が席を外した好きに救援物資を届ける気配りの大内九段。

質問メール
ナリキンという漫画を描いていた鈴木大四郎と申します。
渡辺棋王モデルのキャラクターを勝手に作ってしまいすみませんでした。
奥様の単行本発行が待ち遠しいかぎりなのですが、漫画は読まれますか。
また、ダメだしとかはされますか。ナリキンの感想もお願いします。
渡辺棋王「チェックはしています事前に。
将棋マンガ書かれてる方でも棋力は人それぞれですよね。
ハチワンダイバーの柴田先生とかは超強い。飛車落ちで負かされて内容も強かったし。
ナリキンも僕をモデルにしたキャラクターを登場させていただいて、
こちらこそありがとうございます」
室谷女流「読まれてましたか」
渡辺棋王「普通に出たら買って読んでました」
室谷女流「感想をとのことですが」
渡辺棋王「いやなんかねえ、自分がでてくると変な感じですよ。
名前は本名ではないんですけど、本名だとまずいんですかね?わたせみたいな感じで。
誰がどう見ても分かりますよねわたせ竜王とかだから。
米長先生とかもでてきてね、主要キャラで台詞も多かったですし」
室谷女流「奥様の漫画はどんなことを見るんですか」
渡辺棋王「これって将棋界では普通にあるのとか聞いてきたときに、
微妙なことは言いますけど、基本的には無いですね。
まずこの話を出していいのとかを見て、
出来上がったら符号とか図面とかおかしかったら困るから見てます」

電王戦最終局で室谷女流は読み上げをされていました。
序盤早々の投了にも冷静に対応しているように見えましたが、内心はどうでしたか。
渡辺棋王「室谷さんの『まで』とかでみんな混乱してましたよね」
室谷女流「3秒から4秒くらい対局者が映っていて、
横で記録係りの杉本三段と、『え!?』っていうのをやって、
一応言っておいたほうがいいよねということで投了と言ったんですけど、
内心すごいびっくりしました」
渡辺棋王「でも普通に読んでましたね」
室谷女流「最近NHK杯の読み上げもさせていただいているので
割と落ち着いてできたかなーと思いますけど、
それが無かったら動揺して何も言えなかったんじゃないかなと思います」

行方八段は△4四銀。
渡辺棋王「これで先手困ってるんじゃないでしょうか」

NHK杯の二歩の話になり、
渡辺棋王「わかりました?すぐ」
室谷女流「対局者の先生の反応を見て分かりました。
先日二歩を打ちそうになってびっくりしました。
残り2秒であわてて打とうとした手が二歩なことに気がついて、
とっさにかえました」
渡辺棋王「秒読みだとね。秒読みじゃないととりあえずその列確認しますけど。
僕も秒読みで二歩じゃなかったんですけど、
二歩を打っちゃったんじゃないかと思って『ああっ!』とか言っちゃったことがあって、
相手藤井さんだったんですけど終わってから謝りました。
その後こっち逆転模様になっちゃって申し訳なかったなと。
読みの中で二歩打っちゃってることは結構ありますよね」

羽生名人は▲3七銀。2歩損のうえ銀が1五から撤退してしまいました。

全棋士の中で渡辺棋王の解説が一番好きなので楽しみにしてました。
少し前から後手番で振り飛車を積極的に採用されていますが、
きっかけや手ごたえなどを教えてください。
渡辺棋王「振り飛車をやり始めたのは、
去年の王将戦とか棋王戦の防衛戦をやってたあたりなんですけど、
相居飛車の後手番が厳しかったんですね・
しかも相手が二人とも居飛車党で、
ずっと同じだと辛いので違う球を投げるという意味でやったというか。
昔から居飛車党が後手の番だけ振り飛車をっていうのは、
羽生さんも谷川さんもあったんですけど。
どれくらい戦果があがったかといわれると、
覚えてないってことはだめだったということだと思います。
振り飛車やればもっと勝てるかもってずっと思っているのも良くないので、
だからいろんなことをやってみるという意味でやったんですけど」
室谷女流「振り飛車党が居飛車党になるのは最近ありますけど、
居飛車の方が振り飛車になるのは珍しいですよね」
渡辺棋王「対抗形はただ裏返すだけだから指せるんですけど、
相振り飛車とかはいきなりやれと言われても難しいです。
タイトル戦で普通にやると後手の角換わりで45手目の局面くらいになって、
火曜日も金曜日もこっから受けに回るのかよーというのが嫌になるんですよ。
矢倉も角換わりも後手が苦戦となると振り飛車もと思うんですけど、
矢倉は後手もいけるとなったらじゃあ角換わりくらい何とかするか、
という気持ちになるんです」

盤上の解説に戻って、▲4六歩と突くしかないけど、
先手がちょっと困っているような気がする、具体的な攻めが無いとのこと。
室谷女流「押さえ込むこつとかあるんですか?」
渡辺棋王「丁寧に指すことじゃないですか?
さっきの△4三角みたく、丁寧に読んで大丈夫だとみるような」
羽生名人は▲4六歩。
渡辺棋王「結構手つきは力強いんですよねえ。
悪くないってことなんですか?もしかして」
しかし行方八段が席を外すと
羽生名人「いやー」
渡辺棋王「やっぱ無言の時間が長すぎて、何かしゃべりたいんですよ。
それで相手がいない時に声を出すっていうのはみんなやってます」
室谷女流「記録をとっていると、
はっきり言われる先生といやーくらいの先生がいますよね」
渡辺棋王「いやーくらいが多いんじゃないですか。
どっちでも良さそうに見えるんだけどなあとか具体的に言われる先生もいますよね」

プレーオフ渡辺久保戦のときに、田中寅彦先生が隣から盤面を凝視していました。
気がついたり気になったりはしましたか。
渡辺棋王「全然気がつきませんでしたよ。
後でいろんな人に言われて。写真とか見せられて」
室谷女流「渡辺先生は隣の対局を気になったりすることはありますか」
渡辺棋王「それはありますよ見ているときはあります。
こっちが盤面見てるから見るんです向こうも。
こっちがきょろきょろしていると目が合ったら気まずいんで」

羽生名人は怪しげな▲2三歩。

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渡辺棋王「言い方は悪いですけどミス待ちなんですよ。
正しく指せるかどうかっていうのが後手の問題なんです。
勝負としてはこういう感じで、後手が間違いそうな手を選ぶしかないですよね」

しかしその後の解説で先手が成功するパターンも結構あることが分かり、
渡辺棋王「これ時間があっても正しく対応できるかわかんないですよ。
正解は何だろう。あるはずなんですけど」
検討を進めて
渡辺棋王「変な手だけど△5三金?
でもこれで負けたら後からみんなに言われちゃいますよね。
普通に指せばいいのに何でこんな変な手指して負けちゃったのなんて。
その普通が分かんないんだよってことなんですけど」

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渡辺棋王「おっと何でこんなに人が?5時って休憩じゃないですよね。
休憩というと昼食休憩は棋戦によって違うんですよ。
1日制は12時で、2日制が12時半なんです。
それで2日制なのに11時50分とかに立会人が入ってくると、あ、これやばいぞとかなって、
観戦記者の方とかが小声で立会人に教えて慌てて戻っていくとかもあります。
うっかり12時で宣言しちゃったこともあるみたいですよ。
で、羽生さんに『ええー↑?』って言われちゃうんです。
多分羽生さんと藤井さんの対局だったんで藤井さんに聞くと面白いですよ。
羽生さんの物真似つきで。
後ろの女性?今スタッフの方が一生懸命検索してるんじゃないですか?
一人は朝吹さんで、初めてじゃないですよね名人戦は。
3年位前にNHKのニュースで芥川賞を受賞されて、趣味が将棋って出てびっくりしました。
若い女性で趣味が将棋って珍しいじゃないですか。
もう一人は青山七恵さんみたいです。
両方朝日新聞なんですか。朝日新聞で観戦記を書くのかな」

一旦休憩に。
休憩中に行方八段が普通じゃんの△3三金寄。

質問メール
解説のお二人に質問です。
今月両親が銀婚式を迎えました。夫婦茶碗を送ります。
お二人はご両親の銀婚式に何か送りましたか。
渡辺棋王「何周年でしたっけ?25周年?とっくに過ぎてるね自分は。
その上は?50年?それは無理じゃないかなあ。
うちは父親が結婚したの30代だと思うんで、80代はそれはそれで。
まったく忘れてたというか発想がなかったですね」
室谷女流「私は1年前くらいにありまして、
父親が母親に銀婚式に何かしたいんだけど、
食事に誘ったら娘達が一緒じゃないとやだって言われたって言われて、
それで銀婚式なんだと知ってお花とか贈りました。
メールの方はお茶碗を贈るみたいで、いいですねそれは。
その時は電車で4人で出かけることになって、2次会に行ったんですね」
渡辺棋王「家族でご飯食べるの2次会って言うの?」
室谷女流「2件目の居酒屋さんにいったんですけど、
その時に母親に渡した花を駅のトイレに忘れてしまったんです。
次の日駅に電話したら見つかって、取りに行きました」

室谷さんに、お勧めの映画を語ってくださいってきてます。
室谷女流「最近一個だけ見まして、今流行のビリギャルっていうのです」
渡辺棋王「で?語ってください」
室谷女流「すごく泣きました」
渡辺棋王「泣く系なんですか?」
室谷女流「楽しい感じの映画なのかと思ったら、映画館中の女性がしくしく泣いてました。
私は開始40分でもう泣いてたんですけど」
渡辺棋王「泣きに来てるんじゃないですかみんな」
室谷女流「あとコナンも見ました。一番新しいやつですね」
渡辺棋王「コナン一人で見に行きますかね?成人女性が」
室谷女流「対局があって空きの日があってイベントがあったので、
空きの日にコナン見に行きました。
漫画は見ないんですけど暇だから見に行こうかなと思って。
あ、でましたね、名探偵コナン業火の向日葵
あとは見ないですね。怖いのがだめなんで」
渡辺棋王「僕も怖いのがだめなんですね。ちょっとでも戦闘シーンがあるとダメ。
血とか絶対ダメ。射ち合いとかでもダメ。
クレヨンしんちゃんは見ましたよ子供の付き添いで。
ドラえもんは今年見てないですね」
室谷女流「ドラえもんは泣いたことありますね」
渡辺棋王「ドラえもんで泣くんですか?」
室谷女流「ジャイアンやっつけるシーンとかで」
ジャイアンやっつけて泣けるシーンって何だろう。

渡辺棋王は本局と同じ会場で、女流タイトル戦の立会人を勤められていました。
その時の話をお願いします。
渡辺棋王「あれ来てましたよね。応援でしたっけ?」
室谷女流「聞き手で行ってました。第2局ですよねあれは」
渡辺棋王「去年の秋くらいですか」
室谷女流「西山さんの中飛車だったと思うんですけど。
渡辺先生の立会いは初めてでしたよね」
渡辺棋王「やっぱりタイトル持っていると来ないのかな?
自分が正立会いだと副立会いの人が年上だと変だから、
それで人選が難しいんでしょうね」
室谷女流「どうでしたか実際されてみて」
渡辺棋王「自分が対局者で行くのと比べると気楽ですよね。
その分対局者が力を発揮できるような、後はスポンサーさんとが主な仕事なので。
でも自分が将棋指すわけじゃないので気楽で、楽しかったというとあれだけど。
裏話?そんなのありましたっけ。将棋も普通に終わって」
室谷女流「奨励会員同士でかなり話題になりましたよね」
渡辺棋王「三段に上がりそうだったけどちょっと残念だったってところですよね。
っていうくらいですか?
僕も立会いとして困るということも起きなかったし。そういうとこで」

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渡辺棋王「先手苦戦」

夕食アンケート
うなぎ11.1%、おにぎり13.9%、寿司18.2%、
チャコ(ステーキ)42.4%、その他14.3%。
室谷女流「チャコは私食べた事が無いんですよ。5回行って5回ともいっぱいで」
渡辺棋王「おおーチャコねえ。でも時間が無いんじゃないかなあ」

ここで夕食休憩に。
休憩前で行方八段は残り44分。

休憩明けて残り行方八段の残り時間は32分。
△3六歩は強い手だが反動も厳しいからやりにくいかなあと解説していたら、
行方八段はびしっと△3六歩。
渡辺棋王「いえー。勝ちましたって手つきでしたね。一番強い手で行きましたね」

室谷女流「私たちの夕食の結果が出ました!」

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室谷女流「じゃーん。チャコも惹かれましたけど」
渡辺棋王「チャコは本当に予算オーバーでしょう」

両対局者はおにぎり。

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渡辺棋王「わさびですかー。わさびのおにぎりなんて僕は超NGですけど。
まあわさび丼とか羽生さんが食べてましたけど。
僕は前の日メニュー見ててこんなの食べる人いるんすかねーとか言ってたら(笑」
コメントを見て
室谷女流「カツサンド4時って頼んだ人いるんですか」
渡辺棋王「丸山さんじゃないですか?」

解説に戻ると羽生名人の攻めが決まってしまい、
渡辺棋王「あれれおかしいですよ?になっちゃう…なんだろこれ」
その後王様が4三に逃げれば大丈夫かなとの解説で、行方八段もばしっと△4三玉。
羽生名人が▲4四歩で、取ると先手よし、△5三玉も先手勝勢、
△5二玉で後手が一手勝ってるかなあとのこと。急に追い上げ始めた羽生名人。
行方八段は▲同玉。

室谷女流「形勢が分からなくなってきたんですけど」
渡辺棋王「分からなくなってきましたねえ。
今までの流れで後手がいいとは思うんですけど、
ここからの3手であれってなるかもしれないです。
先手が駒得になってるんですいつのまにか。
これで先手が飛車を逃げた後に、後手にどれだけ大きな手があるかで、
無ければ先手がよくなったということかもしれないです。
いやー何があるんだろう」

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室谷女流「どうですか?様子は」
渡辺棋王「羽生さんも▲2四飛指したらどうするんだろう。あれー?
みたいに思ってるんじゃないですか?」
といったところで羽生名人が席を立ちました。
渡辺棋王「早く▲2四飛に何を指すのか見たいけど、ここでじっとね」
行方八段は激しく咳き込んだ後退席。
両者戻った後▲2四飛に△3五銀打。
渡辺棋王「追い込んだように見えましたがやはり足りないですね」

ところが行方八段が入玉を急いで△3五玉と指した手について、
ちょっと怪しくなってきたと渡辺棋王。

渡辺棋王「とりあえず▲1七銀で、いやー入れるとは思えないんですけど。
あ!銀打ちましたよ?あれれれれ?」
室谷女流「本日2回目の」
渡辺棋王「さっき作っても先手勝ちって変化無かったんですけど、
今普通に作れるから。実戦レベルでは相当迫ったんじゃないですか?
どうするんだろう。あれ?
ほらもうね、羽生さんも揺れ始めてますから。
先手が勝ちになってる?気のせいかしら。あれ?
駒割は損得無くなってるんですよ。先手は飛車取られてるのに。
代償ではっきり入玉できるとか、先手玉に詰めろがかかってるとかがないと。
もう1手も見えないんですけど後手の手が」

羽生名人は解説の▲3四金ではなく▲3三桂成。
渡辺棋王「ほら、▲3四金でも後手まずそうなのに、もっといい手ってことでしょ?
羽生さんが指したんだから」
ところがその後羽生名人の手が止まり
渡辺棋王「あれ?やっぱり間違ったってことなのかな?」
渡辺棋王の羽生名人信用度も結構高め。
また後手が良くなったか?というところで行方八段は残り10分に。

どちらが勝つと思いますか?
後手:行方八段20.4%、先手:羽生名人79.6%。
圧倒的信用度。
渡辺棋王「これは何でだろう。勝ってるように見えるんですかね。
どちらかと言えば後手が残してると私は思いますけどね」

その後△9六歩に▲9八歩で先手玉の詰みが1手伸びることが分かり、
渡辺棋王「後手が残してると思うけど分からないです。
これは対局者も分からないと思います。まだ。
△9六歩▲9八歩でまだ局面が複雑です」

羽生名人は▲3六香。
渡辺棋王「あ、取りました。ちょっと震え気味に」
その後渡辺棋王は先手持ちに手のひら返し。
羽生名人が席を外すとぼやく行方八段。

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羽生名人は苦悶の表情。しかし…。

渡辺棋王「▲5七金で先手勝ちが濃厚じゃないですか。ついに。
震えながら▲5七金じゃないですかね」
室谷女流「分かりやすいですね」
羽生名人は他の候補に挙がっていた▲5九香。
そこから羽生名人は城を構築しなおす激辛流の指しまわし。
渡辺棋王「逆転の可能性はほぼほぼ無いです」
そして羽生名人の王様が8八に再入城したところで、行方八段無念の投了となりました。

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渡辺棋王
一時は行方さんのほうがかなり良しなんじゃないかと思ったんですけれども、
羽生名人も▲3七桂△3六歩のところは、
どうにか形を作れればという心境だったと思います。
先手が▲1七銀と打ったあたりでかなり差が詰まったなと。
終盤は最後▲6八銀から▲9九歩で先手の受けきりが確定しました。
優劣不明の局面が続いて、将棋の面白さを堪能できる将棋だったと思います。

ということで羽生名人の大逆転勝利ということで第4局が終わりました。
羽生名人が棒銀に行って、行方八段に歩を2枚損したうえで銀を追い返されて、
再アタックを行方八段が跳ね返して、
やっと王様を入玉して勝ちだと思って王様を上がったらそれが落とし穴だった、
というなんとも不思議な将棋で、羽生マジックが炸裂した将棋でした。
渡辺棋王も度々加藤一二三九段みたいな悲鳴を上げていましたね。
羽生名人怖いっす。

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かなりの高評価。

第73期名人戦七番勝負第4局初日が終わる

羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦七番勝負第4局初日は、
羽生名人の封じ手で初日が終わりました。

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朝の様子。暑そう。
立会人が大内九段、副立会いがはっしーこと橋本八段と菅井六段ということで、
解説の加藤一二三九段との共演なるか期待が高まります。

羽生名人の初手は▲7六歩。

加藤九段「私の感じでは羽生名人の矢倉と思うのですけど、
なかなか羽生名人の作戦難しいですよねえ。同じ難しいなら矢倉かなと」

行方八段は△8四歩。矢倉か角換わりかを羽生名人が選択することに。

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おはようございます。ひふみん巨大化したような。

加藤九段「羽生さんは私との対局でも振り飛車の対局が2局あります。
羽生名人が3勝するのと行方さんが2勝するのとでは大変な違いがありますよね。
私は最初に2連敗してタイトルを取ったことはありますけど、
できればリードしている方がいいですよね。
先ほど連想したのが名人73期で私が40期の名人戦なんですけど、
立会いの大内九段と中原名人との名人戦を立会いしてたんですよ。
この手を指していれば大内さんが名人だったという手がありまして、
名人になっていると存在感が相当違うし、
伝統もありますし、名人になることは極めて困難なんですよ。
いっぺん名人になってるとね、50年くらい使えるの。
私も名人になってるから元名人と呼ばれます。
私は20の時、大山名人に1勝4敗で負けてるんですけど、
立会いにもたくさん出ていて、多分名人戦の歴史を身を持って知っています。
気持ちを込めて、見て、調べています。名人戦は解説しやすいんですよ。
基本的に対局場というのはいい気持ちで対局したいので、
あ、話している間に矢倉になりましたね。
羽生名人も矢倉でしっかりと指して勝ちたいということですね」

その後羽生名人が加藤流の▲7七銀ではなく▲6六歩を指して、
加藤九段「人間って好き嫌いありますよね。
僕は将棋も闘志満々で意気揚々とやるんだけど、
他の棋士は分かってるんだけど指さないというのは、気が乗らないということで、
気が乗らないというのは理屈じゃないよね。
(行方八段が加藤流の△6四歩ではなく△5四歩を指して)ほらやっぱり指さないでしょ。
僕は攻め将棋なので、後手番で攻勢できる△6四歩と指したいんですよ。
勝率控えめに言っても6割です。でも玉が薄いところがありますよね。
その辺があまり好まれない理由なんですけど、でも攻めても勝てるんです。
行方さんといいますと私も思い出はありまして、タイトル戦を立会いしたときもあるし、
将棋まつりのイベントで一緒に食事をしたこともあります。
大変精進して、名人戦の挑戦者で非常に素晴らしいことだと思います。
もともと早くから活躍されていた棋士ですが、
行方さんが八段になりたての頃に話したのですが、
私名人になった将棋の最後の将棋は、
ここで中原さんがこう指していたら負けていたという手があって、
それに最近気づいたんです。5ヶ月くらい前かな?
名人になった将棋は嬉しいから何回も並べて研究して、
それで30年たってようやく見つけました。
将棋っていうのはね、お互いが最善手をつくしてゴール近くまで行くと、
どちらかにいい手があるかという場合がでてくるの。人知を超えているんです。
最後になったら、日本人的表現だと運なんだけれども、
行方さんがじゃあ将棋っていうのは運ですかって聞かれたの。
運の要素は否定できない。
絶妙手があるかどうかは、原因はわからないけど現にあるので、
他に言葉がないから運といってるんだけど、最後の最後にどちらかにいい手がある。
僕は絶好調で持ち時間9時間で、残り1分で浮かんだの。というのは運なんですよ。
お互いに読みきれるものではないから」

リレー質問
中村六段から加藤九段へ
名人戦というのはどのような舞台ですか。
やっぱり大変に極めて魅力のあるもので、
どの棋士も名人を目指して指しているんですね。
昭和10年に実力制名人ができて、将棋界の発展の礎なんですよ。
たくさんの棋士が棋士が名局、大熱戦をはさんできました。
極めて大きな魅力のある舞台です。
木村名人と第1期名人から、塚田先生、大山名人、升田名人、
中原さんがくるんですよね。それで途中に私がくるんですよね。
なんと翌年谷川さんが登場して負けたんですけど、歴史ですよね名人戦って。

井道女流から山田女流へ
山田女流はおしゃれですが、よく行くお店を教えてください。
また、鞄は何個もってますか。
山田女流「地方に仕事にでかけたときにふらっとお店に寄って買うのが好きです。
バッグは何十個って持ってます。
加藤先生はこだわりのものとかありますか」
加藤九段「もちろん対局のときに鞄とかネクタイとか決めてますよね。
ネクタイ長いんですけど、たまたまそうなっちゃったんですね。
フジテレビのアウトデラックスで私に目をつけたのが、
何故かというと私がネクタイが長いということに着目したんですって。
ネクタイが長くて元名人がいるって。
結構気に入っちゃってこれがしっくりするなと。
ネクタイでもこれですから、人生何が起こるかわかんないですよ」

17歳の増田四段との対局の話になり、
加藤九段「棋士っていうのはいい職業だと心底思ったの。
この歳で17歳の新鋭棋士と指せるんですよ。
17歳の四段と戦えるなんて将棋の棋士って本当にいいなと思ったですね。
今奨励会に若くて有望な人いますよね。
公式戦で戦うためにも頑張らなきゃなと思いますね。
一般的にいうとね、若手棋士が勝つと思っている人が多い。でもそれは間違ってるの。
将棋っていうのはある程度理詰め、経験が生きるの。
理屈からいったら負かされるのがおかしいの。だから改善しないといけない。
まだタイトル戦に出たことも無い若手、
そういう人達に負けると思われる人の方が多いです。
現に負けてるから先生なんとかしてくださいって言われるんですけど。
中原名人が、将棋っていうのは形では大先輩がいいね、でも将棋は負けるよね、
と言ってました。それはそれで真実なのね。
できれば2勝1敗に持って行きたいですよね。
丸田祐三九段が勝負とは1勝1敗だと言ってました。
1勝2敗だときついですけどね、現役を5割で終われればいいことですよね。
谷川先生は私は常々2勝1敗を目指してきましたと言ってました。
私はそんなこと考えてもみなかったんだけど、谷川流ですごくいいなーと思いました」
山田女流「先生ここでお水を一杯飲みましょう」

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休憩のコントロールもばっちりな姐さんである。

加藤九段「名人戦は高橋道雄九段も挑戦していて、3勝1敗まで行ったんですよ。
高橋さんは矢倉が得意で、あと1勝というところまで行ったんですけど、
そこから中原さんが横歩取りの将棋を指してきまして防衛されてしまったんですけど。
だから僕の判断で名人を逃した人は大内さんと高橋九段。
未だに僕は惜しがってるんですよ」
矢倉の加藤流は早めに▲2六歩と突くが、
これは▲2五歩に△3三銀なら後手の角道が止まって急戦を牽制できるから、
との解説で、
山田女流「私の弟弟子の藤井九段が、
早めに▲2五歩と▲7七銀を決めるのはやってましたけどね」
加藤九段「藤井九段は振り飛車党から矢倉に、よく研究しましたよね。
四間飛車の達人なのに、僕は感心していることの一つで、
気持ちの切り替えがなされて、よく研究されて、独特の藤井流の矢倉ですよね」
山田女流「加藤先生は振り飛車をやってみようという気持ちになったことはありますか」
加藤九段「それはないですね。振り飛車というのはどうしても守勢なんですよね。
相手にうまく攻められたら勝てないというのが私の大局観なんです。
それが指さない理由なんですけど、振り飛車は面白い戦法で、
捌きの戦法で捌けると嬉しいんですよ。
なので振り飛車が好きな人の気持ちは分かります。
嬉しいですよね居飛車が汗水たらして攻めてきたのを、どこ吹く風で捌いて王様が固くて。
大山先生は69歳で亡くなられたんですけど、A級だったんですよね。
これは空前絶後の大記録で、僕は60歳でA級だったんですけど、
60歳でA級にいるっていうのもなかなか大変なんですけど、
66歳でタイトル戦にも出てるんですよね。
大山先生が書いてるんですけど、中原さんがいなければもっと勝ったのにって、
すごく正直に書かれてるんですよね。
僕は色紙に直感精読って書いてたのを見て、
感ていう字を大山先生が書き順が違うって言うの。
あの人はまめな人でね、書き順まで覚えてるんだ。
後で辞書で調べてたら間違ってたの。あの先生は字もこだわりがあるの。
大山先生は字もこだわっていて、忍耐の忍、これは恥ずかしくないと書いてあったの。
さすが大山語録だなと思ってたんだけど、
実際の大山先生って受けの達人なんですけど、そこまで渋くないんですよね。
実際忍じゃないよね、もっと明るいよね。大山先生は元々陽性で多念で。
対大山戦で面白かったのが、ラジオ体操ありますよね。
小学校のとき福岡の田舎でやったことがあるんだけど、
王将戦のタイトル戦の終盤で、
僕が秒に追われて指そうかどうかためらって手が動いてたんだけど、
そこで大山先生がラジオ体操一二三って言ったの。いやー僕はうまいなーと思ったの。
秒読みが1、2、3って読むんだけど、それに合わせてね。
とっさによくあんなの出るなと思って。その対局は僕負かされたんだけど」

10時で一旦休憩に。ここまでしゃべりっぱなしの75歳である。

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将棋の観戦記者に美人さんがきてコメントがざわつく。
芥川賞作家の朝吹真理子さんらしい。

質問メール
最近のことですが、うなぎ風味のなまずの蒲焼が話題になっています。
僕は10年くらい前からなまずを食べていますが、
なまずはから揚げが一番おいしいと思います。加藤先生は食べたいと思いますか。
加藤九段「僕はなまずは食べたことはないんですけど、
どじょうは食べたことがあるんですけど、どうなんでしょうかねえ」
山田女流「私実家の近くになまずのお店があって、から揚げおいしいですよ」

私は加藤先生の大ファンで実際にお会いしたいなと思っていましたが、
今週の日曜日に特別講演をされる予定ですがそちらに伺う予定です。
名古屋はひつまぶしで有名です。加藤先生にあやかりひつまぶしを食べてから受講します。
5月の24日に中日新聞の文化センターで、中日新聞は王位戦の主催紙で、
王位戦の大山先生とのタイトル戦で愛知に行った事もあるんですけれども、
まあいろんなこと話す予定ですけど、
元々昨年からこの話があったんですけど、ありがたいことに今年実現ということで。
私はうなぎを食べる機会がだんだん減ってきたんですけど、
じゃあうなぎの変わりに何を食べるのときかれると決めてないんですよ。
何がいいですかね?

対局に気分が影響するとのお話非常に興味深いです。
対局に向かう際の精神状態を保つこつを教えてください。
なかなか本当に大変だと思いますね。
加藤九段「戦う相手が意図的に何か作戦を考えると、意表を突かれることがあります。
気をつけてることは当たり前だけど遅刻をしないようにとか、
長年遅刻をしたことは無いと思います。
余裕を持って家を出たり、何事が起こっても対局中は大騒ぎしない、冷静さを失わない。
対局中に地震は数回経験がありますけど、
電車で行く場合はトラブルがあっても20分くらいあれば再開できるので、
20分くらいの余裕を持って対局場に向かいます」
山田女流「九州での仕事の時に地震で新幹線が止まってしまって、
大量の食料を加藤先生が買ってきたという話を聞いたことがあります」
加藤九段「北九州の仕事で新幹線で行って、地震で止まってまず思ったのは、
これは長期戦になる、それなら何か食べなくちゃいけない、ということだったんです。
弁当を買いに行ったら、気づいたら神吉さんがいてびっくりしたんですけど」
山田女流「神吉先生が、加藤先生が両手にいっぱいもってて、自分は何も持ってなくて、
もみじまんじゅうをもらった時は嬉しかったと言ってました」
加藤九段「アウトデラックスで神吉さんと共演して、
森内さんの行動が魅力的だったんですけど、神吉さんが森内さんに勝ったんですよ。
ああいう話があるとテレビは盛り上がるんですよ。
神谷八段との話も極めて大好評で、棋士の話って個性的で珍しい経験で、
傍から見てると何かおかしく感じて受けるんです。
神吉さんが勝った時に森内さんが放心状態になったんですね。
僕はなったことが無いんで森内さんはユニークな人だなと思うんだけど、
森内さんからすると負けるのが意外だったというのはありますよね。
負けて悔しいとは思うけど、それだけだと放心とまではいかないから。
森内さんは素朴なところがあって、
僕と森内さんと戦ってまして、残り何分って僕が繰り返し聞いたら、
森内さんが噴出したんですよ。噴出したのは森内さんだけですね。
僕は切羽詰って真剣に聞いてるんですけど、森内さんからしたら面白かったんですね。
僕の記録をとったことがある佐藤紳哉さんなんかに、
その時噴出しそうになったことはなかった?って聞いたら、
分かってたので大丈夫ですって言われました」

加藤九段によると、矢倉は昔は千日手模様になって、
千日手になると次の日に指すことになっていたらしい。
名人になったときも千日手があって(1持将棋2千日手)、
千日手の経験が私も家族もあったのがよかったとのこと。

加藤先生は最近テレビのバラエティーに出演されていますが、
芸能人の方で感心することがあれば教えてください。
共演してわかったことは、芸能人の方は勉強してるんですね。
将棋の棋士はまったくの独学。でも芸能人の方は養成所出身です。
そこで勉強していろんな芸を覚えるということをされています。
テレビに出るまではそういうことが分からなかったんですけど、
養成所で勉強し、いろんなことを訓練し、大変努力されている世界、
ということを知ったのが収穫です。
それと将棋界よりも先輩後輩の意識が強いです。
将棋界は盤を前にしたら先輩後輩は関係ないですが、
芸能人の方が先輩を尊重する意識が強いと感じました。
失礼なことがあったらいけないという意識が強いです。

先生はローマ法王様と握手なさったことがありますが、
その時の様子を教えてください。
また、勝負師にとって信仰心はどのような影響があるのでしょうか。
昭和55年に私ヴァチカンに行きまして、ローマ法王が姿を見せるセレモニーがありまして、
そこで私が最も感動した出来事がありました。
法王様と握手したあと2時間くらいセレモニーがありまして、
スピーチのときに私は写真をとって手を振っていたら、
かれこれ10万人いるなかで私に手をふってくださったことが感動した出来事でした。
聖シルベストロ教皇騎士団勲章を、
僕は将棋のチャンピオンとしていただきました。
私の信仰というのは、30歳くらいで将棋に息詰まったので洗礼を受けたんですね。
大山先生や升田先生と戦ってて、将棋は理詰めだけじゃないんだけど、
人生の中にも理詰めの部分があって、それが宗教だと思って洗礼を受けました。
信仰は人生を飛躍させてくれるものという認識です。

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加藤九段「僕は米長永世棋聖とのNHK杯の決勝戦でこの形になったことがありますね。
ここ2、3年では5局くらい経験がありまして、先手後手どちらもあります。
先ほど脇システムと言いましたけど、一番経験があるのは三浦さんでしょ?
三浦さん研究すごいですよね。1日8時間とか10時間とかでしょ?
僕なんか10時間もしたことないもんなあ。
羽生名人はレパートリーが広くて、
羽生さんが、加藤九段は不思議な人である。
加藤九段のやってくる作戦はわかってるから、と言ってました。
神谷八段が加藤九段は相手がチョキで待ってるのにパーで来るって。
僕は振り飛車に対して棒銀で戦ってますけど、
新しいアイディアもあって自信を持ってるんですけど、
若手棋士も自信を持ってるらしくて振り飛車指してくるみたい。ふふふ。
居飛車は振り飛車の飛車と角を目標に攻めていく、
そこでリードすると勝てると思うんですけど、棒銀をもっと徹底的に研究してれば、
大山先生の振り飛車にもっと勝てたと思うんですけど、
さっきも言ったように好みがあるみたいで、
棒銀を指す棋士はあまりいないんですよね」

私は小さな頃からテレビゲームを楽しんできましたが、
今は将棋の神ゲーっぷりに感動して将棋が趣味になってしまいました。
私は居飛車党で四間飛車に棒銀で挑むのですが、なかなか勝てません。
棒銀講座をお願いします。
ということで対振り飛車の棒銀講座に。

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基本形。

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加藤流。先手が▲2四歩と突いたところ。
△同角▲4五歩△同歩▲1五銀△同角▲2三飛成り。
銀を捨てて飛車を成って先手がいいらしい。

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飯島七段は9筋の端歩の付き合いを入れてから決行して快勝したらしい。
桂香を拾ってから端攻めが入るのが大きいとのこと。

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▲2四歩に同歩ならこの進行。▲3三歩と叩いたところ。
△同桂▲同銀△同角と進んで、

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ここで▲2四桂で先手がいいらしい。

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今は▲1五銀を消す△1四歩が本命。

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若手はすべてこうくる。
振り飛車はいい形。原則として単なる飛車交換は居飛車は避けた方がいい。

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ひとつの案はここで▲9八香。
居飛車は角を成りたいので▲4五歩と突きたいが、
後に△4四角から△9九角成りで香車を拾う狙いを消している。

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それでも△9九角成りには▲9七香。最初に▲9七香だと別の変化で困る。

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これは相当難しい変化で難解。△3三桂でなく△3三金も難解。
ただし△3三金は相手もそんなに指したくない手、軽く捌きたいので。
基本的に相手は頑張って守っているだけなので居飛車は怖くない。
加藤九段「僕は銀と角が好きなのね。銀が出てるだけで嬉しいの。
将棋は勝ったり負けたりもするし、勝負はスポーツと一緒なんですね」

この後加藤九段が指したことのある類型を例として並べる解説。
NHK杯決勝の米長永世棋聖や、塚田正夫先生との対局など、相変わらずの記憶力。

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行方八段は△5三銀、△7三桂という趣向。初めて見たと加藤九段。

5月23日発売の婦人雑誌に、
教えてひふみん、ひふみんの人生相談というコーナーがあるらしい。

加藤九段「囲碁の趙治勲さん、人生相談をこなしてるんですね。
先日のニコニコ超会議で、趙治勲さんに囲碁を僕が教えてもらって、将棋を僕が教えて、
面白い人で話も魅力的で明るい先生で。
趙治勲さんが人生相談の質問を受けてね、
私将棋の対局のときに時間に追われてるんですけど、
考慮時間を考えて序盤は早めに指した方がいいのかなって聞いたら、
明快な解答を頂きました。
囲碁の林海峰さんは僕と同じように時間に追われていて、
大橋拓文さんは早く打って勝ってて、
趙治勲さんは時間は残した方がいいでしょう、というごもっともな結論でした」

加藤九段「同じことを言うにしてもやわらかく言うとか、
直球で言うとかカーブで言うとか、
人生っていろいろありますから絶対というのはなかなか無いです。
人生でピンチのときに、旧約聖書でダビデっていう英雄がいるのね。
絶体絶命のピンチのときが2、3回あって、
捕らえられたダビデは出された食事を食べてよだれをたらしたの。
敵の王様は、かつて偉大な英雄だったがよだれを垂らすような人間を、
俺が倒しても手柄にならない、ということで逃がしちゃったの。
見事作戦成功で脱出成功するわけ。
将棋の局面で必死がかかっても、何か手があるんじゃないかと思う方がいいんじゃないか、
と答えることにしてるの。
聖書の世界ではありますよと言ってるの。
なりふりかまわず助かるのがいいと思う。日本人って格好つけるでしょ。
格好つけるのはいいと思うけど、
惨めになった時にいかに生き残るのかが重要だと思うの」

加藤九段「2年がかりで棒銀をテーマにした本を書いていましたが、
6月に発売が決まりました。
振り飛車破りの棒銀の本で超大作で、たくさんの名局を入れています。
その本をお読みになると対振り飛車に自信がつくと思います」

ずっとひふみんのターン!
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銀矢倉の形を絶賛する加藤九段。金矢倉より美しいらしい。

昼食アンケート、今回は出前を取ってあるとのこと。
うな重71.5%、天麩羅定食16.9%、カツ丼6.6%、親子丼4.9%。
山田女流「4番はえーと何にしようかな、それじゃ親子丼」
加藤九段「大山先生を相手に十段と取った時の夕食休憩の食事はうな重でしたね」
こんな振りで4番だったら相当策士なんですがさてはて。

タイトル戦ではおいしい食事が出るという話で、
加藤九段「僕はねタイトル取るようになってから太っちゃったの。
それまで70キロ切ってたから。
昭和50年から毎年ひとつはタイトルとってましたから。
1ヶ月に15局指してましたから、食べた方が指せるからそれで太っちゃった。
食べない努力はしたんだけど風邪ひいちゃうの。
僕は中学、高校、大学、学会、企業、なんかで講演してるんだけど、
大学の学園祭で講演をするのが嬉しいの。
大学っていうところは真理を追究するところであり、
真理を追究するところで僕の人生観を話すというのは嬉しいの。
将棋というのは日本の伝統文化でもありますし、面白くて楽しくて深くて、
勝ち負けと真理の探究、ミスもでる、いろんな要素が含まれてるから、
知ってた方がいい分野だと思います。
将棋は実力制名人が昭和10年にできまして、
囲碁もそうですけどものすごく文化的、技術的に高まってると思います。
勝負をしていて結果がすぐ出る世界で精進してるから、レベルアップが早いと思うの。
是非世に訴えたいの」
山田女流「今はこれにてこちらが良しなんて言葉がなくなって、
本当に先まで解説されてますよね」
加藤九段「それだけ追求できるわけですよ。それが大事なことだと思ってます」

昼食休憩に。

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昼食アンケートの答えはふじもとのうな重(多分みんな知ってた。
加藤九段「とてもおいしかったです」

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羽生名人と行方八段は松花堂弁当(氷見うどん付き)

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対局会場は静岡県の浮月楼

加藤九段「確かね静岡はね、米長さんと対局してまして、
多分米長さんが七段くらいの時だったと思うんですけど、負かされています。
JTのときは中原名人と指して勝ってるんですけど、天王戦だったかな?
非常に盛んなところで廣津先生が本当にまめに普及に尽くされていました」

昼休みの詰め将棋の解答
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加藤九段「ほうほう、分かりました」流石に秒殺だった。
9月までには5手詰めの本が出せるとのこと。

加藤九段「僕も小学校2年くらいで詰め将棋を読んで、将棋って面白いなと思ったんです。
将棋っていい手を指すといいんだっていうのが分かるの。
詰め将棋は初級、中級にはもってこい、
アマチュアの2段3段になると次の一手や棋譜並べがいいと思います。
プロ棋士でも詰め将棋の大家、内藤さん谷川さん浦野さん伊藤さんがいます。
実戦では25手くらいの詰め将棋になることはあります。
流石に50手の詰め将棋は実戦では出てこないよね。
詰め将棋にこだわる大家たちは創る喜びなんですよね」
山田女流「浦野先生は目の前で一瞬にして創っちゃって、
何手詰めなんですかって聞いたら35手詰めだって言われたことがあります」
加藤九段「ぴゃー↑。頭の中どうなってるんだろう」
山田女流「形のパターンを何個も覚えていて組み合わせるだけだって言ってました」
加藤九段「1手詰めも難しいよ?自分も創ってやってみたら5手詰めだって難しいよ?」

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プレゼント色紙。これが書道の大家が真似できないと言っていた字。
加藤九段「意味は僕の将棋なんですけど、
ぱっと見た瞬間浮かんだ手を直感と言ってます。
ある棋士で私には直感がないって本に書いている一流棋士もいるんですよ。
最近読んでいやー、どうやってるんだろうと驚きました。
多分その棋士の言いたいところは、
その後に素晴らしい読みをしているということなんだと思うんですけど。
先ほど大山先生に書き順を言われたのは感の字なの。
僕は横から書く方が書きやすいんだけど、正しくは縦から書くんだよね。
書き順までこだわってるってすごいよね」

初手から解説に。

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長考する行方八段。
羽生名人は▲6八角と引く手を狙っているということで、引いた後の展開、
引かせないように動く順を解説。

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様々な検討の結果後手が端攻めを狙うと面白いのではないかとのこと。
というところでヒフミンアイ。

加藤九段「時は昭和54年の2月の7日8日の王将戦の第5局、相手は中原王将。
私が3勝1敗で、中原名人が中飛車でうまい構想を見せて、
休憩中に中原さんの方の席に回って5分くらいたったときに、
思っても見なかった▲5五歩がひらめいた。
いい手だと確信して指したんです。
ヒフミンアイ誕生の一局で、勝って王将になったんだけれども、
その後はひらめいたことがなくて、500局に1局くらいの幸運だったの。
趙治勲さんとの超会議で話したんだけれども、
囲碁の棋士も休み中に相手のほうに回って考えてるって言ってました。
プロ棋士っていうのは相手のほうに回らなくて考えられるんだけれども、
意欲が幸運に結びつくと思ってるんです。
何か無いかと考えるのが幸運に結びつくというのが人生観なの」
この将棋の37手目と思われます。

次の一手アンケート

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△2二玉44.7%、△4三金右24.5%、△4二銀右9.9%、その他20.8%。
加藤九段「趙治勲さんが面白いことを言っててね、
多分今までで1万局くらい将棋指してて少し勝ち越しくらいなんですけど、
やればやるほど弱くなるって言うの。そういうことってありえますよね」
山田女流「将棋が分かってきたってことかもしれないですね」
加藤九段「なるほどそういうことかもしれないですね。
将棋は駒を落とすんだけど、囲碁は石を置くんですね。
囲碁は花を持たせてもらって、将棋は実力で負かされたんですけど、
広い盤面に8つ置いても全然勝てないんですよね。
それに将棋は上手は攻め駒が無いんだけど、碁は上手が攻めてくるんだ」

そしておやつタイム。

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羽生名人はフルーツ盛り合わせかな?

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ニコなまのおさんじはカマンベールチーズケーキほわり
加藤九段「うん、うん、うん、うんうん、うん、うんうん、うん、うん」
噴出す山田女流。

加藤九段「改めて言いますと、
40歳前後の頃におやつにカマンベールチーズを食べてたんですよ。
大学の発表でカマンベールチーズが体に良いとありまして、
カロリーが高いので採りすぎると僕はもう75歳だからまずいんですけど、
チョコレートも体に良いという話なんですけど、
40歳の頃は板チョコ8枚食べてたんですけど」
山田女流「先生体に良いって話を知らなくて8枚食べられてたんですよね。
知ってたらもっと食べてましたよね」
加藤九段「そうですよねいいことですよね。
それとホットミルク飲んでたの。ホットミルクいける。
多い時は5杯くらい飲んでてほとんど勝ってたの。
でもホットミルクはカロリー200くらいあるの。
昔は牛乳はおなかこわしてたんだけど、今は大丈夫だから牛乳飲んでるの」
山田女流「多分カマンベールとかチョコレートは体にいいんですけど、
先生が強いから勝ったんじゃないですか?」
加藤九段「恐らくね、残り何分て聞くのも冷静に考えるとおかしいと思ってるけれども、
あえて真剣勝負の中でそこまでなりふりかまわずやることで、
幸運が来るんじゃないかというのが私の人生観。
僕は基本的に人がやってることをダメと思ったことはないんです。
自分が思いついてこだわってやっていることはすべて良しだと思う。
何とかいい事に出会う、生まれてくると思ってやってるわけね。
そこに希望があって、希望のあるところに幸運が来るというのが人生観なの。
はなはだ大きな迷惑をかけるのならやめて欲しいけれど、それ以外は自由だと思います。
良かれと思ってやってるから、いい事が発生するかもしれないです」
山田女流「昔大山先生が将棋によくないからタバコをやてたっていうのは本当ですか」
加藤九段「それは本当。僕直接聞いた。
大山先生がタバコ呑んでるのは見たことないんだけどそうなんだって。
タバコ呑んでて風邪ひいて、
午前中はタバコ呑んでても関係ないんだけど、午後頭がすっきりした、
だから対局中はやめた、というのを直接聞きました」
山田女流「加藤先生もタバコ吸ってる写真を見たことがあるんですけど」
加藤九段「タバコ少し呑んだことがあってね、二十歳頃にね。
大山先生がおやつの時間にぜんざいを注文して、
僕はぜんざいをおいしそうに食べてたそうです。
ホットミルクも飲めばチョコレートも食べて、ぜんざいもおいしかったんだけど、
大山先生はぜんざいを食べなかった。
その話をマツコデラックスさんに言ったら、
それは大山先生が食べさせたかったんですよと答えて、
マツコさんはすごく好意的な人だと思いました。
大山先生がおにぎりをひらいて、どうぞと言われたこともあって、
おなかいっぱいだったんだけどいりませんと言えなくて食べたんですけど、
人生で唯一、大山先生にもらったのはおにぎり1個だよ。ふふふ。
僕はそのとき38歳くらいのときで、
自分だったら弁当にするんだけどなと思ったんですけど」
山田女流「それは先生がおなかいっぱいだって分かってて、
おにぎりだったのかもしれませんね」
加藤九段「なるほどそれが正解ですね。
僕はタイトル戦の相手に渡すことはしないと思います。相手も気を使うと思って。
中原名人は本の中で、加藤さんがおやつの時間でないのにケーキ3個って頼んだ、
加藤さんは優しい人だ、1個は加藤さん、1個は私、1個は記録係りに渡すんだ、
と思ってたら、加藤さんが3つすぐに食べてしまった、
って書いてました。僕も対局中だからそんなにお人よしじゃないの。ふふふ」

行方八段は△2二玉。1番人気の手。

加藤九段「羽生名人とも私よく話したんですけど、
羽生名人がタイトル戦で旅館に行くとね」

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滝を止める話を先読みして爆笑してしまう山田女流。

加藤九段「滝を止める話は本当でね、ここで加藤先生が滝を止めましたって、
羽生名人は5、6箇所で言われたって言ってました。
将棋を指す時は注意深く、意欲的に、気がつかないのがおかしい、
気がついたら実行しないとおかしい、
3回やって3勝なんですけど、不思議なことに最善を尽くして3戦3敗なことがあるの。
ストーブ事件というのがありまして、
ストーブを持ってきて、相手と私に等距離に置いたら、
神谷さんがやめてくださいと言ってやめました。
羽生さんもやめてくださいと言いました。
青野九段もやめてくださいと言いました。それは3戦3敗なの。
何でだと思います?」
山田女流「それは相手が自分のいい環境を作るために、
意を決して先生に言ったからなのではないでしょうか」
加藤九段「未だに謎なんだけれど、不思議なんだよねこれが。
それなりに気を使ったつもりなんだけどね」
山田女流「それは先生が対局相手に気を使いすぎたんですよ」
加藤九段「仮に僕だけストーブで温まって僕が勝ってたら、
相手はなんだあいつはって言いますよ。
私がこういうエピソードを紹介してるのは、
いい将棋を指そう、いい勝負を指そうと努力してる、
ということなので言ってるんですけれど」

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羽生名人、行方八段のおやつフルーツ盛り合わせ。

コンピュータ将棋について、
加藤九段「私も研究してみたいんですけど、
同じように研究したい棋士がたくさんおりまして、今順番待ちです。
コンピュータに関しては私は肯定派です。
ローマ法王もツイッターやってる時代ですから。
文明の発展というのは神の賜物という捉え方です」
私にはとても思えない。
造物主が我々に知性を与えておきながら、それを使わぬようお望みになるなどとは。
byガリレオってやつですな。

加藤九段は2日に1回くらい取材、出演、執筆依頼なんかが来るらしい。
今執筆を5本かかえてるとか。売れっ子ひふみん。

加藤九段「テレビ局の面白いところは毎回毎回趣向を変えるところですね。
将棋は棒銀でうまくいったら普通棒銀棒銀でいきますよね。
ドンキホーテで買い物したのが面白かったの。
将棋盤も売ってるんですよ。原稿書くときに持ってない時に助かります。
NHKで宗教の時間に出て、キリスト教入門の番組をしたいの。
ヴァチカンにいって勲章をもらって、エルサレムにも3回行ってるし、
出来ると思うんですね。
30歳を前に将棋で息詰まったと思って、洗礼を受けたんですけど、
大山先生升田先生、彼らは100点の手をずっと指す達人だ、
だから人生においても100点の手を指すにはどうすればいいかと思って」
ここからキリスト教の話をマシンガントーク。止まらない75歳。
結局おやつから1時間15分ほど話しっぱなしになった後一旦休憩に。

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先手神谷八段、後手中村九段の対局でこの局面になったことがあるらしい。
加藤九段「僕神谷さんとは1勝7敗なんですけれども、
28連勝という記録は破れないですよねー。
神谷さんも中村さんも今は振り飛車を指してますよね?
なるほど△6二飛車はいい構想だと思います。
午前中は銀が4二に下がる変化を解説していたんですけれども、
それでは上部に薄いんですね。
歩が伸びていけば攻めに迫力があります」
しばらく解説の後
加藤九段「神谷さん先手で指してたんだ。へー」

質問メール
加藤先生のお若い頃のお話で、山田道美先生の印象やエピソードを教えてください。
彼はですね、音楽も好きだったし、高橋健二先生といって、
ドイツ文学の大家でヘルマンヘッセとかの翻訳で有名だった方がいるんですけど、
高橋先生にドイツ語を習って、かわりに将棋を教えるということをしていました。
音楽は私も今でこそ40を過ぎてからモーツァルトを聴くようになりましたが、
将棋以外に文化芸術とかに強い関心を示した棋士としてユニークです。
バッハの演奏家で宗教家でアフリカの人達に尽くした有名な方で、
シュバイツァー博士という方がいて、よく彼が語っていました。
将棋は変な言い方するけれども大変な努力家で、A級になり、
名人挑戦にもなり、大山名人に棋聖戦で勝って念願達成で、
A級になって将棋が非常に柔軟になって、
見事に花開いて、名人戦や王将戦にも出た。
私は朝日新聞の将棋欄の解説もしてたし、立会いもしていたので、
同じ車両で移動したこともあって、名人戦では山田さんを応援してたんだけれども、
名人戦では残念ながら大山さんに勝てなかった。
山田さんは確か36歳で亡くなられたんですけれども、
私も大変驚きまして残念な思いをしたんですけれども、
お葬式に弔辞をよませていただきました。
若い頃から付き合いがあり、将棋の天分を語れるのは私しかいないということで、
弔辞を読みました。
ある意味異色の棋士。研究会の走りですよね。
田丸さんとか青野さんとかが共同研究者だったと思うんですけれども、
研究部屋を借りて、時間割も決めてやってたですね。
山田さんは文章を書けたので観戦記も書いたし、うまかったんですね。
若い頃にね、升田先生に理事になりなさいと言われて、
升田先生票持ってるんだと思って出たら落選したの。
それを言ったらなんだ加藤さん理事になりたかったんかって言われたんです。
升田大山というのは巨匠で、存在感もあって、当時私は25歳ですよ。
僕は元々書くことが好きで、普及が好きだったんですよ。
もう1回は将棋界の事情で、A級の棋士が理事をやりなさいということで、
一応選挙に出るにあたって、役職を聞いたら経理だというの。
それでやめた。相手も加藤は断るだろうという読みなのね。
加藤一二三に経理させようなんて読みはないよねえ。
加藤に理事やられたら困るっていうことなんですよ。
理事選は升田先生に言われて落ちて、流石に恥ずかしかったよ?
ちょーはずかしいの。理事選の落選ですよ。
選挙に出るというのは極めてまずい、選挙は厳しいよ。
経理を加藤一二三にやらせようって人事は無いよねえ。
お前理事になったら困るって言ってるの。それは僕くらいでも読める。
将棋の戦いは真理追究ですよね、選挙はしがらみがありますもんねえ」

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加藤九段によると、ここで先手は▲8六銀が当然の一手だが、
その後△4二銀に▲6五歩や▲1六歩など有力な手があるので、
ここで封じ手時刻まで考えて一晩考えるのが有力、
逆に指したら良いと思っているとのこと。

加藤九段「僕は大山さんとのタイトル戦で、初日に70手くらい進んだことがあるの。
3時くらいで、大山さんから指しかけにしませんかって言われて、
でも主催紙の毎日新聞さんが、1日で終わっても何ら問題はありませんって言って、
それで否決されたんですけれども。
ちなみにその将棋は次の日の夜9時に終わりました。ははははは」

加藤九段「新鋭の増田四段とこの歳で真剣勝負ができるというのは、
とても将棋というのはいい世界だなと思います。
幸いに私がA級順位戦で先崎九段に勝った将棋と同一局面に進んだので、
経験が生きて勝つことができました。
また、今泉さんが新四段になりましたが、40歳にして、他に職に就いているのに、
棋士になりたいというのは、将棋に魅力がある証左だと思います。
これは近年で私がもっとも嬉しい2つの出来事です」

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スポーツの話に花を咲かせる加藤九段。
朝9時から解説してて18時でこの状態である。元気すぐる。

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ひふみん絶口調のまま羽生名人が定刻通りに封じ手をしました。
加藤九段「だから僕もなかなか話題が尽きなくて」
山田女流「話題が尽きないので、
封じ手の方も大内九段が何やら上のほうを見ていますけど」
加藤九段「大内九段も気遣いが出来る方でねえ(ここからマシンガントーク)」
朝9時から話しっぱなしでまだ元気な加藤九段でした。

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封じ手を渡すシーンを写す取材陣のポジション争いと打ち合わせ。

ということで名人戦第4局初日が終わりました。
矢倉は現在は後手の△4五歩に先手の対応が難しいのではないか、
という考えがあるのですが、
後手の△4五歩を避ける脇システムを羽生名人は採用しました。
それに対して行方八段も△7三桂△5三銀という珍しい形で対抗して、
さあそろそろ戦いというところで封じ手になりました。

今日は加藤一二三九段が私の人生観という言葉を何度も使っていたんですけれども、
以前丸山九段のことを書いた記事にも書いたのですが、
戦略の階層という話で、英レディング大学院で地政学や戦略論を学び、
博士号をとられた奥山真司さんという方のブログに、次のように書いてあります。

宇宙観(死生観、哲学・宗教観、魂、アイデンティティー)

世界観(人生観、歴史観、地理感覚、心、ヴィジョン)

政策(生き方、政治方針、意志、ポリシー)

大戦略(人間関係、兵站・資源配分、身体、グランドストラテジー)

軍事戦略(仕事の種類、戦争の勝ち方、ミリタリーストラテジー)

作戦(仕事の仕方、会戦の勝ち方、オペレーション)

戦術(ツールやテクの使い方、戦闘の勝ち方、タクティクス)

技術(ツールやテクの獲得、敵兵の殺し方、テクニック&テクノロジー)


加藤九段はクリスチャンということで、宗教が上位の階層を埋めています。
放送では30歳を前に洗礼を受けたと言ってましたが、
十段のタイトルを大山先生にとられ、山田道美先生に先立たれ、
将棋に息詰まりを感じて上位の階層に打開を求めた、というのも面白い話です。
藤井九段の藤井流矢倉をほめる時でも、 気持ちの切り替えがなされていてとか、
技術より上の階層で感心するのが加藤流です。
大山先生に書き順の間違いを指摘された話も、将棋と関係ない書き順のような、
細部にわたって正確性を求めるという生き方に感心してるんですね。 
今日の加藤九段はしゃべりっぱなしで、
会話の内容も上位の階層と下位の階層をぽんぽん飛びまくる絶口調だったのですが、
凡人の私には神武以来の天才の会話を追いかけるだけで疲れました。ははは。

というわけで名人戦第4局の初日が終わりました。
明日のニコニコ生放送では9時から、解説に渡辺明棋王、
聞き手に室谷由紀女流初段で大盤解説会が放送されます。
現役屈指の理論派である渡辺棋王の解説楽しみです。

名人戦第3局は羽生名人が逆転勝利

羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦七番勝負第3局は、
羽生名人が行方八段を破り2勝1敗としました。

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井道女流「封じ手の予想はどうですか」
中村六段「封じ手の局面は手が広くて難しいですね」

行方八段の封じ手は▲5八金。昨日の予想アンケートの1番人気。

井道女流「封じ手はいかがでしたか」
中村六段「そうですね、昨日の解説の真田先生も予想されていた手ですけど、
行方先生らしい力強い手だと思います。
守りの金が王様から離れていくんですけど、
深い読みでそれに対応しようということですね」

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おはようございます。

井道女流「今コメントで流れましたけど、まだ私たち自己紹介してないですね」
中村六段「大丈夫ですか?私からしますか?」
挨拶を忘れてしまったり、自己紹介の前に解説を促してしまったり、
先手と後手を間違えたり、テンパる井道女流。

中村六段「皆さんの朝のコメントを見ていると、
羽生名人に寝癖が無かったというコメントが多かったですね。
寝癖がないと羽生名人危ないんじゃないか、行方八段が勝つんじゃないか、
というコメントが流れていました」

この後封じ手が他の候補だった場合どういう変化になるのかの解説に。
▲7四角成はPonaXの候補だった。
普通の将棋だと駒得、駒の働き、玉の固さといった指針で形勢判断できるが、
角換わりのこの局面はその形勢判断が利きにくいとのこと。

リレー質問
テレビによく出演されていますが、将棋界とは違ったことも多々あると思います。
テレビ向けに振る舞いとか話し方とか勉強してることはありますか。
全然勉強本当は、しないといけないかもしれないですけど、
素人のままでてしまっているかんじですね。
去年1年間NEWS WEBというNHKのニュースに出させていただきましたが、
1年で何か上達したのかと言われると自信ないですし、
毎回勉強になることが多かったですし、
アナウンサーはプロの方ですから、その方を見ると勉強になります。
今は将棋フォーカスに月2回出させていただいてますけど、
将棋番組に出させてもらうのは小さい頃からの夢だったので嬉しいです。
結構僕普段ぼそぼそしゃべるので、テレビだと気をつけてるんですけど、
もうちょっと大きい声でとか言われることがあります。
あと喜怒哀楽がわかりずらいらしく、そういうのも出せるようになったらなあと。
自分の中では喜怒哀楽あるんですけど顔に出ないらしいんですよ。

安食女流から井道女流へ
ゴールデンウィークに実家に帰ったそうですが、
石川県のいいところを教えてください。
井道女流「すごい緑が多くて海も近いんですけど、
今食いしん坊っていうコメントありましたけどその通り結構いっぱい食べてました。
私サザエとか好きなんですけど、とれるんです海で。
小さいときは家に栗の木があるので栗とったり。
あれ痛いんですよくりのいがいが。
子供って落ちてくるもの取りたくなるじゃないですか。
子供なので栗が落ちてくるとおもっていがいがを取っちゃったり。
駅の様子も変わっていてマスコットキャラクターが飾ってあったり、
観光案内所とかもできてました」
中村六段「どのくらい実家に戻ってたんですか」
井道女流「5月2日~6日までいました」
中村六段「ご両親も嬉しいでしょうね」
井道女流「よく寝てるねって言われました」
中村六段「お祭りとかもあるのって質問がコメントにでましたけど」
井道女流「能登は7月にキリコ祭りというのがあるんですけど、
火の回りを回るからよく救急車が来ます。
キリコ担いでる人が下敷きとまではいかないですけど、
ちょっと元気のいいお祭りで、母方の実家がそちらなのでよく連れて行ってもらいました。
あと、朝ドラで輪島を舞台にしたドラマが今やってるんですけど、
方言とかもよく再現されています」
中村六段「方言って例えば何があるんですか」
井道女流「のっきゃーとかえあーとか言ったりします」
中村六段「あだ名がのっきゃーになりそうですけど」
井道女流「発音がちょっと違うらしくて、後語尾を延ばすんですよ。
電話でもしもし。って切るじゃないですか。もしもしーだと話が続くじゃないですか。
あんたらちゃーとかいって、うふふ」
中村六段「言葉伸ばすイメージは確かにありました。
かわいいなというコメントがいっぱいありますよ先生」
井道女流「中村先生は出身は東京でしたっけ」
中村六段「東京なので方言はないですね」
井道女流「地方に行って地元の方の方言はわかります?」
中村六段「山形でしたっけ、ずーずー弁?ご年配の方ので結構難しいのありますよね。
でもなんとなくはわかります。
天童は何回もいかせて頂いて、つい最近も人間将棋でいきました」
井道女流「英語も喋れるんですか?」
中村六段「英語はしゃべれません。
井道さんは資格を結構持ってるんですよね。
簿記もってるんでしたっけ?」
井道女流「簿記もってますフフフ。意外でしょ?」
中村六段「1級なんですよね。本当にすごいと思います」

羽生名人が△2七馬と飛車取りに指したところで解説に。

アンケート次の一手
選択肢を見た中村六段「何か嫌な予感がするなあ」
▲4八飛33.5%、▲6八飛22.4%、▲3九飛13.5%、俺は逃げない!30.6%。
中村六段「辛うじて4番に勝ちました」
行方八段はアンケート集計の最中に1番人気の▲4八飛。

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井道女流「△4六歩に△5六金はないですか?」
中村六段「なるほど。森下先生じゃないですけどなるほど」
井道女流「先生物まねも得意なんですね」

どちらを持ってみたいかアンケート
後手:羽生名人46.4%、先手:行方八段18.7%、ニャンとも言えない34.8%。
井道女流「中村先生はどちらを持ちたいですか」
中村六段「なんか後手持ってやりたくなってきました。
先ほど解説した飛車をいじめる手順をやってみたいような」

どちらを応援していますか?
羽生名人67.8%、行方八段32.2%。
中村六段「僕は行方先生に研究会で教わっているので、
行方先生に頑張って欲しいなと思います」
羽生補正は大体2/3ということが判明。

休憩中に羽生名人は△4六歩。解説通り。
行方八段は中村流の▲同金か井道流の▲5六金か。
といったところでささっと▲同金△3七馬▲4九飛と中村六段の解説通りに進みました。

質問メール
完全オフの日はどのように過ごされていますか。
中村六段「完全オフの日は1ヶ月に何回かはあります。
これといって面白いことしてないんですけど、割とインドア派なのでDVD見るとか、
お笑い番組が好きなので録画したものを見るとか、
でも将棋のことが1回も思い浮かばない日はないですね」
井道女流「コメントで盆栽と流れましたが」
中村六段「そうなんですよ、NEWS WEBで盆栽の特集がありまして、
盆栽興味あるなと思ってたんです。
それで何と言いますか文化的側面もありますし、緑を取り入れてみようかなとか、
興味本位というか一度やってみたいというか。
初心者用の小さい盆栽でサルスベリなんですけど、かわいいもんですね。
水あげてるだけですけど」
井道女流「どういうふうに育てていくとかありますか」
中村六段「サルスベリは初心者用で、夏に花が咲いて手入れが難しくないんです。
難しいのだと切ったり水をやったり肥料をやったりいろいろあるんですけど、
まずは一番簡単なのを。
朝水をやるとかでこっちの生活パターンを整えられそうかなとか。
井道さんはオフの日はどうですか」
井道女流「友だちとご飯を食べに行くとか、
茶道を習っているのでそれにあわせて休みを作るとかしています。
あと戸辺先生の奥様と年齢が近いこともあってよくご飯を食べに行きます。
将棋界のこともわかっていますし、年齢も近いですし、
お子さんの話を聞くとすごい新鮮です。女流棋士とご飯も行きます。
茶道は月に2回くらい行っています。将棋と同じ畳じゃないですか。
やってることは将棋と違うんですけど落ち着くというか、
正されると言うか初心者なんですけどやってます。
将棋界と違う方と話すのも楽しいです」
中村六段「女流棋士井道千尋を知らない人と話すのもいいですよね」
井道女流「ご年配の方が多いので、今までの経験とか娘さんお子さんの話とか」
中村六段「月に何回くらいお休みあるんですか」
井道女流「あるときはまとまって、ないときは週1くらいで。
先生は出かけるんだったらどこいかれます?」
中村六段「休みの日会わないんじゃないですかね棋士って。
一人で旅行っていうのも難しいですし何か趣味があればいいですけど」
井道女流「なんかもう余生みたいな?」

中村先生は同世代ということもあり応援しています。
NEWS WEBに1年間出演されて、振り返った感想をお聞かせください。
また、今後他に挑戦してみたいことはありますか。
イケメン棋士中村先生にドラマデビューや歌手でビュー期待してます。
中村六段「最後の方はないですけど(笑。
NEWS WEBのことはとてもいい経験をさせていただいたなというのがあって、
知らないことを勉強する機会や、
棋士として出させていただいたので将棋を一般の方に知っていただく機会を頂いて。
ただNHKの番組なので責任感のあるお仕事で緊張感がありました」
井道女流「何時ごろに打ち合わせとか始まるんですか?」
中村六段「あの番組夜の11時半からなんです。
9時前にスタジオに入って打ち合わせをして、
専門家の先生にお話を聞いてそれから番組に挑みます。
テーマ選定を午前中にやって9時前にスタジオと言う感じです。
いろんな興味あるものを選ぶんですけど、
視聴者の方が気になりそうだなというのを選ぶようにしました」
井道女流「日常生活でも気の抜けない時間ふえませんでしたか」
中村六段「悪いことできないなとか、別に普段悪いことしてるわけじゃないんですけど」
井道女流「普段喋っている言葉遣いとかは」
中村六段「そこまでは気にならなかったです。でも緊張感はありました。
井道さんは将棋以外でやりたいことはありますか」
井道女流「子供の頃の将来の夢はアナウンサーとかカッコイイじゃないですか。
お話しするのが好きだったのですごいあこがれてましたし、
あと食べるのが大好きなので栄養管理士とか。
でも親は公務員が安定するんだよと言ってたので、
簿記とか資格も取ってたと言うのが私の学生時代だったんですけど。
中村先生は将来の夢とかありましたか」
中村六段「僕はFBI捜査官になりたかったとか。
テレビ見て捜査の過程とかかっこよかったんですけど、
それになるにはまずアメリカ人にならないといけないんですよ」
井道女流「さっき歌手とか話でてましたけどカラオケとか行かれますか?」
中村六段「年に数回?僕音痴なんですよ。人前で歌うの好きじゃないんですよ。
まあ学生時代の友達と行くことはたまーにあるんですけど。カラオケ行きます?」
井道女流「私たまに行きます。結構JUJUとか歌います。
上手いか下手かで言えば下手なんですけど自己満足で歌ってます。
渡辺弥生さんとか上手で英語の曲とかもささーっと歌っちゃうんですよ。
もったいないなーと思ってるんですけど。
でも息抜きになりますね声をがーっとだすのは」
中村六段「女子っぽいですね」
井道女流「電源の落ちないラジオみたいとか言われてます」

次の一手アンケート
中村六段「候補手を出すのが難しいですこれ。一人ひとつ出しましょうか」
先に井道女流が△7五歩、中村六段がそれいい手だなあと言いつつ△9五歩。
△7五歩38.1%、△9五歩19.6%、その他42.2%。

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井道女流「珍しくないですか?羽生名人がこんなにたくさん席を外すのは」
などと話していたら羽生名人が後ろからぬーっと出てきました。
そして羽生名人は△9五歩。
井道女流「あ、先生」
中村六段「おー」

中村六段「この局面は行方八段の手はわかりやすいんですよ。
羽生名人が何かひねり出して技をかけて、行方八段が対応するという展開なので」
行方八段は席を立ちました。

質問メール
中村先生は4月に斉藤六段とイベントをされたそうですね。
そのイベントのことについてお話ください。
また、中村先生は斉藤先生とお話されていかがでしたか。
両国将棋センターで行われているイベントがありまして、
棋士を呼んでその棋士と話すトークショーのようなものなんですね。
島九段がコーディネート、企画から準備までされているイベントなんですけど、
トップ棋士の方、羽生名人や森内先生もいらしているイベントなんですけど、
斉藤さんと出させていただいて、普段のイベントでは話すことのないような、
この局面ではこういうことを考えてこの手を指したとか、
過去数年で変わったこととか、
深いことを話すのが普通のイベントと違って両国のイベントです。
斉藤さんとは話すことはあまりなかったんですけど、
電王戦でもそうだったんですけどすばらしい人柄で、
自分より年下ですけど凄い方だなあと思いましたし、
イベントでもすごく人気がありました。
島先生の質問がこっちも考えさせられる質問なんですよね。
それで準備がすごいんですよ忙しいなかで。

先日テレビで放送された羽生名人とチェスのカスパロフさんの対談で、
コーチの必要性について語られていました。
お二人がコーチをつけるとしたらどんな方がいいですか。
中村六段「コーチって欲しいですよね。他のスポーツだとあるじゃないですか。
チェスはチーム組んでたりしますしね。
やはりメンタルな面で欲しいですね僕は。
すぐ浮かばないんですけど、松岡修造さんとか熱そうですけどね」
井道女流「私は松岡修造さんやってくれるならやって欲しいです。
限界を超えれそうじゃないですか。もししていただけたらすごい嬉しいです。
体力面とかもやってくれそうじゃないですか」
中村六段「具体的だと難しいですね。視聴者の皆さんだったら誰なんだろう。
歴史上の人物?」
井道女流「憧れの人とかいませんか?」
コメントを見て
中村六段「ああイチローさんねえ。…ゴクウ?(笑」
井道女流は厳しい人がいいらしい。
勉強する時は厳しくて普段はゆるくメリハリをつけるのが好きとのこと。

中村六段はニコ生的ニックネームがまだなかったと思いますが、
どんなニックネームがいいですか。
中村六段「確かにニコ生のニックネームついてる人が多いですね。
井道さんはどうですか」
井道女流「私はTwitterをしてる時はチヒロールで、
将棋界では千尋ちゃんが多いですね」
中村六段「私も学校とかでは太地とか太地君とかであだ名はつかないですね」
井道女流「何かこういう風に呼ばれたいなとかありますか」
中村六段「なくないですか?あります?」
井道女流「私小学生のときだとチェロちゃんとか」
中村六段「ということでニックネームはなしで、
何か事件があったときにつくんじゃないですか?
長岡さんだったらタブレットが印象的だったわけじゃないですか」
井道女流「それじゃ先ほどの将来の夢のFBIとか」
中村六段「いやいやあだ名FBIとかよくわからないじゃないですか」
井道女流「でも印象的だったので」

といったところで初手から角換わりの定跡講座も交えて解説することに。

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中村六段「こうやって並べてると指されたりするんですよね」
するとワイプの羽生さんの手が盤上に…。バチッ!
中村六段「あー」

最近は角換わりから左の銀を7七~6六~5五と進軍させる指し方を、
阿部光瑠五段が開発したらしい。

井道女流「竜王戦でハワイ対局のときに、
糸谷竜王がよく席を立っていたじゃないですか。
糸谷竜王が着物で歩かれまして、ハワイだから目立つんですよね。
廊下とかは開放感ある感じだったので、糸谷先生が出てきた何かあったのかなとか、
でもあの様子は考えてるのかなとか」

アンケート今何をしながら見ていますか?
井道女流「予想モグモグ」
中村六段「わかんない…1か2かなあ」
ニコ生だけに集中しています16.0%、仕事しながら19.3%、将棋を指しながら3.0%、
TV見ながら7.6%、勉強しながら5.9%、家事をしながら4.8%、
モグモグ23.1%、その他20.2%。
中村六段「おお!モグモグ」

アンケート年齢は?
中村六段「僕は6番じゃないかなと思うんですけど」
バブー10.9%、小学生・中学生だけど0.3%、高校生です0.4%、
大学生なんだな8.2%、20代社会人14.1%、30代28.8%、40代19.9%、
50代9.7%、60以上7.6%。

中村六段「小中高生は意外と少ないなあ」
井道女流「学校だからじゃないですか?」
中村六段「学校でも器用な子はできますよ。授業中でも」
井道女流「先生早弁とかやりました?」
中村六段「やりましたやりました」
井道女流「授業中どうやってやるんですか?」
中村六段「あ、そっちのパターンのやつ?
それはやってませんが、運動部で忙しい奴はやってました」

昼食アンケート
チャコ(ステーキ)33.0%、UNAGI38.2%、中華10.8%、イタリアン18.0%。
中村六段「中華が少ないですね」
井道女流「私の言い方がなんとなくみたいだったからですかね」

次の一手アンケート
△9五香30.3%、△6五歩23.2%、△3八馬17.7%、その他28.8%。
中村六段「おー△9五香が一番人気だ」
井道女流「見てる方は一直線の変化がお好きなんですね」

休憩明けに羽生名人は1番人気の△9五香。
急に指してが進み▲同香△4八歩▲2九飛△4六馬▲2五飛△3六馬。
中村六段「昼食休憩あけて30分たちましたけど、すごい局面が動きましたね」

昼食アンケートの答えはUNAGI

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中村六段「連盟近くにあるふじもとですが」
井道女流「私はあんまりうなぎを食べることはないんですが、中村先生はどうですか」
中村六段「僕も相当食べる機会無いんですけど、
確か前回ニコ生に出させていただいた時もうなぎでした」

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中村六段「井道さん満面の笑みでしたね」
井道女流「素直なんです。食べ物を目の前にするともうだめですね」

盤上では行方八段が時間をそれほど使わずに▲4三歩。
羽生名人の手は読み筋通りということか。

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羽生名人は握り寿司

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行方八段は鯛めし
量的には行方八段が勝っているか。

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中村六段「すごいですね緊張しちゃいますね」

残り時間は行方八段が▲4三歩と指したところで、
羽生名人が2:30、行方八段が3:35とのこと。

井道女流「どちらを持ってみたいとかありますか?」
中村六段「これはむずかしいですね。
▲4三歩が行方先生らしい鋭い手に見えるので、行方ペースな気がしてきました」

アンケートどちらを持って指してみたいか
後手:羽生名人26.1%、先手:行方八段39.5%、ニャン34.3%。
中村六段「お、これは午前中羽生名人を応援したいという意見が多かったですが、
それを踏まえてもこの数字ですから」
井道女流「先ほど先生が先手持ちと言ったので、
コメントでも先生の信頼ってありますよ」
中村六段「責任が…」

昼休みの詰め将棋の解答の後、正解者から1名に中村六段のサイン入り本をプレゼント。

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中村六段「こんな公開処刑ないですよ」
※後ろで見ている井道女流は書道五段の腕前

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もっけー。
木で出来た鳥。心が動じないということらしい。
中村六段の反撃で井道女流も書くことに。

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※色紙の横においてある手帳はネタ帳です。

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中村六段「いーやーすばらしい」
さいげつりゅーすいのごとし。
月日は流れる水のように早く過ぎる的な意味らしい。

この間に△2五馬▲4二歩成△同金と3手進み、
午後に入って急にペースが早くなりました。

ティロフォン豊島七段から
井道女流「豊島先生こんにちは」
豊島七段「もしもしこんにちは」
井道女流「現地の検討の様子はどうですか」
豊島七段「大盤解説会やっていてあんまり検討できてないんですけど、
あと▲4三歩が意外だったので」
中村六段「急に終盤になって激しくなってきましたけど」
豊島七段「▲4三歩の前の局面は先手が言いと思っていて、
踏み込んだ手を指されたのでやはりいいのかなと思います」
中村六段「▲4三歩以外はどんな手が候補だったのでしょうか」
豊島七段「▲2九飛車が本命でした」
中村六段「豊島さんは今回副立会いで対局室にも入られたと思いますが、
お二人の様子はいかがだったでしょうか」
豊島七段「二人ともリラックスされているような感じがしていて、
出発の時に会場に行方八段がこられたんですけど、
時間ぎりぎりの8時くらいにこられてました。
昨日は羽生名人と同じテーブルで晩御飯だったんですけど、リラックスされていました」
中村六段「豊島さんは羽生棋聖と対局されるわけですけど、
どういったお気持ちというか」
豊島七段「少し参考にしようかなと」
井道女流「意気込みをお聞かせください」
豊島七段「3回目なんですけど2回目よりも実力がついていると思うので、
結果がだせるように頑張りたいと思います」
中村六段「写真が」
井道女流「あ、かわいい」
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豊島七段「ありがとうございます(笑」
中村六段「島根に豊島さんはいかれたことは何回もあるんですか」
豊島七段「島根はあんまりなくて鳥取はあるんですけど2回目ですね。
対局場からお城も近くて川も流れていて自然があっていい雰囲気だなという感じですね」
井道j流「現地のファンの方の様子は」
豊島七段「凄く盛り上がっていて1日目の午前中から大盤解説会をやっていたんですよ。
めったにないことなんですけど、今日も大勢の方が来られています」
井道女流「局面のことをお聞きしたいんですけど、
この後はどういった進行が予想されますか」
豊島七段「やっぱり▲4三歩が本命です。
それ以外は▲2七香、▲2七香もどこかいいところで打ってみたいなと思います」
中村六段「序中盤の形勢はどのようにお感じになられてましたか」
豊島七段「前例がある局面が続いて、△4七歩で確か前例から離れたと思うんですけど、
味わい深い手だなと感心してたんですけど、
次の▲5八金が読みが入っている手なのかなという印象です」
中村六段「勝敗予想ずばり聞いてもいいですか」
井道女流「踏み込みましたね」
豊島七段「予想ーですか。ずっと先手が押してると思うので、
どちらかというと行方さんだと思います」
井道女流「豪華なティロフォンですね今日は」
中村六段「見てる方もコメントで豊島さんに質問が」
井道女流「現地に棋士とか来てますか」
豊島七段「仕事以外はいないですね。大盤解説に菅井君と香川さんがきてるんですけど」
井道女流「お昼はなにたべましたか」
豊島七段「お昼はお弁当でした。幕の内みたいな。
お蕎麦も食べましたがおいしかったです」
井道女流「おやつは?」
豊島七段「干し柿が差し入れされてて、900円って聞いてちょっとびっくりしました。
あとはコロッケとかもありました。
僕は食べてないんであんまり言えないんですけど」
井道女流「ゴールデンウィークは何をされてましたか」
豊島七段「仕事とかが多かったですねやっぱり。
でも棋士だとだいたいそんな感じですかね」
井道女流「実はこっちの二人は…私は両親の実家に行ってのんびりしてました」
豊島七段「ああー」
井道女流「旅行っていかれたりするんですか豊島先生は」
豊島七段「旅行はあんまり行かないですね。
対局で東京に行ってもすぐ帰ってきちゃうんで」
井道女流「最近コンピュータと指してますか」
豊島七段「指してますよ普通に家で。
持ち時間は10秒将棋から3時間とかまで幅広くやってます」
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中村六段「現地はおやつですか」
豊島七段「フルーツ盛り合わせですかねこれは」
井道女流「豊島先生ニコ生出て欲しいってコメントもありますね」
豊島七段「はい、機会があれば、ありがたいことです」
中村六段「確かに関西の方だと、
なかなかどんな解説をしているのか聞く機会がないですからね」
豊島七段「関西だと福崎先生とかすごく面白いです」

ニコ生のおさんじは


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手早くフィルムを取る井道女流と苦戦する中村六段。
井道女流「きっとこういう食レポも慣れていらっしゃるんでしょうねー」
プレッシャーをかける井道女流。

中村六段「うん、なめらか。何層にも分かれてるんでそれぞれ味がいい具合に」
井道女流「口当たりすごいよくて、ムースっぽい感じっていうんですかね。
しかも下にスポンジがあるんで甘いだけじゃなくていいですよね。
これ男性でもいけそうですね、ちょっとすっぱい感じもします。
中村先生は普段ケーキとか食べられるんですか」
中村六段「こないだ金井さんとVSやってて、
詰め将棋選手権の問題やりましたかって話になって、どちらもやってなったので、
せっかくなんで終わったらやりますかってなって、喫茶店行ったんです。
思わずケーキセットが目に入ってきて、2人で頼んで、
最初30分くらいかけて食べて、それから詰め将棋を解き始めると」
井道女流「確かに金井先生もよく食べる印象がありますね。
私金井先生と一緒に子供教室していて、確かに終わったあとよく食べてました」
中村六段「金井君お酒飲めないんでね、甘いものは大好きなんです。
あ、今コメントでフレデリック・カッセルって銀座のお店だって。
そりゃおいしいよなあ、銀座だもんなあ」

食べ終わって
中村六段「ちょっと元気でてきた!」
井道女流「それじゃおまかせします!」

質問メール
うちには8歳の娘がいます。
娘と将棋が指したくて、まずは簡単などうぶつ将棋から教えてるのですが、
私が勝つと泣いてしまうので負けるようにしています。
しかしいくら教えても駒をとろうとしなく、チェスのような盤面になってしまいます。
どうしたら娘が勝てるようになるでしょうか。
中村六段「幸せな質問ですね。
どうぶつ将棋も取ったのを使えるじゃないですか。
使えるのはこんなにメリットがあるんだよというのを、
うまく言葉に直して教えられるといいと思うんですけれど、難しいですねえ」
井道女流「取るっていうのを残酷と思っちゃってるかもしれないですしね。
女の子は集めるのが好きな人が多いですね。
取るのは好きなんだけど使わないみたいな。
ちっちゃい子とかはビーズを集めて何もしない子もいるんですけど、
でもそれを使って何か綺麗なものが作れるじゃないですか。
そんな感じで他のものに例えたり。
私は父に将棋を教わったんですけど、
やるよと言われたことはなくて、やりたいと言った時にやってもらって
ここがよかったわるかったとかはなくて、やりたいと言った時だけやってくれて、
将棋大会とかも連れてってくれました」
中村六段「僕は今思えば上手く負けてもらってたなと思います。
3番勝負だったら2勝1敗で僕が勝ったり、5番勝負だったら3勝2敗だったり。
負けて嫌になっちゃう子の方が多いでしょうから、
その子にあわせた指導ができるといいですね」

お二人の共通点というと1988年生まれ、私も同世代なので楽しく聞いています。
同世代との交流はあるのでしょうか。
中村六段「我々同世代なんですよね。
88年生まれだと関西だと糸谷さん、稲葉さん」
井道女流「女流だと上田さん、熊倉さん」
中村六段「小学校から知り合いっていうのは棋士だと多いんですよね。
僕は上田さんだと8歳くらいから知ってると思います。
他の世界にはあんまりないことなので不思議な関係ですよね。
べたべたじゃないですし」
井道女流「私も同い年ですけど棋士というのか関東の方というのかわからないですけど、
あんまり干渉しないというのがあります。
田舎だと近所付き合いとかもありますし。
ただ熊倉さんも上田さんも一緒にご飯行ったりしますし、
戸部先生の奥様とか比較的交流があるほうだとは思います」
中村六段「学生時代の友達は普通の友達という感じです。
僕が棋士というのは知ってると思いますけど、
具体的にどんな仕事なのかとかはどうなんでしょうねえ」

中村先生は棋聖戦と王座戦で羽生先生と対戦されましたが、
将棋以外で羽生先生から吸収できたものはありますか。
中村六段「いつ見ても自然体じゃないですか、将棋以外では。
とてもよく笑われますし、お話もつきませんし。
それと切り替える時のスイッチのオンオフ、その2点が大きなところかなと思いますね」
井道女流「研究会で行方先生と盤を挟むとききましたけど、
研究会と公式戦で違うところとかはありますか」
中村六段「将棋では教わることばかりなんですけど、普段は優しい先生ですね。
思いやりのある先生で自分の世界を確立されている先生ですし、
行方先生と親しい人は魅力的な人だってみんなおっしゃるじゃないですか。
すごい先生だなと思います。
将棋に関してはめちゃめちゃストイックで、
自分にも厳しくて、その分他の人にも厳しいんですよ。
みなさんお酒のイメージがあると思うんですけど、
すごく連れて行っていただくお店がおいしいところばっかりなんですよ。
グルメというと一言になっちゃうんですけど、センスとかこだわりとか、
感覚とかが研ぎ澄まされていて、食事でも現れてるのかなと思いますし、
すごく楽しい席になりますね行方先生といくと。
他の世界の方とも交流がありますし、
そういう方の話を聞くと面白いなと思いますね」

ここで休憩に。
行方八段は休憩中に▲2七香。
豊島七段がどこかで打ってみたいって言ってましたね。

解説が再開され、
中村六段「難しすぎてさすが名人戦という感じになりましたね。
本局は今までの3局の中では一番難解な展開になってます」

行方八段が棋譜用紙を確認していて、
井道女流「あれは手の流れを見てるんですか?残り時間とかですか?」
中村六段「僕の場合は残り時間が多いですね」
井道女流「記録の立場だと棋譜用紙見せてって言われる方が安心します。
残り時間教えてって言われると計算間違うと大変なので」
中村六段「記録をとっていて千日手指しなおしになったときはありますかって、
コメントで出ましたけどありますか?」
井道女流「はい」
中村六段「誰ですか?」
井道女流「中村先生(笑」
中村六段「え?」
井道女流「凄く昔のまだ先生が四間飛車を指されていたときですけど、
大野先生と指された対局で。
そのときは大野先生が千日手だよねって言って終了しました」

質問メール
最近はものすごいペースで定跡書が出版されています。
買うだけで読まない積読状態になっている本がたくさんあります。
プロの棋士はやはり読まれるのですか。たくさん読むこつとかも教えてください。
中村六段「棋士も定跡書読むの多くて、
読みますけど身についているかどうかは別ですよね。
もう1回読み直して全然覚えてないなとかあります。
漢字とかは書いて覚えるとかあるので、将棋も並べて覚えるとか」
井道女流「この棋譜を見て勉強するとかありますか」
中村六段「棋譜の中に潜んでる、
手に現れてない読みの部分を感じて勉強するというのはありますね」
井道女流「定跡書って買っても読み進められないことはあります。
これにて優勢とか書いてあるじゃないですか。
自分が指さない局面ですと試したくなるんですけど、
必ずしもその局面にはならないですし」

パシッ!
羽生名人は△5八馬。
ぱっと見詰めろのかけ方がわからないので、
一見すると先手にチャンスがありそうな雰囲気に見えてしまうと中村六段。

中村六段「この忙しそうな局面でふわりと△5八馬はなかなか指せないです。
例えば僕が指したらぬるい手だねって言われちゃうと思うんですよ。
だけど羽生名人が指したら違うじゃないですか。
僕はぱっと見の次の先手玉の詰めろが見えないんですけど」

ティロフォン井上九段から
井上九段「こんにちは井上ですーよろしくお願いします」
中村六段「現局面井上先生△5八馬と指された局面ですけど」
井上九段「△5八馬が意外な一手でして、
現地の方では△7六歩で▲同銀なら△5八馬が調子いいんではないかと」
中村六段「単に△5八馬の意味って何でしょうか」
井上九段「それを教えて欲しいんですけど、正直僕わかりませんね、わかります?」
中村六段「僕もわからないんですけど」
井上九段「ちょっと羽生さんが指されたんで深い意味があると思うんですけど、
▲2七香のところでも▲4三歩のほうがよかったのではないか、
というのが久保さんと豊島さんの見解なんですけど」
中村六段「先手からの有力な候補手はありますか」
井上九段「▲4三歩、△3二金には何やったかな、あ、▲4二金ですね」
中村六段「例えば△9七歩と打ちますと」
井上九段「△9七歩には▲9九歩かな。これでどうですかね。
△7六歩が詰めろになるかな」
中村六段「△9六飛車じゃ笑われちゃいますかね」
井上九段「なるほどー菅井君に聞いてこないとあきまへんね。
ははーなるほどーそれは見えてませんでした。なーるほどー。
いずれにしろこれは難しい将棋ですね」
井道女流「井上先生のお写真が」
中村六段「癒されますね」
meijin3-19
井上九段「癒されますか?これ」
井道女流「現地の様子はいかがですか」
井上九段「もうちょっと会場に入りきれなくて、入場制限かかってるような状態です」
中村六段「お越しいただいてる方というのは年齢層は」
井上九段「まあ年配の方が多いんですけど女性の方もいらしてますし、
まだゴールデンウィークの休みをとられている方、遠方からも来られています。
抽選会で当たった方の住所が新潟でした」
中村六段「お二人の空気は」
井上九段「羽生さんはいつも通りというかいつもの羽生さんという感じですね。
行方さんのね、対局開始からすごい気合が乗ってるなというイメージを受けます。
昨日1日目の打ち上げの時は結構酒飲んでたんですけどね。
新聞社の方がもうこの辺でということでお開きになったんですけど」
井道女流「行方先生の1日目と2日目のスイッチが切り替わったんでしょうか」
井上九段「朝のバスの出発するちょっと前に駆け足で来てね、びっくりしましたけどね」

地震が起こって
井道女流「私大きい地震でも起きないらしいんです。ずっと寝てたみたいで。
お母さんが何かやってるのかと思ってたんですけど」
中村六段「それ大物って言うんですよ」
井道女流「でも東関東大震災の時は起きてましたよ」
中村六段「そりゃーそうでしょう」
井道女流「私はそのときは友達の家にいたんですけど、
ちゃんと自分の家に帰れました(キリッ」
中村六段「え?友達はどうしたんですか?」
井道女流「友達は彼氏が迎えに来てくれて」
中村六段「そんな話あるの?友達ひどくないですか?僕の家金井君泊まりましたよ。
家でVSやってて、金井さん帰ってくれとは言いませんでしたよ僕は」
一旦休憩に。

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中村六段「休憩中にいろいろな棋士に聞いていたんですけど、
コンピューターがすごい手を指摘していると聞きました」
その後数手進めて

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中村六段「ここで何かいい手があるんですけどわかります?
▲4三金なんですね。
ここから▲4二金△同飛▲同銀成△同玉
▲4一飛△3二玉▲4四飛成が狙いらしいんですよ。
▲4三金とれないので△2二玉と逃げると△2四歩がいいみたいなんですよ。
これで先手がプラス何百点でいいっていうのがコンピュータの考えみたいですね」
※SS撮ってたんですが上書き保存してしまったので、Youtubeで探してきました。
ごめんなさい。

しかし行方八段はばちっと▲6八金打。

どちらが勝ちそうかアンケート
後手:羽生名人59.4%、先手:行方八段40.6%。
中村六段「羽生補正なんですかねこれは。
でも羽生補正だといい勝負ってことですよね」
井道女流は攻め駒の配置がされているので先手持ち、
中村六段は攻めのターンが回ってきたので後手持ち。

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夕食休憩前の局面。
手番が先手だったら明らかに先手がいいが、後手番なので後手がよく見えるとのこと。

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休憩中も盤上を見つめる行方八段。4分ほどで退室されました。

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そして時間前に戻る行方八段。すごい気合だ。

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将棋会館では解説三浦九段、聞き手藤田女流で大盤解説会。

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僕がすべてを解説します。

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30分の休憩なので夕食は軽め。

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中村六段「2人の対局姿勢を見てると最終盤という感じがしますね」

そうこうしているうちに行方八段は残り25分と宣告され、即座に▲2三歩。
コメントで時間がきれたらどうなるのと流れて、
井道女流「秒読みになって、1手1分以内に指してもらいます」
中村六段「持ち時間9時間は正確に言えば8時間59分までは進んで、
それからは1手1分の秒読みになります」

思い切って初手から解説に。

ティロフォン香川女流から
香川女流「こんにちはー。
今こちら対局室の近くなのでちょっと声が小さくてすみません。
先ほどまで控え室で菅井竜也六段や久保九段、豊島七段の検討をきいていました。
△2五同歩▲2四歩△同玉▲3六銀△1三桂という進行を予想しています」
中村六段「どちらがいいと見ていますか」
香川女流「先手玉がもう少し駒を渡すと詰んでしまう状態なので、
豊島七段と久保九段は後手を持ちたいと言ってました」
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中村六段「ということは夕食休憩前くらいの手がポイントだったのでしょうか」
香川女流「▲6八金という手が勝負どころだったのではというご意見でした」
中村六段「香川さんは名人戦の現地のお仕事ですけど、
どういうことを感じられてますか」
香川女流「名人戦でのお仕事は初めてで、
松江の方は将棋愛が強くて、初日から大盤解説会の席の3/4が埋まっていて、
注目度の高い一戦なんだなと思いました」
中村六段「関西勢でみなさん仲良さそうなメンバーがそろってらっしゃって」
香川女流「立会人の井上九段が菅井六段の師匠で、
師弟トークでなごやかな解説になっています。盤上ではすごい緊迫していますが」
中村六段「香川さんは対局室いかれたりしましたか」
香川女流「初日の朝にいたんですけど、松江は新緑が綺麗でかなり手入れがされていて、
対局室から綺麗な景色が見れます。
大舞台で対局は気持ちいいんだろうなあという気持ちで朝は観戦していました」
井道女流「対局者のお二人とはお話はされましたか」
香川女流「私は全然お話はしていなくてですね、
昨晩は行方八段と同じテーブルの棋士からは、
いろいろリラックスされていたと聞きました」
中村六段「先ほど井上先生もそのような話をされていました」
香川女流「そうですか(笑。
解説を聞くのはすごく楽しいので、今からでも足を運んでいただければと思います。
勿論遠い方は中村先生の解説でね」
中村六段「香川さんのコメントが完璧すぎて恐縮です」

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行方八段の残り時間が15分に。そろそろ仕草に出てきたか。
残り8分で行方八段は▲7六銀と根性で粘りに行く手。そしてそのまま退室。

中村六段「この手は流石に予想されてないはずなので、
時間を使って考えられると思います」
行方八段が戻ると、今度は羽生名人が席を立ちました。

対局場の映像から残り6分ですとか聞こえてくると、兵糧攻め感がすごいですね。
行方八段は▲7一銀と指した直後に席を立ってすごい早足で歩いていきました。
中村六段「トイレに行った事からも分かるように長期戦にしようということですね」
行方八段はすぐに戻りましたが、再度席を立ち、戻り、席を立ちました。
これは明らかに様子がおかしい。
喉のいがいがを取るような感じではないかと中村六段。
そして解説中に今度は羽生名人が退室。戻ってくるとまた行方八段が退室。
羽生名人は解説通りの△6九銀。
井道女流「今の手つきどうでしたか?」
中村六段「若干震えたように見えました」

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最終盤の解説。王様の逃げ方次第で綺麗に詰む順がありますが、手順が長い(笑。
行方八段は1分将棋に。羽生名人は余裕のオレンジジュース。
そして行方八段が飛車を取ると、羽生名人は席を外しました。
中村六段「俺はトイレに立てるんだぞと。まあ実際は何も考えて無いんでしょうけど」

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合い駒をするか王様が逃げるか。辛い時間帯の行方八段。
この後中村六段の手順通りに進み、行方八段の投了となりました。

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詰み上がり図は歩や銀が消える綺麗な詰み。

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放送後のアンケートもいい感じに。

ということで第3局は羽生名人の勝利となりました。
私は行方八段がリードしていることや、
今日の昼食で行方八段の方が量が多かったこと、
昨日行方八段がお酒を飲んでリラックスしていたこと、
などなどで行方八段が勝つ流れなのかなと思って見ていたのですが、
羽生名人の△5八馬から夕食休憩までの間に、
いつのまにか羽生名人が逆転したような1局でした。
行方八段今夜は自棄酒かな?

名人戦第4局は5月20日と21日、
ニコ生では20日が解説に加藤一二三 九段、聞き手に山田久美女流四段、
21日は解説に渡辺明棋王、聞き手に室谷由紀女流初段で大盤解説会が放送されます。
このシリーズは1局目~3局目まで全て違う戦型ですので、
第4局もどのような戦型になるか注目です。

第73期名人戦七番勝負第3局初日が終わる

羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦七番勝負第3局初日は、
行方八段の封じ手で初日が終わりました。

meijin3-1
今日の圧力団体の皆様。
島根県は去年の名人戦第5局の予定だったとのことで、1年越しの名人戦となりました。

安食女流「注目の初手は何でしょうか」
真田七段「先手は角換わりを目指すんじゃないかと思うんですけどねえ。
ただ羽生さんが受けて立つかどうかという問題があるので、
先手が角換わりを目指して、後手が受けて立つか横歩取りにするか、
予測が難しい対局ですね」

行方八段の▲7六歩に羽生名人は何でもこいの△8四歩。
2手進んだところで圧力団体の方々が退室しました。
退室される方々に立会いの井上九段がおじぎをしていたら、何故か羽生名人もおじぎ。
行方八段も「え?そういうものだっけ?」みたいな感じでおじぎ。
羽生名人が去年4連勝したせいで島根での名人戦が流れたので、
お待たせしました的なことかもしれない。

ニコニコ生放送では9時から、解説に真田圭一七段、
聞き手に安食総子女流初段で大盤解説会が始まりました。

meijin3-2
おはようございます。

安食女流「注目のポイントをお願いします」
真田七段「この将棋は大事な将棋ですね、特に行方八段にとっては。
1局目短手数で負けてしまった後の2局目で、後手番で勝ったんですよね。
この将棋を勝つと名人獲得というのが現実味を帯びてくるので。
2局目が相掛かりでちょっと力戦になったんですよね。
すごく行方八段会心の差し回しで、
1局目終わってどうなるんだろうというのを払拭しましたからね。
矢倉をやるならオーソドックスな矢倉だと思います。
ここで矢倉をやると第1、第3局が矢倉となるので、
この先も矢倉の矢倉シリーズになるかもしれないです。
角換わりだと1~3局すべて戦型が違うことになります。
7番勝負の展開が占えるというか、
羽生さんは最近の傾向で2日制の後手で横歩取りをやらないんですよ。
やっぱり時間が長いと横歩取りの後手は薄い将棋なので、
先手の少ないリードを守りきられちゃうというイメージがあるんでしょうか。
1日制の将棋だとよくやるんですけど、2日制だと▲7六歩に△8四歩の方が多いですね」

行方八段は▲2六歩で角換わりがほぼ確定。

真田七段「最近先手の矢倉は不利感があるんですよ、
本当に最前線の話なんですけど。
もちろん将棋はそんなに簡単に良い悪いは無いんですけど、先手に課題があります。
角換わりは先手に相当主導権があるので、使いたくなる戦型なんですね。
角換わりは決まると一気に進むんですよ。
こうなると数十手先までほとんど変化の余地がないんですよね。
近年タイトル戦で角換わりは、あんまり考えることがないんですよね。
矢倉は後手が急戦矢倉にするとか、先手が藤井矢倉にするとかあるんですけど、
角換わりは後手に少しだけ変化の余地があるだけで、
考えてもしょうがない、手数はすごく進みますね。
こうなると午前中でもかなり粛々と進みますね」

リレー質問
先崎九段から真田七段へ
野球はどのチームのファンですか。今年の順位予想をお願いします。
真田七段「野球は今はソフトバンクホークスのファンですね。
まあ南海時代からなんですけどね。安食さんは西武ファンで」
安食女流「はい。ちょっとライバルですね」
真田七段「順位予想は難解すぎますね。
オリックスが最下位で低迷してるのが予想外だったんで、
オリックスだけマークしてたんで、
CSに出ないで消えてくれたらいいなという願望をこめてオリックスを4位に。
安食さんもいるんで西武を2位に。3位がそつのない日本ハム。以下ロッテ楽天。
ただ今年はどこも強いですよ。差が無いんで。オリックスもね」
安食女流「金子選手が復帰すると」
真田七段「戦力が戻ってくるとね」
安食女流「球場も行かれますか?」
真田七段「マリンスタジアムに行きました。すごく人が多かったです」
安食女流「日本ハム強いですよね」
真田七段「選手が抜けても抜けても勝つんですよね」

アンケートパリーグはどのチームが優勝すると思いますか?
西武21.8%、日ハム26.0%、ソフトバンク31.3%、
ロッテ4.3%、楽天8.9%、オリックス7.7%。

真田七段「ほら結構われましたよ」
安食女流「セリーグの順位予想は?」
真田七段「セリーグはちょっと」

アンケートではセリーグは?
DeNA22.1%、巨人27.7%、ヤクルト10.8%、
中日8.1%、阪神14.2%、広島17.0%。
ニコニコではDeNAが人気?まあ今1位ですけど…。

藤田女流から安食女流へ
ゴールデンウィークはどのように過ごされましたか。
また、ニコニコ超会議の感想もお聞かせください。
安食女流「ゴールデンウィークはお誕生日があったので旅行に行って来ました。
1日から行ったんですけど。あとお墓参りも。
いろいろ普段できないことしましたね。今年は結構ゆっくりできました。
どこかいかれましたか真田先生」
真田七段「僕は棋士なのであまり動かないで。
あえてゴールデンウィークには動かないという。
人ごみに突っ込んで行くことはなるべくしないように」
安食女流「お二人とも棋士だと平日に好きなところに行けますね。
超会議行ってきましたけど楽しかったです
今回プロレスのコーナーもあったんですけど、将棋と近かったので結構楽しみました。
私が見たのは仮面女子のプロレスで、歌も歌ってくれて。
ボブサップが見たかったんですけど、
小林幸子さんにやられてしまったらしくて見れなかったのが残念でしたね」
真田七段「なかなかボブサップ見る機会無いですからね」
安食女流「歌ってみたとかも好きなので、
将棋の方を見ちゃうのでなかなか回れなかったんですけど、
人狼は人が多くて見れなくて、テレビ番組で見てました」
※真田七段は奥様が女流棋士なので、
平日に休みが多いのにわざわざ休日に旅行しなくても、ということなのでしょう。

アンケート超会議行きましたか?
二日間行きました!1.1%、一日だけ行きました1.2%、
ニコニコで見てました53.1%、何もかも見逃しました44.6%。
運営轟沈。
安食女流「来年も行こうと思っています。かなり先ですけど」

アンケート角換わりは指しますか?
すすんで指します29.5%、なるべく避けます46.1%、振り飛車党なので…24.3%。
真田七段「意外と多いですね。見ている方は結構玄人筋なんじゃないですか」

棋力アンケート
見る専門26.1%、初心者17.9%、級位者26.2%、初段~三段15.2%、
四段以上2.2%、プロ・奨励会・研修会1.1%、タイトルホルダー11.3%。
真田七段「タイトルホルダー?羽生さんいるから何人もいないですよ?
あ、町内名人とかもありますかね?」

この後真田七段による角換わり棒銀と角を交換しない場合の棒銀の違い、
端歩を受ける場合受けない場合の解説に。

行方八段は駒音高く▲6八玉。
先手の右の金の態度をなかなか決めないという指し方もあるので、
そういうことも考え出すと漫然と何を指してもいいというわけではなくなるので、
少し時間を使う展開になるかもしれないとのこと。

質問メール
棋譜中継を見る限り、真田先生は対局時の食事は肉じゃが定食率が高いです。
ただし最近は肉豆腐定食新手が出て、それからはそちらばかりになりました。
鞍替えした理由は何ですか?
いやよく見ていらっしゃる、詳しいですね。
肉豆腐定食は誰かが食べているのを見てちょっと頼んでみようかなと思って、
肉じゃが定食よりも細かい小鉢がいろいろついています。
肉じゃがも結構食べ応えが合って、肉豆腐の方がさっぱりしていて、
でも量が少ない方がいい時は小鉢があるのでちょっとしんどいです。
頼んだことがないのを頼むということはなかなかありません。
最近だとあまり重過ぎないように、量も中身もということがあるので、
ちょうどいい量でさっぱりしたのがあるといいんですけど。

先日世界コンピュータ将棋選手権がありました。
コンピュータ同士の対局だと、角換わりの戦型では棒銀や早繰り銀が多かったです。
棒銀や早繰り銀が流行ることはありますか。
流行る可能性はあると思います。
今何でやってないかというと、ちょっと単調な戦法なんです。
含みとか幅が広くない、よく言えば単純明快で、対策も立てやすいんですね。
かなりもう優秀な対策が確立されています。
流行るなら例えば広瀬八段が振り飛車穴熊で王位とったような感じだと思います。
彼の振り飛車穴熊は誰も真似しないんですね。細かいところで崩しているので。
振り飛車穴熊だから勝ちやすいのではなくて、
細かいところで差をつける振り飛車穴熊で、見た目だけでは真似できません。
糸谷竜王の一手損角換わりもそうで、真似できないのでブームにはならないんです。
細かいところで工夫しているから。
それで言うと流行るとしたら、細かい工夫で流行ることはありえます。
単なる棒銀早繰り銀ではなく細かい工夫、
高度な段階で流行るということならあります。
振り飛車穴熊も本来は単調な戦法で、それでも勝つためには細かい工夫が必要です。
それを見出す人がいるかどうかですね」

ペア将棋企画がたまにありますが、
真田夫婦がやったらどんな戦型になりますか?また、読み筋のシンクロ率は?
真田七段「戦型は全く予想できないですね。
僕は居飛車党なんですけど奥さんは何でもやる力戦派なんで。
僕は指した手を立てるというか、ふわふわした手は指さないんですけど、
奥さんはぐだぐだした将棋も結構好きです。
僕は攻めようかなと思ってやっぱりやめとこうとかは好まないんですけど、
うちの奥さんは目の前の局面で対応するのが得意なので。
相手に対応していく将棋なのでまったく呼吸が合わないと思います。
すごい将棋になると思いますよ、恐ろしい将棋。
将棋の作りが力戦になっちゃうでしょうね」
安食女流「他の方はどうなんでしょうかねえ。
あまり夫婦ぴったりというのは無いかもしれないですね。見てみたいです」
真田七段「やる方は将棋になるか心配ですけどね」

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真田七段「これは右金がきな臭いですね。
素直に▲5八金とこない事も考えないといけないと思います。
これは5八金意外にも意識がありますよ」

前に真田先生が羽生先生と現代将棋について話している動画を見て、
とても興味深く聞き入ってしまいました。
初期配置と戦いの局面を論理的に埋めたのが羽生先生で、
羽生先生の理論をみんな学んで自分の将棋にしたと聞きました。
しかし毎年のように世代交代を叫ばれながら、まだ羽生先生はトップにいます。
真似できない羽生先生の技術とは何でしょうか。
15分くらい私が、知り合いの方に説明するのを撮らせてもらっていいですかと言われて、
それで話したんですよね。
羽生さんというネーミングが入ってるんでヒットしやすいと思うんですけど。
羽生さんのすごいところは七冠王を取った後ですよね。
周りの技術が上がって羽生さんのみが勝てる訳ではなくなってからも勝っているんですね。
羽生さん発明家なんですよね。技術を発明していく。
周りが吸収したことで大きな差ではなくなったんですけど、
毎回指し手や考え方で新しいものを打ち出してくるんですよね。
将棋が古びないんですよね。
これは凄いことで、
一人の棋士が1回できるかどうかということを毎年やってくるんですよね。
勝負術というよりも技術を開発し続けてるんですよね。
それを25年以上、毎年のように、そこに羽生さんの凄みがありますよね。
勝負師より発明家といった方がいいかもしれませんね。
※多分この動画のことです 羽生さんの凄さを語る真田七段

放送の序盤で、矢倉の▲4六銀に△4五歩と指すのがよくて、
先手が困っているという話でしたが、昔は△4五歩は後手が悪いというのが定跡でした。
自分が定跡だと思っていた範囲内でこんなことが起こることに驚きましたが、
今後も定跡を覆す手がでてくるのでしょうか。
非常に大きな出来事というのは間違いないんですよ。
森下先生が断言したというよりも、みんながそう思っていたんですね。
10年単位でずっと指されなかったので、
その結論が覆ることはないだろうと、我々プロも思っていたんです。
だから非常に大きな出来事で、
それほど思っていても根底から結論が覆ってしまうことが起こるんです。
それだけ将棋が進歩したということですね。
その時代の多くの棋士が持っている感覚があります。
その時は誰も気づかなかった新しい考え方が出てきたということです。
もちろん塚田先生とかが細かい工夫を出したというのもありますが、
違う捉え方をすることによって、プロは感覚でだめと思うことがありますが、
気持ちは別にして冷静に考えたら、実は戦えるという局面があります。
時代がさかのぼるほど、プロは感覚で判断していたんですね。
この形は悪いとか、まとめきれないとか。
やる気はしないけど歯を食いしばってやってみたらどうかと考えると、
思ったより勝負になっているということがあります。
切り捨てた後からもう一歩踏み込んで検証すると、
いろんな形勢判断の精度が上がって進歩しました。
近年は難しい局面でも評価軸が増えて、
最近だと渡辺さんとかの固い玉なら戦えるとか、
銀損しても玉を固めてじっとしてるとか、
昔だったら感覚でダメと言われた事も、今は先を考えるようになりました。

私は五月病にかかっています。何か直すものはあるでしょうか。
真田七段「考えすぎですよ。頭使いすぎだと思います。
何も考えなくてなるものじゃないでしょ。
だいたいそういうときは生活を正すのがいいと思います。
体の方をただしちゃう、メンタル的にきついときは。
考えて悩んでいる時に考えて解決しないんです。
逆に体を整えて、生活を心地よい方に、体が喜ぶ方に変えるといいと思います。
学校とか会社とかまた毎日行くのかーとか、考えてそうなってるので」
安食女流「早起きとかされてますか?」
真田七段「若いときよりは早く起きるようになりましたね。
早起きは年齢なりに大変じゃなくなってきました」
※ニコ生将棋では人生相談も受け付けています?

先日安食様は20数回目のお誕生日おめでとうございます。
ファンの方などからプレゼントはもらいますか?
安食女流「真田先生はいつなんですか?」
真田七段「僕10月なんですけど、くれますよ奥さんが」

などと話していたら行方八段はとうとう▲5八金。

真田七段「最近は▲4八金▲2九飛の形が出てきたんですよ。
ここ1、2ヶ月のすごい最近の話で、ただお互い念頭にあったと思います。
▲4八金は△3九銀とか角とかの傷があるので、
▲2九飛もセットで指さないといけなくて、
仕掛けるまでに1手余計にかかるというデメリットもあります」

安食女流「プレゼントの話なんですけど、ファンの方からはありますか?」
真田七段「そういうこともありますね」
安食女流「誕生日は何をもらいましたか?」
真田七段「誕生日はなくてバレンタインとかはあったんですけど、
男性用のハンドクリームとかもらいました。最初は奥さんに借りてたんですけど。
今は昔に比べていろんなのがでてきましたね。
若い頃は手荒れたりとかはなかったんですけど、
年齢とともにちょっと潤いが(笑。
冬場とか乾燥するじゃないですか。そんな感じで」
安食女流「私はぷーさんが好きなので母親からもらいました。」
真田七段「それはいつくらい?」
安食女流「2、3日前なんですけど(笑。
だんなさんからはブレスレットを、
お守りみたいなのをおそろいというかそんな感じでもらいました」
子供の頃の話だと思って聞いたらまさかの2、3日前だった的な。

盤上の解説に戻って
真田七段「ここで後手の方針が完全に分かります。3択なんですよ。
△3三銀からの待機策、△6五歩で受身に立つ、△7四歩の同型から追従する、
これしか手がありません」

真田七段「行方さんとは僕が12歳で行方さんが11歳の時に初めて会いました。
彼は昔から居飛車党で、典型的な田舎将棋です。
洗練された都会将棋とは違って、筋が悪い汚い手をやるんだけど、
地方から出てきた人特有の根性のある手を指すんですよ」

羽生名人は△7四歩。
先手がいいとされている同型で用意があるのか、
先手に▲6六歩と指させて将来▲6六角と指す手を消したのかとのこと。

行方八段は▲6六歩。
真田七段「先手は同型を指されると、
後手が何かを見つけているという意味なのでどきどきしますよ」
と言ったところで行方八段が席を立ちました。

羽生名人は△7三桂の同型ではなく、△3三銀。

真田七段「羽生さんと初めて会ったのは僕が12歳のときに、
14歳で二段の羽生さんを見ました。オーラが違いましたよ。
とても14歳とは思えない、落ち着き払ってました。
奨励会ってすごい悲壮感と必死さが漂ってる場なんですよ。
8割以上辞めていく世界で、決死の覚悟が伝わってくるんですけど、
羽生さんはおだやかで、勝てないなんて夢にも思ってないみたいな。
悲壮感なんて無いんですよ。
何としてもプロになるみたいなのもなくて、力が抜けていて、
当たり前のように勝ちまくって当たり前のように抜けていきました。
似た雰囲気だったのは森内さんとか佐藤康光さんとかかな。
あんまりがつがつという感じではなかったです」
内藤九段が奨励会の時に加藤九段と対局したときに、
天才とはかくも涼やかなものなのかと思ったそうですが、
凄い人っていうのはみんなそうなんですかね?
加藤九段がどうして闘志全開スタイルに変わったのかも聞きたいですね。

meijin3-4
真田七段「ここで先手に▲1八香、▲9八香、▲6八金右、▲6七金右、
▲2五歩、▲2五桂の6通りの手があります。
どの手を指しても1局で、この両者だと▲6八金右と指した対局があります。
また、羽生さんが先手で後手の郷田さんを相手に▲6七金右と指したこともあります。
▲2五歩は先手不利と言われていたのが最近覆った手です。
注目はここで行方八段がどれくらい持ち時間を使うのかということですね。
本来はここで1時間半や2時間ほど使うタイプなんです。
でもこの対局の勝負を考えた時に、
果たしてそれが有利に働くのか、と考えると早く指すことも考えられます。
また、後手はここで6通りの対策が必要なのに対し、
先手は1通り指せる順があればよいので、
やはり先手がそういう意味でも有利なんですね」

アンケート次の一手
▲2五歩19.0%、▲2五桂18.0%、▲1八香8.8%、▲9八香7.2%、
▲6八金右23.9%、▲6七金右7.4%、その他15.6%。
1番人気は▲6八金右。
真田七段「その他は▲4五歩なのかな?
この形は後手は一番隙の無い形で待っています。
4三金の形だと将来▲4一角という隙があるし、
7三桂の形だと▲7五歩△同歩▲7四歩や▲5一角という隙があります。
なので仕掛けない手を指して、何かいい有効な手待ちはありますか?
と聞くのが多い指し方です」

昼食アンケート
安食女流「何かリクエストありますか?」
真田七段「さっぱり系が」
さっぱりしたうな重、さっぱりしたステーキ、
さっぱりした激辛タンタンメンなどコメントに流れましたが…
さっぱり蕎麦28.4%、さっぱり肉じゃが2.2%、さっぱり肉豆腐6.0%、
さっぱりトンカツ14.8%、さっぱりカレー7.6%、さっぱり寿司9.1%、
さっぱり中華4.0%、さっぱりパスタ7.6%、こっさりラーメン20.2%。

昼食休憩後、行方八段は16分ほどで▲6八金右。
真田七段「若い頃ならもっと使ったと思うんですよ。
予定してる手と違う候補もたくさんありますから。実戦的な指し方ですよね」
羽生名人は長考。ここから先は長考合戦か。

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昼食アンケートの答えはほそ島や

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安食女流はちからうどん

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真田七段はとりなんせいろ
普通のメニューにはのってないやつらしい。

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安食女流「さっぱり系ですね?」

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対局者はなんかすごいそばっぷりである。

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披露宴のような前夜祭。

詰め将棋の答え合わせの後初手から解説に。

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羽生名人は長考中。△2四銀が有力とのこと。
14:51に羽生名人は△2四銀。

そしておやつタイムに。

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真田七段「羽生さんのところに置いてあるのがうまい棒に見える」

ニコ生のおやつは


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安食女流「チーズケーキですね」
雪見大福のアイスじゃない版みたいな味らしい。

おやつ休憩明け、まだ指さない行方八段。

質問メール
プロ棋士のファッションに関する質問です。
羽生世代と言われる方々から前の方々は、ファッションセンスが悪いと思います。
今の若手の棋士の方々はこざっぱりしてると思います。
奨励会幹事をされていた真田七段から見て、いいセンスの棋士は誰ですか。
それはね、変わり身ははっきりしてます。島先生ですよ。
島先生がでて決定的に変わりました。
その前の時代は時代背景が違って、映像が見られるということがなかったので。
プロ棋士にとって最高の憧れの衣装は着物なんですよ。
その手前のスーツとか私服とかは意識が行かない時代だったんです。
竜王戦が創設されて島さんが初代竜王になって、それですごく触発されました。
当時僕は高校生で制服を着てましたが、これからはおしゃれをした方がいい、
という影響を受けました。
僕の世代でもセンス良い悪いというより、
よれよれのシャツみたいな無頓着な人はいました。
今はそっちで個性を発揮する人はいないですね。
だからまあいい事だと思うんですけど、
今はニコ生もありますし最低限顔写真は見られますから。

安食先生といえばカツ、加藤先生はうなぎ、森内先生はカレーなど、
棋士の先生はお昼の定番となっている食事があります。
真田先生は対局時の食事は決めてますか。
まあ決まりきってるということはしてないんですけど、
2つ3つの選択肢は用意しています。
ただ言われてみると同じ選択肢が続いてたりします。
やっぱり安心感があるんですよね。
メニューを変えるのはそれだけリスクがあるんです。
麺類なら2つ3つ、定食でも2つ3つ候補がありますが、
言われてみると肉豆腐定食が続いたりしています。

プロの将棋では妙手、好手、指されてみればなるほど、
といった表現の手がありますが、
棋士として嬉しいのは指されてみればなるほどなのでしょうか。
そうですねえ。自分の指し手が評価されると嬉しいかということですよね。
まあ我々プロは結構ぱっと見てこうやるだろうという直感力が優れていて、
そんなに外れることはないんですよ。
ぱっと見える手じゃなくて、よくよく考えたらその手がいい手なんだ、
という読みの入った手、第一感じゃない手が良い手です。
逆説的ですけどぱっと見で浮かばない手が良い手ですね。
そういう手は中盤の終わりから終盤に多いんですよ。
局面がごちゃごちゃとしてきて、やっぱり羽生さんとかそういう手が多いんですよね。
第1局の△5三金寄みたいな玉から金が離れていく手とかね。
相手の行方さんもあの手が意表を突かれたって言ってましたね。
ある程度駒がぶつかった先にでてくるそういう手ですね。

攻めが重い、軽い、細いという表現が、初心者の自分には理解できません。
これはそうですね、どちらかというと実例を交えてやった方がやりやすいかなと。

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軽い攻めはあんまり戦力が集中してない、戦力不足気味。

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褒め言葉で使われる軽快な攻めというのもあって、
戦力が少ないけど手にしちゃうみたいな。
いずれにしても攻め駒はそんなに多くない事を言います。

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重い攻めは駒が重複することです。

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これは角の通りが悪くて重い形です。

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持ち駒の銀を3五にごつん打っていくみたいな。
成功する場合は重厚な攻めとか言われます。

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細い攻めは戦力が足りないことを言います。
ただ現代将棋は王様が固くて攻め駒が少ないけれど繋がっている、
というのが良いとされています。

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そして誰もいなくなった。

質問メール
真田先生はニコ生で解説した王座戦の矢倉の将棋を、
数日後に太平五段相手に指していました。その時の心境は?
多分矢倉のわりと行くとこまで行っちゃうやつで、
あの将棋どっちを持っても面白いかなというのがあって、
難解な終盤になるならそれも面白いかなと思って指しました。
僕がもう少しいろんな手の自由が効くかなと思ってたら案外そうでもなくて、
負かされてしまった。
その場でも好きなほうを選べると思ってたんですけど、
やってみたら選択肢が少なくて、
奥が深い変化があるかなと思っていたんですけど。

ティロフォン久保九段から
久保九段「こんにちは」
安食女流「今回は副立会いで」
久保九段「さきほど大盤解説をやってきましたけど、すごく盛況でした。
前夜祭からもすごく大勢の方がこられて、凄く熱い県です」
安食女流「お二人の様子はいかがでしょうか」
久保九段「もう3局目ということもありまして、結構リラックスしている様子です」
安食女流「すごい人数の前夜祭だったんですね」
久保九段「対局者は途中で中座するんですけど、
その後も最後までたくさんの方がいらしてました」
安食女流「地元のファンの方も参加されてたんですか?」
久保九段「遠くから来られる方もいて、今日も九州からこられた方もいました。
将棋ファンの方に写真をずーっと撮っていただいてました」
真田七段「現局面はどうですか」
久保九段「まだ公式戦でも指されている形で解説も大変ですよね。
手の解説はほとんどできなかったです。
どこかで行方さんの工夫が見られるのかなと思います。
私は振り飛車の予想をしてたんですけど外れました」
真田七段「これから先には振り飛車も出るかもしれないですね」
安食女流「振り飛車だったらどの振り飛車が見たいですか」
久保九段「振り飛車だったら何でもいいです。
解説するときもテンションが違ってきます」
安食女流「島根では何かおいしいものは召し上がられましたか」
久保九段「魚はやっぱりおいしいです。
あと、私はいただけなかったですけどお蕎麦も有名です」
真田七段「羽生さんのお盆に載ってるカラフルなのは何ですか」
久保九段「コーヒーを頼んだらクリープがいっぱい来た、
という情報は来ましたけどそれじゃないんですよね」
安食女流「そうですね謎ですね」
真田七段「もし何か正体が分かったら教えてください」

安食女流「ということでうまい棒の謎は解けなかったですけど」

盤上の解説に戻って、
真田七段「もう封じ手時刻をお互い意識して、
指したい手をなるべく相手に見せたくないという駆け引きがありますね。
どこに用意しているのかも分からないようにしたいですね。
目の前の局面まで行っちゃうとここだってばれちゃうので、
少し前の局面で封じ手にしたいんですよね。
ただお互いがそう思っているという。
今の局面は行方さんが角換わりに誘導して羽生さんがそれに乗った局面なんです。
片方が誘導している順に相手が素直に乗ってくる、これが怖いんですよ。
プロの場合は誘導してこれで勝てるとは思わないんですよね。
前例ではない用意の手、これをどこに設定しているのか」

羽生名人は前例通り△5九角。

そして解説中に羽生名人と山村英樹さんの間で何かやりとり。
BS放送の時間の確認やおやつの要望など憶測が飛びました。

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真田七段「ここはちょっと自由度があるかもしれない」※後手番

現地から貴重な情報。謎のうまい棒の正体が今明らかに。

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おやつ盛りすぎじゃないですかね…。庶民派の羽生名人。
真田七段「なかなか見ないですよ」
そして羽生名人にお茶が届きました。先ほどの会話の正体はこれかも。

羽生名人は前例通り△4四銀。用意の新手はどちらが先に出すのか。
休憩中に数手進み、羽生名人が△4七歩と歩を垂らしたところで解説再開。

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真田七段「これは先手の攻めを焦らせた手です。
▲4八銀を打たせないということと、いざとなれば△4八歩成もできて、
先手にどうやって攻めるのか、または△4八歩成を受けるのか、
相手に手を渡して今後の将棋の方向性を聞いた手です」
行方八段は席を立ちました。

アンケートどちらを持ってみたいか
後手:羽生名人31.5%、先手:行方八段26.9%、ニャンとも言えない41.6%。
羽生補正込みでこれなら行方八段がうまく指しているか。
真田七段は行方八段から▲3五歩や▲5八金、▲7二銀といった有力な手があり、
少しよくなりそうなのでここは考えたいとのこと。

安食女流「真田先生はどちらを持ってみたいですか」
真田七段「持ってみたいのは先手なんですけど、
実戦で持つことが多いのは後手なんですよね。
羽生さんの方としてはいかに倒れないか、行方さんの方はいかに良くするか、
という戦いになりつつあります」

封じ手予想アンケート
▲5八金31.9%、▲4六歩30.9%、▲3五歩11.1%、▲7四角成8.9%、その他17.2%。

▲5八金が普通に見える手。▲4六歩は▲5八金よりもいい手かもしれない。
▲3五歩は筋のいい手だけど後手も頑張り甲斐がありそう。
お勧めは▲5八金か▲4六歩で、それ以外の手は悪くなる可能性もある、とのこと。

真田七段「封じ手でわずかながら先手がリードを奪えそうなので、
ここからリードを保って勝ちきるのが行方さんのやりたい展開でしょうね。
羽生さんは勝負術で泥試合に持ち込めるか、
明日は朝から緊迫した展開になると思います」

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圧力団体の皆様。副立会人の豊島七段の姿も。
真田七段「これから棋聖戦で羽生さんと戦うでしょ?
格好の偵察みたいなね、最高の勉強ですよね」
※豊島七段は棋聖戦挑戦者決定戦で佐藤天彦八段を破り、
6月2日から羽生棋聖とのタイトル戦となります。

行方八段は18:34に封じ手の意思表示をして1日目が終わりました。

安食女流「今日1日いかがでしたか」
真田七段「久々に2日制らしいペースの将棋を見られて、
どこで封じ手になるのかという駆け引きがあって、
あまり進みすぎることがないという、従来の2日制の将棋でした。
居飛車党同士で行方さんが主導権握りやすい角換わりに誘導して、
それに羽生さんが素直に応じたことで角換わりになりました。
展開としては面白いんじゃないですか?
1勝1敗で挑戦者が先手で主導権を握っている、
非常に面白い内容になってると思います。
明日は居飛車党の理想、先手が少しリードを奪ってそのまま押し切る、
これを実現できるかどうか。
羽生さんは怪力でわかりやすい展開を阻止して、
羽生さんに底力を出させる、怪しい手を狙ってくる展開とも言えます」

ということで1日目が終わりました。
真田七段と安食女流は相性がいいっぽい気がします。
真田七段は最初は羽生愛を隠していましたが、
時間がたつに連れてどんどん溢れてきたのも面白かったです。
盤上は角換わりということで、先手が少し良さそうな展開ですが、
羽生名人の羽生マジックが出るのか注目です。

明日のニコニコ生放送では9時から、
解説に中村太地六段、聞き手に井道千尋女流初段で大盤解説会が始まります。
羽生名人と2度タイトル戦を経験した中村六段がどんな解説をするのか注目です。

名人戦第2局は挑戦者の行方八段が圧勝!

羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦七番勝負第2局は、
行方八段が羽生名人を破り1勝1敗としました。

ニコニコ生放送では解説に先崎学九段、
聞き手に藤田綾女流初段で大盤解説会が始まりました。

藤田女流「昨日は進まなかったですね」
先崎九段「昨日は無かったも同然ですね。今日1日の対局。
昨日私も携帯で見てて不思議でした。何考えてるのかねえ。歴史的に遅い進行ですね」

羽生名人の封じ手は▲3六飛でした。

meijin2-1
おはようございます。

藤田女流「ここまでの消費時間が羽生名人4時間20分、
行方八段3時間52分となっております」
先崎九段「お互いに使う分にはね、自分だけ使うのはあれだけど。
マラソンで言うと最後のラストスパート勝負を、
お互いが目指してやってるんでしょうね」

角交換後に△2八角と指すと激しい変化になるとのこと。
△2八角って最近話題になりましたな。
行方八段は羽生名人の封じ手を見て席を立ちました。

リレー質問
中村九段から先崎九段へ
参考にしたいので夫婦円満の秘訣を教えてください。
先崎九段「はい?どちらが円満なんでしょうか。
あんま喧嘩しないことでしょうか。それができたら苦労しないねははは。
僕は気が短いんですけど熱しやすく冷めやすいので直ぐ反省するんです」
藤田女流「奥様と囲碁はされるんですか?」
先崎九段「私囲碁はちょこちょこ打つんですけど教えてくれないんです」
藤田女流「コメントで喧嘩をしない方法を教えてくださいと流れました」
先崎九段「それが分かれば苦労しないハハハ。
あまり真面目に考えないことですよね」
藤田女流「どっちから謝りますかとコメントきました」
先崎九段「それはうちの夫婦の場合は僕が謝る。
僕は早いんですよ、すぐに怒って、向こうが怒った時には謝ってる。
だいたいね、喧嘩はつまんないことでしますから、早めに」
終盤にいかないうちに謝るのが秘訣とコメントが流れて、
先崎九段「そうそう寄せ合いにいかないようにね。うまいこというね」

鈴木女流から藤田女流へ
藤田さんは小さい頃から行方八段にあこがれていたと聞いています。
行方八段にあこがれたきっかけや、聞き手の秘訣を教えてください。
藤田女流「子供の頃に指導対局をお願いしたことがありまして、
それであこがれるようになりました。
小さい頃に師匠を頼んだことがありまして、
行方先生20代前半でまだ若いということで、
今の師匠の西村九段を紹介していただいたという経緯があります。
名人挑戦でメールをさせていただいたら、
中継で担当することがあると思うから洗いざらい言っていいよと言われまして、
何を言えばいいのか」
先崎九段「そういうこと言うってことは何か言いたいことがあるんだよね?
藤田さんがそういう振りをするというんだから。どんなねたがあるの?」
藤田女流「言って大丈夫かな。
以前名人戦で弘前対局があって、お仕事ご一緒させて頂いた時に、
部屋が隣だったんです」
先崎九段「隣で(ニコッ」
藤田女流「そんな変な話じゃないですよ。
多分行方先生酔っ払っていらっしゃって、
夜中にドアからかちゃかちゃカード差してる音が聞こえたんです。
酔っ払っていらっしゃらないときから部屋の番号間違えていたので、
怖い出来事がありました。
翌日行方先生お部屋を間違えてましたねって言ったら、覚えてなかったです」
先崎九段「まあそういうことにしておきましょうか」
藤田女流「言って大丈夫でしたかね?」
先崎九段「僕は大丈夫ですよハハハ。
だいたいがちゃがちゃされたら怖いじゃん男でも怖いもん」
藤田女流「戸締りはしっかりしてたので大丈夫です。
あと聞き手のコツは教えて欲しいですということですけど、
先生どういう聞き手がいいですか参考までに」
先崎九段「藤田さんが一番いいです」
コメントで元気さが一番と流れて
先崎九段「とりあえず明るくしておけばね。
これ番組終わった時にやるでしょ?リレー質問って。疲れてる時にやるんだよね。
疲れてる感がありありと感じる時あるよね。
夫婦円満の秘訣とかいかにも疲れてる(笑」

行方八段は△3三金と角交換を避けました。

先崎九段「指したよ指した、穏やかな手なんだ。前に▲5八玉って上がったでしょ?
これが▲6八玉だと△3三金は指しにくいんです。
ここは先手がいろいろ指し方があって困っちゃうなという。
ひねり飛車にすると一度▲5八玉と指してるのに▲4八玉にするので一手損なんだけど、
▲7五歩で銀を追えるのがセールスポイントです。
銀を▲2七銀と上がるのもあります。どうするんでしょうね。
角から歩は気持ちいいじゃないですか、銀を追うことができるから。
とりあえず保留するって考え方もありますよね▲9五歩で。
でも角か銀をどっちか指したいですね、わかんないけど。
大まかに言うと左側でひねり飛車にするか右側で居飛車にするか」

アンケート次の一手
▲9七角36.1%、▲2七銀20.8%、その他43.1%。
先崎九段「みなさんさすが次の一手慣れしてらっしゃる」
藤田女流「解説会だと結構その他が当たるんですよね」
先崎九段「いかに解説者が真面目に考えて無いかがばれるという」

行方八段は別行動で新宿からバスで5時間かけて対局場に行ったらしい。
相手と一緒は嫌ってことなのかな?

初手から解説の最中に羽生名人は▲9七角。

先崎九段「ひねり飛車というのは私や羽生さんが修行時代、
奨励会時代にすごく多くて、
その後何故か指されなくなったんですけどなかなかいい戦法なんですよね。
羽生さんも経験値が高いと思います。
まあ行方さんももちろん指したことがあるんでしょうけどね。
昔は多かったですねひねり飛車という戦法が。
数ある戦法の中でも多い部類だったんですけど」

質問メール
先日村山聖九段がテレビで特集されていました。
亡くなる直前に先崎先生に実戦集の執筆を依頼したことや、
亡くなられたときに寄せた先崎先生の文章も放送されました。
まだ発表されてないものがあれば教えてください。
先崎九段「村山さんねえ。面白い人で。
体が弱くて、でも体力がないかというと不思議で朝まで麻雀ができる、
でも階段が登れないんです。
階段登るって体がしんどい人にはものすごいきついことなんだって思いました。
びっくりするんですよ、すごい元気でいる人が階段登れない。
対局してる時は、体がつらいときとかはよく休んでましたよね。控え室で寝転がって。
3段くらいの簡単な階段が登れないんです。
手すりがあってもしんどいらしいんですけど。
麻雀はすごい元気、当時はバリアフリーなんて言葉なかったんですけど、
その後言われるようになるじゃないですか。
一見元気そうに見える人でも日常のことで辛いことがあるんだと、
自分の中で見えなかったものが一つ見えました」
藤田女流「将棋会館の隣の鳩の森神社で会って、握手してもらったことがあります」
郷田九段が故村山聖九段について語る

先崎先生は電王戦の観戦記で、来年もこの形式でやろうじゃないかといってましたが
谷川会長から出場依頼がきたらでますか。
やれって言われたらやりますよ。
こないだ電王戦見ててさ、
僕は阿久津さんがよくやったと思うけどいろんな意見があるよね。
確かにつまんないんだあれ。勝負だからしょうがないんですけどね。
自分みたいな研究する能力がない人間がやった方が面白いかもしれないね。
私もやっぱプロですから、勝たないと負けちゃいますからね勝負って。
阿久津さんも絶対勝ちたいというより、
勝たなきゃ負けるという論理で子供の頃から生きてるからしょうがないんですけど、
主催者の方とか視聴者とか面白い方がいいじゃない。
自分みたいな研究する能力のない、
気概の無いやつがやった方がいいんじゃないかと思いました。
かなり中盤のところまで予習してたんだね斉藤君もね。
プロが予習しないでやるとぼこぼこになるのは間違いないんですよ。
だから私みたいな予習しそうもない、実際しない棋士に頼んで、
ぼこぼこになるのを皆さんに楽しんでもらうというね。
私コンピュータとか分からないんですよ。
すごく頭いいと思ったら成らずで王手されたら分からないとか。
何百手詰めとか一瞬で読めるのに。
そらコンピュータの方が強いですよ、すごい読むじゃないですか。
魔法ですよ昔からしたら。スマホだって。
コンピュータと戦えるくらい将棋の棋士は強いんだって思ってもらわないと。

ここで行方八段は△4二銀。
先崎九段「これひねり飛車になるとまたしばらく駒組みになります」

先崎先生は王将戦第7局の立会人として郷田王将の誕生に立ち会われました。
同世代の棋士がタイトルを取るところを間近で見るのはどんな気持ちですか。
また、郷田王将の物まねタイムについてちょっぴり教えてください。
物まね?あった?それ。まあ機嫌が良かったんでしょうね。
打ち上げはやったんですけど、僕はその後は用事でいなかったんで。
誕生の瞬間は当たり前だけど嬉しそうでした。
まあでも同じ盟友って言葉あったけど、
我々の世代が頑張ってると嬉しいもんって感じになって。
若い頃は同じ世代が勝つとだいたい不愉快になって、今はそういう年齢になってきて。
すごいですよねタイトル取るなんて。

先崎先生はマンガ3月のライオンの監修、作品のコラムを担当されています。
私はそこで将棋に関心を持ち、どっぷりつかるようになりました。
監修をする上で考えていることや、気をつけてることを教えてください。
行方さんと登場人物の滑川さんのエピソードもあれば是非。
嬉しいねいやいやありがとうございます。
コラムあれね文字が小さいですよね。行方さんと滑川さんか。
実際の棋士をモデルにすることはないと先生は言ってましたけど、
そうは言ってもはっきりとは無いかな。
気をつけてること?何もありません。ヒットしてすごいってそんな感じです。
棋譜は編集者の方を通してこんな将棋が欲しいとかを言われて、
私がアドバイスしています。
すごく大変なこともあるし、ほとんど何もしないこともあるし。
私も本当にすごいって思います。
私マンガあんまり読まないんですけど、すごいなって。

名人戦第1局を見ていたら私も将棋が指したくなり、
近くの店で店員の方にのせられて、高級な将棋盤を買ってきてしまいました。
盤に駒を並べてはにやにやしてる毎日ですが、
格好つけて指そうとすると、盤を傷つけたり隣の駒をはじきとばしたりしてしまいます。
上手に指すコツはありますか。
先崎九段「いい駒と盤なんですよね。まあでもどんどん。
コツって何でしょうね。考えたことはないんだけど」
藤田女流「始めた時は練習されましたか」
先崎九段「ああ子供の頃は授業中にも練習しましたね。
今はパソコンとかゲームとかで将棋指す方が多いから、
実際に手つきが綺麗っていうのは大変なんですね。
昔はリアルな分しかなかったから、手つきと実力って比例したんです。
麻雀なんかもそうだよね、手つきが綺麗だと強い。
今麻雀もネットでできるから、手つきはぎこちないのに強い人っているよね。
本当ネット時代の面白いところだなと思います。
イベントでも指導対局を受ける方で、
実際に人と指すのは初めてという方もいます。
コツねえ。3本の指?」

解説に戻って
先崎九段「序盤でも考える内容があるときと無いときがあって、
この局面はないんです。形が決まってるんです。
これは1日制の対局で、
朝から対局していていいペースで進んでますねっていうくらいで、
でもそれにしてもこの将棋はスローペースですね。早く桂跳ねなさいっていう。
角と角がぶつかってる形っていうのは考えることがいっぱいあるんですよ。
今は向かい合ってなくてひねり飛車で形も決まってるから考えることないんです。
何考えてるんでしょうねえ」

棋力アンケート
入門者16.1%、初心者27.8%、級位者30.4%、有段者14.2%、高段者2.2%、
アマ強豪1.2%、奨励会員・棋士8.0%。
藤田女流「7番が8%は多すぎませんか」

羽生名人は▲7七銀。
先崎九段「これは考えるわけだ、なるほどすぐに桂跳ねないわけだ。
後から銀が出て行くんじゃなくて先に銀を出そうという欲張った珍しい手ですね。
後手の8三にいる銀に対して飛車ではなく銀で圧力をかけようという。
これはまた考えるんですねえ」

質問メール
将棋とは関係のないラジオ番組で、
評論家の宮崎さんが行方さんについて話してました。
大山名人の弟子とか、奥様のこととか、ロックが好きとか絶賛してました。
それを聞いて意外な人脈に驚きましたが、
行方さんについてここで話せることがあったらお願いします。
先崎九段「そんな話せないことはないです。
彼はお酒そんなに強くないんですけど好きなんです。
あまりたいした話はしないですねえ、したことがないです。
将棋の話はあんまりしないですね、全くしないわけじゃないですけど。
棋士は将棋の話まったくしない人もいるし、好きな人もいます。
お酒は全般弱いけど好き。なかなか酔っ払いの典型、模範的な酔っ払いです。
絵に描いたような」
藤田女流「1局目の前夜祭には弘前市長が来られてました。
地元では盛り上がっているそうですね」
先崎九段「僕こないだの王将戦で弘前に行ったんですけど、
市役所に垂れ幕が、けっぱれ行方八段って。王将戦の垂れ幕より大きいハハハ」

先生は将棋マンガの監修、奥様も囲碁マンガの監修をされています。
お互いその事について話されたりしますか。
監修のさいに楽しいこと困ることがあれば教えてください。
まあそんなに仕事の内容について話すわけじゃないけど、
一般的に面白いねとか新しい本でたねとか話します。
少女漫画のカテゴリに入るんでしょうね、単行本もでてて。
なかなか囲碁マンガって感じです。
囲碁はひかるの碁以外がなかなかなかったんですけど。
※先崎九段の奥様は囲碁の棋士で、マンガ星空のカラスの監修をされています。

人間将棋の様子を見て、一度行ってみたいと思っています。
先崎先生も出演されたことがあると伺っていますが、どんな感じだったのでしょうか。
あと、今年人間将棋にいかれる藤田先生は、
部屋の鍵をかけ忘れないようにお願いします。
先崎九段「地方から来る方は希望の駒ができるって噂を聞きました。
やる方はできるだけ全部の駒を動かそうとするのが普通の人間なんだけど、
将棋指しってそういうやつに気を使わない奴もいるから、
駒を動かしてあげようって考えない奴がいるんだね。蹴飛ばしてやりたい。
全部の駒を動かすように2人力をあわせて努力するんですよ。
僕の相手は心得た奴だったんだけど、話しを聞くと全く気を使わない奴もいるみたい。
人間将棋はすごくのんびりとした空気なんですよね。
いろいろちゃちゃ入れたりとか、土手みたいな感じのところで、
お花見しながらお弁当食べたりのんびりしながら、なかなかいいイベントです。
全部動かすって大変なんです。香とか。
でもそれは棋士2人がちゃんとやれば出来るんです。
今週?すぐじゃん。行くんでしょ?とにかく天気だよね。
お花見だけは雨降ったらできないですからね」
藤田女流「今年はタレントのつるのさんも来るということで、
是非ご都合が合う方はお越しください」

将棋のニコ生中継が始まってから、将棋の番組をよく見るようになりました。
序盤の一手から妥協せず最善を追及するプロ棋士にあこがれています。
そこで質問ですが、アマチュアにとっては序盤の乱戦についていけなかったり、
プロの勝ちやすいがアマではできないこともあると思います。
アマで勝ちやすいとか、プロの棋譜で真似しちゃいけないとかあれば教えてください。
確かにあるんです。
将棋って相手に技をかけようとすると、
相手もかけようとしてるから、かけられやすいんです。
長期戦にしたい方は、序盤は相手に技をかけることを考えないようにするといいんです。
騙そうとすると騙されやすいんです。
あと玉を固めて細い攻めを繋ぐってすごい難しいことなんですね。
穴熊はね、細い攻めを繋ぐ技術がないと穴熊に囲っても大変なんですよ。
穴熊って使いこなすのが大変なんですよね。
細い攻めを繋ぐっていうのは将棋のテクニックの中でも難しいことなんで。
お勧めの指し方?
それはでも自分の好きな形をある程度指してみるのがいいと思いますけどね。
とりあえず自分の好きなのを1個何か。
振り飛車の方が入りは楽なんですよね。必ずできるので。
矢倉はやると他の戦型も自動的に出来るようになるんです。
棒銀もいいですよ、破壊力があるから。
でもきちんと受けれるレベルの相手とぶつかったときに壁にぶつかります。
角換わりとか横歩取りはプロの戦法ですよね、難しいんですあれは。

アンケートみなさんは?
居飛車党49.8%、振り飛車党28.6%、オールラウンダー21.5%。

藤田女流「先生は一番最初は?」
先崎九段「最初?覚えてないなあ。藤田さんは?」
藤田女流「私は棒銀でした」
先崎九段「居飛車振り飛車どっちも指せるとねえ楽しみが多いからいいですよね。
本当に棒銀っていうのはねえ、
相手が対策を知らないと簡単に勝てるから偉大な戦法です」

最近将棋を指し始めて、先崎先生のホントに勝てるシリーズの本で勉強しています。
定跡を覚えることは出来たのですが、組んでから中終盤でで負けてしまいます。
中終盤を勉強するにはどうすればいいでしょうか。
将棋は確かにね、序盤より中盤が大事で中盤より終盤が大事です。
将棋で一番大切なことって何だと思います?
相手の玉に詰みがあるときに詰ますことなんです。
確実に詰ませれば終わりなんですけど、それがなかなかできないんです。
一手詰めを詰ます。詰め将棋って難しく考えなくていいんです。
詰みがある局面を詰ます、一手詰めの形をいっぱい覚える。
中盤は玉の周りにいる駒を攻める、だいたい金を攻める、取ると勝てるんです。
銀を取ってもなかなか将棋は勝てないけど金は結構勝てる。
一手詰めを確実に詰ますことができれば、
入門から初心者へものすごいステップアップなんです。
将棋の終わり方が確実に分かるということなんで。
将棋は重要な手と重要でない手があるんですけど、詰ませるのは重要な手なんです。
中盤は難しいですねえ簡単だったら我々プロは食いっぱぐれですか?
難しく考えなくて、相手の陣形を崩して、後は手筋をいっぱい覚えるといいです。
いろんなことを覚えるとすぐには役に立たないけど気がつくと強くなってる、
ということが多いです。

振り駒は白い布を敷いてやります。
駒が布を飛び越えても有効ですが、何で布があるんですか。
ハハハ。あれはテレビ用で、日頃は敷きません。
あれ確かに布敷くのは何でかな?テレビ栄えするからだと思います。
5枚じゃなくて3枚で振ったりもします。でも盤の上が多いですかねえ。
あれ振り駒もややこしいルールがあるんだよね重なった場合とか。
縦に立ったりとか横に立ったりとか。
あれいい駒のが立ちやすいんですよ。
角のところが大きいんですよ。そうすると立ちやすい駒があるんです。
僕の知り合いに回り将棋愛好家ってのがいてさ、連盟に買いに来たんだよ。
どれが立ちやすいかって見て買っていった。
振り方も大事らしい。ちゃんと出すのがプロ。
回り将棋強い奴は本当に強いですよ。
僕は見てたことはあるんだけど、ものすごい勢いで回るんです。
だから回り将棋っていうんだってびっくりした。
あれは売り物になるね。

先ほど棋力のアンケートがありましたが、
自分がどのくらいの棋力があるのか分かりません。
初段を目指してみたいのですが、詰め将棋なら何手詰め、
この定跡、手筋を覚えてる、といった基準があれば教えてください。
初段って昔で言えば免許皆伝なんですよ。
5手から7手詰めを解けて、プロ2枚落ちっていうのが一つの目安です。
昔で言えば町内チャンピオン、狭いエリアで強いっていうのが初段です。
ちょっと将棋指す人がでてきたらちょっと撃退できるのが初段。
でもネットの段級は通常より辛いけど、
ネットの世界は公平ですからしっかりしてますね。

行方八段は40分ほど長考中。
先崎九段「▲7七銀はやっぱり意表を突かれたんだ」

名人戦はタイトル戦の中でも一番持ち時間が長く9時間もあります。
持ち時間の差は将棋の内容にどのくらい影響するのでしょうか。
9時間の自分と4時間の自分で100戦したらレーティングはどのくらいでしょうか。
4時間も9時間も同じじゃないかなあ。
でもそれだとあれだから9時間肯定しないといけないかな。
9時間の方が勝率はいいと思うけど、やってみないと分からないね。
片方が9時間で片方が30分くらいで試すとか。
棋士はいっぱいいるじゃん試せばいいんだよね。
意外と長い方が調子狂うっていうのがあるかもしれない。

先生が考案されたトライルールはすごくいいなと思いました。
しかし玉を詰ます以外で勝つのはよくないとも聞きました。
プロ棋戦で採用するというのは無理ですか。
トライルールっていうのは王様が先手なら5一、
後手なら5九まで入れれば勝ちっていうルールなんですけど、
入玉すると勝負つかないから、しょうがないから得点で勝ちとか決めてるわけですよ。
金も歩も1点で、無理やり勝負つける方便なんですよ。
あと駒取り合うっていうのはあんまり好きじゃないんですよ僕はね。
時間かかるしややこしいじゃないですか。
でも公式戦だとなかなか採用しづらいだろうけど、将棋の宿命でしょうがないんですね。

私は将棋脳ではさっぱりですが、プロの棋譜をならべるのが楽しいです。
プロの方は対局に挑む際に用いる戦型をどう決めるのでしょうか。
羽生さんが相掛かりを選ばれた事情はありますか?想像でもいいので教えてください。
先崎九段「戦型はあらかじめある程度決める場合と、
当日気分で決める場合と2通りあります。
必ず決めてるっていう棋士はあんまりいないと思いますよ。
僕は決めてることと半々くらいかな。その日の気分で決めることもあります。
普段の対局は先手と後手が分からないですから、
今日は振り飛車しようかなーとかそんな感じです」
藤田女流「羽生名人の相掛かりですが」
先崎九段「想像ねえ。羽生さんの気持ち。相掛かり。うーん何でしょうねえ。
相掛かりがしたかったんだよじゃ答えにならないですよね。
まあ矢倉にしたくなかったのかなあ」

一旦休憩に。

藤田女流「それでは再開します。まだ進んでません」
先崎九段「しかし歴史的なスローペースですね。2人で使えば心配ないっていう。
これはマラソンで言えば40キロ過ぎからのスプリント勝負ですね。
そりゃ考える材料はありますよ?でももうちょっと指してくれないとねえ。
見てる方の身にもなってみろってね」
その後解説を進めて
先崎九段「変わりに指してあげたいねえ。
スプリント系の将棋は一般的には若い方が有利なんで、
ベテランはそうならないように普通は指すんです。
将棋って終盤がすごく難しいんだけど、
ゴール前のヨーイドンに自信が無いと早く指すんですけど、羽生さんは自信があると。
将棋の強さとはまた違う、勝負の強さで決まるので、
相手によって使い分けるというのはありますね」

残り30分で緊急アンケート昼休みまでに行方八段は?
指す28.8%、指さない71.2%。
先崎九段「確かに指さなくてもおかしくないんだけど、うーん」
すると行方八段は△2四歩。
先崎九段「なるほどこれは考えただけあるね。考えて△9四歩とかだとちょっとね。
これは△2三金とやって対抗しようという、珍しい形ですよね。
確かにこれは考えただけあって凝った手ですよね。でまた考えるんだ。
考え方としては、先手の玉はあんまり右に行きたくないんだ。
だから難しい手を指しましたね」

質問メール
昨年度はB級1組昇級おめでとうございます。
今期の抱負などをお聞かせください。
いやいやいやいや、将棋は目の前の1番を頑張るしかないんですけど。
A級とB1で自分より先輩って谷川さんしかいないんです。
これは、まあ、大変だわと思います。最初に谷川さんと当たるんですけど。
苦戦です。苦戦の中頑張ります。

森内前竜王名人、郷田王将、羽生名人と羽生世代が猛威を振るっていますが、
お隣の囲碁界では井山四冠より若い世代が台頭しています。
40代が勝つのは特殊だと思いますが同年代の先崎先生はどうお考えですか。
これは長く続く話じゃないです。私の世代が頑張りすぎてるんです。
将棋界がこれから先40代が強いってことはないですね。
正直言えばもうちょっと下が出てくるべきだと思いますよ。
でも順位戦はなってるんだけど、今そういう時期なんですね。
不思議な、不思議だなと思ってます。
囲碁界はちょっと前は全然でなかったりしてましたし、将棋界は今は異常だと思います。
羽生さんがすごいんです。
最近もう達観してきて、将棋は運がいいほうが勝つんだなと思い始めました。
あんまりかんかんに思いつめてやるということは無いですね。
若いときは思いつめていくんですよね。
それやってると体も頭ももたないからね、だんだん気楽に。

タイトル戦の午前中にうつむいて寝てるような光景がありますが、
頭の中はフル回転なんでしょうか。
まあそんなフル回転ということはあんまりないですかね。
うつむいてる時はそんなに考えてないと思います。
盤の前に座ってずっといるというのは意外と大変なんですよ。
正座か胡坐じゃないですか。本来正面を見るためにある姿勢でしょ?
45度みたいな下を向くには本来向いてない。だからちょっとうつむいたりとか。
NHK杯とか早指しのときはそんなに余裕はないですけど、持ち時間が多い時はね。

先崎先生は毎年春に盛大なお花見を開催されていますが、
Twitterでもその写真が公開されていて、非常に楽しそうだなと思いました。
何か裏話があれば教えてください。
先崎九段「まあなんとなく桜が咲くからねえ。
やっぱ日本人は桜を見るとお花見をしたくなるじゃないですか。
日本人だから、先祖代々のDNAだからしょうがないね。日頃こんな座ってやってるから。
今年は棋士も多くて、渡辺さんも藤井さんも来てましたね」
藤田女流「何人くらいいらっしゃったんですか」
先崎九段「30くらいなんじゃないですか?
一応主催は私なんですけど、勝手にみんな集まってやってるんで」

私は棋士のエッセイが好きで、先崎先生のも楽しく読ませていただいてます。
タイトル戦に立会人で参加したときに、
関係者と麻雀にいそしんでたというエピソードがとても面白かったです。
最近あった面白エピソードがあれば教えてください。
ほうほう、麻雀昔はよくやってたんですよね。
大山先生が健在だった頃は、大山先生は対局者なんですけど、
控え室で麻雀やれって言うんですよ。対局者が言うんだからしょうがないよね。
今はあまりそういうことができないんですけど、
みんな本当はやりたがってるんじゃないですか?
対局者は真剣なんですけど、一緒に行く人間は気楽なわけで、
将棋がこういう感じで手が進まないとみんなくっちゃべって、
将棋って駒がぶつかってからじゃないとみんな研究しないんですよね。
棋士と記者とみんなでお茶飲んでなんかいろんなこと言ってるんでしょうねえ。
聞いてるかもしれないからねえあんまり言えないけど。
記者の方はもちろんいろいろあるんですけど、何といっても将棋が進まないと。
立会人ていうのは不思議なもんで、何もないのが一番なわけで、
そこが不思議なわけですね。
解説とかで行くと何かあった方が面白いじゃないですか。
立会人は何もなく平和に平和にがいいので、気持ちの使い分けが妙に面白いです。

昼食アンケート
先崎九段「僕はもう藤田さんにお任せします」
藤田女流「それではコメントから」

おそば36.8%、おすし27.1%、洋食19.0%、中華17.1%。
藤田女流「今日は難しいですね」
先崎九段「これ難しいとかあるの?お昼のアンケートで?」
藤田女流「加藤先生の場合はウナギとその他とかになります」
先崎九段「それでウナギ行くんだ(笑。なるほどね」

昼食アンケートの答えはおそば

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藤田女流「コメントで松永って流れました」

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先崎九段「なんかこの遠近法嫌だね」

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詰め将棋の正解者プレゼントは先崎九段の著書右四間飛車戦法。

そして初手から解説に。
羽生名人の端歩のあたりはお互い微妙な心理戦があったはずだが、
これは指してる人じゃないと分からないらしい。
また、羽生名人の封じ手に対する行方八段の△3三金も気勢を削ぐ指し方で、
現局面は▲6五銀なら突っ張り、▲8八角なら妥協、▲4八玉ならやってこい、
という手とのこと。

どちらを持ってみたいかアンケート
先手:羽生名人38.6%、後手:行方八段15.5%、何とも(ニャンとも)言えない45.9%。
先崎九段「どちらも持ちたくないというのは非常に誠実なお答えです」
羽生名人は▲8八角。

ティロフォン野月七段から
野月七段「もしもしどうも野月です」
藤田女流「野月先生は副立会いで得意の相掛かりになりましたね」
先崎九段「良かったですね」
野月七段「今2番押しました」
藤田女流「後手持ちたいということで」
先崎九段「これでも棋士でも分かれると思うんですよね。
僕はなんていうか少し先手もちたいかなあ。でも後手もってもいいですよっていう。
このまま良い勝負にならないんだよねこういうのは」
野月七段「そうですね」
先崎九段「それにしても進行が遅いですね」
藤田女流「現地はどんな雰囲気ですか」
野月七段「皆さんリラックスしています。あまり検討することもないんで。
駒がぶつかってないので、
指し手の選択肢がたくさんあるのでどれもあるよねで終わります」
先崎九段「序盤すごい考えてたでしょ」
野月七段「羽生さんが3八銀て上がった形で、
相掛かりだけど最新形じゃなくてじっくりやりましょうよと言って、
行方八段もそれに答えた感じだと思います」
先崎九段「解説もやってるんでしょ?大変だよね」
野月七段「対局場から10分くらいのところで解説会をやってまして、
今は森先生が解説会にいて留守番係りを杉本さんとしています」
藤田女流「そちらでの対局は初めてなんですよね」
野月七段「すごい古くて歴史ある建物ですね」
藤田女流「仮説トイレがすごい立派って聞いたんですけど」
先崎九段「そんなこと聞くの?(笑」
野月七段「外から見ても豪華だし、
検分で行方さんとすげーって言いながら確認したんですけれども。
エアコンとかもついてますし、工事現場にあるものとは違います」
藤田女流「対局者の様子はいかがですか」
野月七段「対局者2人ともリラックスしています。
行方八段は単独行動で高山まで来て、僕は大阪から来てばったり会って、
服装もリラックス雰囲気もリラックス、
対局場から昨日帰るときも一緒でしたけどリラックス。
羽生さんは昨日夕食会で羽生さんと私と観戦記者の方の3人で、
将棋と関係ない話で盛り上がってました。
僕と杉本さんで話した感じでは、夕食休憩までに駒がぶつかればいいかなと」
藤田女流「昼食のお写真も拝見したんですけどすごくおいしそうな」
野月七段「昨日の夕食の時に注文していたんですけど、我々はお弁当食べてました。
今ちょうど森先生が向こうから戻ってきました」
先崎九段「向こうから。何か臨場感があるね」
野月七段「飛騨高山すごいところで、温泉もいいし食べ物もいいし、
桜もちょうど満開で街のいたるところに桜があって、
橋のところに大きな桜が垂れてて観光客が写真とってました」
藤田女流「対局室結構鳥の声が聞こえてきますね」
野月七段「そうですね鳥のさえずりが聞こえてきます。
風の音もそのまま聞こえてくるという感じですね」
先崎九段「風流ですね」
野月七段「対局室には電気が通ってないんですよ。古い建物なので。
対局室にホットカーペットが敷いてあって暖を取ってます」
先崎九段「森先生はどちらもちなんでしょうか」
野月七段「どちらかというと行方さんの方が考え甲斐があると」
先崎九段「考え甲斐とはなかなか味わい深いですね」
野月七段「綾ちゃんは?」
藤田女流「私は先手ですね」
先崎九段「先が全く見えないんで何とも言えないですねえ」

解説に戻って
先崎九段「確かに後手の方が考え甲斐があるんですよね。
長期戦になったら良くなりそうだから」

その後手順を検討し、やはりゆっくりすると後手の方が少しずつ良くなるようでした。
先崎九段「森先生なら先手持ちって何となく思ってたんですけど、
森先生が後手っていうことは後手なのかなと私も思えてきました」

ニコ生のおさんじは銀座あけぼののイチゴ大福

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藤田女流「おしゃれな器が出てきたのでどうやって食べればいいのか」
先崎九段「早く食べてよ真似しようとしてるんだから(笑」

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藤田女流「切れない、どうしよう」

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羽生名人のおやつはいちご?

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結局手で食べる。

おやつ休憩中に羽生名人は玉を4筋に寄るのではなく8筋の歩を突き、
隙とみた行方八段が△7二飛から△7四歩と仕掛けて開戦しました。
激しい順として並べた解説通りに進みそうになり、
先崎九段「いきなり大決戦になるもんですね。
▲4八玉と指せば穏やかだったんですけど、しょうがないなこれはしかし」

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視聴者からイラストの投稿

質問メール
以前ニコ生で解説していた田丸九段が、
先崎九段にアマ初段から三段になるまでにどれくらいかかったかを聞いたら、
2、3時間と答えたと話していました。
天才とはそういうものかと思いましたが、2、3時間で何をしたのですか。
そんなこと言ったんですかね。言ってないと思うんだけどなあ。
まあ言ったとして、そういう風に脅かしてみたんだなハハハハハ。
プロはまあそういう時期があるんですね。急に伸びるのが。
あのーすいません。そんなこと言ったとしたらまあ冗談です。
※先崎九段は子供の頃に大人の大会に参加して、
少年ジャンプを読みながら指して優勝してしまった、なんてエピソードもあります。
故米長永世棋聖の内弟子になったのが小学校4年生のときなので、
当然それより前にそんなことをしちゃったという天才でした。
そんな人にアマ初段から三段になるまでに2、3時間とか言われたら、
信じちゃうかもしれないですね。

現在6級ですが、2年近く停滞しています。
石田流を指していますが、別の戦法の方がいいでしょうか。
また、後手の場合何を指せばいいでしょうか。
石田流を封印されることは別に無いんじゃないかなと思います。
まあ何とも言えないですけどねえ、終盤の詰め将棋とか、3手くらいの詰め将棋。
どの戦法がいいとか悪いとかは無いんですよね、合ってる合ってないはあるんですけど。
石田流でどんどん腕を磨かれても、他の戦法やってみたいんだったら他をやって。
後手番だと石田流ができないからどうしましょうねえ。
序盤は気軽に好きな形を組んでどんどん攻めていくという感じで。
将棋を堅く考えると上達しにくいことが多いですね。
やわらかく考えるといいと思います。

将棋連盟のサイトで写真家弦巻勝さんとのコラボが連載されています。
子供時代の米長先生や先崎先生、林葉女流など、たくさんの写真がありますが、
被写体になったご感想や子供時代のことなどを教えてください。
先崎九段「見ました見ました懐かしかった。覚えてないですからね。
恥ずかしいですよね自分の子供時代の写真て。
3年間内弟子でした。3年で10局近くですかね。
教えるというか向こうが不安なんですよ、強くなってないんじゃないかと」
藤田女流「昔は内弟子が多かったんですか」
先崎九段「僕の頃はあまりなかったんですけど、
もうちょっと前ですよね内弟子が多かったのは。
それより前だと戦後はみんなで生きていかないといけないから、
それがちょっと違ったんですよね」
藤田女流「コメントで米長先生の勝負ネクタイがあると聞いたと」
先崎九段「勝負ネクタイいい言葉だね。そういうのは考えたこと無かったですけど。
最近見られた方は内弟子ってなんだろうって思いますね」

羽生名人は▲6五銀。
先崎九段「ひゃーこれ激しいねえ」
行方八段は即座に△6四歩。
先崎九段「自信があるのか?」

先崎九段「記録係りはもちろん勉強のためってことで記録録ってるんですけど、
記録係りが一番こうなれば早く終わるなとか考えてるものなんですよ。
これが記録の効能でね、どうなれば早い流れになるかが分かるようになるんです。
将棋ってリズムがあるから、
1回堰が切れちゃうと止まらなくなっちゃう時があるんですね。
なので序盤がゆっくりだから終局まで長いってことではないんですね」

羽生名人を描いてくださいというリクエストに答える藤田画伯。

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藤田女流「あ、でも人っぽくなりました一応」
先崎九段「大丈夫?家族じゃないから止めはしないけど」

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藤田女流「手がどっかから出てきちゃいました」
先崎九段「なかなか意外な展開でどうこの場をしていいかどうか」

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先崎九段「サイン?度胸あるよね」

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見せているとこのタイミングでティロフォン金井五段から。
金井五段「もしもーし見てますよ」
藤田女流「これ誰かわかります?」
金井五段「その絵が芸術的すぎてどんな人なのかわかんないです」
藤田女流「何か適当です」
先崎九段「これはだって適当に言うしかないよ(笑」
金井五段「午前中からやってるんですけど、
100人にも届こうかというくらいいらっしゃいました。
午後には140人くらいの方が入場してくれています」
藤田女流「金井先生目当てに」
金井五段「それは難しいんですけど名人戦なので。
昨日街並みなども散歩させていただいて、楽しく過ごさせていただいてます。
本当に素晴らしい場所ですね」
先崎九段「結構スローペースで進んでましたけど」
金井五段「同じ局面で1時間くらいしゃべるみたいな。
副立会人の先生方の力を借りて頑張ってます。
途中までは羽生さんのほうが方針が分かりやすいかなと思ったんですけど、
行方さんの△7二飛を見て行方さんがいけるのかなと思いました。
先崎先生はどうですか」
先崎九段「羽生さんが誘った感じなんだけど玉が薄いからねえ。
どうですかどっちが勝つんですか」
金井五段「終盤の最後の方に行方さんの2三の金が威力を発揮するのではないかなと。
今になって後手を持ってみてもいいかなと思ってます」
先崎九段「微妙なニュアンスで」
金井五段「歯切れが悪くてすいません。
終局まで皆さんと一緒に見守っていきたいと思います。
わかんないことがあったら突然聞くかもしれませんのでよろしくお願いします」

先崎九段「元気がいいね」
藤田女流「2三の金が威力を発揮するって」
先崎九段「預言者みたいだね」

羽生名人は▲7三歩。
後手が今チャンスで、△同飛▲6四銀に△7六歩で勝てれば話が早い、
荒っぽい捌きだが、玉の陣形差を生かした展開になるとのこと。

休憩中に△同飛▲6四銀まで進みました。

先崎九段「当然△7六歩を考えてるんだと思います。
△7六歩は見えたら我慢するのが相当大変です」

行方八段は少し変えて△8七歩。

先崎九段「またややこしい手を指しましたね。何て言うか…。
何でややこしいと言ったかというと、取る手と逃げる手があるからなんですよ。
飛車取りを逃げるなら打たない方がいいと思うんですけどねえ。
形決めた感じはあまりよろしくないんですよ。
例えば飛車回ったり▲4八玉と逃げたり。
歩を打つのはなかなか得しないと思うんですけどねえ。
行方さんが叩いたんだから何か目算があるんですけど、不思議ですねえ。
取っても角を逃げてもどっちも得をしないと思うんですけどねえ。
△9三飛?それから△6三歩が間に合えば銀が取れるけど、
それを許してくれるとも思えないし、
こういう手を打つ棋士は何か狙い筋があるはずなんだけどなあ。
わかんないです!悪手を咎める時は逃げる方が強い手なんですよねえ」

羽生名人は▲同金。行方八段は即座に△9三飛。

何もなければ▲7六歩、でも何か良い手がありそうというところで、
羽生名人も長考に入りました。
良い手がありそうっていうプロの感覚は不思議ですね。
その嗅覚はどこから来るのか。

アンケート次の一手
▲7六歩19.2%、▲4八玉34.8%、▲5六飛12.4%、その他33.6%。
先崎九段「▲4八玉は相当やりたい。でも現実に銀が死ぬから対策を用意しないと。
▲7五銀じゃいくらなんでも丸損だからねえ」
藤田女流「糸谷竜王は▲4八玉なら先手持ちと解説しているそうです」

質問メール
将棋祭りの指導将棋で奨励会三段の方と指させていただきましたが、
そのときついうっかり2歩になってしまいました。
その時パニックで待ったをしてしまいました。
指導対局のときはどうすればいいでしょうか。
いやいやいやいや、別にいいんじゃないでしょうか。
そんなことは御気になさらず、大丈夫です。
大会とかそういうところだとあれですけど、指導対局ですから。

先崎先生が以前同世代の棋士を、森内はターミネーター、
丸山はエイリアンなどと評していたのがとても面白かったです。
行方八段の棋風も評してください。
そんなことまったく覚えてないんですけど。
行方さんは何だろうねえ、積極的だけど粘り強い不思議な将棋。
まあ王道をいく将棋ですね。

先崎先生は世界初の将棋ボクシングをおこなった第一人者です。
将棋ボクシングの時、ボクシングの最中に将棋のことを考えていたのでしょうか。
今度友だちとやろうとしてるので是非教えてください。
よくわかんないですけどなさらない方がいいんじゃないでしょうか(笑。
うっかり引き受けてしまってやらざるを得ない羽目になってやったんですけど。
考えませんよ目の前で人が殴ってくるのに将棋のことなんて。
いくらテレビの番組的なことがあるとはいえ、
殴ってくる人の前で考えませんよ人間は。真面目に答えるとなさらない方がいい。
チェスボクシングっていうのがヨーロッパであって、
頭脳と体力で勝負を決めようって。
チェスは引き分けが多いんで決着をつけようということなんです。
もうあんな無謀な企画は引き受けません。
テレビの企画とはいえ元世界チャンピオンの井岡さん相手に9ラウンド。
ずいぶん体力あるなあと驚きました。

1歳7ヶ月の息子と楽しませていただいています。
私は将棋に興味を持って3年程度で、夫に将棋が面白いと話したときに、
実家に盤と駒があってよく指したよと聞いておどろきました。
息子も将棋番組が好きなようで、オープニングが始まると「あった」と話します。
将棋連盟モバイルのCMでの、藤田女流の王手がお気に入りなようで大爆笑しています。
頑張ってください応援しています。
藤田女流「1歳7ヶ月ですごいですね」
先崎九段「天才かもしれない」
藤田女流「オープニングが流れるとわかるんですね。
家族で楽しんでいただければと思います。ありがとうございます」

この後休憩になってCMが流れました。
ティロティロでひっぱって来るぞ来るぞとやってからの王手がいいのかな?

羽生名人は▲5六飛に行方八段は△5四歩。

先崎九段「これはリスクが高い手なんですけど勝ちっていう手なんです。
▲5六飛に△5四歩は味が良すぎる。
急に良くなってびっくりしてるんじゃないかな」
玉と飛車が縦に並んでいるところに歩が伸びてきて、
9三にいる飛車の横利きが強くなる価値の高い手ということらしい。
戻って△8七歩に▲同金が手拍子だったかとのこと。

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確かに困ってそうな様子の羽生名人。

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夕食休憩あけの羽生名人の次の一手正解者にプレゼント。

次の一手の正解は▲7六歩。正解率3%前後とのこと。

アンケートどちらを持って指してみたいですか?
先手:羽生名人27.1%、後手:行方八段34.2%、何とも(ニャンとも)言えない38.8%。
先崎九段「羽生さんの信用がすごいですね」

解説では後手が攻める順を検討しましたが、
なかなか上手く攻め潰す順もなく、
行方八段が優勢ながらも長い戦いになりそうとのことでした。
検討を深く進めると難しくて驚きましたとのこと。

先崎九段「ここで行方さんが考えるようだと難しい。
ある程度手を決めて前に出たはずだから」
行方八段は△6三歩。
大盤で▲7二銀から攻め合ってみたら後手玉が頓死してしまいました。
言うほど後手優勢じゃなかったか。
先崎九段「実に意外ですね、
△5一金▲6三銀成りに次の手で後手勝てると思うんですけど、それが無い」
控え室で検討されている▲7五銀には、
先崎九段「▲7五銀はまあ角損に目を瞑れば???角損意外は問題ないけど。
駒得ってどれくらい得なのかが難しいんですよね。
ただどちらがいいかと言われれば後手がいいんですよ少し。
でもこんなもんなのかな?」

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先崎九段「パターンで覚えておけばいいんだよな。詰まない?これが?」
と検討していると羽生名人は▲7二銀。
△6四歩▲6一銀不成りと進み、
先崎九段がこれは私が言った順で終局するでしょうと言った瞬間、
行方八段は△8七銀と違う手を指しました。見事なフラグ回収。

行方八段が勝勢との局面で、羽生名人は席を立ちました。
その後私なら投げるかもなんて話していたら、羽生名人は▲8九金と糞粘り。
先崎九段「投げるなんて言って失礼しました。私が悪かったです甘い事を言って。
投げるかなんて言ってる私は人間が甘いね…」
先崎九段が一足お先に反省会モードへ。

羽生名人は再度退席。投了の心の準備か新鮮な空気を吸って糞粘りモードか。
行方八段は△7七飛成り。勝利への最短ロードと先崎九段。

ここでティロフォン森九段から
藤田女流「森先生お疲れ様です。だいぶ局面の様子が佳境ですけど」
森九段「終局間際って感じになってたんだけど、羽生さんの粘りの金打ちでね」
先崎九段「粘らないで投げるって言った私は人間が甘いんでしょうか」
森九段「甘いねえふふふ。
7三飛車のあたりで4四角のほうがよかったんじゃないかな」
先崎九段「そっちのほうが粘る気がうせるのではないか、
と言っていた私は甘いのでしょうか」
森九段「それは甘くないね」
ここで羽生名人は▲6二成銀。
森九段「ここで△7六銀成りが本線で、でも結論がでてないんですよ。
変な雰囲気になってきたね」
先崎九段「ここで▲4八玉ですか」
森九段「強いねふふふ」
立会人の森九段が電話するくらいなのでまだ粘る雰囲気なのかもしれない。

といったところで行方八段は△7六角。
先崎九段「これがなるほど正解です。分かっていても受かりません。
羽生さんも何かあると思ったはずですけど、
こんないい手があったか、あーあって感じだと思いますね」
そして数手進んだところで羽生名人の投了となりました。

先崎九段
途中からは差がついちゃって。▲5六飛車がよくなかったんでしょうね。
後はもう次から次へと手筋が決まって行方八段の快勝でした。

ということで行方八段が勝ち、対戦成績を1勝1敗としました。
羽生名人は去年の名人戦で、
森内名人を相手に第1、第3、第4局を相掛かりで勝っていたので、
正直相掛かりになったときに羽生名人が勝つのかなと思ったのですが、
2日間相掛かりの力戦を指して羽生名人を先に転ばせて快勝、
しかも1局目に名人戦史上最短手数で負けて、嫌な流れからですから、
行方八段がすごく強かったです。
第1局で解説していた森下九段は、
行方八段は序盤から策を凝らすというよりも、中盤過ぎから本領を発揮するタイプ、
と述べていましたが、相掛かりの力戦型でしかも後手番、
序盤から無理しないでいいよね、
ということで本領を発揮しやすい展開になったのかもしれません。結果論かな?

名人戦第3局は5月7日と8日。
ニコニコ生放送では9時から、解説に真田圭一七段、
聞き手に安食総子女流初段で大盤解説会が放送されます。
1勝1敗で迎えた第3局、挑戦者の先手番行方八段はどんな戦型で挑むのか注目です。
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